ノア・ジョーンズは大学に行く準備をしていた。長く綺麗な茶色い髪に櫛を通す。髪の毛一本一本がなびいて、また戻る。ノアは鏡を見ると笑って「よし!」と声を出した。
大学に着くと、ある三人組が目に映った。その中の一人、ピーター・パーカーを目にすると、彼に向かって走って行った。
「キミ、キミ!ピーター・パーカーだよね!?」
「え?うん、そうだけど」
「やっぱりー!後ろ姿で一目で分かったよ!思ってた以上に普通だね……ちょっと残念」
一人で淡々と喋るノアにピーターやハリー・オズボーン、メリー・ジェーン・ワトソンは顔を見合わせた。そんな三人にようやく気付き、咳払いをしてノアは言った。
「私、ノア・ジョーンズ。最近現れた謎のヒーロー、カーラのカメラマンなの」
「カーラの専属カメラマン?」
ピーターが食いついてきた。ピーターはスパイダーマンを撮るカメラマン。やはりそこが気になるのだろう。
カメラを見せると、中に入っている写真を三人に見せた。あまりヒーローらしいことはしておらず、空を自由に飛び回っている写真、木の上で休んでいる写真などが多かった。
「これってヒーロー……なのか?」
「スパイダーマンみたいに人助けしている写真がないじゃない」
「戦闘は好まないタイプなのよ。力もスパイダーマンみたいにあるわけじゃない。でも蘇生能力があるの。それを使ったことはないらしいけど」
写真を全部見ながらノアは眉を上げて言った。その情報を耳にしたハリーは「また厄介な奴が来た」と肩を落として残念そうにした。彼を横目にピーターはジッと写真を見続ける。
「驚いた。結構食いつくのね」
「有力な情報はスパイダーマンに提供しようと思ってね。彼女、何かやらかしそうだし」
「あら。カーラはスパイダーマンの大ファンよ?」
ピーターは肩をすくめた。信じてないようだ。まぁそうだろう。スパイダーマンもカーラを信じてはいなかった。信用がないな。親切にしているつもりなのに。
MJはピーターに話しかけた。
「それじゃあピーターもノアにスパイダーマンの写真を見せてあげたら?平等ってそういうことでしょ?お互いのこと知らなきゃフェアじゃないわ」
「MJ……分かったよ」
鞄からカメラを取り出しノアに見せた。ノアは大変興味があるようで、ピーターと同じようにその写真に食いついてきた。一枚一枚、満遍なく全てを見る。スパイダーマン本人、場所、景色、時間帯。見終わると笑顔でピーターにカメラを返した。
「この写真、デイリービューグルで見たことがあるわ。売り込んでいるのかしら?」
「うん、まぁね。安いけど」
「ヒーローの写真は容易に売らない方がいいわよ?いつか大金に変わるかもしれないからね」
「それ、いい発想だ」
乗ってきたのはハリー。彼はピーターがスパイダーマンを追いかけて写真を撮ることをよくは思っていないようだ。
「ヒーローはいつか滅ぶ。生産機がなくなるんだ。そうなるとヒーローの存在を示すための物の価値はグッと上がる。その時まで待つのが、利口だな」
「でも今お金が必要なんだ。家賃、払わなきゃいけないからね」
「それは一大事」
ノアは笑った。話を終えると四人で講義を受けに行った。