【完結】ワレアオバ!?   作:しがみの

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どうもー!恐縮です!Aobaですぅ!


舞風艦長(司令)の過去回(最後)です。


第76話 舞風艦長(司令)の過去 2

「(どうか、どうか彩智だけでもいいから無事で居てくれ!!!)」

 

そう思いながら舞風3佐は艦内を必死に走っていた。走っていると、ドオンと言う音と共に艦内が揺れた。

 

『機関室にしんすーい!』

 

放送が聞こえ、数人の自衛官らが浸水箇所に走っていくが、舞風3佐はその流れに逆らいながら02甲板にある艦橋に走っていた。

 

 

 

舞風3佐が02甲板に着くと、艦橋の出入口は歪んでいて、衛生士数人が扉をこじ開けようとしていた。

 

「あっ、砲雷長!!!手伝ってください!!!」

 

舞風3佐に気づいた1人の衛生士が言った。

 

「言われなくてもやる!!!中には、妻が、彩智が、彩智がいるんだ!!!」

 

舞風艦長は衛生士達と一緒に扉に体当たりをしたり、引っ張ったりした。しかし、扉は1mmたりとも動かなかった。

 

「なんで開かない!?中で何か扉にあたっているのか!?誰か工具を持って来い!!!」

 

「今、工具を持ってきている最中です!!!」

 

そして、1人の衛生士が工具を持って来た。工具箱を開けようとした瞬間、艦橋が爆音に包まれ、扉が吹っ飛んだ。舞風3佐らは工具箱に群がっていたので被害は無かった。

 

 

 

 

 

爆発が収まったので舞風3佐や衛生士達は艦橋らしき場所に入った。

 

「ひどいなこれは・・・。」

 

床には瓦礫が散乱していて、人間らしき物体がいくつか床に倒れていた。

 

「これはひどい・・・・・・・・・。」

 

1人の衛生士が呟いた。

 

舞風3佐はある人物を見つけ、駆け寄って行った。

 

阪桐(さかぎり)航海長!!!」

 

「砲・・・雷・・・長・・・。」

 

阪桐航海長は運が良かったのか爆風で飛ばされただけだった。

 

「彩智、舞風1尉は何処にいる!?なあ、答えてよ!答えてくれよ!!!」

 

阪桐航海長はしばらく黙っていたが、瓦礫しかない場所をゆっくりと指さした。

 

「わかった!!!」

 

舞風3佐は立ち上がり、阪桐航海長の指さした場所に向かった。

 

「砲雷長!!!危険です!」

 

1人の衛生士が舞風3佐の事を抑えた。

 

「離せ!!!あそこには舞風1尉が、彩智がいるんだ!!!」

 

舞風3佐は抑えてきた衛生士を振りほどき、瓦礫を退かし始めた。

 

「生きててくれ!!!死ぬな!!!一緒に帰るんだ!!!」

 

すると、瓦礫の中から意識不明の女性自衛官が見つかった。

 

「彩智!!!彩智!!!何寝てるんだ!!!起きろ!!!」

 

舞風艦長は股から上しか残っていない彩智の身体を揺らした。

 

「死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな死ぬな!!!」

 

舞風3佐は同じ言葉を何度も繰り返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、彩智はゆっくりと目を開けた。

 

「いっちゃん・・・」

 

「彩智!!!」

 

舞風3佐は彩智の手を握った。

 

「もう私はダメみたい・・・。いっちゃん・・・、いや、一郎・・・。雄大(息子)日向子()の事よろしくね・・・。」

 

「彩智、そんな事言うなよ!!!」

 

「でも、もう体が動かないの・・・。」

 

「俺のせいだ。俺が発砲を許可しなかったからこうなったんだ・・・。」

 

「ううん。いっちゃんは悪くないよ・・・。私達の当代は専守防衛なんだから・・・。これから専守防衛は通じなくなる・・・。」

 

「彩智・・・。」

 

「いっちゃん・・・。」

 

「何だ・・・。」

 

「ありがとう。今まで楽しかったよ・・・。私の代わりに・・・、私の代わりにあの化物を倒してね・・・。」

 

「ああ。わかった!!!だから、だから!!!・・・。」

 

舞風3佐が彩智を見た時、彩智は目を閉じていた。

 

直ぐに衛生士の高槻(たかつき)美穂(みほ)1曹が駆け寄って来て脈を確認したが・・・、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高槻1曹は首を横に振った。

 

「おい・・・。おい!!!返事をしろ!!!彩智!!!高槻!!!おい!!!お前も笑ってくれよ!!!彩智と笑ってくれよ!!!いつものドッキリだーって!!!」

 

 

 

 

 

 

高槻1曹は下を向いて黙ったままだった。舞風3佐が抱いている彩智の身体は徐々に冷たくなっていった。

 

「あ、ああ・・・・・・。ああああああ・・・。うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

舞風3佐は冷たくなった彩智の身体を抱きながら抱いた。あの時、砲撃を許可しなかった自分を恨んだ。専守防衛を貫き通してきた自分を恨んだ。恨みまくって恨みまくって自分の顔を自分で殴った。何度も何度も・・・。そして顔だけでなく、自分の身体も自分で殴っ「砲雷長!!!これ以上はやめてください!!!」

 

高槻1曹が舞風3佐の拳を抑えた。

 

「離せ!!!離すんだ!!!」

 

舞風3佐は暴れだした。

 

「やめてください!!!奥さん、いや、舞風1尉の話を聞いていなかったんですか!?」

 

高槻1曹が言った一言で舞風3佐はピタリと暴れるのをやめた。

 

「舞風1尉が言ったことは「舞風砲雷長は悪くない。私の代わりにあの化物を倒して。」ですよね!!!今、砲雷長がやっている事はなんですか!?勝手に自分を責めて殴っているだけですよね!!!自分を責めるのではなく、化物を倒して舞風1尉の分まで生きるですよね!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そして、私は決めた、戦うこととこの身体になる事を。」

 

舞風艦長は駆逐艦舞風の姿の自分を窓ガラスで確認した。

 

「自衛隊の当体は専守防衛だが、戦時中や、深海棲艦との戦いにそれを唱えても、世界は理解してくれない。この時の殉職者は8人。被害が出なければ私達はそれを理解できない。」

 

「・・・。」

 

菊池(みらい)はしばらく黙っていた。

 

「菊池。君の言いたいことは分かる。しかし、クルーを犠牲にはしたくない。分かってくれるか?」

 

「・・・はい。」

 

菊池(みらい)は呟くような声で答えた。

 

「他に何か言いたいことや不満のある者はいるか?」

 

誰も手は挙げなかった。

 

 

「よし。帝国海軍との編入を決定する!!!2日後、トラック諸島に向かう!!!シーホークで先に行く者は明日の会議で決定する!!!」

 

舞風艦長は言った。




舞風艦長(司令)が艦娘になった経緯はまた後で書きます。多分・・・。
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