インフィニット・ストラトス 宝石と宙   作:在原昴

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青い狙撃手と天かける狐

セシリアは旅館で考えていた

あの時何故自分も行くといえなかったのか

答えはすぐに見えた

 

 

 『怖かったから』

 

ISが通用しない存在、圧倒的な力を持つレック達異世界の住人

その中で自分はとても小さく、脆弱な存在だと思い知らされた

もしかしたらレックの言っている黒い狐が異世界の存在ならばISでは太刀打ちできない、絶対防御も貫通して最悪命を落とすことになる、そしてセシリアは何よりも怖かったのは己であろう…

セシリアは気分を変えようと思い、窓を開けた

その時、何かが飛び込んできた

それは青い羽根を持つ鷲だった

青い鷲はゆっくりと窓枠に停まった

 

?「汝に問う…」

セシリア「!?」

 

喋るはずの無い生き物が突如現れ、喋り出した

セシリアは異世界の存在であると直感的に悟った

 

?「貴様は何故力を求める? 富か?名声か?支配欲か?それとも、恐怖からの逃避か?」

セシリア「私は…」

?「恐怖からの逃避か…」

 

青い鷲はセシリアを真剣に見ていた

セシリアは青い鷲の問いに反論もできず、黙っていた

 

?「それならそれでいい…誰も責めはしない…」

セシリア「え?」

?「我と契約せよ、さすれば力を貸そう」

セシリア「…」

 

セシリアは少し考え始めた

力のあり方、英雄と呼ばれたレック達だが、それを振るわず、自分達の守りたいものを守るために使う、自分は確かに自分の大切な物を守るために力を欲した、だがそれは守ることよりも他者を虐げ、自己の為に使った

そして、考えているうちにレックの言っていたことを思い出した

 

『生きている意味なんかわからない、人間はその答えを求めて生きている』

 

セシリアは漸く気が付いた

 

セシリア「私には力の事なんてわかりません、力を振るって支配するかもしれません、ですので、その力の意味を探しますわ」

?「ほお、面白いではないか…よろしい、我は貴様に従おう…だが我には名が無い」

セシリア「そうですわね…メイズなんてどうでしょうか?」

メイズ「…よろしい、我が主、セシリア・オルコット、貴様に力を貸そう…」

 

メイズと名付けられた青い鷲はセシリアの専用機の待機状態であるイヤーカフスに宿った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒達は弱っていた

唯一戦えていたラウラも一人では分が悪く、苦戦していた

 

ラウラ「クッ…これも運命なのか…」

箒「だが…諦めない…絶対に…」

アラン「まだ、私達は負けていない…」

 

アランがもう一度攻撃しようとした瞬間、青い光が銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の尾を切り落とした

その方向を見ると、そこには何もなく、どこから来たのかがわからない、そして突如、連絡が入った

回線をつなぐと、セシリアの声が聞こえた

 

セシリア『皆さん、後方支援はお任せを!!』

アラン「セシリア、いったいどこから撃った!?」

セシリア『そうですわね、旅館から数キロ東に離れた地点ですわ』

鈴音「そこまでって結構距離があるわよね!?」

セシリア『私の相棒が手を貸してくださっているので、ここから蟻の眉間を狙うことも可能ですわ!!』

アラン「そうか…ならば、今ある最強の眼魂を…」

 

アランは藍色の眼魂を取り出し、スイッチを押した、その瞬間、竜の雄たけびが鳴った

アランはその眼魂をメガウルオウダーにセットし、ユニットを起こした後ボタンを押した

 

『AWAKENING』

 

その機械音声と共にメガウルオウダーから光が立ち上り、その光の中から一頭の藍色の龍が現れた

そして、リキッドドロッパーのボタンを押した

 

『TENGAN MASAMUNE MEGAULOUD』

『MOON DORAGON』

 

