「ここは…神殿か?」
巨大な石造りの柱と強固な屋根、背後には文字の大半がかすれた石碑がある。神殿に隣接して巨大な樹木があるが、テリーがかつていた樹上の国と比べれば赤子にも等しいものだ。
周りを見渡せば360°海が目に入ってくる。どうやらここは小さい島にある小高い丘の上らしい。南中する少し前の太陽が差し込んで少しまぶしさを感じる。ともかくこの世界の人か魔物と接触を試みたいため、こんな丘にいても仕方がない。神殿の出口から軽く整備された道があるのでテリーは道なりに進んでみることにする。
道なりに暫くあるくと少し急な坂があった。これを上手く立ったまま滑り降りて進むと少し平らな土地に出た。しかし進もうにも坂を歩いて登るには無理があるし、飛び降りるには高すぎる高台に思える。
「テリー様、ここに梯子が」
シルバーデビルの指す方を見ると赤い梯子が掛けてある。触ってみると少しひんやりと冷たい。恐らく金属製であることがうかがえる。
「文明人がここを訪れたみたいだね。この世界はアタリみたいだ」
仲間の魔物に語りかけても仕方ないのだが、静かに気持ちが昂るのを抑えずにはいられない。梯子を下りて、また高台で、もう一度梯子を下りる。やっと地に足がついたようだ。
一応先ほどからスライムがいるのは見えているのだが、近くに来て初めてその違和感に気付く。この世界のスライムは少しサイズが多きい。テリーのいた世界のスライムは頭に乗せられるくらいだったが、この世界のスライムはむしろ人間を乗せられるくらいだ。たったそれだけの発見だがテリーの心を躍らせるには十分だった。
だがそれだけではなかった。次の瞬間、スライム達が何かから逃げるように一気にの前を通り、川の向こう側へと向かっていく。スライムが向かう方の逆から大きな足音と揺れが伝わってくるのを見るに強大な魔物から逃げているのだろう。
「シルバーデビル。もしかしたら君は死ぬかもしれない」
「テリー様がお望みならそれもまた」
「冗談だ。なるべく頑張ってくれよ」
足音と揺れの主のもとへ向かう。走る内に巨大な焚火の後と朽ち果てて打ち捨てられた巨大な棍棒が目に入ってくる。
「ギガンテスかな?」
心当たりが一つ。青い一つ目巨人の魔物、ギガンテス。焚火をできるほどの知能もあるし、大きさも妥当と思える。朽ち果てた棍棒の形状もギガンテスが好んで使うものに良く似ている。
「テリー様、ドンピシャのようです」
少し離れた所からギガンテスがこちらを見つめているのがわかる。敵だと認識されたようだ。
「さあシルバーデビル。肩慣らしに蹴散らしてやれ」
「仰せのままに」
彼の後背にいた魔物が前へと出てギガンテスと対峙する。両者が向き合い、一瞬にも永遠にも感じられる短い時間が過ぎ、ギガンテスがしびれを切らして右手の棍棒を振り上げる。
「いろいろやってみるんだ」
その様子を見たテリーがシルバーデビルに指示を飛ばす。シルバーデビルもその指示に従い呪文の詠唱を始める。それは邪配合によって、高名な魔法使いをして習得が困難という魔法すら使いこなす。その高い知能も相まって下級呪文の詠唱など一瞬で終わってしまう。
「マヌーサ!」
詠唱したのは幻惑の呪文。野生のギガンテスならば大した呪文も剣技も持たないと踏んでのことだ。
「喰いますか?」
視界を奪われ、闇雲に棍棒を振り回すギガンテスをよそにシルバーデビルがこちらに話しかけてくる。邪配合の材料にするかの相談のようだ。
「死なない程度に弱らせてくれ、肉を用意しておく」
「仰せのままに」
肉を用意しておく。つまり仲間にするつもりということだ。相手に力の差を認めさせ屈服させる。そうやって野生の魔物を仲間にしていくのがテリーの知るやり方だ。肉は主に和解の証として差し出すものだ。
