作者は怖れていた……明日から始まる「AnimeJapan 2016」で第5章の情報が公開されるのは嬉しい……だが、もしかしたら雑魚敵としてベレロポン(ゴースト)とかシーシュポス(ゴースト)が出てきて即退場するかもしれない……致命的矛盾……更新停止な……?
そこで作者は思った……いっそ先手を打って第4章ロンドン編までこの作品が進んだと仮定し、暫定版の最終話を適当にでっち上げれば5章がどうなっても大丈夫なのではないか……?
よし、書こう。書いた。どうぞ。おたのしみください。
「さらば黒幕! 魔術王ソロモン、ロンドンに死す」
(前回までのあらすじ)
トイレに立ったはずの魔術王ソロモンは何故か19世紀ロンドンに迷い込んでいた! ここに公衆トイレはないぞ、どうする魔術王! ……ところで、上空の光帯はソロモンの物らしいよ。すごいね。
ロンドンの地下深くにて、魔術王ソロモンと相対する僕達。その圧倒的な力を前に、心挫けそうなほどの絶望が襲いかかっていた――
「あの光帯を構成する幾億の光の一条一条が、アーサー王の
フハハハハ! ギャハハハハハハ!
哄笑する魔術王。いっそ清々しいまでのインフレっぷりである。
「すごいなーあこがれちゃうなー」
「ぐだ子さん(ちゃん)!?」
「ほう……存外見る目があるな、人類の生き残り……ぐだ子よ。だが、貴様の選ぶべき態度は尊崇ではなく諦念だ。ここですべてを諦め、滅びを待つが最上と知れ。
なぜか魔術王をおだてに行くぐだ子さん。
そして状況に取り残される僕らカルデア組と、舌の滑りが良くなる一方の魔術王。
まさかぐだ子さん、魔術王の圧倒的力に屈して、これまでの特異点の黒幕たちのように彼に恭順を……?
(……って、あれ?)
ぐだ子さんの背中から、二本ほど剣が覗いている。白い剣と、黒い剣が。
(あの剣って、確か……)
どこかで見たことがあるような……いや、思い出してはいけないような……うっ頭が。
魔術王は気づいていないのか、それとも歯牙にもかけていないのか、「人類滅ぶべし! 慈悲はない……否、これが慈悲だ!」的な事を得意気に語っている。
(そうだ、あれはあの自称宇宙から来た
そう思い出した瞬間!
「突然ですが幾億本のエクスカリバーと聞いて! エクスカリバーを複数形で語る者みな滅ぶべし! やぶかぶカリバー!」
「ッ!」
ガキィン!
ぐだ子さんの背中から突如飛び出した
「我が演説を遮るとは……理性すら失ったか蛮族が!」
「無駄口を聞く耳はありません! セイバーはひとり! エクスカリバーもひとつ! いっぱいあるような表現は断固撤回していただく!」
「ならばその双剣は何だァ!」
魔術王に払い飛ばされ、こちらにひらりと舞い戻ってきた謎のヒロインX。
ちょっと良いこと言ってやったぜ的な顔してるけど、君は事態を悪化させただけだぞ!
というかぐだ子さん、いつの間にこの子と契約してたんだろう……?
「クククッ……救えぬ。救いようもない屑どもが。ここには気まぐれで訪れただけだったが、そんなにエクスカリバーが好きというなら……お望み通り、その下らん剣ごと焼きつくしてやろう!」
ゾクリ。
異常な悪寒が背筋を駆け抜ける。眼前の魔術王から、恐ろしいほどの圧力を感じる。
「不味いぞ、戦闘態勢に入る気だ!」
「ドクター! レイシフトは!?」
「すまない、まだ無理だ!」
カルデア側のサポートは期待できない。独力で切り抜けることも出来ない。
正直言って、怖い。かつて騎英の英雄として直面したどんな困難よりも、ずっと。
アレに逆らってはイケナイ。本能が全力で全面降伏を訴える――そのとき。
「「「「下らん剣……だと?」」」」
謎のヒロインXがド低音ボイスで静かにガチギレし……あれ、いまエコーかからなかった?
「下らん剣は下らん剣だ。選定の剣だと? 約束された勝利の剣だと? この私に言わせれば所詮は田舎蛮族の玩具にすぎぬ」
「「「「「「「「「そうですか……」」」」」」」」」
謎のヒロインX……さん? なんかめっちゃエコーかかってません?
「「「「「「「「「「「「では、その玩具の力……お見せしましょう」」」」」」」」」」」」
彼女の後方で空間が歪み、何かが次々と突き出してくる……って、あれ、エクスカリバーじゃないか!?
「なんだその小細工は? そんなものが多少増えた程度で我が力に対抗できると思うのか?」
いまだ余裕を崩さない魔術王。だが、空間から剣先を覗かせるエクスカリバーの数は幾何級数的に増加していき……!
