学園祭当日、ナツキは一年四組で和風喫茶で働いていた
ただ和服を着て羊羹などの和菓子等をふるまうだけなのだが、男子がいるというだけで集客がよく、繁盛していた
ナツキ「いらっしゃいませ…って、オータムさん」
オータム「ウッス、ナツキ、青春してるか~?」
ナツキ「ええ…それで、スコールさんはいったいどうしたんですか?」
オータム「ユキちゃんの付き添いで来た」
ナツキ「そのユキが見当たりませんが…」
その瞬間、オータムから覇気が消えた
ナツキは何処か哀愁が漂っている気がするが気のせいだと思い始めた
オータム「ジャンケンで負けてスコールの野郎と一緒に行っちまった…」
ナツキ「(あんた等誰と回ろうが同じことが起きている気がするがな…)」
オータム「せっかくユキちゃんと回ろうと思ったんだがな…」
ナツキ「…何故だろう、あんたから物凄い邪な思考を感じられる気がする…」
オータム「…ソンナコトナイデスヨー」
オータムの目は泳いでいた
ナツキはため息をつきながらメニュー表を渡した
ナツキ「とりあえず、頼むものが決まったら呼んでください」
オータム「おう」
オータムはメニュー表を見ながら何を頼むか考え込んでいた
同時刻の一年一組
レック「いらっしゃいませ」
女性客「あ、あの…」
レック「お席にご案内しますね」
レックは笑顔で接客しながら着実に客を引き寄せていた
ちなみにレックは普段なら和服でも来ていたが、今回はクラス全員の熱い要望により犬耳執事の格好をさせられていた
ついでに犬の尻尾までついていた
レックの女性よりな顔と弟っぽい雰囲気が相まって女性客のハートを掴んでいた
そして、それをシャルロットは不満そうに見ていた
しばらくして、レックがシャルロットの元に駆け寄ってきた
レック「はぁ…本当に疲れる…それにこの格好…何で僕が…」
シャル「楽しそうだね、レックは…」
レック「あれ? シャル、何だか機嫌悪いけど、どうかしたの…?」
シャル「フンだ、レックはモテモテだね」
レック「…ああ…そういうことね…?」
レックは不敵な笑みを浮かべた後、シャルロットの耳元に顔を近づけた
レック「…それなら後で食べてあげようか?」ボソッ
レックが耳元で低音ボイスでそう囁くとシャルロットの顔が一気に赤く染まった
周りにいた人達は何となく百合百合しいと思いながらその光景を見ていた
スコール「やってるわね」
シャル「あ、スコール」
スコール「シャルロットちゃん、年上にはちゃんと敬語で話さないとダメでしょ?」
レック「あはは…そう言えばユキは? スコールがいるということはいると思うんだけど…」
スコール「ユキちゃんならそこに」
スコールが指差した方角を見ると沢山の人だかりができていた
ユキ「あ、あの…な、なんですか…?」
生徒1「可愛い!! まるでお人形みたい!!」
教師1「私の養子にほしい!!」
老人「儂の孫娘になってくれんかの?」
ユキ「い、いえ…一緒に来ている人が…」
女性「そんなことよりもここでコスプレ写真を撮らせて!!」(鼻血)
ユキは人だかりの中心にいておどおどしていた
レック「ああ…やっぱり、今回もダメだったか…」
スコール「ユキちゃんは皆の天使だもの、私も混ざろうと思ったけど…この前ユキちゃんに言われた言葉が…」
シャル「…何を言われたの?」
スコール「…ロリコンってなんですかって…」
レック「…あ、それ僕が前に溢した言葉かも…」
スコール「貴方が原因か!?」
スコールは涙目でレックを睨みつけた
レック「あ、だって…スコールさん達って何かあるごとにユキちゃんに甘ロリ着せようとしたり、コスプレ写真を鼻血出しながら眺めていたりしてたから、ついポロッと言っちゃったんだよねぇ~」
シャル「確かに、ユキちゃんの泣き顔を鼻血流しながら写真撮ってたし…」
レックとシャルロットからの追い打ちが決まり、スコールは倒れた
レック「あれ? 何かまずいこと言った?」
シャル「さあ?」
セシリア「(く、黒い!! 特にレックさんが白いのに黒い!!)」
セシリアは内心でツッコミを入れていた
今、言葉に出してしまえばこの二人の毒舌が加速してスコールの心に酷い傷跡を付けることになる
その時、ラウラが割って入ってきた
ラウラ「レック、ユキのことは良いのか?」
レック「あ、そうだった」
レックは慌ててユキの元に駆け寄り、集まっている人たちに事情を言って店の中に入れた
レック「ごめんね、ユキ」
ユキ「うぅ…こ、怖かった…」
ユキは泣きじゃくりながらレックの腕にしがみついていた
レック「もう、仕方がないなぁ」
レックはユキの頭をやさしく撫でた
その光景を見た人たちにはまるで本当の兄妹のように見えていた
中にはそれを写真に撮っていた人もいたほどだった
適当に接待していると、突然放送が鳴り始めた
楯無『お知らせします、一年のフェイリス君、ヴォルフス君、ネクペクター君、モリガミ君は至急生徒会室に来てください』
その放送を聞いたレックは何かあったのかと思い、その場をシャルロット達に任せて生徒会室へと向かった
だが、この時は男子達はこの後に起こる人生最大(貞操的な意味)の危機に立たされるとは思いもよらなかった