異世界に来てから二年の月日が流れ、六人は旅をしながらそれぞれが師と呼ぶ人と出会い、彼等から様々なことを学んでいた
その過程で一夏は箒、鈴音、簪と婚礼を上げ、祝福された
そして、一夏は織斑性を捨ててナツキ・フェイリスと名乗るようになった
現在、屋敷に戻り、これからどうするかを話し合っていた
レック「君達はどうしたい?元の世界に帰りたいのなら、僕は止めないけど、あくまで自由意志、ここで生きていくことを選んでも、本の世界に戻ることを選んでも誰も文句は言わない」
ナツキ「俺は正直に言うと、帰りたくないんだが…元の世界には友達がいるんだ」
箒「私も、姉さんの事があるからな…」
鈴音「私も…お母さん、二年間も行方不明になっちゃったし…心配して体こじらせてなければいいけど…」
楯無・簪「「・・・」」
シャル「僕は…帰りたくないかな…帰っても…」
そんな会話をしていると、何かが落ちてきて、地響きが起こった
レック「まさか、また彼女の実験!?」
ナツキ「彼女?」
レック「全く…」
レックはそう言うと、屋敷の外に出た
外では何かが爆発を起こし、大破していた
その近くには不思議の国のアリスのような恰好をして、機械風のウサ耳カチューシャを着けた女性だった
ナツキ達には見覚えがあった
レック「何やってんのさ、タバネ、これで何回目の失敗?」
束「いやぁ…レッ君、結構難しくてさぁ…私なりに頑張っているのだよ?」
レック「アハハ…まあ、頑張ってください」
ナツキ「え? 束さん!?」
ナツキは思わず近づいて尋ねた
束はナツキを見ると驚いて動けなくなっていた
そして、箒もやって来た
箒「姉さん…お久しぶりです」
束「箒ちゃん…久しぶり…元気してた?」
箒「ええ、ところで、何をしていたのですか?」
束「ここの世界にすごい技術があって、それを再現しようとしたんだけど…うまくいかなくて…あ、この世界の技術ってすごいよ!束さんお手製のISを進化させちゃって、それも男女共有で使えてね、あと宇宙には大きな都市だってあるんだけど…束さん、今そこで技術士見習いをしているんだぁ~」
束のカミングアウトに箒やナツキは終始驚いていたのだが、レックに納められた
レック「君たち知り合いだったんだね…」
箒「はい、私の姉です…」
ナツキ「…全く…貴方と言う人は…」
束「アハハ…そう言えば、いっ君…じゃなくてナツ君だったね、元の世界に戻りたいんだよね、大丈夫、ここと向こうとでは時間の流れが違うから、元の世界じゃ二週間もたっていないと思うけど…」
束はあっさりそれを言って、スパナをくるくる回し始めた
ナツキ達は開いた口がふさがらなくなった
束「あ、ごめんごめん、正しく言えばユキちゃんの契約している子の能力に時間は関係ないから問題ないってことを言いたかったんだ」
ナツキ「え…?」
レック「タバネ…余計混乱してるでしょ?」
束「ごめんね、レッ君…あ、それとナツ君達のために会社を建てたんだ、厳密にはユキちゃんの会社なんだけど…」
ナツキ「ありがとうございます、束さん!!」
束「私はもう少しここにいるから、これを完成させないといつまでたっても見習いだからね…なるべく早めに技術士として認めてもらいたいからね」
束はそう言いながら、その場にいたみんなに携帯電話を渡した
束「それさえあればいつでもこっちと連絡取れるから」
束はそう言い残し、壊れた機械を持って走って行った
残されたナツキ達はただ茫然と見ることしかできなかった
レック「どうする?」
簪「…お姉ちゃん、帰ろ?」
楯無「そうね、時間関係なく戻れるのなら問題ないわ、体の年も取ってないようだし」
シャル「僕は…」
レック「…僕もシャルの世界に行きたくなっちゃった、お義父さんにも挨拶が済んでないからね」
レックはそう言いながら、シャルロットの頭を撫でていた
シャルロットは顔を赤らめてされるがままになっていた
そして、思い出したのか、レックはナツキのもとに歩き、あるものを渡した
それは揚羽蝶の翅の形をした扇だった
レック「免許皆伝の証、これからも鍛えていくように!」
ナツキ「良いんですか!? でもこれ、レックさんにとって大事な…」
レック「良いから、僕は別の扇で頑張るから、何時か僕に君だけの舞を見せてね?」
レックはそう言ってシャルロットと共に屋敷に戻って行った
ナツキ達もそれにつられて屋敷に戻った
屋敷に戻り、ナツキ達は自分たちの世界に変えるための荷造りをしていた
それぞれ、師から貰ったものを眺めた後、自分達の着けているアクセサリーを眺めていた
ナツキ「どれくらいの時間軸に戻れるんだろうなぁ…」
箒「わからん…だが、問題はないだろう」
楯無「そうそう、私も来年IS学園に入らないといけないし…やらなきゃいけないことが目白押し…特に簪ちゃんの機嫌を損ねないようにしなきゃ…」
簪「お姉ちゃん、何か言った?」
楯無「な、何でもないわ、簪ちゃん、それで、ナツキ君はユキちゃんの処の企業のお世話になるんでしょ?連絡先、書いておいたから取っておいてね♪」
一足先に荷物を纏め終えた楯無と簪は近くにいたユキに話しかけ、元の世界への扉を開いてもらい、元の世界に戻って行った
その後、ナツキ達も扉をくぐり、レックもくぐった
くぐった先では、何処かの企業のトップと思わしき金髪の女性が何かを眺めてニヤニヤしていたのがナツキ達の目の前で行われていた
その女性はナツキ達の存在に気が付くと、慌ててその写真を隠した
?「よく来てくれたわ、私はスコール・ミューゼル、ここの表向きのトップをやっている者よ」
ナツキ「ナツキ・フェイリスです」
箒「篠ノ之箒です、よろしくお願いします」
鈴音「鳳鈴音です、言い辛ければ鈴で構いません」
スコール「そう、よろしくね、三人とも、あ、そうだったわ、学校をどうするかだけど…」
鈴音「私は中国に戻らないと…お母さんも心配しているし…」
これからのことが決まり、ナツキと箒はスコールの勧めで入った中学に転入し、鈴音も中国に戻った
余談だが、フランスのとある企業が土地ごと消滅したというニュースが流れ、現場には無数の氷が散らばっていたらしく、ナツキ達は誰の犯行なのかをすぐに理解した