――渋谷――
零児達が龍亀一号で渋谷へ向かっている頃、待ち合わせ場所の渋谷ではこれから零児達と合同で任務に挑むであろう男女二人組が到着していた。
男の方はクリス・レッドフィールド、女の方はジル・バレンタインである。
彼らは、かつての戦いで零児達と共に戦い抜いた対バイオテロ組織、BSAAの隊員である。
クリス
「ふぅ、なんとか入り込めたな。ここで、森羅とミスリルと落ち合うことになっているが……」
ジル
「気になる物が見えるわね。……関わりたくないけど、そうはいかないわよね」
彼らの目に映る物……それは、渋谷のあちこちに『金の鎖』が刺さっており、どこから現れているのかわからない物だった。
クリス達は金の鎖に近づき、調査をするが一向に手掛かりは掴めずにいた。
クリス
「この金の鎖は……一体どこから生えているんだ?」
ジル
「ここは閉鎖都市・渋谷よ。少なくとも、まともな物じゃなさそうね」
クリス
「ジェネシスでバイオスキャンしてみたらどうだ? 何かわかるかもしれない」
ジル
「そうね、やってみましょう」
ジルは自分が所属するBSAAが開発した“ジェネシス”を使って金の鎖をスキャンしようとする。
しかし、それと同じタイミングで彼らの周囲にカラスに酷似する妖物達が現れた。
???
「……」
クリス
「な、なんだ、こいつらは……!?」
ジル
「友好的な相手ではなさそうね。……ゾンビでもないようだけど」
突然のことで戸惑いを隠せないクリスに対し、ジルは冷静に周囲の妖物達を観察する。
クリス
「だが、こちらに敵意はあるのは間違いないようだ……ジル、こいつらもしかして、例の“タナトス”じゃないか?」
クリスの口からでてきた“タナトス”という言葉。それこそが、クリス達が日本に来た本来の目的だった。
ジル
「それは違うと思うわ。“タナトス”だったら、こんなオシャレにはならないわよ」
クリス
「……確かにそうだな。バイオスキャンの結果はどうだ?」
クリスがジルに金の鎖のスキャン結果を訊く。
ジル
「解析不能……どうやら、この世のものではなさそうね」
クリス
「日本の渋谷……異世界と繋がっているが故に閉鎖された街か。噂通りだ」
ジル
「異世界に関してはアタシ達も行ったけどね」
クリス
「……また嫌な予感がするな。時間的には森羅のいつもの2人とミスリルがそろそろ来るはずだ」
ジル
「ミスリルね……わざわざ傭兵を雇わなくても大丈夫だと思うけれどね」
クリス
「まぁ、人数が多いほど頼もしいさ。合流前に霧払いをしておこう」
ジル
「了解よ、クリス」
クリス達が銃を手に取り、森羅やミスリルが来るまで、妖物達の霧払いを開始するのだった……
―――――――
???
「キィィーッ!」
妖物達の戦闘から時間が経つと、戦闘が行われている所から少し離れた場所にカマイタチの妖物が現れた。
ジル
「まだ来るの……!」
クリス
「ん? あの両手にカマを付けたモンスター……見たことないか?」
クリス達は、現れたカマイタチの妖物達に見覚えがあった。
ジル
「確か……逢魔(おうま)のモンスターね」
クリス
「逢魔と言ったら……森羅と敵対している、モンスター達の組織か!」
ジル
「もしかして、最初に現れたモンスターは、こいつらの仲間じゃないの?」
最初に現れたカラスの妖物とカマイタチの妖物が同じ組織のモンスターと思い始める。
すると、ウサギ耳が付いた女性が現れた。
???
「オゥ、大正解デース! さすがBSAA、確かな分析でありマスネー! デスが、そのゴールドチェインにはお触りナッスィンでアンダスタ~ン?」
その女性は英語じみたイントネーションと陽気なテンションが特徴な女性だった。
クリス
「な、なんだ……? このテンションは……」
ジル
「正解って事は……逢魔のメンバーなのね?」
???
