IS インフィニット・ストラトス 獣の指揮者   作:ユキアン

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第12話

 

 

side ジェイル

 

 

亡国機業の襲撃から3週間後、オレは所員を引き連れてドイツに赴いている。表向きは第2回モンド・グロッソの観戦と社員旅行となっているが、実際の所は回収したISコアがドイツの物だったので返還と、オレの存在を使った交渉の為に来ている。一応モンド・グロッソの方も多少興味があったのでちょうど良かった。試合開始までまだ時間があるので、それぞれが好きな様に行動を開始する。と言ってもほとんどが街に散策に出かけている。オレもそうだ。シャルは女性所員に連れられてショッピングを楽しんでいる。オレは一応護衛にユウダイとラウを連れている。だが、楽しめる様な雰囲気ではない。

 

「観光客ばかりだな」

 

「当たり前だろう。オリンピックみたいな物だからな」

 

「オレが言いたいのはそこじゃない。警備員が少ないと思わないか。とてもじゃないが気を抜けそうにない」

 

オレに言われて二人が周囲を見渡す。

 

「おかしいな。他の地区はそんな事も無かったのにこの地区だけ警戒態勢が薄いな」

 

「ということはまた狙われているのかな?」

 

ユウダイとラウが懐に手を入れて警戒を始める。オレもISのハイパーセンサーを利用して周囲を警戒するが、特にコレと言った反応は見当たらない。ISのプライベート通信技術を流用した通信機でユウダイとラウにそれを伝え、憶測を立てる。

 

『偶々人数の都合で薄くなっているのか?』

 

『それなら地方から引っ張ってくれば良いだけだろう』

 

『わざと警戒を薄くして犯罪を誘導しているってのは?』

 

『そもそも犯罪を起こさせない様に警戒を厚くすれば良いだろうが。やるとしても裏路地などの元から治安の悪い場所でやるだろう』

 

『現在進行形でオレ以外の誰かが狙われている。もしくは狙う為に監視している』

 

『……それが一番確率的には高いか?だが、狙うとして誰を狙う?』

 

『おそらくはモンド・グロッソ出場選手の家族だろう。その中でも一番確立が高いのはすぐに思いつくはずだ』

 

『『織斑千冬か』』

 

『そうだ。詳しい家族構成は知らないが確か弟が居るという発言がされてたはずだ。周囲にいる日本人を捜せ。こちらで保護する』

 

『態々火種を抱えるのか?』

 

『火種と言うか火のついたダイナマイトで所長は火薬庫なんだけど。誘爆だけは勘弁してよね』

 

『火薬庫の扉が頑丈で鍵が閉まっている事を祈っていろ。別れて捜すぞ。通信はこのままだ』

 

『『了解』』

 

三人で別々の方向に歩く。周囲を警戒しながら日本人の男を捜す。ハイパーセンサーも使いながらしばらく歩いていると、戸惑っている日本語が聞こえてくる。そちらの方に歩いていくと、欧州では珍しくサンクチュアリではそれほどでもない黒髪が見える。背丈から見るとおそらく同年代で地図を持って悩んでいる所を見ると迷子にでもなったのだろう。

 

「どうかしたのか?」

 

オレは日本語でその少年に話しかける。

 

「え?日本語?」

 

「そうだが、何かあったのか?」

 

「良かった。実はホテルまでの道が分からなくなって」

 

「ホテルの名前は覚えているか」

 

「一応メモがある」

 

メモを見せて貰い携帯端末で場所を検索する。ふむ、ドイツで最も有名なホテルか。まあ当たり前だな。

 

「少し遠いな。送ってやるよ」

 

「いや、道さえ教えてもらえれば良いよ」

 

「気にするな。どうせ目的のモンド・グロッソまで時間は余ってるんだ。少し暇つぶしに付き合え」

 

「暇つぶしと言われても」

 

「何、適当に話に付き合ってくれれば良いさ。オレの名はジェイルだ。ファミリーネームの方は嫌いなんでな。名前で呼んでくれ」

 

「あっ、オレは織斑一夏。一夏で良いぜ」

 

