久々ながらアニメ見返してみたりして書いてます。
零:Side
「急げ!」
「今日遅れたらどんな罰を受けるか分からないぞ!」
今日は何故か昼休みになるとクラスのみんなが慌ただしく教室から出て行く。
「ねえ、今日は何かあるの?」
隣で同じように準備している渚に聞いてみた。
「うん、今日は全校集会が五時間目にあるでしょ?E組は昼休みの時間を返上して本校舎に行かないと間に合わないんだ。しかも他のクラスより整列を早く終わらせないといけないし」
「な、なるほど。差別待遇はこんなところにも響くんだ……」
だからこんなに急いでるのか。
「……それだけじゃ、無いんだけどね」
「ん?」
「あ、いや。多分
と、いろいろ聞きながらも僕たちもみんなと同じように山を降りていく。
「ちなみにこれ、集会に遅れたらなんか罰則とかあったりするの?」
「うん、嫌がらせで花壇掃除させられたり」
「本校舎の花壇広いからな~……きつかった」
近くにいた杉野がその時のことを思い出したのか、ぼそりと零した。
と、その時。
「どわああああ!橋が崩れたー!!」
川が流れている方面から悲鳴が聞こえてきた。……え?何?
「こっちが近道だって言った奴だれだ!!」
「岡島ー!!!」
……とりあえず、岡島が被害にあったのはわかった。大丈夫なのかなあれ。
だけどそれだけじゃなかった。
「「「きゃー!!蛇ー!」」」
「岡島君ー!!」
また違うところで今度は女子たちの悲鳴が。そしてまた岡島が犠牲になってるようで。
さらに。
「うわあああ!!落石だー!」
寺坂グループの悲鳴が聞こえてきた。そして、その災難は僕らの方にも向かってきており……
「迷路定番の罠かよ!!」
ゴロゴロゴロ……と斜面を転がり落ちてくる超巨大な丸岩に、僕は思わず突っ込んだ。
って、あれ。これ結構ヤバくないか?
……とりあえずうまくタイミングを見計らって、岩に向かって回し蹴りを叩き込んでおく。
ドカァンといい音が響いて岩が砕けた。
「あっ……」
普通のだと足の方がダメージ受けそうなので少し
「えっ!?ちょ、何したの?」
すぐ近くにいた渚と杉野に見られてすごく驚かれた。
「え、いや、危なそうだったからちょっと蹴っ飛ばしただけだけど」
「どうやったらちょっと蹴ったくらいで岩砕けるんだよ!?」
「いや、偶然脆かったんだと思う」
どうにかこうにか誤魔化す。
と、また悲鳴が聞こえてきた。
「蜂の巣刺激したの誰だ!!」
「うわぁぁぁぁっ!」
「「「お、岡島ー!!!」」」
やら聞こえてきた。現場に急行してみれば、ずぶぬれで蛇にまきつかれて蜂に刺されまくっている岡島が、すごいスピードで走り去っていったのが見えた。蜂はともかく蛇は大した毒は持ってない種類みたいだからまだマシ……か?
……なんでこんなデンジャラスなんだろう。ただ全校集会に行くだけなのに。
「なんか凄いことになってたんだけど、アイツ」
「だ、大丈夫かな……」
とりあえず大半の災難を岡島が請け負ってくれたおかげで僕たちには岩以外殆ど被害はなかった。
と、後ろから足音が聞こえてきた。
「君たち、大丈夫か」
「烏間先生」
少し遅れて烏間先生が来て声をかけてくる。
「あせらなくて良い。この時間なら十分に間に合う」
落ち着いた烏間先生の言葉はかなり安心感がある。
と、
「ちょっとあんたたちー!!まちなさいよー!!」
さらに後ろから超特急で走ってきたのはビッチ先生。そのまま息を切らしてへたり込む。
「だらしないよビッチ先生」
「ヒールで走るとあんたたち以上に疲れるのよ!!」
「靴変えろよ」
おもわずつっこんだ。
ちなみに殺せんせーは生徒の前に姿を現すわけにはいかないので教室で留守番だとか。ドンマイ。
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とりあえず、僕たちは無事?に本校舎までたどり着き、体育館へ整列する。
ちなみにあれだけたくさんの災難に見舞われた岡島は、体育館に並ぶころにはすっかり復活していた。
あのタフさはある意味尊敬する。
さて、僕らが並び終えたころに見計らったように本校舎の生徒がぞろぞろと体育館に入ってきた。
僕は何気に本校舎の生徒の様子を見るのは初めてだったりする。
なんとなく、列の一番後ろから周りの生徒の様子を眺める。
「渚く~ん」
「山の上からわざわざご苦労様~」
「「ぎゃははははは!!」」
渚が列の前の方で絡まれてた。あれはD組の生徒たちか……。
「……頼むから手を出すなよ」
「……分かってますよ」
偶々すぐ傍まで来ていた烏間先生に釘を刺された。イラついてるのが顔に出てたのかもしれない。
他にもあちこちからバカにするような目線と笑い声が聞こえてくる。
なるほど、E組はここでもこうやって差別しまくられるのか。そして長い時間、それに耐え抜かなければならない、と。渚の言っていた意味が分かった。
ちなみにカルマは堂々とサボってる。罰食らっても痛くもかゆくもないらしい……ブレないなぁ。