「オゥ、ミステイク! ヒミツだったのデスが、言っちゃいましたネ~!」
クリス
「大丈夫なのか、こいつ……?」
自分の秘密をあっさりとばらす女性に、クリスは心配する。
???
「ま、アナタ方には、ここで消えてもらいマスので、全くノープロブレム! ですけどネ~」
クリス
「生かして返すつもりはない、か。来日早々、ひどい話だな……」
ジル
「だけど、この金の鎖は逢魔の仕業らしいわね。日本に持ち込まれた新種のウィルスにたどり着く前に、余計な事に首を突っ込んだようね」
ウィルスという言葉を聞いた女性は首を傾げる。
???
「ウィルス? ユー達、BSAAがニッポンに来たワケ、ソレデスか~?」
クリス
「その口振りからすると、逢魔はウィルスの件には関わっていないようだな」
???
「ザッツライト! でも、チョット面白いハナシ、聞きマーシタ!」
女性の言葉にジルが反応する。
ジル
「まさか……ウィルスを横取りでもするつもり?」
???
「そのトーリ! というワケで、死んでもらいまショーカネ~!」
そう言い、女性が二人を襲おうとする、その時!
???
「待て……!」
何処からか声が響く。その声は、クリス達には聞き覚えのある声だった。
クリス
「この声は……!?」
???
「オゥ! ナニゴト!? ワッチャネイム!」
女性のいる場所からはまた別の道路に、大きい車両――龍亀一號が現れ、中から零児に小牟、マオやクルツが出てくる。
零児
「逢魔に名乗るまでもない。……知っているはずだ」
クルツ
「待たせたな、BSAAさんよ……って姉さん! あいつらって……」
マオ
「ええ、間違いないわ。クリス・レッドフィールドに、ジル・バレンタインね」
マオやクルツは、既に前の任務でクリスとジルと一緒に任務をしたことがあるらしく、渋谷で彼らがいたことに驚いていた。それはクリスやジルも同じだった。
クリス
「お前達は……メリッサにクルツか! ミスリルからの人員派遣はお前達だったのか!」
ジル
「久しぶりね。以前の任務の時は世話になったわ」
クルツ
「それがまた、同じように合同任務ってわけね」
クリス
「そうみたいだな」
マオ
「あれが噂に聞く逢魔ね。格好が凄いけど……」
零児達がクリスが交戦していたであろう女性を見つめる。
女性もまた、零児を見つめていた。
???
「オゥ……アナタがアリス・レイジ! ウワサ通り、中々イイ男ネ~!」
クルツ
「零児、早速、気に入られてるじゃないか。羨ましいなぁ」
零児
「敵の女に気に入られても、嬉しくないがな」
小牟
「なんじゃなんじゃ! そんな喋り方で、個性的とか思っとるんじゃないじゃろな!」
???
「ノンノン! そんなつもりはありませんのデ~ス! アホポンなチビギツネは引っ込んでてくだサ~イ!」
小牟
「このウサギンジャー、誰がアホポンじゃ!」
マオ
「おちつきなさい、小牟。そんなに張り合わないで」
怒り始めた小牟を宥めるマオ。
クリス
「とにかく、間に合ってよかった」
ジル
「それにしても、後ろの乗り物は……トレーラー? なんて大きさなの?」
クリス達は零児達が乗ってきた車両を見ながら質問する。
小牟はニヤニヤと笑ってその質問に答えた。
小牟
「ムフフ……森羅の誇る、超感星戦車に驚いたようじゃの!」
裏嶋
「……局地用特務車両。名前を付けないで、勝手に」
シース
「オゥ、森羅のビッグトレーラー……モノモノしい物を持ち出してきたものデース」
クルツ
「それはこっちのセリフだぜ」
零児
「ああ、この金の鎖……逢魔は何を企んでいる?」
小牟
「全くじゃ。……つーか、お主は誰じゃ! ワッチャネイム!」
???
