文章力ありませんがよろしくお願いします。
2020年、改稿
とある春の夜。そこはとある巨大な建物の最上階にある一部屋。
「頼む、頼むから命だけは……」
そこに居るのは二人。腰を抜かして命乞いをする大男と、
「今までに何人もの人たちを傷つけ、殺してきたと言うのに自分の番になったとたんにこれか……。いつも似たような反応ばっかだけど、ほんと情けないよな」
その男の目の前に立つ背が低めの若い男、いや少年だった。
その少年は黒いロングコートを羽織り、手には大きな鎌を持っていた。フードをかぶっていて顔立ちは見えずらいが、その少年に見下ろされる形の大男からは、青色の髪の中性的な顔立ちをした少年の顔がフードの隙間から見え隠れしている。
少年と対峙する大男はその感情の見えない顔に不気味さを感じ、情けない悲鳴を上げた。
少年は手に持つ鎌を軽々と片手で振り回し、目の前にへたり込む大男の首にその刃を突き付けた。その少年の周りにはすでにこと切れた複数の人影がある。
その少年の姿は大男には死神のように見えた。
「とりあえずお前らのしてきた数々の違法は全部レポートにして警察とテレビ局に送りつけておいたから。お前はこれ以上生きてても手錠掛けられて牢屋の中だろうな。……見逃す気はないけど」
淡々と言うことは言って、
さようなら、という一言と共に少年は持っている鎌を横に、首を切るように動かす。
その瞬間その男の目のハイライトが消え、床に倒れ伏す。その首には一筋の赤い線が走り、血がジワリとにじみ出てきている。
少年はふぅ、と一つため息をつくと手に持っていた鎌をブンッと振る。すると白く光っていた刃が消え、棍のような見た目になる。少年は持っていたバックにそれを入れた。
「さて、帰りますか」
少年は、フードを目深に被り直し、開きっぱなしの窓から外に飛び出していった。
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零:Side
それは、いつものように『仕事』を終え、家に帰ったときだった。
家の前に止まっている黒い車。インターホンの前には黒いスーツを来た人が数人。
いつものアレ、かな?
時々『仕事』の依頼しに俺を尋ねてくる人もこんな車でこんな服装だったし。
「俺の家に何か御用ですか?」
そう問いかけるとその人たちは驚いたように振り返った。まあ、気配消して近寄ったからそりゃ驚くか。
……とりあえずいつも依頼持ってくる人じゃないな。
「君が『新月』の桐紫零くんか?」
「……はい。そうですけど」
『新月』という、自分の使っているコードネームを出されたことで少し警戒しながら肯定の返事を返す。それを出してきたということは、依頼人か……敵対者か。
「君に依頼があるのだが、ここでは少々まずい。とりあえず車の中で話をしていいか?」
依頼人……でも俺に直接というのは珍しいな。嘘ではないようだが。
「はい。分かりました」
そう言って車の中へ入れてもらう。一応、何を仕掛けられても対応できるように左手をポケットに入れておく。
「俺は防衛省の烏間という者だ。これから話すことに関しては、国家機密により他言無用だと心得て欲しい」
防衛省……?え、なんでそんなところから直接コンタクトが……っていうか国家機密?
顔には出さないようにしたが少し混乱した。なんでんな大事な話が俺のところに来るのかさっぱり分からず、でもとりあえず、了解の意を示して続きを促す。
そして、その烏間さんは一枚の紙を取り出した。WANTEDとデカデカ書かれた写真付きのそれは、ぱっと見手配書のように見えたが……。
この時見せられたものは、正直咄嗟に理解できないものだった。
「君に、この怪物の暗殺をして欲しい」
その手配書の現実味を帯びない写真に、思考が停止した。
……………HA?
「……あ、何かのドッキリですか?」
思わずそう聞き返した俺は悪くないと思う。烏間さんは気持ちはわかるとため息をついていた。
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聞けば聞くほど驚くことばかりだった。
一ヶ月前に月が何者かによって七割ほど消され、三日月のような形になった。それはテレビでニュースになってたしさすがに知っている。それに、コードネームの元にもしたあの天体が破壊された瞬間に感じた、あの言い表せない不安は忘れられない。
そして、その月を破壊した張本人らしい写真……そいつの見た目は一言でいえば、黄色いタコがアカデミックドレスを着ている姿。顔はまるでニコチャンマーク……何このデフォルメ顔。
さらにそいつは来年の三月に地球までも爆破すると言っているらしい。
しかし、そいつを殺そうにも最高速度マッハ二十でいつも逃げられるとのこと。……何その無理ゲー。 え、生物だよな……?
そんな中、何故かこのタコはとある普通の名門私立中学で教師を始めたらしい。政府はこれを好都合だとし、そのクラスの生徒にコイツを暗殺さしているのだとか。
俺もその中学に通って暗殺に参加して欲しい、それが依頼だった。
なんか正直訳のわからない依頼だなとか思ったけど……これは、引き受けるしかないとも思った。成功報酬は100億円だというが、それよりも。
依頼という形でも学校に通える。それも普通の中学校だ。
夢のような話だなと、頭のどこかで思った。
依頼を承諾すると、そいつに効く武器だと言うことでゴムのようなナイフとビービー弾の入った銃を貰った。おもちゃのようだがこれ以外の武器が効かないのだそうで。
転入は三日後で制服もなんかその場で採寸してもらったのであさってには届くとのこと。
「早いんですね」
「なるべく早めのほうがいいからな。それともう一つ。生徒たちに危害は加えるな」
烏間さんはその一言を言った瞬間、鋭い殺気を向けてきた。
ああ、そういうことか。殺し屋って手段選ばない人多いもんな。
分かってる。
「俺はこれから友達になる人たちに危害は加えませんよ。折角の学校生活なんですから……暗殺以外も純粋に楽しみたいですし」
「ならいい。俺はもう行くが、何か頼み事はあるか?」
「あ、それじゃあ一つ」
とりあえず俺は烏間さんにちょっとした頼みごとをして家に帰った。……やるからには一応自分の使い慣れたものに近い武器の方がやりやすいだろうな。
地球を滅ぼす怪物を殺せ……か。怪物退治なんて、俺より適任がいるんだけどな……今は日本にいないけど。
零:Sideout
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その頃、日本から遥か遠いどこかの場所で。
「ひっくしゅっ!」
「どうしたの■■?風邪?」
「いや、何でもない……(誰かが噂してるのかな……)」
「ならいいけど……」
「あ、そうだ■■。私、近いうちに一旦日本……故郷に帰る予定なんだけど」
「……え!?ちょっと急過ぎない!?」
「いや、言うタイミングがなかったから……ごめんね」
周りには誰もいない静かな森の中で、そんな会話を繰り広げる少女が二人。その内の一人、日本の名前を出した金髪の少女はもう一人に対して申し訳なさそうに答えながら、手に持った三日月の写真を悲しげに眺めていた。
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