次の日、専用機持ち達は一般生徒達と別の場所で訓練を受けることになっていた。まずは国、もしくは企業から追加装備が送られ、専用機持ち達はその装備を確認していた
だが、ナツキ達の元にはない、無論、春人も同じである
その時、ユキと、見慣れない少女がやって来た
薄い金色の三つ編みでそばかすが少しある眼鏡の少女だった
その少女を千冬は睨み、二人は怯えていた
千冬「貴様等…ここは関係者以外立ち入り禁止だ…」
レック「はぁ…ユキ、ちゃんとしないと…ソフィも…」
ユキ「う…うん…GLC社総帥、ユキ・ジュエリア…です…」
千冬はそんなユキを鼻で笑いそうになった
その時、千冬の横を何かが通り過ぎた
その方向を見ると、矢文が突き刺さっていた
千冬はその中身を確認した
『そこにいる総帥を泣かせると世界規模の戦争が起こるのでご注意を』
千冬はそれを信じていないらしかったが、とりあえず話を進めた
千冬「それで、何の用だ」
ユキ「えっと…レック達の追加武装を届けに来たんだけど…もう一人…ソフィの部下が来ている筈ですけど…」
その時、何かが猛スピードで落下して来た
それは人参の形をしていた
レックとアランはそれを見た途端、石を拾い上げ、全力で投げた
それはまさに弾丸の如きスピードで飛んで行き、落下して来た人参のようなものに被弾し、撃ち落とした
爆発と共に、何かが飛び出し、パラシュートでこちらに向かってきた
そして、姿が見えると、その人物は束だった
束「レッ君!あっ君、何するの!?」
アラン「敵襲かと思った」
レック「アランと同じく」
束「酷い!!」
そんな漫才をしていると、ユキがジト目で束を見ていた
束はそんなユキを見て冷や汗を掻きながら、レック達の方を見た
束「それじゃあ、知っている人は知っているかもだけど、私はISの開発者、今はGLC社の主任の助手をしている束さんだよ」
束はハイテンションで自己紹介し終えると、ソフィと呼ばれた少女を前に出した
束「主任、自己紹介のほどをお願いします!」
ソフィ「え…えっと…GLC社開発主任のソフィ・アンブラルと申します……本日は、レック達に追加武装を渡しに来ました」
千冬「そんな物、学園に預けておけばいいだろう?」
束「あんたが責任者だから信用できないからわざわざ主任が来たの、それとうちの主任、怒らせると本当に怖いからね…」
束は千冬に冷たい声で言うと、レック達の方を向いた
それと同時に、コンテナが目の前に現れた
銀色のコンテナが開くと、中から赤い番傘が出てきた
束「レッ君のは番傘型の武器、【時雨】だね、開けば盾としても使えるし、打撃武器にもなるから舞を取り入れた戦い方をするレッ君にはぴったりだね」
レック「ありがとう、タバネ」
束「どういたしまして、次は箒ちゃんだね」
束は紅いコンテナを開き、箒の機体、紅神の脚部に装甲が追加された
束「高速移動用装甲【紅花】、高速移動を可能にするけど燃費の事を頭に入れて使ってね」
箒「はい!」
束「次はかんちゃんだね」
水色のコンテナが開き、薙刀が出てきた
簪「これって…」
束「【秋羽】、刃先は磁力で変化するから結構使い勝手が良いよ♪」
簪「ありがとうございます」
束「次は鈴ちゃんかな」
マゼンタ色のコンテナが開き、中から斬馬刀が出てきた
束「名付けて【龍星】、パワーも申し分ない武装だけど、刀身を遠隔操作できるようになっているんだ」
鈴音「ありがとうございます、束さん」
束「シャルちゃんはこれかな…?」
オレンジ色のコンテナが開き、中から盾が出てきた
束「【明星】、特殊粒子を発生させて作る盾は大抵のことじゃ突破は出来ないよ♪」
シャル「へぇ~、すごい武装ですね」
束「…主任の発明だけどね…」
束は涙眼になりつつも、なんとか持ちこたえ、最後の白いコンテナを開けた
その中には様々なフレームが噛みあったブレードがあった
束「【白蘭】…私が唯一作成した武装なんだけど…エネルギーを循環させてそれを攻撃力に上乗せできる武装…簡単に言うと…高周波ブレードの強化版かな?」
ナツキ「これは…俺か…?」
束「うん、ナツ君の専用武器だからね、束さん苦労したよ、こんなむちゃくちゃな構造、初めてだったし」
アラン「よかったな、ナツキ」
ナツキ「ああ、お前の方はどうなんだ?」
アラン「私のは自作でやっている、それに、今作れる中では最高の物を作成した」
アランはそう言って藍色の龍の瞳のようなアイコンをナツキ達に見せた
そんな様子を春人はただ睨んでいた
春人「(何であんな出来損ないなんかと!? だけど問題はない、この後の事を考えれば…)」
麻耶「皆さん、大変です!!大至急旅館に戻ってください!」
麻耶が慌ててくると、レック達はISを解除し、麻耶の指示通り、旅館に戻った
旅館の一室で麻耶は今現在の状況を説明するために、専用機持ち達を集めていた
麻耶「では、説明します、今から二時間前、ハワイ沖にてアメリカとイスラエルの共同開発していた軍用機
セシリア「それって…量産機じゃ太刀打ちできないと言う事でしょうか?」
麻耶「はい…それと…正体不明の獣も近くで発見されました」
レック「…それって、黒い狐のような姿ではありませんか?」
レックがそれを聞くと、全員レックを見た
麻耶はその通りだと言わんばかりの顔をしていた
レック「…その黒い狐が来る前に作戦を終わらせれば問題はないと思う…それと、山田先生、万が一黒い狐が出て来たら僕に任せてくれませんか?」
麻耶「は、はい」
その時のレックの顔は真剣そのものだった
その眼を見た麻耶は何も言わず、任せることにした
そして、作戦の事を考え始めた
千冬が勝手に提案した
千冬「高速移動できる篠ノ乃、オルコット、フェイリス、ヴォルフスが織斑を運び、織斑の零落白夜で止めを刺せばいい」
レック「織斑先生、貴方に指揮権はないはずですが?」
千冬「ヴォルフス…貴様…!!」
アラン「山田先生、
千冬「勝手なことを…」
麻耶「ネクペクター君、貴方の意見に賛同ですが…あの黒い狐について知っていることを作戦の後でお聞きしてもよろしいでしょうか?」
アランは頷き、それを合図にそれぞれ準備に向かおうとしたが、春人が疑問をぶつけた
春人「僕は何をすれば…」
アラン「貴様は万が一の保険と言いたいのだが…貴様では力不足だ…」
アランはそう言い捨てると、出て行った
本当の理由は作戦の成功率の関係である、春人の零落白夜は確かに強力なのだが、本人の実力と釣り合っていない、そして、彼の性格上誰かを盾にしてまで倒そうとする、失敗を棚に上げる、千冬に縋る
そう言ったことが容易く予想できてしまうからである
だが、この時最悪の事態が起こるとは思いもしなかった