「シース言います、グッモーニン! 逢魔北米支部のエージェントデース!」
女性は逢魔北米支部のエージェント、シースと名乗った。
マオ
「なんですって? 北米にも逢魔がいるの?」
クリス
「いや、アメリカでの逢魔の活動など、聞いた事がない」
クリス達でも北米に逢魔が活動していることには知らなかった。
その理由をシースが教える。
シース
「そりゃアタリマエなのネ~。表で動くの、極東本部のワーキング、OK?」
ジル
「極東本部って事は……日本ってことなの?」
マオ
「だとすると……零児、アンタだったら、その極東本部のこと、知ってるんじゃないの?」
零児
「そうみたいだな……」
クルツ
「だけどよ、北米支部のエージェントがどうして日本にいるんだ?」
零児
「そんなの簡単だ。日本で何か大きなことをしようとしている。だからこそ、北米の連中も動き出した。……そうだな? 沙夜(さや)」
マオ
「サヤ?」
零児が沙夜という名前を口にすると、シースの近くにもう一人女性が現れた。
彼女が沙夜であり、零児と小牟の因縁の敵である。
沙夜
「あん、お見通しってわけね。坊や」
クルツ
「なんだぁ? また偉くナイスバディな姉ちゃんが現れたな」
沙夜
「あん、もっと言っていいのよ?」
零児
「騙されるなよ、クルツ。あの女はロクでもないからな」
沙夜
「あら、ヒドイ言い方ね、坊や」
零児
「坊やと呼ぶな。……ここで何をしている。この鎖は何だ?」
沙夜
「簡単に答えると、お仕事の最中なの。鎖は秘密。……これでいい?」
仕事ということは認めるものの、鎖のことは話してくれなかった。
マオ
「ま、そう簡単に答えてはくれないわよね」
クルツ
「だけどよ、逢魔ってのは、具体的にはどんなことやってんだ?」
沙夜
「世界を混沌に導く……それが逢魔の、私達がやっていることよ」
零児
「この金の鎖は、その混沌の為の物……というわけか」
小牟
「それにしても、逢魔の極東支部じゃと? いつからそんな大層な名前になったんじゃ!」
沙夜
「表向きの活動は私達、極東支部なの。当然、そうなるわけ。あん、一応言っておくけど……決して後付けじゃないのよ?」
クルツ
「本当かなぁ……?」
後付けではないという言葉に、クルツは若干疑っていた。
零児
「そんなことはどうでもいい。そっちのふざけた奴と、何をしようとしている?」
シース
「オゥ、ノー! ワタシのどこがふざけてマスか! メチャ許さんのデ~ス! ガッデ~ム!」
ふざけた奴と言われて怒り出すシース。その様子に小牟はたじろぐ。
小牟
「くっ、なんちゅうアメリカンテイストじゃ。さすが北米支部だけはあるのう……!」
ジル
「……そんなことないと思うけど」
クリス
「……あんなアメリカ人いないぞ」
小牟の発言に否定するクリスとジル。
シース
「照れなくてもOKデスネー! ワタシのアメリカンドリーム、見せてあげマース!」
マオ
「見せつけるのはいいけど、照れてはいないわよ」
沙夜
「そろそろ、楽しい時間はおしまい。……というわけで、ちょっと急だけど、ここでまとめて始末をつけさせてもらいましょうか」
沙夜達が戦闘態勢を取る姿を見て、零児達も戦闘態勢を取る。
クリス
「来るか……!」
マオ
「悪いけど、こっちも易々とやられるわけにはいかないの」
沙夜
「あん、それはもちろん、そう簡単に始末できるとは思ってないから。あと……そのトレーラーも、ここで壊すか、逢魔で貰うかしちゃおうかしら、ね」
沙夜は零児達だけでなく、龍亀一号にも狙いを定める。
裏嶋
「あん、そうはいかないかしら、ね。簡単には」
マオ
「博士、アンタは一旦、龍亀一號の退いたほうがいいんじゃない?」
マオは裏嶋と龍亀一號の安全の為、戦闘が終わるまで退くことを勧める。
裏嶋
「大丈夫よ、簡単に奪われないように作ってるから。……さぁ、皆さん! やっておしまいなさい! 徹底的に!」
ジル
「ベテランは余計よ」
クルツ
「そうか? 俺としては嬉しいけどな」
マオ
「どう思おうが勝手だけど、浮かれ過ぎないようにね」
小牟
「ちゅーか、なんでお主が指揮官的なことになっとんじゃ、裏嶋!」
裏嶋が指揮していることに文句を言う小牟。
クリス
「あの車両に乗っているのは、森羅の作戦指揮官なのか?」
零児
「ただの課長だ。説明は後でする。いくぞ、ここは共同戦線で逢魔を退ける!」
裏嶋が作戦指揮官であることを否定した零児は、自分の武器に手をかける。
森羅にBSAA、そしてミスリルの三つの組織による共同戦線が、今、始まった!
