カイトと呼ばれた少年は屋敷に通され、応接室に案内され、『偶然』、楯無の隣にカイトが座る構図が出来上がっていた
カイト「改めまして、僕はカイト・モリガミと言います」
レック「レック・ヴォルフス、楯無の友達、こっちはナツキ、僕の弟子かな?」
ナツキ「ナツキ・フェイリスだ、よろしくな!」
アラン「アラン・G・ネクペクターだ…」
簪「家の姉がお世話になってます、妹の更識簪です」
本音「その従者の布仏本音よ、よろしくね、もりがん」
本音はクスリと笑ってカイトを見た
カイトは本音を見て、状況を把握したのか、溜息を付いた
カイト「カタナさん、こう言う事なら早く行ってくれれば、僕の相棒の力で何とかなるのに…」
カイトはそう言うと、服の中に隠されていたアレクサンドライトが付いた金で出来たペンダントを取り出した
カイト「出ておいで、シアン」
シアン「…呼んだ、カイト」
ペンダントが輝き、そこから揚羽蝶の翅が生えた小さな少女が現れた
レック「あ、人型の宝獣とは珍しい…」
本音「へぇ…そうなの…」
シアン「そう言う事ね、わかった、任せて、カイト」
シアンと呼ばれた少女は本音に近づくと、彼女の額にキスを落とした
その瞬間、本音は相棒と分離し、元の姿に戻っていた
本音「戻れた~!」
ナツキ「え!?」
簪「そんなのあり!?」
簪が驚き、シアンを見た
シアンは蝶の翅を羽ばたかせてカイトの肩に停まった
カイト「シアンは特殊な宝獣でな、他の宝獣と宝獣使いとの波長に干渉してユニゾンを解除することもできるんだ」
シアン「最も、物凄い精神力で逆らわれたら無理なんだけどね…」
レック「ユニゾンを解除させる宝獣使い…何処かで聞いたような…」
ナツキ「そう言えば、のほほんさんは何で性格がおかしくなっていたんだ?」
カイト「宝獣の中には波長が大きすぎる奴もいる、そいつとユニゾンすると精神に大きな負担がかかる…それを阻止するために性格が変わってしまうケースがあるらしいんだ」
簪「成程ね…でも、そんな事師匠は教えてくれなかったけど…」
ナツキ達はレックをじっと見た
レック「ああ、言わない方が面白いかなっと思って…」
簪「今ならバイクでドライブの刑も追加してやるぜ?」
レック「あはは、小さい君にやられるほど僕はやわじゃ…」
レックが小さいと言われた段階で簪に捕まり、バックドロップを決められ、脚に鎖を巻かれ、そのまま外に連れていかれた
シアン「あれはどう考えても煽ったレックが悪いわね」
ナツキ「人の気にしていることは言わない方が良いというのに、彼奴は…」
シャル「レックは意識しないで毒を吐くから免れない悲劇だったね…」
外でバイクの走る音とレックの悲鳴が聞こえているのだが、ナツキ達は慣れているのか、冷静だった
シアンとカイトはその光景を見て引き攣った笑いを浮かべていた
楯無「カイト君、これがここのみんなだから気にしないでね」
カイト「アッハイ」
カイトは楯無の謎の勢いに負けて納得してしまった
シアン「カイト、見て、彼…」
シアンはナツキを指さし、興味深そうな顔をしていた
シアン「彼が依頼人から聞いた光と闇を繋ぐ希望…」
カイト「…みたいだね…」
ナツキ「何の話をしているんだ?」
シアン「何でもないわ、それよりもカタナ、貴方の世界にも行ってみたいのだけど…」
楯無「え?」
楯無はその言葉が頭に入るのに少し時間が掛かり、理解した途端、顔を一気に赤く染めた
楯無「ま、ままままま、待って!? ちょ、ど、どうして!?」
カイト「あれ? 言ってませんでしたっけ? 今度会ったらカタナさんの家に連れてってくれるって…それに、僕もカタナのいた世界が気になるし…だめ…?」
楯無「う、うぅん、全く、全然、問題ないわ!!何時でもおいで」
楯無はカイトの子犬のような視線を見た瞬間、ダメとは言えなくなり、承諾してしまった
カイト「ありがとうございます!!カタナさん!!」
ナツキ「…(これは確実に楯無さん、リードできなさそうだな…)」
レック「イタタ…酷い目に会った…」
ナツキ「お帰り、レック」
レック「ただいま…」
簪「全く…」
レックは頭をさすりながら不機嫌そうな簪と共に部屋に戻って来た
ナツキ「何かあったのか?」
ミリア「もしかして、レックがまた何かやったとか?」
レック「何もしてないからね!? ただ、あれは色々と危ないと思ってとっさに鉄扇でブレーキを掛けただけなんだけど…」
レックは苦笑いしながら鉄扇を取り出し、それを回した
カイト「大丈夫なんですか?」
レック「うん、こんなの慣れたさ…」
ナツキ「…俺も…」
二人はこれまでのことを思い返し、遠い目になっていた
アラン「友よ、いろいろと大変だったな…」
ナツキ「…ああ…」
シアン「カイト以上に無茶をしていたのね…」
シアンもさすがに同情してしまっていた
その時、黄金の扉が目の前に現れ、そこからユキが現れた
ミリア「あら、ユキちゃん、どうかしたの?」
ユキ「ミリア…えっとね…タテナシお姉ちゃんに用があったんだけど…」
楯無「私に?」
ユキ「えっと…タテナシお姉ちゃんのパパが家に戻って来いって…」
それを聞いた楯無は嫌な予感がしたのか、逃げようかと考えたのだが、簪と本音にがっしり捕まれ、逃げることができないと悟った