IS学園入学初日、ナツキは疲労困憊な顔をして入学式を受けていた
回りは女子ばかりで、少ない男子と言うわけで居心地がとても悪かった
そして、入学式が終わり、自分のクラスに向かった
クラスは一組、箒がいた
それと同時に春人の姿も見えた
ナツキが席につき、その後、眼鏡をかけたパッと見中学生にしか見えない教師らしき人物が入って来た
?「皆さん、入学おめでとうございます、このクラスの副担任になる山田麻耶です、よろしくお願いします」
そう名乗ったが、誰も拍手を挙げず、ナツキが空気を読んで拍手してあげたが、彼以外誰もしなかった
真耶は少し涙目になっていた
ナツキは少しため息をつき、外を眺めた
その後、自己紹介が始まり、ナツキは異世界の事を考えていた
春人の番になった途端、箒とナツキは興味を完全になくし、アクセサリーを眺めていた
春人「織斑春人です、趣味は剣道、特技は家事全般(面倒だけど形だけ言っておくか)です、数少ない男性パイロットですが、よろしくお願いします(さて、これで俺のハーレム生活だ!!)」
春人は優しそうな顔で屑なことを考えていた
そして、順番が回り、箒が自己紹介を終え、ナツキの番となった
ナツキ「ナツキ・フェイリスと申します、趣味は鍛錬と武道全般、特技は家事全般とダンス、それと技術面でも多少の心得があります、それとさっき自己紹介した篠ノ之箒と同じくGLCのテストパイロットをしているのでISについての操縦法などは学んできたのであとは遅れないように頑張ります」
一通り挨拶を終えると、春人よりも凄まじい歓声が上がった
その声に驚いてか、ナツキのアクセサリー…ダイヤモンドを抱きしめている狐を模ったブレスレットから白い子狐が飛び出て来た
それが偶然、後ろからの襲撃者に激突し、攻撃に使われるであろう出席簿が落ちた
ナツキ「はぁ…何しようとしているんだ…織斑千冬先生…」
千冬「グッ…お前が嘘の自己紹介をしたからだ…」
ナツキ「別に問題はありませんが…それよりも、シラコ、大丈夫か?」
シラコ「コーン…」
シラコと呼ばれた子狐は痛そうに泣いていた
女の子達はシラコに興味を持った
生徒1「その狐って何!?」
ナツキ「質問はまた今度と言うことで…それよりも織斑先生、とっとと自己紹介してください…」
千冬「クッ、良いだろう…このクラスを受け持つことになった織斑千冬だ、私の言うことはハイかイエスで答えろ」
その言葉でさらに歓声が上がり、ナツキは鬱陶しそうな顔をしていた
ナツキ「(ったく、煩いことこの上なしだ)」
箒「(それにしても、レックはまだ来ないのか?)」
真耶「あ、そうだ、編入生も紹介しますね」
真耶が思い出したかのように言うと、教室の扉ではなく、窓から茶髪で青目の少女のように見える男性のレックと黒髪に金色のメッシュの入った男性が入って来た
レック「レック・ヴォルフスです♪趣味は日本舞踊とダンスと旅とアクセサリー作り、特技は針治療とダーツ、こんな外見しているけど、僕は男なので悪しからず」
?「アラン・G・ネクペクターだ、趣味は料理と散歩と鍛錬、格闘術全般が得意だ、私はレックとナツキと同じ企業代表で、まだ日本に慣れていないから迷惑をかけるかもしれないがよろしく頼む」
レックは男と言う部分を強調し、アランはまるでマニュアル通りの自己紹介をした
そして、また女子の大音量の歓声が上がった
生徒1「これが世に言う男の娘!!」
生徒2「アラン様に蔑んだ目で罵倒されたい!!むしろして!!」
生徒3「こんなに可愛い子が男だなんて!!」
生徒4「この夏はレック×アランかアラン×ナツキで決まり!!」
生徒5「今日一日でこんなに美形な男子が三人も!? 世界は愛で満ちている!!」
レックとアランは気にすることなく、席に向かい、座った後、密かに耳栓を外した
レック「全く、ここの子は相当男に飢えているみたいだね…」
アラン「こんなところに三年間もいなければならないのは耐え難い苦痛だ…」
密かにそんな会話を交わしていると、休み時間となり、二人はナツキと箒と共に屋上に来ていた
レック「さて、改めて自己紹介するよ、彼はアラン・G・ネクペクター、僕のいた世界では知らない人はいない死霊術師で僕とナツキの親友だよ♪」
ナツキ「アラン、ありがとう、わざわざこんなところに来てくれて…」
アラン「何、君と私の仲ではないか、気にするな」
レック「アラン…改めて聞くけど、ナツキの護衛をお願いできるかな?」
アラン「勿論だ、レック。喜んで親友の護衛をしよう」
アランはレックの手を取り、握手を交わした
その時、春人がやって来た
春人「やあ、君達も大変だよねぇ、同じ男同士、仲良く…」
アラン「断る、私は君の様な人間とは友達になる気はない」
春人「んな!?」
アラン「帰るぞ、こいつといると気分が悪くなる…」
ナツキ「ああ、それにもうすぐ休み時間も終わるからな…」