さて、集会恒例の校長のありがたい長話……。
「……要するに、君たちは全国から選りすぐられたエリートです。この校長が保証します。が、慢心は大敵です。油断してると、どうしようもない誰かさんたちみたいなことになっちゃいますよ~」
『あははははは!!』
校長先生の話は明らかにE組を笑いものにする物言いで、他のクラスの生徒たちは僕らの方を見ながら思いっきり馬鹿にして笑ってきている。
こういうところでの長話ってつまらなくて眠くなったりすると思うんだけど。
「こ、こら、笑いすぎ!先生も言い過ぎました」
……どうしよう、自分のイラつき度が着々と上がって行ってるのを感じる。集会終わるまで堪えられるかわからないんだけど。
「次は生徒会からの発表です」
そんな中生徒会が準備を始める。その間の暇な時間、中村と倉橋さんがデコったナイフケースを見せに行っていた。まあ、ここでは見せるなと烏間先生に釘を刺されていたけど。
あと、さっきまでへばっていたビッチ先生が入ってきて、なんか周りがどよめいた。なんか知らないけど渚に向かって何か話しかけ、そのまま渚の顔が胸に押し込まれたりしていた。何やってるんだか。
ただ、その様子を見た他クラスの特に男子からうらやましいというかのような視線が集まっていた。
なんとなく、ざまぁーみろ、って思う。
「今皆さんに配ったプリントが、生徒会行事の詳細です」
ん……ってあれ?そのプリントE組にはきてないけど。
「すみません!E組の分が無いのですが!」
磯貝がプリントが無いことを舞台の生徒に伝える。が
「あれ、無い?おっかしいな~」
顔を見ればわかる。これはワザとだ。
「ごめんなさい?E組の分、忘れたみたい。とりあえず全部記憶して帰ってください。ほら、E組は記憶力鍛えたほうが良いと思うし~」
明らかに謝罪の意が込められていない言葉。何が記憶力鍛えた方が良い、だ。ビッチ先生すらも陰湿ねと、本校舎の生徒に嫌悪の視線を送ってるし。
そうか、こんなのもか。他のクラスがまた笑っている。
……
その時、手元に何かが飛んできた。
見てみるとそれは手書きのプリント。
「問題無いようですね~手書きのプリントがありますし」
いつの間にか旧校舎に居る筈の殺せんせーがいた。
変装してるつもりっぽいけど……関節曖昧だし体は妙にでかいし、怪しいところは盛りだくさん有るのに大丈夫なのかな。あ、ビッチ先生がナイフで殺せんせーを攻撃してる。そして真っ先に追い出されそうな殺せんせーより先に、ビッチ先生が烏間先生に引っ張られて追い出された。
何やってるんだろ。
そのやり取りに嫌な気分が少し飛んでE組のみんなは思わず笑っていた。
いやホント助かったよ殺せんせー。
危うく殺気漏らすところだった。
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集会が終わって帰り。
「あ、僕ジュース買ってくる!」
「それじゃあ僕も」
「んじゃあ、先行ってるぞ!」
僕は渚と一緒に自動販売機へジュースを買いに行った。ちょっと喉渇いたし、気分転換。
すると本校舎の生徒二人が絡んできた。
「おい、渚……とそこのE組の誰かさん」
誰かさんって……いや、確かにお互い知らないやつだけどさ。
「お前等ちょっと調子に乗ってない?」
「え?」
「笑ったりして、周りの迷惑考えろよ」
「いや、それはお前等が言えることじゃないだろ」
こいつ等だって、集会中散々笑ってたくせに。一番うるさかったのは間違いなく本校舎の生徒たちだった。
「黙れ、E組はE組らしくしたむいてろよ」
うわぁ……。どうしよう、どうにか収まってきてたいら立ちがぶり返してきたんだけど。
周りの奴らがニヤニヤしながら見てるのも、イライラを増長した。
「どうした、なんか言えよ!殺すぞ!?」
片方の奴が渚の胸ぐらをつかんで言い放った。
そのセリフに、僕はスッと目を細めた。
……ほう?
殺す、と?
お前らみたいなひよっこが?
隣で渚が、クスッと笑った。
「殺そうとしたことなんて、無いくせに」
……僕が言う前に渚が言った。殺気を出しながら。
本校舎の生徒二人はそれをもろに受けてバッと離れた。……あんな啖呵切っといてそれって情けなくないか?
……
「夜、背後に気をつけとけよ」
とりあえず消化不良の分、僕も殺気全開にして二人に言葉を放った。そしたらなんかあっさり気絶したけど。
え、弱。
「……行こうか渚」
「うん、そうだね」
とりあえず放置して渚と一緒にそこから離れる。
周りで見てたやつらも悲鳴上げて逃げてったり、腰抜かしてたりしているのが見えて、少しすっきりした。
「……ん?」
なんか離れたところから視線を感じる。
探ってみると、烏間先生と殺せんせーがこっち見てた。
「……零君?」
「いや、何でもない」
……気付かなかったことにして、杉野たちのところへ僕たちは向かった。
ちなみにこの日の放課後、烏間先生から軽く説教が下った。……別に手は出してないんだけど。