やはり織斑千冬の弟だったか。一夏と接触してから視線は感じるが敵意は無い。つまりは監視だったか。

 

「それじゃあ、行くか。逸れない様に気をつけろ」

 

「おう」

 

一夏と適当に話をしながらユウダイとラウにそれとなくホテルに先行してもらい織斑千冬当てに伝言を伝えてもらうよう手配する。これで恩でも売れれば儲け物だと思いながらホテルまでの道を歩いていく。一夏との話の内容はIS関連の事を避けた物ばかりだ。町並みが珍しいやら、飯が合わない、時差ぼけが辛い、そんなたわいもない話ばかりだ。少しだけISの話を振ってみたのだが、全く通じない所を見ると少し違和感を感じる。自国で採用されているISの名前を知らない上に、姉が使用しているISの名前も知らず、それでも応援に来ている。普通の会話にはちゃんと受け答えが出来ていたのにIS関連になると全く会話にならない。少し考えれば分かる国家代表に代表候補生の意味が分からないと答えられた。何かの暗示でもかけられているのかと思ってしまう程だ。

 

「ここだな」

 

「うん、確かにここだ」

 

「ではな、一夏。中々楽しかったよ」

 

「オレもだ。また会えるかな?」

 

「さあな、運が悪ければまた出会う事になるだろう」

 

「なんで運が悪ければ何だよ」

 

「その時になれば分かるさ。一応オレの連絡先を教えておこう。色々と忙しくて出れないかも知れないが、メールの方ならちゃんと返信するから」

 

手帳の1ページに走り書きで電話番号とメールアドレスを書いて手渡す。

 

「モンド・グロッソ中は暇だから何かあれば連絡すると良い」

 

「ありがとうな、ジェイル」

 

「気にするな。お前と一緒にいるのは気楽だからな」

 

実際、同年代で家の事を気にせずに接する事が出来るのは一夏を除けばリリィとシャルしかいない。ユウダイやラウ達、所員とは上司部下の関係だし、それ以外だとパーティーの際に知り合った奴ばかりなので一夏という存在は貴重なのだ。

 

「では、運が悪かったらまた会おう」

 

「運が悪くなくても会えると良いんだけどな」

 

苦笑しながら手を差し出してきた一夏と軽く握手してから離れた所で待機しているユウダイ達の元に向かう。合流次第、オレ達のホテルに戻りこれからの事を話し合う。

 

「首尾の方はどうだ」

 

「ホテルの方にメモを預けておいた。信じたかどうかは明日以降だな」

 

「成る程。こちらの戦力はどうなっている」

 

「簡易ADの方は生産した6機全てを持ち込んである。ただ、コンテナの方はモンド・グロッソ後に輸送する手筈になっているから装備は固定装備のみだ。経戦時間は長くないと考えてくれ。最もISの1機位なら何とか相手取れるはずだ」

 

「シャルちゃんのヴァンも既に修理と強化は済んでいるよ。それから試作の装備も一つだけど持ってきてる」

 

「試作の装備?報告が上がっていないのだが」

 

「最初は僕が遊びで作ってる奴だからね。けどちゃんと報告書は通してあるよ。ちなみにコレが原型」

 

そう言ってラウが取り出したのは玩具の猫だった。スイッチを入れると玩具らしく動くのかと思えば、その場から飛び退いてラウの後ろに隠れる。ラウが喉の部分を撫でると気持ち良さそうな声を出して、尻尾や耳が動く。

 

「かなりリアルだな」

 

「まあ、僕の飼い猫をモチーフにAIを組み込んだからね」

 

その言葉で武装班達が集団でアフリカに行った理由がひらめいた。

 

「まさかアフリカに行ってたのは」

 

「ご想像の通り、2週間ずっと動物に張り付いてたのさ。報告書の方は『改良型BT兵器の開発』って奴」

 

「自立行動する攻撃端末、無人兵器か」

 

「完全に無人って訳では無いんだよ。本体からの大まかな指示を元にモチーフになった動物の思考パターンや予め用意しておいた行動パターンから最適な物を、これも予め優先順位を決めておけるんだけど、とりあえず最適な物を選んで行動するんだ。それからただ動物の形をしているだけだとどうしても攻撃力不足に陥る為に武装も搭載している」

