学園祭から三日経ち、ナツキ達はいつものようにアリーナを借りて訓練していた
おそらく、レック達異世界の人間がいない時に黒い宝石が襲い掛かってくるのかもしれない、それを想定してチームワーク強化のための訓練をして、互いに高めあっていた
セシリア「ナツキさん、九時の方角にレックさんが…」
ナツキ「え、ちょ!?」
レック「遅い♪」
レックはそう言いながら回し蹴りでナツキを蹴り上げた
レック「ふぅ…ナツキはもうすぐ落ち着いて対処するように、後セシリア、この場合は君が攻撃して僕を怯ませるのが正解」
セシリア「ああ~…私としたことが、つい言ってしまいましたわ…」
ナツキ「でも、前よりかは連携取れていると思うぜ?」
アラン「そうだな…」
ナツキの発言にアランは頷き、レックは優しい笑顔を浮かべていた
レック「さて、この辺で休憩にしようか」
そう言うと、ナツキ達は地面に降り立ち、ISを解除した
箒「さすがに疲れるな…」
鈴音「そうね…周りに気を使いながら合わせていくのって何度かやってたけど、ISを使ってだから慣れないわね」
箒と鈴音はスポーツドリンクを飲みながら言い、その後、二人の問題点を話し合っていた
箒「鈴、お前の空間把握は良い物だが、もう少し威力を押さえればもう少し立ち回りがよくなるぞ」
鈴音「ありがとうね、箒も気をつけなさいよ、あんた何かに集中すると周りが見えなくなるんだから」
箒「なるほど…私としたことが、ありがとう教えてくれて」
レック「あはは、こうして弟子たちの成長を見るのもまた一興だねぇ」
簪「レックって何歳?」
レック「十六歳だよ、ただ苦労が絶えないだけだよ」
レックはそう言って笑顔を簪に見せた
レック「それじゃあ…あと一セットしてお終いかな?」
まさかの発言に全員お断りと言わんばかりにレックの目を見ていた
レックはそれを見て、ガッカリとしていた
その時、千冬がやって来た
レック「…何か用ですか?」
千冬「いや…その…春人の相手をしてほしいのだが…」
レック「お断りします」
レックははっきりと言い、千冬に冷たい目を向けた
千冬「そう言わずに、一回だけでいいんだ…」
レック「はいはい…それじゃあ…ナツキ、頼める?」
ナツキ「あいよ」
千冬「そうか…で、遠距離武器なのだが…」
アラン「悪いが、その条件は受けない、貴様は頼んだ側だ…これ以上要求するようなら我々もしかるべき処置をとる…」
千冬「わ、わかった」
その声と共に、春人が白式を纏ってアリーナに出てきた
ナツキはやれやれと言わんばかりの顔をして白い楼狐を纏って空に飛んだ
春人「この屑が!!今度という今度こそ俺の偉大さを教えてやる!!」
ナツキ「お前じゃ俺に勝てない…」
春人「黙れ!!おまえを倒すとっておきのものがあるんだよ!!」
春人は空に飛び立ち、アサルトライフルを構えた
ナツキ「遠距離武器か…」
春人「これでも食らいやがれぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
春人はアサルトライフルを乱射し始め、ナツキはそれを軽くいなしていた
春人「あひゃひゃひゃ!!避けるだけか!?」
ナツキ「避けるも何も…はぁ…説明するのも面倒だな…後方注意…」
ナツキの言葉と共に光の尾となった管狐が春人の背後から殴りつけた
春人「後ろからなんて卑怯だぞ!?」
ナツキ「何言ってんだ…それと、狙いが付いていない…それじゃ俺には当たらない…」
ナツキは言葉をつづけながら更に回し蹴りを首めがけて放ち、春人はふっ飛ばされ、体勢を崩した
その隙を見逃さず、管狐を勾玉型に変えて打ち出した
管狐は何度も春人を殴り、地面にたたき落とした
春人「な、何で当たらねぇんだよ!!使えねぇクソ武器が!!」
ナツキ「今度は武器のせいにするのか…全く…これで終いだ…」
ナツキは狐月を取り出し、居合切りの構えを取った
ナツキ「金剛一閃!!」
光の一閃が春人を切り裂き、SEを空にした
ナツキ「ふう…」
鈴音「ナツキ、お疲れ様!」
ナツキ「ありがとうな、鈴」
鈴音はナツキにスポーツドリンクを渡し、ナツキはそれを飲んだ
春人「ウググ…も、もう一度俺と戦って負けやがれ!!」
レック「…」
レックは無言で春人のそばにより、そのまま顔を思いっきり殴りつけ、地面に叩きつけた
レック「ふざけんなよ、チャンバラごっこがしたいなら他所でやれよ?」
シャル「れ、レック、落ち着いて!!」
レック「…これでも、まだ落ち着いているほうだと思うんだけど…」
レックはそう言いながら春人を睨んだ
レック「…それじゃあ、僕らはこれで失礼します…」
千冬「まて、せめてもう一度だけでも…」
ナツキ「お断りします…申請した時間まであと数分しかないので…ああ、それと貴方は決定権がないのをお忘れなく…」
ナツキは冷たく言うと、レック達と共に去っていった
その夜、レックは学生寮の屋上で空を見上げていた
レック「…本当にお月様がきれいだね…ウサギが餅をついて宴を開いていそうだ…」
?「それは告白ととってもいい?」
レック「それは断るよ、ルル―」
ルル―「つれないのね…あなたは…」
レックの後ろにいつの間にかルル―が立っていた
レック「それで、僕に何の用? まさか会いに来ただけなんて言わないよね?」
ルル―「…クス…そうね…黒狐が西の都に現れ、白き狐は空を駆け、愚者にけがされた白き翼は闇に堕ちる…でも気を付けて…もう一人の愚者は白き狐を狙っている…」
レック「…そう…覚えておくよ…」
レックはそう言って懐からウイスキーボトルを取り出し、一口飲んだ
これがすべての始まりにして終わりの序章になるとはレック達は思わなかった