肩から下げている鞄から骨付き肉を取り出している内にもシルバーデビルがギガンテスへと攻撃を加えている。火炎を呼び寄せる呪文のベギラマ、爆発を引き起こす呪文のイオラと連続で攻撃を加えていく。相手は上級の巨人、手加減すればシルバーデビルがやられる所だ。迂闊に近づくこともできず距離を取り呪文で攻撃せざるを得ない。
ギガンテスはAランク、シルバーデビルはDランクに分類される魔物だから(もっともこの世界のシルバーデビルはBランクに分類されるが)シルバーデビルは格上相手に挑んでいるということになるのだが、それを感じさせない戦いぶりを見せている。しかしそれはこのシルバーデビルがバズズの模倣体の素体となる予定だった個体のため本来よりも邪配合で強化され、その潜在能力はSランクにも匹敵する。
瞬く間にギガンテスは膝から崩れ落ち、その力の差に屈した。空かさずテリーが駆け寄り目の前に肉を差し出す。
「僕に付いて来るがいい。本当の力がそこにある」
直後にギガンテスが肉を喰らい、立ち上がる。己を負けを認め、テリーに従うことを決めたようだ。
「そうだ。それでいい」
この世界でできた最初の仲間に心を躍らせ、再び歩みを進め始める。
更に道なりに進んでいくと坂があり、それを下れば砂浜に出た。少し先には木製の簡素な桟橋と金属質の小型の船、そして崖にめり込む形で"GPit"と大きな文字で装飾された建物の入り口がある。どう考えても真新しい人工建造物のそれの中にはきっと人がいるはずだ。
「シルバーデビルとギガンテスはここで待っていてくれ」
今まで訪れた異世界の場合
中は松明とは異なる照明によって照らされ明るく、目の前にはフキダシの中に"?"と書いてある看板が立てかけられたカウンターがある。カウンターの向かい側にはスーツをキッチリと着こなした若い男がいる。恐らくこの施設の職員だろう。左右どちらに行っても奥へと通路が通じているようで、廊下にはカウンターの男のように正装の女と、冒険者らしく丈夫そうで動きやすい服装をした男がいる。テリーは一先ず職員と思しき男に話しかけることにする。
「すまない、ここはどんな施設なんだ?」
「こちらは
この世界にもマスターは存在するようだ。
「僕は遠い国から来たんだ。この辺りについては明るくなくてね、アロマGPについて教えてくれないかい?」
適当に話を合わせてこの世界の情報を集める。マスターが多く参加する大会ならば強力な魔物との出会いもあると予測できる。
「アロマGPは現バトルGP協会会長のアロマ様が主催しているマスターの大会です。2つの条件を満たしたマスターのみが挑戦を許可されています」
「条件?」
つまりは星降りの大会優勝者と配合士のエキシビションマッチのようなものだろう。
「闘技場SSランクでの優勝、そしてお題に沿った魔物を連れてくるスカウトQファイナルの突破です。後者はこの島で開かれています」
「それじゃあ早速行ってみるよ、ありがとう」
「いえ、お待ちを、アロマGPを含め協会主催の大会に出るには協会に登録する必要があります」
大きな組織がバックにいる以上煩雑な手続きが必要らしい。
「扉を出てすぐに桟橋があります。水上バイクに乗ってアルカポリス島にある教会本部で登録を行ってください」
「ありがとう。これを」
鞄から100ゴールド金貨を取り出してカウンターに置く。未踏の異世界名だけに同じ貨幣が使えるとは思っていないが、金貨ならば金としての価値がある。チップとして渡すには十分だろう。
「いえ、規則でチップは受け取れないことになっています」
協会の管理体制はかなり厳しいようだ。
「そうか、すまなかった。用があればまた来るよ」
そう言ってテリーはGPitを後にした。
「水上バイクっていうのはこれのことか?」
桟橋に浮かんでいるのは寂れた漁村にあるような小型の漁船よりも小さく、人ひとり乗せるのがやっとに見える金属質のボートだ。桟橋にある看板には"水上バイクは自動操縦で目的地に向かいます"と書いてある。
