のび太をGGOにぶち込んでみた(作者の活動報告見てね★)   作:暇なのだー!!

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のび太△


初日

「協力者?」

 

とある病院の中にいる、少年─桐々谷和人が目の前の看護師に確認を確かめるため、単語を繰り返した。確認を取ろうとした看護師はもう一度先程口にした事を再び言葉にする。

 

「そう、協力者。今回の調査は和人君ともう一人でタッグを組んでやってもらうから。あっちに着いたら、グロッケンの前で待ってるって〜」

 

何だそれは。

聞いていない、と和人は心の中で悪態を着いた。これから和人がわざわざALOからコンバートし、《ガンゲイル・オンライン》、通称GGOにログインする目的は数日前、とあるお偉いさんからの依頼を受けたからであった。

 

死銃(デス・ガン)なる者の調査』。この死銃と呼ばれる輩に撃たれると、現実世界でも命を落としてしまうらしい。という馬鹿げた内容だったが、あのお偉いさん─菊岡誠二郎の話を聞く限りは、虚偽の申告をしているとは見えなかった。

 

報酬も支払うから、と言われて始めたこの仕事。協力者の存在など一言も耳にしていない。あいつ…今度会ったら顔面に昇竜拳でも喰らわせてやる…と深く決意した和人。

 

「そうそう、その人も隣で寝てるらしいから。桐々谷君が起きる頃にはあの人も起きるんじゃないかな」

 

「…分かりました、とにかく今日はその人と協力してやって来いって事ですね?」

 

「そーらしいよー」

 

そういうと、彼女はOKと合図をした。どうやらもうアミュスフィアを被って良いらしい。手探で探し、頭に被ると電源を入れた。

口から出す言葉はもはや言いなれた単語。

 

「リンク・スタート」

 

一瞬で彼の視界が白で塗りつぶされる。それだけで彼は意識を肉体から手放した。─できれば、協力者があいつ(菊岡)みたいに頭のおかしいやつでは無いことを祈りながら。

 

 

 

 

 

場所は変わり、GGO内部 《SBCグロッケン》

 

空が一面、現実でいう夕焼けのように染まっている中、一人の少年が町中を歩いていた。

 

ショートの黒髪に長身の肉体。肉付きも悪くは無く、現実でいう『イケメン』の風貌をしている彼の動きは何処かたどたどしかった。

 

(…あー、迷っちゃっよ…久しぶりだから、全く覚えてないなぁ…)

 

絶賛迷子中である。

 

(菊岡さんにログインした所で待っててって言われても…こうも何も無きゃ退屈で仕方が無いんだよね)

 

はあ、とため息が出る。

本来、彼はもう一人のパートナーとタッグを組み行動すると、菊岡という人物に聞かされていたが、彼は冒険欲という男なら誰にでもある欲に勝てなかった。その結果がこれである。

 

彼もまた、とある人物に焚き付けられこの世界、GGOにログインをしたのだ。

 

(もう誰かに聞いた方が早いかぁ…お金も欲しいし、何かここら辺にあったっけ?)

 

もう一足早く買い物でもしようかと思ったが、いかんそん今の所持金額は1000。初期値である。

 

彼が憂鬱になって、一人さ迷っていると、目の前に一人の女性が武器ショップの一角で、武器を眺め見しているのが目に入った。水色に染まった髪色をしていて凛とした顔付き。実にマッチしているその風貌は一般的に美人と呼ばれるモノだろう。服装は少し露出度が高めの迷彩柄の短いコート。彼女のいる周囲には不思議と近寄り難い雰囲気が出ていた。

 

一瞬、彼は声をかけるのを躊躇ってしまったが、聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。しょうがない、と彼女に詰め寄り声をかけた。

 

「…あのー、すみません」

 

急に声を掛けられたからなのか、彼女の肩はビクン!と上下に跳ねる。その後、訝しげにこちらを振り向き怪訝な表情で答える。

 

「…何か?」

 

「えーと…短時間でお金を稼ぐ方法って分かります?」

 

え?と彼女は少し不意を打たれたような顔をした。

 

「いえ、友達が来るのを待っているんですけど…いくら経っても来ないので暇になっちゃって。昔、このゲームやってたから確かここら辺に何かあっなような…って思って」

 

「あ、あぁ、そんなんですか。…なら、アレいいと思いますよ」

 