機械音声と共に祭囃子のメロディーが鳴り、アランに覆いかぶさった

龍の翼、三日月の兜飾りのある竜の頭のようなフード、竜の腕が宝玉を握っているかのような藍色のバイザー、龍の鱗のような模様と竜の絵の入ったパーカー、そして、竜の尾のようなブレードと竜の下顎のような拳銃を持った姿になった

 

アラン「これが私が作った中で最強のマサムネ…」

箒「何か来るぞ!?」

 

その時、眩い光が接近し、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)を攻撃した

光が晴れると、そこには白い陣羽織のような装甲、勾玉の形をした七つの非固定浮遊部位(アンロックユニット)、背面には光で出来た狐の尾、頭部装甲は狐の耳だけとなり、顔には隈取のような模様が浮かび上がっていた

それだけではなく、髪の色も白く、瞳は紅く瞳孔が縦になったナツキが白蘭を持って現れた

箒達(アランとラウラを除く)は泣きそうになっていた

 

ナツキ「悪いな、心配かけて…もう大丈夫だ」

箒「馬鹿者、心配かけさせて…」

鈴音「本当よ! あんたはいつもいつも…」

簪「良かった…無事でよかった…!」

 

ナツキは慰めようと思ったが、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の方を向き直し、白蘭を構えた

 

ナツキ「お前等の言いたいことは後で聞いてやるから、今は相手に集中しろ」

箒「そうだったな…」

ナツキ「さあ、舞い踊ろうか!!」

 

その瞬間、ナツキの姿が消えた

そして、次の瞬間に現れた時は銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)を切り上げ、また姿を消した

いや、厳密には高速で移動している

そして、箒達はあることに気が付いた

 

箒「体が軽い…それになんだか楽になった気がする…」

鈴音「音も止んだみたい…」

簪「これでぶっちぎれるぜ!!」

ラウラ「コケにした礼をしてやろう…」

 

ラウラは胸部に備え付けられている獅子の顎にエネルギーを集め始めた

鈴音も竜の息吹を腕に装着した

 

ラウラ「『シュバルツェア・クーニッヒ』!!」

鈴音「『龍皇咆哮(ドラゴンバースト)』!!」

 

二人の攻撃は銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)を捕え、SEを大きく削った

 

アラン「心の叫びを聞け!!」

 

『DAITENGAN MASAMUNE OMEGAULOUD!!』

 

アランは竜の尾の形の刀、竜王を前に構え、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)に突っ込んだ

その際、エネルギーがアランを包み、龍の形となり、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)を貫通した

 

簪「逃さねぇ!!」

 

簪は杜若で銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)を縛り上げた

 

箒「ナツキ回復させておこう…」

 

『単一能力、御神楽絢爛、発動』

 

箒の機体から光が放たれ、ナツキの方に触れた

その瞬間、光の尾がさらに輝き、白蘭も輝きだした

 

ナツキ「これが最後だ…箒、みんな!!行くぜ?」

 

ナツキは狐月を展開し、二刀流で斬りこんだ

 

『単一能力、アマツ……流星妖狐発動』

 

その音声と共に光り輝き、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)へと向かって行った

その姿はまるで箒星のようだった

 

ナツキ「『金剛叢雨連斬』!!」

 

狐月と白蘭が輝き、光の尾と共に九回切り裂き、最後に七本の尾を二つの刃に集め、十文字に切り裂いた

そして、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)は夏樹をしばらく見た後、機能を完全に停止し、落下しようとしたが、杜若で縛られていたため、落下しなかった

その時の揺れで黒い宝石が銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)から出てきて、海に落下しそうだったがアランが寸前で拳銃ルナアークで撃ち抜き、粉砕した後、セシリアからの射撃により、完全に消滅した

 

ナツキ「終わったか…それじゃあ、言ってやるか、俺等が永遠に敵にいう言葉を…受け入れろ…」

『それが運命(さだめ)だ』

 

ナツキ達はそう言いながら、親指を下に突き付けた

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