レック「みんな集まったね…それじゃあ、軽く話すことにするよ、今ナツキに何が起きているのか…」
客間に異世界組と帰還組とセシリアと暦が集まり、レックがナツキの状況を語りだした
レック「ナツキの心臓に黒い宝石が埋め込まれてしまっている、理由はまだわからない…」
鈴音「黒い宝石って、レックが言っていた最悪の宝獣よね?」
レック「あれは宝獣なんてそんな生易しい存在じゃない…天を亡くした者…天亡…あいつは悪そのもの、人間の怒り、憎しみ、狂愛、悲しみ、怨み、嫉妬、うぬぼれ、劣等感、欲望、悪意の集合体…僕の大切な友達の人生を狂わせ、殺した……存在…これからの敵だよ…」
楯無「天亡…どんな存在なのかわからないわね…」
箒「なあ、その黒い宝石を取り除くことはできるのか…?」
シャル「レックの話だとできないみたいだよ…強い意志でコントロールすることはできるらしいけど…これはあくまでレックの意見だから、確率はかなり低い…」
アラン「確かに…そうだな…」
異世界組と帰還組は頭を悩ませて少しうなっていた
そんな時、暦が声をかけた
暦「あの…少しいいでしょうか…」
楯無「貴方は?」
レック「ナツのお母さんらしいよ…」
箒「ナツキの母親だと!?」
鈴音「ナツキのお母さんって蒸発して行方不明になったんじゃ…」
アラン「…それよりもだ、何か言いたいことがあるのか?」
暦「はい、一夏…ナツキは天亡に対抗できる唯一の存在です…」
それを聞いたレックの目が鋭くなっていた
レック「ふ~ん…天亡に…」
アラン「どういうことか説明してもらおうか」
暦「分かりました、私は夫である織斑四季と共に生物学と遺伝子学の研究をしていました、そんな中で異世界に迷い込んでしまいました……そこには独自の進化を遂げた生物であふれていました、進化のメカニズムを研究していましたが、目の前で沢山の生命が失われていくのを見ました…その渦中で愉悦の笑みを浮かべていた黒い狐…天亡を…」
楯無「天亡を!?」
暦「ええ…それで、天亡に対抗するために一夏…ナツキを創ったの…」
ラウラ「…なぜ、ナツキを…? 天亡を倒すのなら、私でもできると思うが…?」
暦「ラウラちゃん、そんなことは言わないでね…ナツキには天亡という存在そのものを消滅させる光の遺伝子を組み込まれているの…」
鈴音「それって、この前調べた遺跡にあったあの石板に書いてあった!!」
鈴音は思い出したかのように声を上げた
暦は頷き、話を続けた
暦「でも、天亡は研究所に黒い宝石の欠片を潜り込ませていたみたいで…」
アラン「それがナツキの心臓に…」
アランは少し顔をしかめ、呟いた
箒「それで、ナツキはどうなるんだ?」
レック「…わからないけど、これだけは言える、闇に飲まれてしまったら後戻りはできずに自ら滅びの道を歩むことになる…」
レックは悲しげに彼女達に教えた
箒達は手を強く握りしめて暦を睨んでいた
レック「待ってよ、君たちの心はわかる、でもナツキはそんなことを望んじゃいないよ? 僕達にできるのはナツキの支えになってあげること…違う?」
鈴音「…そうだったわね、この件はもうおしまいでいいかしら?」
カイト「そうですね、あ、僕はもう少しこの人と話してますので皆さんはナツキさんのところに行っててください」
カイトの言葉を聞き、レック達はその場を出ていき、ナツキの下へと向かった
カイト「…暦さん、貴方の言ってた通り、守っていかなくてはいけませんね…」
暦「…これからもお願いしますね、カイトさん」
二人の会話は誰にも聞こえなかった
こうして、夏休みが過ぎて行き、波乱に満ちた二学期が始まろうとしていた