インフィニット・ストラトス 宝石と宙   作:在原昴

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プロローグ

ココロカラコロ…ココロカラコロ…

…ココロカラコロ…ココロカラコロ…

糸を繰る音が聞こえる、歯車の廻る音が聞こえる

 

ココロカラコロ…ココロカラコロ…

世界は回る、世界は巡る、運命は踊る…

この世は人に何が起ころうとも何も変わらずに回っていく

 

ココロカラコロ…ココロカラコロ…

残酷で冷酷な世界、そこで輝くことができるのは己

己が輝くことができればそれこそが人間

人間は手を取り合えれば歩んで行ける

その手で己の宝をつかみ取れ

己の宝こそが未来に導くであろうから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年、織斑一夏が気が付くと草原に倒れていた

織斑一夏は幼き頃に両親がいなくなり、姉と兄と3人暮らしを余儀なくされていた

その生活は凄惨なものだった

姉や兄から八つ当たりとばかりに暴力を振るわれ、誰も一夏を助けなかった

さらに、周囲には優秀な姉である千冬や兄である春斗と比べられ、心が崩壊しかけていた

彼の味方となったのは幼馴染の篠ノ之箒、姉の束とその家族、もう一人の幼馴染の鳳鈴音と五反田一家に御手洗一家だけだった。

束の作ったISで彼はさらに絶望のどん底に落とされた

第2回モンドグロッソの時、彼は誘拐され、人質にされた

だが、千冬は助けに来ることがなく、それどころか『唯一の家族である春斗にこの勝利を捧げます』と言ってしまったところを見てしまい、絶望した

後は死ぬのを待つだけだったのだが、気が付いたらここにいた

 

一夏「俺は…死んだのか…?」

 

一夏は諦めたかのように空を仰いでいたが、それはやって来た人物にさえぎられた

 

?「君はまだ死んでいないよ?」

 

現れたのは見惚れるほど美しく澄んだ青い瞳に柔らかそうで滑らかそうな質感のミルクチョコレート色の髪をした左腕にダイヤモンドの付いた腕輪を着けた少女のような人物だった

 

?「君はいわば別の世界にやって来てしまったと言っておくよ」

一夏「な!?お前は誰だ!?」

?「僕はレック、レック・ヴォルフスと名乗っておくよ、君は?」

一夏「織斑一夏…」

レック「それじゃあ、君はナツ君だね」

 

レックはにこやかに一夏にニックネームを付けて、手を差し出した

 

レック「この手を取れば、君は後戻りできない、この欝々しいほどの残酷で命がけの世界を生きていくことになる…その覚悟はある?」

一夏「…そんなもの、最初からできている!!」

 

一夏は迷うことなくレックの手を取った

レックは満足そうな顔をして、一夏を起こした

 

レック「それじゃあ、男の子一人入りました♪」

 

レックがそう告げると、場所が変わり、いつの間にか豪華な屋敷にいた

一夏はそこで二人の幼馴染と再会を果たした

 

一夏「箒…それに、鈴も!?」

箒「一夏!?」

鈴音「え!?何で!?」

 

3人は驚愕で固まっていた

 

レック「あれ?3人とも知り合いだったんだ」

一夏「ええ、幼馴染だ」

レック「よかったね、お二人さん」

鈴音「そんなことよりも、詳しく説明してほしいのだけど」

箒「確かに、何故私達はここに来てしまったのだ?」

 

箒が疑問を掛けると、レックは困った顔をしていた

そして、決心したのか、話しだした

 

レック「君達は異次元の扉を偶然通ってしまったとしか言いようがないかな?」

箒「そのようなあいまいな説明で納得がいくものか!?」

鈴音「それで、私達はこれからどうなるわけ?」

 

箒はレックを睨み、鈴音も睨んではいたが、冷静だった

 

レック「そうだねぇ…男二人と女子五人による共同生活兼この世界での戦闘に慣れてもらうけど?」

 

レックはさらりとえげつないことを言い放ち、三人は動けなくなった

 

レック「さて、まずはここの世界についてかな?」

 

レックはそう言って腕輪についているダイヤモンドを見せた

 

レック「出ておいで、シロシバ!!」

 