全くもって未知の領域だが、それはテリーが初めて異世界に来たときだって同じだ。恐れずに前に進む。それこそが未知への冒険の醍醐味なのだから。
「シルバーデビルは僕が島に着いたらギガンテスとルーラで追いかけてくれ」
「仰せのままに」
指示を伝え終わるとテリーは水上バイクに跨りハンドル状の手すりを握り、そこにある"START"と書かれたスイッチを押す。
モーターが回り始め、ガタガタと機械的な音がする。数秒間徐々に加速したのちガコンと大きな音と振動を感じた直後急加速。テリーは慣性の法則の為に大きく海老反りすることになった。
「うわあ!」
数秒後には並の人間では桟橋からそれが誰であるか認識できない距離に至ることになったが、シルバーデビルはその高い視覚能力とテリーの持つ邪の波動を感じる能力を使い、未だ見失ってはいなかった。アルカポリス島と思しき島も見えている。そこにテリーがたどり着くまで見届け、そして移動呪文のルーラでギガンテスと共に島まで飛んでいく予定だ。
「気持ちが悪い、目が回る。腰が痛い。なんだこれは…」
テリーは慣れない乗り物に乗ったことによって疲弊していた。随分遠い島までものの数分でたどり着けるのはいいがその速度が様々な弊害を生んでいるように思える。
「とにかく、登録を…うっ」
テリーは海に身を乗り出し胃の中身を吐き出した。そこに究極に近づいたマスターとしての威厳の欠片など全くなく。初めて旅の扉に入って酔った日の彼の姿と重ねることができる。
「テリー様、まんげつ草ならありますが」
「いや、いい。さっさと登録を済ませよう」
この島の桟橋は港の一角にあり、先ほどの島(ノビス島というらしい)と違い石造りだ。煉瓦造りの建物の横には木箱、壺、ロープ、錨といったものが無造作に置かれた天幕がある。GPitにいた職員と同じ服装の人や、マスターと思しき服装の人、ガタイの良い港の労働者と思しき人など多くの人がいる。
「すまない、協会はどちらだ?」
「そちらの階段を上ってすぐ左です」
「ありがとう」
目の前にある大きな階段を上り終えてすぐ左を見れば一際大きく高い建造物が目に入る。入口は一方向を除き、人工の滝で囲われていて、広場にある噴水や人工の滝も相まって文明的な街の中で自然を感じられる。
広場を通り過ぎ、協会本部の入り口に至る水のトンネルを潜り抜けると金属質のドアが横にスライドして開く。中は非常に狭い部屋が一室だけだ。階段もない。
「どういうことだ?」
訝しげな顔をしながらも部屋に足を踏み入れる。仲間の魔物は外で待機させた。
部屋に入って数秒後に扉が独りでに閉まり、ゴウンと何らかの装置が動いた音がした。直後テリーは一瞬だけ体が重くなるのを感じ、しらばらく経って一瞬体が軽くなるのを感じた。すると扉が開き、広々としたラウンジが目の前に広がる。これが昇降機という乗り物だという事はテリーには知る由もなかった。
「何だこれは…新手の旅の扉か?」
再び乗りなれない乗り物に酔い少し気持ち悪くなってしまったようだ。しかし自分より強いマスターを探す旅をこれしきの事で諦めるわけにはいかない。なんとか床を踏みしめて目の前のカウンターへ向かう。
「こちらバトルGP協会本部です。本日のご用件をどうぞ」
近づくとカウンターにいた職員の女が事務的に対応してくる。
「僕をマスターとして登録してほしい」
「かしこまりました。こちらの用紙に必要事項を記入してください」
差し出された用紙に目を通す。姓、名、性別、年齢などをスラスラと書き入れてから用紙を差し出す。
「では申請が通るまで一週間ほどかかります。それまで研修を…」
「待て、これでも僕は異国の地でマスターをしていた。その国では誰もが名を知るようなマスターだったんだ。だから…!」
「しかしこれが規則です。スカウトリングをお持ちなら話は別ですが…」
「そんなものは持っていない、しかし…!」