「知っていますか、魔術王。この地球の外の外。
「何……?」
「セイバーの増加。セイバーのとんでもない増加。セイバーがセイバーでなくなるほどの……セイバーの、増加です!!!」
もはや僕達の周囲はエクスカリバーで埋め尽くされている。重なりあって見えないが、その背後にも、そのまた背後にも、きっと――
「エクスカリバー幾億本分と言いましたね、魔術王。しかし――この
謎のヒロインXの背後に広がる空間。それは、真のセイバーのみがアクセスできる世界。全てのセイバーの原典を収め、それゆえ全世界の過去現在未来に派生するあらゆるセイバーを保有する、絶対セイバー特異点である!
運命を知るものよ、セイバーを知るものよ、今こそ刮目するがいい! 世界はセイバーに生まれ、セイバーに還る。原初のFate創世神話が、今再び始まろうとしているのだ……!
「さあ、(illus. 武内崇の)宝物庫の鍵を開けてあげましょう!」
「ぐあああ! なぜ私の千里眼EXはメイドを引き連れた作務衣男性を幻視しているのだ!? 神よ! これは何だ! どうなっている!?」
「……神は言っている! セイバーを増やせと!」
「!?」
「……そして! 非アルトリア顔に神はいない!」
「!?!?!?」
それは、原初の神話に謳われる王の財宝のごとく。
ロンドン地下の大空洞は、尽きる事なくエクスカリバーを顕現させ続ける。
そう。この空間に広がるのは、既に可算の域を超越した、見渡すかぎりの聖剣の結界――
「本来相容れぬ、我ら無限のセイバー……しかしこの一時、貴様の傲慢を誅すべく、一同怒りにまかせて手を携えた!」
「馬鹿な……なぜこんなモノが現界できる!? なぜこんなモノが世界に認められる!?」
「魔術王ソロモン、いえ、グランドキャスター……『人』ではなく、『世界』に対するサーヴァントよ。ならば我らも、『世界』となって貴様を討とう!」
「『世界』だと……!?」
空間の全てが、エクスカリバーに埋め尽くされる。
天にエクスカリバー。
地にエクスカリバー。
エクスカリバーの荒野に墓標めいて林立するのもまた、エクスカリバーであった。
それは、この世界の一角に現出したエクスカリバーの小宇宙――
――すなわち、無限の聖剣<
「おのれ――――おのれ、おのれおのれおのれおのれおのれおのれ……!!!」
「ご覧の通り、貴様が挑むのは無限のエクスカリバー、星光の極地。死力を尽くしてくるがいい――!」
……嗚呼、ソロモンよ、絶対なる力を持つ魔術の王よ。
しかし、この物語はここで終わってしまうだろう。
なぜなら、これは転生したる騎英の英雄ベレロポンの物語。
かつてエウリピデスが紡ぎし舞台の残滓を拾い上げた、
ゆえに、その物語の結末は。
……やはり、かつて同じくエウリピデスが世に知らしめし、御都合主義にして救済の技法『
――さあ、幕を下ろすときが来た。
美しき少女の姿をとった機械仕掛けの神が……謎のヒロインXが、その手の聖剣を掲げる。
無限のエクスカリバーが、無限の剣先をソロモンに向けた。
「いくぞ魔術王――――宝具の火力は充分か」
エクスカリバー大勝利! 希望の未来へレディ・ゴーッ!!(完)
というわけで、暫定最終話という名の爆発オチ(寸止め)、別名:増殖性アンリミテッドアーサーをお送りしました。魔術王が途中から英雄王化していた気もするけれど……
ちなみに、本当に第4章まで行けたら今回の内容へ話が収束する……わけがないですね。要するに。てきとうです、てきとう(下姉様並感)
なお次回更新は(書き上がれば)3/27(日)0:00予定です。イベント風の季節ネタをやろうと思うので、本編は進みません。間話の連続になりますが、連載当初からやりたかったネタなので本編はもう少しお待ち下さい。
◆後日談(ソロモンファンの方はBAD END注意!)
ソロモンをたおした。
ソロ「クハハ……! 無為な勝利に浮かれる愚か者どもが……だが、この私の邪視が貴様を『視た』ぞ……! もはや救えぬ! 復讐鬼が! 二つの塔が貴様を殺すだろう!」
ぐだ「そうか……お前があのイベントの原因だったのか」
ガッ(ソロモンの顎を鷲掴みにする音)
ソロ「……オゴッ!?」
ぐだ「私を見ろ(もっとイベントよこせ)」
ソロ「!!!」
ぐだ「私を見ろ(もっと素材よこせ)」
ソロ「!!!!!」
ぐだ「私を! 見ろ! (新鯖実装が来ないとガチャ回せないんだよガチャアァァァ!)」
ソロ「!!!!!!!」
BAD END
メドゥ「邪視ですか。生首にして盾に括りつけるといいと思いますよ、メドゥーサ的な意味で」
メディ「stay night本編のDEAD ENDでおなじみ士郎生首杖ならぬソロモン生首杖を作りましょう。これでいつでもイベント出来るわね!」
DEAD END