―――――――
沙夜
「あん、ちょっと予定が狂っちゃったけど……しょうがないみたいね」
激しい戦闘に参ったのか、沙夜がシースに撤退命令を出す。
シース
「オゥ、サヤ、いいのデスか~?」
沙夜
「元々、今回は確認に来ただけだし、あの鎖は彼らに同行できないし、ね」
零児
「何をこそこそと話している?」
シース
「オンナのナイショを知りたがるとは、とんだハレンチボーイネー!」
クルツ
「敵の場合は例外じゃないのか?」
マオ
「確かに」
沙夜
「そういうお年頃なのよ。さ、次の場所へ行きましょ」
シース
「グッバイ! シーユー!」
零児に好きなだけ言って、沙夜とシース、モンスター達は全員撤退をした。
クリス
「とりあえずは退いたみたいだな」
小牟
「しっかし、あのウサギはなんちゅうハイテンションじゃ。ピリピリ来ておったのう……」
クルツ
「小牟ちゃんも同じだと思うけどな……」
小牟
「なんか言ったかのう、クルツ?」
クルツ
「いいえ……」
零児
「だが、逢魔が何かをやろうとしているのは確かだ」
マオ
「そうね。とりあえず、この金の鎖を調査しない?」
小牟
「そうじゃのう。裏嶋! 一旦降りてもらえるかのう?」
裏嶋
「了解よ」
小牟がそう指示をすると、裏嶋は龍亀一號から降り、金の鎖の調査をし始める。
しかし、零児は何かを考えるように黙り込んでいた。
零児
「……」
ジル
「どうしたの、零児?」
零児
「いや、なんでもない……」
(沙夜は『次』と言った……他にも、金の鎖があるというというのか?)
―――――――
裏嶋
「ふむふむ……む~ふむ……」
マオ
「博士、何かわかる?」
裏嶋
「……調べるには設備が足りないのよ。全然。」
裏嶋が鎖を調べ始めてから大分時間がたったが、それでもわからずじまいだった。
クルツ
「設備不足か……そういや、BSAAには何か、スキャンできる物があるんじゃなかったっけ?」
ジル
「ジェネシスのバイオスキャンね。アナタ達が来る前にやったわ。」
クルツ
「結果は……?」
クリス
「解析不能だった。わからずじまいだな……」
裏嶋
「ただ、一つだけ言えることがあるのよね」
裏嶋が言えることがあるのか、声を上げた。
マオ
「何かあるの、博士?」
裏嶋
「この鎖は、次元の歪曲点……『ゆらぎ』から来ているらしいってこと」
クルツ
「ゆらぎ?」
裏嶋
「そうよ。どこかの世界がこの世界をつないでいる……と考えられるのね」
裏嶋がそう言った瞬間、プルルッと電話の様な音が鳴り始めた。
裏嶋
「……これは、アラーム? 緊急通信の。ちょっと待ってね」
裏嶋は通信に出るため、龍亀一號に戻って行った。
零児達はその間に、鎖を眺めていた。
マオ
「他の世界って……異世界って事?」
零児
「そうらしい。……異世界同士を接続することが、逢魔の目的か?」
クリス
「だが、そんなことをして一体なんになるというんだ?」
小牟
「それ自体が目的とも考えられるが、何とも言えんのう。」
それぞれの考えが交錯する中、裏嶋が突然、声を上げて零児達に呼び掛ける。
裏嶋
「皆、ちょっといい? 緊急連絡よ。本部から」
クルツ
「なんだって? なんか起きたのか?」
裏嶋
「B.O.Wが現れているということよ。新宿、神室町(かむろちょう)に」
緊急事態の内容を聞いたクリスとジルは、愕然となった。
