インフィニット・ストラトス 宝石と宙   作:在原昴

37 / 69
偽りの王都

レックとナツキ、シャルロットと本音は今いる国の王都に来ていた

レック本人は帽子とサングラスをしている

 

レック「ここが王都グロリアム…」

本音「へぇ~、凄く賑わっているね~」

ナツキ「レック曰く、偽善の都市らしいけどな」

 

そんな事を言いながら、レック達は本音を案内していた

本音はその中で英雄達の像と呼ばれる石像を見かけた、英雄達の像の中にはレックやユキがいた

レックはその石像を睨みつけていた

シャルロットはそのレックの顔を見て、疑問に思っていた

 

ナツキ「そういえば、ここに何か用事でもあるのか?」

レック「あ、そうだった…王様にあいさつしておかないと……」

 

レックはそう言ってその場から立ち去ろうとしていたが、運悪く子供とぶつかってしまった

 

子供「イタタ…」

レック「大丈夫?」

子供「う、うん…お姉ちゃんこそ大丈夫?」

レック「お姉ちゃんって…僕は男なんだけど…」

子供「そうなの!? ごめんね、なんか…」

 

レックは子供に同情され、泣きそうになっていた

本音はそんなレックの肩に手を置いた

 

本音「レクレク…ドンマイ…」

レック「その優しさが痛い…」

 

レックは涙目になり、心が折れていた

ナツキはそんなレックになにもできなかった

 

 

しばらくして、レックが立ち直り、歩いていた

だが、その歩いている道は王のいる城から遠ざかっているようだった

 

シャル「あれ? この道であっているの?」

レック「うん、王様はこの先にいるよ」

ナツキ「そうなのか?」

レック「うん、あ、見えてきた」

 

レックが見た方角を見ると、ナツキにとってある意味なじみ深い店があった

 

ナツキ「おい、レック…ここ、どう見てもお好み焼き屋じゃねぇか!?」

レック「うん、そうだけど…何か?」

本音「何だろう、この一瞬で王様のイメージが崩れた気がする…」

シャル「えっと…とりあえず、入ろ」

 

そう言って、レック達は店の中に入った

店の中は鉄板がある居酒屋のような内装になっていた

そこに、店員らしき男性が陽気に客と話しながらお好み焼きを焼いていた

 

店員?「へい、豚玉一丁」

客1「ありがとうございます、王様」

店員?「あっはっは!お、レックじゃないか、久しぶりだな」

レック「お久しぶり、王様」

 

王様と呼ばれた黒髪でぼさぼさした髪の男性はレックを見るなり、かなりフレンドリーに話しかけていた

 

シャル「この人が王様!?」

ナツキ「思っていたのと全然違うな…」

王様「おいおい、これでも一国の王だぜ…? それと、何食いたい?」

レック「あ、僕ミックスで、それとスケイル・クリスタを一本」

ナツキ「お前本当にためらいないんだな!?」

王様「そんな事を言うな、えっと、ミックスとスケイル・クリスタだな、ちょっと待ってろ」

 

王様はそう言って、店の奥の方に向かった

 

ナツキ「王様っていうよりも店長だな」

レック「あながち間違ってないさ」

本音「ねえ、レクレク、なんで王様がお好み焼き屋さんをやっているの~?」

レック「ああ、何でも最近ハマったからと国民の暮らしを覗きたいらしいかららしいけど…ぶっちゃけ、政治とかが面倒だからサボるためにここに逃げただけなんだ…」

 

それを聞いたナツキ達は呆れ果てていた

一国の王様がサボる為だけにやっているこの店…

そして、王様が酒瓶を持って戻って来た

 

王様「ほら、スケイル・クリスタだ」

レック「ありがとう!! やっぱりこれだよねぇ~」

 

王様はグラスに酒瓶の中の液体を注ぎ、水で割った

レックはそれを一気に飲み干した

 

レック「プハー!!」

王様「良い飲みっぷりだな、レック、今作ってやるから待ってろ」

 

王様は鉄板でお好み焼きを焼き始めた

レックは鼻歌交じりに待っていた

 

本音「ねえ、なっつー、レクレクが飲んだのって…まさか…」

ナツキ「酒だな、間違いなく、それもアルコール度数が高めの奴」

本音「えぇ!? 良いの!?」

シャル「この世界だと十四歳からお酒が許されるみたいだから、問題はないんだけど、レック、かなりの酒豪だったみたいだね…」

 

三人は近くにある酒瓶を見ながら苦笑いしていた

 

王様「お前たちも何か頼ないのか? あ、ほら、ミックス焼きだ」

レック「いただきます」

 

レックはできたお好み焼きを頬張り、嬉しそうな顔をしていた

 

レック「あ~、幸せ~」

シャル「そんなに美味しいの?」

レック「はい、あーん」

 

レックはお好み焼きを取ってシャルロットに食べさせた

そんな時、本音は先ほどナツキが言っていた言葉を思い出した

 

本音「ねぇ、なんでレクレクはここを偽善の町って言っていたの?」

王様「…そうだな…あれは四年前、レックが十二歳の時だ、この国、いや、この世界に厄災が訪れた…十年前、奴隷として働かされていた子供達が突如として現れた、当然レックは驚いていて、奴等はレックを恨み、世界を恨み、世界を滅ぼそうとした、その中にはレックの友人がいたんだ」

シャル「そうなんだ…」

王様「奴隷として働かされていた子供達は悪魔なんて呼ばれてな、この町でもレックも同様に言われていた、そして、リーダーだったレックの友人が黒幕を道連れに命を絶った瞬間、レックへの対応が手の平を返して英雄視し始めた、レックに謝罪もせずに、まるで最初から尊敬していたかのように、レックはそのことに失望し、レックはこの街を偽善の町と呼んだ」

 

王様は悲しそうに、言い、シャルロットとナツキは怒りで肩を震わせていた

そして、本音は今まで知らなかったレックの一面を聴いて、何とも言えない表情を浮かべていた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。