その言葉と共に白い豆芝が現れた

 

一夏「え?」

鈴音「何このわんこ!?」

箒「一体どこから出て来た!?」

レック「この子は宝獣と呼ばれる存在、この世界にはそんな存在がいるんだ」

シロシバ「わふ」

 

シロシバと呼ばれた白い豆芝は箒と鈴音のもとに近づき、甘え始めた

 

鈴音「この子、人懐っこいのね」

箒「ああ、こうしてみると愛嬌のある顔だ」

鈴音「そうそう、このキョトンとした顔が何とも」

 

二人は盛り上がり、一夏は苦笑いしていた

 

レック「君達にもプレゼントがあるんだけど」

 

レックはそう言って三つの宝石を見せた

一つ目はレックと同じダイヤモンド、二つ目はルビー、三つめはサンゴだった

 

レック「さて、彼らはだれを選ぶのかな?」

一夏「くれるんじゃないのか?」

レック「選ぶのは彼ら自身だよ?」

 

その瞬間、三つの宝石が輝きだし、三人の手元に向かった

ダイヤモンドは一夏に、ルビーは箒、サンゴは鈴音の手に渡った

そして、三つはまばゆい光を放った

光が晴れると、三人の前に三匹の生き物がそこにいた

白い毛を持つ仔狐と赤い毛を持つ鼬とマゼンタ色をした小さな龍だった

 

レック「それが君達の相棒、さて、これからビシバシと行くから覚悟しておくように♪」

 

レックの言葉に三人は身を震わせた

そんなことをしている間に、扉が開いた

そこにはレックと同じ茶髪で宝石のように青い目の少女がいた

 

?「レック…連れて来たよ…」

レック「あ、ユキありがとう、これでちょうど女の子が五人かな?」

 

ユキと呼ばれた少女の後ろには水色の髪で赤い目の少女二人がいた

 

?1「ここは一体どこか説明してくれるかしら?」

?2「お姉ちゃん…」

レック「ようこそ、異世界へ♪お二人さん」

 

レックはフレンドリーに話しかけたが、警戒されたままだった

 

レック「あ、自己紹介がまだだったね、僕はレック・ヴォルフス」

?1「更識楯無で、こっちは妹の簪ちゃん」

?2「更識簪…です…」

レック「よろしくね、ああ、男は僕とナツだけかぁ…悲しいなぁ…」

 

その発言で、周りのみんな(一部を除いて)は一斉にレックを見た

 

レック「君たち僕を女の子だと思ったのかい?」

 

その問いに対して誰も何も言わなかった

答えないでいると、レックがどこからかチェーンソーを取り出した

それを見たみんなは死を覚悟したが、それは新たに入って来た人物によって止まった

 

?「レック、ただいま~…って!?何やっているの!?」

レック「あ、シャル…今ちょっと失礼な子たちに処刑をね…?」

 

シャルと呼ばれた金髪碧眼の少女は慌てて一夏達の前に立った

 

シャル「駄目だからね!? いくらその外見の事を気にしているからと言って駄目だからね!?」

レック「…わかったよ…今回は許してあげることにしてあげる…でも次はないよ?」

 

レックは良い笑顔で言ったが、それが余計恐怖を与えていた

シャルと呼ばれた少女は申し訳なさそうに五人を見た

 

シャル「ごめんね、うちの旦那が…あ、僕はシャルロット・ヴォルフス、さっきのレックの奥さんってところかな?」

鈴音「え、ちょっと待って、だってあなた私達と同い年じゃ!?」

シャル「あ、元の世界とこっちの世界とでは少し法律も違うし、文化も違うから戸惑うよね?」

 

シャルロットは苦笑しながらこの世界の事を語りだした

その話はどれもこれも非現実的で、とてもじゃないが理解するのに時間がかかりそうだった

そして、話が終わるのと同時に、レックが戻って来た

 

レック「シャルからある程度の事を聞いたね? まあ、これから宝獣の使い方を教えていくから、頑張ってね?」

 

レックはそう言いながら、一夏、箒、鈴音の宝石を取り上げ、加工しアクセサリーに変えた




また懲りずに書いてしまいました…
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