そう言って彼は彼女が指を指した先を見ると、ピカピカと光り輝く巨大な装置。ちょうどやっている最中なのか、一人の男が連れを連れてやっていた。

 

男はガンマンから打ち出された予測線をスタート1m付近では、難無くと『予測線』をかわしていった。しかし、10m付近に近づくとガンマンがムチャクチャなリロード三点バーストを見せ、男を捉えた。後1mというところで、10mという大台に乗ったのだが店側のインチキである。

 

「…元プレイヤーなら分かると思うけど、予測線を見て躱すっていうゲームです。だけど見ての通り、8mぐらいになると、ガンマンがああいう風にインチキを使うの。やるとするならスられる覚悟でやるべきですよ」

 

まぁ、小遣い集めには良いかも知れないけど、と彼女は言って男を見た。きっと、顔が青くなっているだろう、笑ってやろうと思ったのだが…

 

「…あれでいっか」

 

男の顔は本気だった。

 

え?と彼女が困惑した声を出した瞬間、男は前に踏み出していた。男がキャッシーに右手を当てると、精算が完了しゲームが始まる。

 

(予測線を見て避けるゲーム…か)

 

耳に触るようなサウンドを聞き流したながら、彼は考える。

 

しかし、そんな少年の思考など関係無く、周囲は新たな挑戦者を見て観客が再び盛り上がった。すると、軽快なサウンドと共にガンマンの右腕が上がる。すぐ様三本の予測線が彼の体目掛けて放射された。

 

どうやら、考察殺しのゲームなのだろう、先程の男に向けた弾道とは違かった。

 

─しかし、ガンマンから銃弾が放たれた瞬間、0コンマ1秒にも満たないほどの刹那、彼の姿は掻き消えた。

 

え?とどよめく観客(ギャラリー)。その間にも彼は三本の予測線を躱し、疾風の如く走っていた。既に5mを超えている。

 

(…何だ、楽じゃないか)

 

彼は笑う。

10mを超え、ガンマンの反則技─高速リロード、三点バーストを撃たれている中でも彼は余裕を持っていた。

 

1度目のリロードでは右腕、左足、頭。これを全て未来予測に等しい、動体視力によって彼は避けると、先程よりも数段早く、リロードされた銃口がこちらを向いていた。

 

二度目は相変わらず全て同時とも言える弾道で、胴体、両足を狙ってくる。しゃがみこむところを狙ったのだろう、しかし、それさえも彼にとってはただの一手間。全てジャンプして弾丸をやり過ごす。

 

15mを通過したであろうか、そこでは時間差による規則性の無い弾道。だが、ただ単に彼の身に届くのが遅くなるだけ。悪手であった。

 

それを二セット続けるとついに後数m程で手が届く距離となった。最後の攻撃に備えようと、彼は再び意識を集中させる。次に我が体に示された予測線の本数は─六本(・・)であった。

 

今まで弾丸で彼の身を捉えようとしていたガンマンだったが、リボルバーから射出されたのは六本の光線(・・・・・)。頭、胴体、右腕、左腕、右足、左足と四肢全てが彼目掛けて捉えんとやってくる。

 

不可能、誰もがそう思えたその六本の光線の煌めき。

─しかし、尚も彼は冷静であった。もはや予測線と着弾のタイムラグなど誤差でしか無い、0コンマ1以下の世界、彼は─

 

─飛んだ。

 

とある世界線では予測線を予測するゲームと、とある少年は言った。しかし、この男は最初から前など向いていなかった。全てルール通り、予測線だけを見て(・・・・・・・・)躱していた。それは最早刹那の世界。仮想世界といえども常人には到底出来ない神業である。

 

「…ふぅ」

 

華麗に空中で一回転し降り立った彼を一言で表すとするならば、『静』。あの刹那の時間、平静を保ちながら動いている姿はまるで一つの完成された彫刻が、自らの意思で動いているのかと錯覚させるほどであった。

 

「よし、終わり終わり、久しぶりにいい汗かいたな〜」

 

そう言ってガンマンの目の前まで進んだ彼は─背を向けた。

 

バン!と響く銃声。背を向けていた少年は、背中に衝撃を受けたようで倒れ込んだ。

 

「「「…え?」」」

 

─誰が出したのか分からない間抜けな声は、ここブロッケンの町中に響いていった。

 

 




予測線を予測するキリト君も頭がおかしいと思いますが、全て反射神経で何とかなっちゃったこの男も凄いですよね。さて、この男、一体誰なのでしょうか!?
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