一刻も早くアロマGPへの参加を望むテリーとしては一週間の生殺しなど耐えられたものではない。声を荒立て抗議するテリーによって職員や教会に用事のあったマスター達がざわめき始める。
カウンターの職員も困り果て周囲の職員へ目配せをする。アイサインを受け取った職員が入口に警備員が二人ほどいる部屋へと向かっていった。
「とにかく規則に従わなければ協会から追放し、永久にGP参加権を得られなくなりますよ!?」
「しかし…!」
平行線の交渉は一切進まず、同じ所をぐるぐると回っている。しかしある人物がここに訪れることによって状況は大きく変わることになる。
「うるさいわよ、アンタ」
「ゲブ…アロマ会長?」
アロマ会長と呼ばれた16歳程の青髪の少女は旨の前で腕を組みいかにも不機嫌そうな顔をしている。
「アンタはさっきから何が気に入らないの?」
「僕は既に仲間の魔物を連れていて、祖国ではマスターとして名を馳せたんだ。それが一週間も研修だなんて気に入らないだけだ」
会長が目の前だろうと怖いものなしに口答えするテリー。しかしアロマもまた不機嫌になるわけでもなく、テリーに興味を持っているかのような表情へと変わっていく。
「そんだけ大口叩くなら結構な魔物連れてるんでしょ?何連れてんの?」
「殆どは祖国に残してきた。今はシルバーデビルとギガンテスだけだ」
ラウンジ内が今まで以上にどよめく。
(おいギガンテスってまさかノビス島のか?)(どうせ王族の七光りだろ)
(不正だ!不正に決まっている!)(ホラ吹きが…)
「へぇ…アンタの魔物を見せなさい。どこにいるの?」
「外にいる」
「それじゃあ表出なさい」
(まさかバトルか?)(アロマ会長が勝つに決まってる)
(俺はあのいけ好かないマスターに200ゴールド!)(俺はアロマ会長に600ゴールド!)
アロマに言われるがままに外に出て自分の魔物を彼女に見せた。
「このシルバーデビル…相当頑張って育てたのかしら、Sランクモンスター並の潜在能力があるわね」
「よく分かってるじゃないか」
「ギガンテスはノビス島現生の野生種ね、寄り道して捕まえてきたって所かしら」
「ノビス島がどの島かは知らないけど多分そうだね。まあ期待外れだったよ」
「随分大口叩くじゃない、それじゃあそのシルバーデビルを連れて付いてきなさい」
アロマに先に行くように言われ、入口へと入るが扉が閉まらない。アロマが職員を呼びつけ何かを伝えてから入口に入り、壁に貼り付けられているパネルを弄りってからカードを取出し近づける。すると扉が閉まり昇降機が動き出した。先ほど上り下りした時よりも長い時間扉が開かない。少し気まずい空気にテリーが口を開く。
「君は…」
と言った瞬間に体が一瞬軽くなり、扉が開いた。
「ウダウダ言ってないでさっさと行くわよ」
気づけば大分先にアロマが進んでいた。渡り廊下と言うにはあまりに整備されていなくて少し足を踏み外せば真っ逆さまに地上に落ちて大怪我は確実。最悪死ぬような道を平気な顔をして渡っている。
「これって…」
「安心して、透明度の高い硬質ガラスの柵が付いているわ」
見かけ倒しだったようだ。渡り廊下の先には宙に浮いているスタジアムの様な場所があるが、これも恐らく透明素材で下から支えているのだろう。これからここで戦えということだろうか。足が少し震えているのは気のせいだと自分に言い聞かせて足を踏み出していく。
スタジアムには200人は収容できるような客席と二人ほど入れるような席がある。テリーとアロマはスタジアム中央で向き合うように立っている。
「ここで戦えばいいのか?」
「まあ待ってなさい。じきにわかるわ」
しばらく待つと先ほどの昇降機の方向から老若男女様々な人がなだれ込んでくる。誰もが近くの物と顔を見合わせあれやこれやと話している。断片的に"身の程知らず"とか"ビッグマウス"だとか"田舎者"とか"井の中のプチアーノン"だのと言い放題に思える一方"生意気な会長"とか"第二のブレーキ"とか言う声も聞こえる。若くして会長になったのだからある程度反発もあるのだろう。