 

空間展開モニターにその試作機らしく物が映し出される。

 

「とりあえずライオンをモチーフにした物だけど、爪と牙にレーザーを纏わせる事が出来て背中にライフルを装着しているだけの物なんだけど、PICとシールドは積んでるからそこら辺の兵器や兵隊よりは強いよ。対IS戦においては、AIの慣熟がまだまだだから牽制位にしかならないけど、最終的には群れを作れば勝てる程度にはしたいね」

 

「こいつはまた金がかかるな。まだ余裕はあるが、このままだと予想以上に、おい何故そこで二人して顔を反らす」

 

急に二人が顔を明後日の方向に向けて汗を流し始める。

 

「何を作っている?怒らないでやるから言え」

 

右腕だけISを展開して二人に銃を突きつけると渋々モニターに新しい設計図を映し出す。それを見ていて、頭が痛くなってきた。

 

「何だコレは?」

 

「え~、経緯といたしましてわ。バカンスの最終日に帰国したメンバーと残っていたメンバーで酒を飲んでいた」

 

「僕らとしては有給を潰してまで動物に張り付きっぱなしの生活がかなりのストレスになっていたみたいでね、かなり張っちゃけていたんだ」

 

「そんな中、オレがコレクションの上映会を始めるとそれに対抗する様にセイヤが似た様なコレクションの上映会を隣でやりはじめたんだ」

 

「内容は二人で対極に位置する様な物でね。ユウダイのは人型機動兵器の戦争物で政争も含まれてる作品で、セイヤのは未知の金属やエネルギーを使ったロボットで正義の為に戦うと言ったものだったよ」

 

「そしてオレとセイヤを中心とした討論会が始まり、殴り合いに発展する一歩手前まで行った。両端に位置する物だから両者ともに退けなくなってな。妥協点を模索していたんだが見つからなかった。だが、その時天啓が降り立った。オレ達の手で妥協出来る物を作れば良いのだと」

 

「そのまま変なテンションに流されるまま、皆で自分のコレクションで使えそうな物やロマンやらを詰め込み、設計図が完成した所でほとんどのメンバーが倒れたんだけど」

 

「セイヤだけが倒れずに機体の型を作ったりと製造を始めてしまってな。一番最初に目覚めた奴の話では既に骨格が完成していた」

 

「とりあえず、セイヤに全ての罪を被せる事と所長には完成するまで内緒にしておこうと話がまとまり現在に至る」

 

「討論会に参加していた奴ら全員半年間給料3割カット」

 

「……やっぱりそうなる?」

 

「既に予備予算どころか本予算にまで食い込んでるだろうが、これでもそれの補填にすらなってないんだぞ。ああ、もう面倒な事を起こしやがって。ココとキャスパーに連絡を入れろ。持ち込んでいる簡易型のADの内2機を売りつける。口止めとか機密とかのせいであんまり吹っかけられそうにないが、やらないよりはマシだ。ユウダイはキャスパーに、ラウはココに話をつけろ。二人ともこの街に居るからすぐに動け。ダッシュ、ダッシュ、ダッシュ!!」

 

ユウダイ達に指示を出しながらどこから予算をひねり出すかを検討する。出来るだけ早急に金が必要だ。予備予算も食いつぶされているのなら保って2年。ADが世界中に極秘裏に普及出来るまで5年はかかる見通しだ。一応EU各国に優先して配備出来る様にしているのでEUだけなら2年とギリギリだ。ADを売りつけようにも信用出来る武器商人は少ない。オレが知っているのは後数人だけだし、買うかどうか聞かれれば買えないのが半数は居る。この案はボツだ。

ならばマルチロック機能とBT兵器の基礎理論。これなら堂々と売れる。競売にでも掛けて出来るだけ値をつり上げれば良いか。後はどうするか。他に売れそうな物と信用出来る販売ルートは無い物か。

