のび太をGGOにぶち込んでみた(作者の活動報告見てね★)   作:暇なのだー!!

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火は投げた。後は炎上するだけだ(投げやり)。


静かなる狙撃者

AGI(アジリティ)万能論なんてものは所詮、単なる幻想なんですよ!』

 

キーの高い男の声が、酒場内に響く。

 

『確かにAGIは重要なステータスです。速射と回避、このふたつの能力が突出していれば充分に強者足り得た。これまではね』

 

AGI万能論は昔の事─、と尚も言葉を続ける男。彼の名前はゼクシード、前回のバレット・オブ・バレッツの優勝者であった。彼の耳に残るような不快な声は、さらに酒場のブーイングを盛り上げた。

 

『…しかしねぇ、ゼクシードさん』

 

つらつらと並べられる御託の数々に、ゼクシードの隣に座していた男─闇風は堪らず口を開く。しかし、それでもゼクシードの口は閉じる事を知らない。

 

大会直前に手に入れた要求STRぎりぎりのレア銃を手に入れたのに対して、疑問を投げかける闇風。それもリアルラック値の差ではないか、と陽気に笑い飛ばした。

 

『…なら、』

 

笑われた闇風が、鋭い眼光と共に疑問を投げかける。

 

『今のSTR─VIT型なら、あのサイレント・スナイパー─『音なき狙撃者』にも勝てる、と』

 

音なき狙撃者(サイレント・スナイパー)

その単語を闇風が口に出した瞬間、ゼクシードは苦虫を潰したような顔になる。どうやら、あまりいい印象を持っていないらしい。

 

『…あの人はもう引退した身。今はもう強弱など関係ありません』

 

先程まで陽気に自分の主張に酔っていたゼクシードだったが、その単語を出されると蛇に睨まれた蛙のように縮こまってしまった。

 

『へー、そんなんですか。まあ、昔あの人に敗れた事など最早忘れたという事ですね?』

 

『…っ!何故それを!?』

 

『いえ、過去の大会の映像記録を流し見してたら偶然、ゼクシードという名前が出てきたので。…そういえば、そのゼクシードというお方もSTR型だったようなぁ…』

 

現実なら羞恥により顔が真っ赤になるであろうほど、感情を隠せないゼクシード。さらに闇風は追い討ちをかける。

 

『はて、あの時は確か近接戦に持ち込んだゼクシードさんとやらが、たった数発のサブマシンガンの弾丸で、遠距離戦闘のあの人に敗れた記憶が…』

 

『もういい!』

 

どん!っとゼクシードは机を叩く。どうやらご立腹のようだった。

 

『所詮あの人は過去の偉人。過去を越えるからこそ今なのです!ならば、最早私はあの人─音なき狙撃者(サイレント・スナイパー)さえも打倒してみせるでしょう…!!』

 

おおっ!と湧き上がる酒場内。

 

『…そういえば、もう一つ言っておくことが』

 

ゼクシードの弁論を冷静に聞き流した闇風。その厳つい口角を上げ、笑みを作りながらこう言った。

 

『今回は、その音なき狙撃者(サイレント・スナイパー)─のび太さんも参加するという噂を聞きました』

 

なっ!と絶句するゼクシード。それはGGO全プレイヤーも同じく驚愕させるのに充分だった。

 

 

静かなる銃撃者(サイレント・スナイパー)、プレイヤー名ノビー太。そのプレイヤーはGGO内であらゆる噂が飛び交っている。

 

─曰く、その者はたった一人でとあるギルドを壊滅させたという。

─曰く、その者を狙う者は音も無く倒れていくという。

─曰く、その者のスコープに捉えられたが最後、銃口を認識する間もなく床に伏しているという。

 

故に、GGOプレイヤーから尊敬と畏怖の意味を込めて付けられた二つ名音なき狙撃者(サイレント・スナイパー)。GGO最初期、最古参のメンバーである彼は数々の伝説を残して引退していった。

 

GGOから離れていった理由は分からない。ただ、最後の彼のメッセージが…

 

『怒られる』

 

と最後に一つメッセージを出し消えていった。

 

そうして、数々の伝説を残してGGOを去っていったノビー太は、伝説となった。今でも彼の意思を継ぐようなプレイヤーも居るが、それでも到底彼には追い付ける者は居なかった。何故ならスナイパーの弱点、近接戦闘でもかなう者が存在しなかったのだから。

 

本来銃撃戦の至近距離、近距離戦闘は25mから100mと言われている。それに対してスナイパーライフルの有効射撃距離は最大で800mほど。最大射撃距離は2kmか7kmほどまで伸びると言われているが、そこまでくるとコリオリ力(地球の自転による影響)まで考えなくてはならない。

 

ならば、近距離戦闘を行えば圧倒できる筈だ。例え、ハンドガンやサブマシンガンを持っていても、すぐ様切り替えるのは難儀な事だろう。その隙を突かれて果てるのが落ちだ。

 

しかし、運良くノビー太の狙撃を躱した強者でも、彼の体に銃弾が届く事はなかった。理由は単純明快、恐るべき反射神経とコントロールから決まる必殺の一発である。その一発一発が恐るべき精度のコントロールを持ち、人体の急所を突いてくるのだった。

 

ある時は腕、ある時は足、ある時は四肢すべて。─そして、ある時は頭。緻密な計算と共に弾き出される方程式の解のような弾丸からは、逃げる事は許されなかった。重点的にそこを守るために防具をかけた者も居たのだが、重量の関係上ウドの大木となり、的にされた。

 

 

『…』

 

いつの間にか、スタジオ内に沈黙が下りていた。

 

ノビー太の名前はGGO内以外のVRMMORPGでも有名である。正確無比な一つの間違いの無い計算から弾き出される銃弾は、映像として記録され多くの人々の記憶に刻まれている。

 

故の、沈黙。あの音なき狙撃者(サイレント・スナイパー)のび太がGGOに帰っくる事への喜び、恐怖、驚愕が重い空気を作り出していた。

 

『…さて、そろそろ番組が終了のお時間となりました』

 

重苦しい雰囲気から、我に帰った司会者。未だに闇風とゼクシードの間には沈黙が下りていた。

 

『どうやら、今年のバレット・オブ・バレッツはタダでは終わらない雰囲気を醸し出しているようです。…では、《MMOストリーム》、《今週の勝ち組さん》のコーナーは終了です』

 

そして、番組は終わった。

 

 

ノビー太という伝説となった偉人の帰還。それは歓喜と恐怖に満ちた災害(イベント)となるだろう。だが、まだ彼らは知らない。『死銃(デス・ガン)』と呼ばれる死神の名を。

 

音なき狙撃者(サイレント・スナイパー)─ノビー太と、死銃(デス・ガン)この二人が邂逅した時、GGO最大の災害(イベント)が起こる─。

 

 

 

 

─場所は変わって。とある一戸建ての民家。平凡的な造りの家で、とある高校生の少年が叫んだ。

 

「うわああああん!ドラえもーん!宿題が終わらないよおおお!」

 




必ず、のび太△。と言ってからコメントを書きましょう(←さり気なくコメント誘導をする作者のクズ)。

…まあ、一応宇宙一のガンマンに勝ってるこらこれくらいはね…?
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