ナツキ達はそう言い捨て、屋上から教室に戻ろうとしたとき、春人は箒の腕を掴んだ
春人は気味の悪い笑顔を浮かべていたが、箒は顔面をグーで殴り、そして、レックの掌底が腹に叩き込まれ、崩れ落ちた
それをしばらく見た後、屋上を去った
授業自体は分かりやすかったのだが、異世界から戻って来た箒やナツキ、異世界から来たアランとレックからすれば今のISは旧式と呼ばれるくらい古く、既に熟知していたので何とも言い難い顔をして休み時間に突入し、宝獣の事を嘘を交えて話していた
本音「レクレク~、シロちゃんもみんなに見せよ~」
レック「はいはい、カモン、シロシバ!」
その声と共に、レックのアクセサリー…ダイヤモンドのついた銀色のブレスレットが輝き、そこからシロシバが出て来た
シロシバ「わふ!」
生徒達『キャアァァァァァァ!!可愛い!!』
その瞬間、シロシバは女の子達に可愛がられ、レックは苦笑いしながら、ナツキ達の処に来た
箒「お前の相棒は随分と女の子にモテるようだな…」
レック「まあ、シロシバは女の子にはよく懐くけど(残念な美人と根っこからの悪人以外には)…」
ナツキ「そうだったな、そう言えばレックは部活動はどうするんだ?」
レック「う~ん…保留にしようかな?」
箒「私は剣道部に入ろうと思ったんだが、私のそれは剣道向きではないからなぁ…」
アラン「適当なサークルでも作れば問題はないだろう」
レック「現実的だけど…今回はそれに賛成かな?」
そんな会話をして盛り上がっていると、金髪のドリルヘアーの少女が近づいてきた
?「ちょっとよろしくて?」
レック「何…?」
?「何ですの!?せっかくイギリス代表候補生のセシリア・オルコットに話しかけられましたのよ!?誇りに思わないのですの!?」
ナツキ「誰?」
アラン「…興味ないから知らん…」
箒「イギリスの代表候補生…一応国の看板を背負っている人間だ…」
箒の簡潔な説明を聞いたナツキは興味無さそうな顔をして言い放った
セシリア「そうですわ、私は選ばれたエリート、試験管の教師を倒した唯一の生徒ですわ!」
ナツキ「あれか? あんなの二十秒で勝ったぞ?」
アラン「ナツキ、その程度か? 私とレックは十秒台だ…」
レック「アラン、君は相変わらず、厳しいんだね…」
セシリア「な!? どういうことですの!? 倒したのは私だけのはず!!」
ナツキ「それは女子の中ではの話じゃないのか?」
ナツキは淡白に告げると、チャイムが鳴った
セシリア「また来ますわ!!」
セシリアはそう言い捨て、席に戻って行った
レック達も授業の為、席に戻り、千冬が入って来た
千冬「そう言えば、まだクラス代表を決めていなかったな、自薦、推薦構わん」
春人「クラス代表って?」
アラン「再来週行われるクラス対抗戦の選手で選ばれればもれなく先生の雑用を手伝う権利を得る。簡潔に言えば学級委員長のようなものだ」
アランは機械のようにつらつらと言葉を並べ、軽く解説し、溜息をついた
そして、推薦の嵐が起こった
生徒1「私はフェイリス君を推薦します!!」
生徒2「レック君を推薦します!」
生徒3「織斑君を推薦したいと思います!!」
生徒4「私はアラン様を推薦します!!」
ナツキ「断る、雑用の押し付けはまっぴらごめんだ」
千冬「推薦されたものには拒否権はない、他にいないのなら、四人の模擬試合で決めてもらう」
その瞬間、セシリアが立ち上がった
セシリア「待ってください!!納得がいきませんわ!!男子がクラス代表なんていい恥さらしですわ!!このわたくしにそんな屈辱を1年間味わえとでもおっしゃるのですか!?
私はそんなことのために日本に来たわけではありません!
実力的に代表にふさわしいのはこの私、セシリア・オルコットですわ!」
アラン「なら、自薦すればいいだろ?貴様は自分がやりたいのであればそうすればいい、それと貴様は代表候補生であろう?ここは何処だ?」
セシリア「あ…」
レック「君の発言はこの日本に対しての宣戦布告として取れるけど…その責任はとれるかな?」
レックは優しそうな顔から一転して、冷たい表情でセシリアに問いかけ、セシリアは終始黙っていた
レック「はぁ…これだから優等生ぶっている無能は無責任で周りを巻き込んで孤立していくんだ…良い薬になると思うよ?」
セシリア「あ、あなた…よくも私に恥をかかせ、侮辱しましたわね!!」
レック「侮辱してないよ、真実を言っただけ、それと恥は自分の墓穴でしょ?」
レックは冷静に言い捨て、ナツキとアランは溜息をついた
春人はただ茫然としていた
セシリア「け、決闘ですわ!!」
レック「決闘? 君がしたいのは八つ当たりでしょ? 別に良いけど?」
レックはコテンと首を傾げ、セシリアを見た
その眼からは青い宝石のような眼だが、何処か深淵のように深い蒼になっていた
千冬「ならば、来週、模擬試合で勝率が高かったものをクラス代表にする」
そして、授業が始まり、一日が終わった