確かマクレ社が鉄鋼関係に進出しようとしていたな。ADの装甲やコンテナに使用している合金のデータを売り込むか?オレとリリィの婚約関係から言えば、少なくとも社長が信用しているのは分かる。オレがISを動かせると分かっている上で婚約させたのだからオレを手元においておくよりも利益は十分に出せると言う事だ。今後の事を考えてもマクレ社にある程度の恩を売るつもりで売り込んでみるか。

とりあえずはこれで1年は稼げるか。いや、稼げるだけ稼がなければすぐに無くなってしまう。しかし、何が売れる?需要が分からない以上はどうしようもないな。とりあえずはココとキャスパーに聞いてみるしかないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、ココとキャスパーにオレのホテルの部屋まで来て貰い、交渉を始める。

 

「と言う訳だ。オレ個人としてお前達は信用も信頼も出来るからこそADを売ろうと思っている」

 

「フフ~フ、それで本音は?」

 

ココが何時もの笑顔を浮かべたまま聞き返してくる。

 

「信用も信頼しているのは本当だが金が無い。こんな物を買い取ってくれそうなのが二人しか居ない」

 

「フフーフ、ジェイルでもあの部下を完全に従える事は出来ないか」

 

キャスパーも何時もと変わらない嫌らしい笑顔で返してくる。

 

「それはさておき、性能などから言えば是非とも買いたいとは思うが、転売不可な上に使用時には目撃者を全て消せと言うのがネックだね。それでもコレ位でいいなら買わせてもらうよ」

 

「私の方も同じね。私達の方はコレ位」

 

二人から掲示される金額は目標の7割と言った所だ。これでもかなり譲歩してくれているが、やはり足りない。

 

「正式に発表された際にオレの出来る範囲でそちらに供給するからもう少しどうにかならないか?」

 

「凄い大胆な提案だね。資料にはEU各国を中心に先に配備するみたいだし、僕達が担当している地域に持ち込めば確かに大金が手に入りそうだけど今は却下かな。僕の勘だけど、君は嘘をついてるね。こんな物で本気でISに対抗しようとは思っていないよね」

 

「ちっ、その通りだ。今回二人に売ろうとしてるのは簡易型だ。時間が無かった為に必要最低限の装甲と基礎フレームのみになってる。各国に売りつけるライセンスもコレだけだ。この簡易型に装甲やその他諸々を装着する事でADは完成する。そもそも2週間で生産ラインを作って6機も組み立てた事を褒めて欲しい位だよ」

 

「フフ~フ、ということは当然私達に供給してくれるのは」

 

「サンクチュアリ正式採用型の型落ちを予定していたが、最新型を用意させてもらおう。型落ちの方も余っているなら全てまわそう。これが限界だ」

 

「整備やチューンナップの方もだ。もちろん、代金は払うよ。他にも何かおまけを付けてくれると紐が緩くなるかも知れないなぁ~」

 

「……実家の方に余ってるISの武装。これ以上は出せない」

 

「デュノア社の物か。信頼性ではサンクチュアリ以上だからそれで良いかな。こんな物でどうだい?」

 

再び掲示された額は予定の1.2割増だったが、追加の分の労力を考えると0.4割増と言った所だが、ここはコレでいいだろう。

 

「私の方はマクレ社の方のライフルをお願い。隊の装備を更新しようと思ってる所なのよ」

 

「マクレ社の方は確約出来ない」

 

「婚約者なんでしょ。最近リリアーヌも仕事の場に顔を出す様になってるし、そこから流してもらいなさい」

 

「……隊の分と幾らかの予備、それだけならなんとかする」

 

「それでいいわ。私の方はコレ位ね」

 

ココが再掲示した額は予定の1割増、追加の分の労力を考えると0.5割増か。これでなんとか一息はつける。

 

「OKだ。契約書にサインを」

 

要項を追加した契約書をプリントアウトしてサインをして判子を押し、二人に手渡す。二人も慣れた手つきでサインと判子を押してオレに返してくる。それを確認すると同時に三人で各々の携帯端末を操作する。

 

「入金を確認した。それではこれが簡易型ADだ」

 

オレはトランクの中からA3サイズのタブレットを取り出して二人の前に置く。

 