「出番よ!ファニー!」
とアロマが叫んだ瞬間空から両手に剣を持った人型の魔物が降ってきた。正確にはこれは一匹の魔物ではなく四匹の魔物が集合しているだけだが、その見事な連携によって一匹の魔物のように動いている。
「未知の…魔物…!」
この世界においては比較的一般的に名の知れた上位マスター御用達の魔物だがテリーにとっては全くなじみのない魔物だ。バベルボブルと呼ばれるそれは強力な剣技と呪文、そして高い耐久力を誇るが素早さはやや低い。
対してテリーのシルバーデビルは耐久力にやや難はあるが打撃、呪文、素早さにおいて高い能力を誇る。
テリーは自己戦力を分析すると同時に、バベルボブルの何気ない仕草からその潜在能力を推し量ろうと試みる。剣を持った手を動かす速度、平時の構えの剣の角度、呼吸のリズム。マスターとしての究極の力の一歩手前まで至ったテリーはおおよそだが相手の能力を予測することに成功していた。
一方アロマもまた今まで見たことないほど育成されたシルバーデビルがどのような戦法をとるのかを予測していた。スピードを活かして撹乱してから呪文などで攻めてくるというのが定石だが、前例のない潜在能力を持つそれの戦法を自分の手元の物差しで量れるのか。謎は尽きぬばかりだ。
更に最も謎なのがスカウトリング無しに一体どうやって魔物を従えているのかである。スカウトリングは仲間の魔物から一時的に殺傷能力を取り上げ、その状態で野生の魔物に攻撃させることでその力の差を見せつけ相手を屈服させる道具だ。
伝承の中にはそういった道具をなしに魔物を手なずけた者がいないわけではなかった。第五の冒険譚の主人公に代表される。彼は特殊な出自の為に魔物と心を通わせる能力があったということだ。
もしかすると彼の国ではそう言った才能を持つものだけがマスターになれたのだろうか。だとすれば彼にはマスターとして一握りの者だけが持つ才能があるのではないのだろうか。
(もしかして大口を叩いたのはわたしの方かしら?)
考えれば考えるほど嫌な汗が出てくるのを感じる。もしかして自分はとんでもない相手を目の前にしているのではないだろうか。
「
実況担当の男が大声でアナウンスを行う。声が複数の方向から聞こえることから、声を増幅させる装置を使っていると考えられる。
(会長をぶっとばせー!)(いよ!ダークホース!)
(チャンピオンの再来!)(ホラ吹き!見栄っ張り!)
罵声と期待の声が混じって聞こえてくる。だがテリーはそんなことを気にも留めない。既にテリーには外野など視野の外であり、今彼の世界の中にはアロマ、バベルボブル、シルバーデビル、そして自分しかいない。ただ試合の事だけを考えている。
「俺らの事は眼中に無いって顔をしているぞ!まさしくマスターの鑑!それに対するは我らの会長ゲブズリン!
「本名で呼ぶなって何回言えばわかるの!?」
アロマは通称・自称であり、本名はゲブズリンというらしい。テリーはそれを無意識的に記憶の隅に留めておく。
「それではいざ…試合開始!」
実況者の掛け声と共にゴングが響き渡り戦いの火蓋が切って落とされる。
「「絶対に負けない!」」
一流のマスター同士の意地と意地がぶつかり合う試合が始まった。
・スライム
テリーのいた世界のスライムは熟練すればマダンテすら覚えるのだが、ここのスライムはライデインが関の山。
・ギガンテス
ノビス島に生息する原生種なので潜在能力は決して高くはない。
この魔物とヘルコンドルという鳥獣の魔物以外はノビス島は至って平和である。
テリーにスカウトされた個体の所持スキルは「VSメタル」「攻撃力アップ」
・ファニー(バベルボブル+?)
アロマによって育成されたバベルボブル。
ダウンオールとイオナズンが使うことができ、並ならぬタフさを持つ。
パーティーでは中衛を務め、仲間のフォローに徹することが多い。