楯無はカイトと共に自分の実家に帰省していた
楯無「御免ね、カイト君、こんなことになっちゃって…」
カイト「大丈夫ですよ、僕は仕事がなかったので…」
カイトの顔はとても楽しそうな顔をして、楯無は頬を綻ばせていた
そして、自分の従者である虚が二人を出迎えた
虚自身はカイトのことを自分の主の友人程度にしかとっていないので、騒がれることも無かった
楯無は適当に会釈した後、父親のいる部屋にカイトと共に向かった
ここでは関係がばれると色々と大変なことになりそうなので、平静を装うことにした
楯無「お父様、失礼します」
楯無は声をかけた後、ふすまをゆっくりと開けた
その時、いきなりクラッカーの音が聞こえた
クラッカーの音がした方を見ると、楯無の父親がクラッカーを持って、にこやかな笑顔で正座していた
父親「刀奈、彼が君が恋しているカイト君かい?」
楯無「ちょ!? お父さん!?」
カイト「あ、どうも…カイト・モリガミと申します」
父親「刀奈の父の更識勇だ、カイト君、娘を頼むよ」
カイト「は…はぁ…」
カイトは楯無の父親、勇の期待に満ちた目で言われ、苦笑しながら返事した
勇は気分を良くしたのか、豪快に笑い始めた
楯無「お父さん!? な、何を言っているの!? 彼は私の…」
勇「刀奈、私が何も知らないとでも? お前がこっそり電話をして、その時のお前、幸せそうな顔をしていたぞ?」
楯無「え?」
勇「それにお前が大事に持っているという名刺に名前が書いてあったし…それに…」
楯無「お父さん!!それ以上言うと嫌いになるわよ!!」
勇はそれを聞いた瞬間、真っ白になった
楯無は尾を膨らまし、そっぽを向いていた
カイト「カタナさん、流石に言いすぎでは…」
楯無「良いの、この人、娘のプライベートにまで入って来て…」
勇「すみません、なので許してくれませんか?刀奈さん…」
楯無「全くもう…お父さん、それで、私とカイト君を呼んだのって茶化す為?」
勇「いや…本題はこっちだ」
勇の雰囲気が鋭くなり、楯無もたじろいでしまった
勇「カイト君、少し興味深い話を聞いてね…十年前、飛行機の墜落事故があってね、その乗客は全員死亡が確認されたんだが、一人だけ死体が無かった…」
カイト「・・・」
勇「その名前は盛上海斗…君のことだね?」
カイト「そうです…ですが、今も俺はカイト・モリガミです」
カイトは堂々と言い捨て、腰のホルスターから青い拳銃を引き抜いた
勇「君の話も聞いてみたいんだが…いいかな?」
カイト「良いですけど…一応、カタナさんからの話は聞いていますよね?」
勇「ああ、夢の中の話だと思ったが、簪が戻って来た時、反抗期どころかグレていたからね…それと、宝獣…だったかな? それを見て娘達の話が真実だと確信してね…それで、君はまさか異世界に行ったのかい?」
カイト「ええ…六歳からずっと…」
カイトは少し悲しげな表情を浮かべていた
それを見た楯無は心配そうな顔を浮かべていた
勇「そうかい…これ以上は聞かないよ…」
カイト「そうしてくれますと、ありがたいです…」
楯無「これで…終わりかしら?」
勇「ああ、そこで覗いているお客さんをお迎えしてからだがね」
その言葉と共に勇は障子を開けると、そこにはナツキと鈴音、箒とラウラがいた
ナツキ「あ、どうも」
鈴音「ナツキが楯無さんの彼氏が来ていると聞いて」
箒「右に同じく」
ラウラ「観光していたら偶然ここにナツキ達がいたから着いてきた」
四人の言い分を聞いた楯無は溜息を付いた
そして、疑問に思った
この場に一番悪乗りして来そうな人物が来ていないのは何故だろうか
楯無「そう言えば、レックは? シャルちゃんもアランもいないようだけど…」
ナツキ「彼奴等なら関西に行ったぞ?」
鈴音「何でもアランが…『日本で最も有名なたこ焼き専門店の本店に行きたい』とかいって…レック達はその付き添いに…」
楯無「簪ちゃんは?」
箒「エドさんと一緒にバイクで取り締まりに事情聴取を受けているらしい…何でも逃走中の銀行強盗の車をバイクで走りながらひっ捕らえたらしい…だがその後、追っていた警察に捕まったらしい…」
それを聞いた楯無は思わず頭を押さえた
楯無「本音は?」
ナツキ「もう戻ってきていると思うんだが…見てないか?」
本音「やほほ~、お待たせ~」
のんきな声が聞こえると、沢山の猫とともに本音がナツキ達のもとに来た
勇「…娘の友人達がユニークすぎてある意味で心配になって来た…」
楯無「そのネコどうしたのかしら?」
本音「ここに来る途中に猫ちゃん達が寄って来てお話ししてたら遅くなっちゃった~」
ナツキ「違う、そうじゃない…なんで猫をここに連れてきた!?」
本音「え? なつかれたからかな~」
楯無「何それ!? 滅茶苦茶羨ましいんだけど!?」
楯無は思わず声をあげ、猫たちは驚いて本音の後ろに隠れてしまった
本音は猫たちを安心させようと、抱きしめて頭を撫でた
勇「…客室に案内するから、上がってきなさい」
その言葉で全員、更識のお屋敷に上がった