ジル
「な、なんですって!?」
クリス
「もしや、タナトスは……そこに!?」
マオ
「タナトス……? 聞いたことないけど、ゾンビの専門家がそんなに驚いてるってことは、ウィルスかなんかなの?」
クリス
「詳しいは話は移動しながらする。博士、新宿まで運んでくれ!」
裏嶋
「それじゃ、乗って乗って。ぶっとばすから。最高速で」
小牟
「この鎖は? ほっぽっといていいんかい?」
クルツ
「そうだよな。あの女達、絶対後で来ると思うぜ」
裏嶋
「引き継ぎの連絡はしといたから大丈夫よ。調査部に」
マオ
「それは安心だけど……本当に大丈夫かしら?」
零児
「仕方ないさ。……よし、神室朝へ行こう」
金の鎖を残したまま、零児達は渋谷を後にする。ゾンビが発生した神室町へ向けて……
―――――――
――龍亀一號――
神室町へ向けて移動している最中、ジルは龍亀一號の凄さを見て感心していた。
ジル
「凄いわね……これは何人乗りなの?」
裏嶋
「50~60人はラックラクじゃないかしら。そして、局地での活動を視野に入れた、様々な……」
裏嶋が龍亀一號の凄さを自慢している最中に、零児が間に入って会話を中断させた。
零児
「説明はいい、博士。神室朝まではどれくらいだ?」
裏嶋
「オート操縦で安全運転中。そんなにはかからないと思うけど。多分。」
クルツ
「しっかしよ……タナトスねぇ……また随分と厄介なウィルスが現れたもんだ」
クリス
「このことを考慮してミスリルに依頼したんだろう」
クルツはクリスからBSAAである彼らが日本に来た目的、それは何者かが日本に『タナトス』と呼ばれるウィルスの捜索であった事が聞かされた。
バイオテロが発生する可能性が極めて高いと推測したBSAAは、協力体制であるミスリルに人員の補助をお願いしたのだった。
それを知ったクルツは嫌そうに不貞腐れていた。
マオ
「愚痴を言わないの。これも任務なんだから」
クルツ
「ヘイヘイ……」
クルツの態度を見た裏嶋が、ある提案を出した。
裏嶋
「クルツくん、気分転換に買い物でもしたらどう?」
マオ
「え!? 売店でもあるの?」
まさか龍亀一號に売店があるとは知らず、驚くマオとクルツ。
小牟
「よくそんなスペースまで作れたのう」
裏嶋
「アタシが発明した装備、余った備品、拾ったパーツ、必要な物資を売ってあげましょう。特別に!」
クルツ
「娯楽用品とか売ってないのかよ!」
零児
「それに、備品はダメだろ」
クルツが娯楽用品がないことに訴え、零児は備品を売ってはいけないと指摘する。
しかし、裏嶋はそれを気にすることなく説明を続ける。
裏嶋
「黄龍寺財閥のバックアップを受けているとはいえ、この龍亀一號の改良には、まだまだ予算がかかるのね」
クルツ
「黄龍寺財閥って……この国でとんでもねぇ規模を誇っている財閥だろ?」
マオ
「だけど、その財閥って政府機関をバックアップしてるのよ。ウチの活動資金の一部も、黄龍寺財閥の援助よ」
クルツ
「マジかよ!」
ジル
「で、その援助でも足りなくて、アタシ達に道具を売って、予算を集めようって腹なのね」
小牟
「ちゃっかりしとるのう……」
クリス
「だが、こうしている間にも、神室朝で逃げ遅れた人々がいるはずだ。急がなければ……」
そんなやり取りをしながら、一行は神室町へ急ぐのだった……