「「これは?」」

 

「だから待機形態の簡易型ADだ。とりあえず普通の端末と使い方は変わらないから適当に触ってみると良い」

 

そう言うと二人も適当に弄りだす。ココに至ってはいきなりADを展開し始める。

 

「ふむふむ、普通のISよりも更に装甲を削ってるのか。本当に手足と背中の部分しか無いのか。サイズってコレ限定?」

 

「一応ある程度は伸縮する。ヨナは装着出来るだろうが、ウゴは無理だろうな。レームも若干厳しいだろう」

 

「あっ、ちゃんと飛べるんだ」

 

「作りはISと殆ど変わらないからな。固定装備しかないから自分で調達してくれ。ISの物をそのまま流用出来るから」

 

「普通の歩兵用の火器管制は付いてる?」

 

「メジャーな物ならな。マイナーな物やカスタムした物は調整する必要がある」

 

「調整の仕方は?」

 

「端末内のマニュアルに詳しく記載している」

 

その時、オレ携帯端末に連絡が入る。

 

「失礼、ちょっと席を外させてもらう」

 

「どうぞどうぞ。僕達は商品の方を確認させてもらってますから」

 

断わりを入れてからベランダに出てから通信を繋げる。

 

「ユウダイか。何かあったか」

 

『え~、大変残念なお知らせだ。織斑千冬はどうやら信じなかったようだ。護衛が付いた様子も無く、織斑一夏は昨日と同じ様に一人で街に出て行った』

 

頭が痛くなる話だ。まあいきなり『弟が狙われている』なんてメモを渡した所で信じるとは思ってなかったが。それでも一人で出歩くな位は言うと思っていたのだが。

 

「分かった。では、昨日も話した通りこっそりと護衛を行なう。何かあれば即保護して恩を売る。装備の方は大丈夫か」

 

『車と銃は用意した。ただ兵隊が居ないぞ。さすがにオレ一人じゃどうする事も出来ない』

 

「兵隊はココ達に依頼して確保する」

 

『ドイツ軍の方に連絡を入れなくていいのか?』

 

「手柄を取られたいのか。オレはごめんだね」

 

『分かった。とりあえず装備の内容と運び込んだ場所を送る』

 

通信が切れ、データが送られてくる。車はセイヤから借金のカタに押収したモンスターマシンだった。車体は余っていたADのコンテナの装甲を利用し、エンジンは誰かが作った恐ろしく燃費の悪い超高出力エンジン。燃費が悪い代わりに馬力の方は世界最強の戦闘機と名高いF-15と同じとされている。タイヤやブレーキもそれに合わせてISの物が使用され、更にはPICまで搭載した結果、ISを車にしたらこんな感じと言う様な物が仕上がったらしい。一体何処で使うつもりだったのか、聞きたい様な聞きたくない様な。銃の方は一般的な物が各種取り揃えられている。

ベランダから部屋に戻りココ達に事情を話す。

 

「フフ~フ、ジェイルがそんな事を言うなんてね。報酬はどうするの」

 

「オレのポケットマネーから支払う。納得出来るだけの額はある」

 

「良いわ。レームとウゴとアール、それにヨナを貸してあげる」

 

「生憎僕の方はこれから商談があるのでお断りさせてもらいます。まあ、手があけば情報位はまわしますよ」

 

「十分だ。すまないが今すぐにでも出たい。装備や費用は全てこちらで用意している」

 

「こっちから連絡しといてあげるからホテルまで行って頂戴。あっ、そうそう。この簡易AD、あちこち解析しても問題無いわよね?」

 

「秘匿さえしてくれるならな。EU内の上の方には伝わってるが、それ以外には知られたくない。態々、紙媒体で各国に送りつけた位だぞ」

 

「それ位は分かってるわ。それじゃあ、私達はもう少しここに居るから」

 

「鍵はフロントに返しておいてくれよ」

 

部屋から出てユウダイに迎えにくる様に連絡を入れてココが滞在しているホテルに向かう。何事も無く終わってくれれば良いんだけどな。

……無理か。

 

 

side out

 

 

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