「愛してる。」
君が放った言葉。
でも私はそれに応える言葉をもたない。言葉が話せないわけではない。たんに私がその言葉に返事ができないだけだ。ヒトではない私が誰かに愛される。誰かを愛する。そんな夢のようなことがある訳がない。
しかし突き放してしまうには君は余りにも美しすぎた。
私が言葉に詰まると、君はいつも悲しそうに微笑む。
でも私はそれで良いと思う。
すくなくとも君は笑ってくれる。
私も君を愛しているから。
曖昧な希望を持つことで君を深く傷付けてしまわないように。
君が傷付き肩を落とすことがないなら、私は今のままで…それで良いと思うんだ。
でも・・それでもいつか私はきっと君を傷付けるだろう。傷付けたことさえも気付かずに。
君はどんな顔をするのだろう。
君はまた泣くのだろうか、それとも君は私のもとを離れていくだろうか。
私は卑怯な悪魔だ。
君の愛から逃げる。君への想いを口にはしない。
君が泣かないように、君が傷付かないように。
君が私のもとを離れていかないように・・・
これは、そんな悲しい孤独な悪魔の物語。
「愛してるぅ♡」
しかしキリトは返事を返さない。
そんなキリトの態度など意にも返さないように続けて言う。
「ねぇキリトさんってばきいてる?私ね、あなたを愛してるの♡」
「・・・」
やはりキリトは女から発せられる声に応えなかった。
「ずっと隠してきた私のほんとの気持ち・・・ねぇ知りたい?」
夜の色のような髪と瞳。
二振りの剣を背中に背負うキリトのすぐ隣で
甘えた様な声でなおも続ける女の言葉。
しかし、そんな女に声どころか視線さえキリトは向けない。
と言うよりキリトにはそれに応える余裕が全くないのだ。
何故ならば、今2人の すぐ後ろを血走った目で追いかけてくる群勢がいるからだ。
彼等は神界のエリート部隊。
そう簡単には逃してはくれない。
「まてぇこらぁぁぁ!!」
そう言われて待ったヤツを知らない。
「止まれぇ!さもないと撃つぞ!!」
そう言われ止まったヤツもみたことがない。
後ろから炎を纏った矢のような魔法メラミや、氷の刃のような形状のヒャダインが、キリトの耳もとをかすめる。
つまり彼等はキリトが止まろうが止まらなかろうが撃ってくると言うことだ。
しかしそんな状況にも関わらず、キリトのすぐ後ろを息も切らさずピッタリと着いてくる女は、
「私ね、キリトさんを愛してるのぉ♡キリトさん無しにはもう私、生きてはいけないわぁ。キャッ言っちゃった♡」
「・・・」
「私ねぇあなたと2人、小さくても良いからお部屋で暮らしたいなぁ♡」
「・・・」
変わらず言葉尻にハートマークが付いたような言葉を次から次へと並べてくる。
うるせぇぇぇぇ!!!
愛を口にする女の子への返答としては最低な言葉をグッとこらえて、キリトは無視を決め込んでひたすら逃げ続ける。
「夜のグランゼドーラの街に2人きり、まるでデートみたいですね♡」
「・・・」
「ねぇキリトさん、そろそろあなたの瞳に私を捉えてほしいなぁ〜。」
「・・・」
それどころではないが、彼女がそんなことを本心から言っている訳じゃないことだけはキリトにも分かる。甘く可愛らしい声で甘えてくるが、さっきからセリフを棒読みなのだ。いくら走りながらとはいえ、あまりにも言っている言葉に感情が伴っていない。
キリトは口から文句が出そうなのを何とか堪えて逃げ続ける。
後ろからは相変わらず神の群勢とは思えない口の悪い連中の罵声と攻撃はなおも続く。
「待ちやがれ魔王!!」
それを聞き取った女は、今度は普通の声でキリトの耳元て囁く。
「ほら、呼んでますよ?魔王さま♡」
「魔王はおまえだぁぁぁぁあ!!!」
ついに我慢の限界を超えたキリトは、女の方を振り向いて叫んだ。
するとそこには、甘い言葉からは全く想像もできないほど無表情な美少女が付いてきていた。
白銀に輝く流れるような髪を夜風になびかせている。風に乗り揺れる度に光が溢れるかのようだ。
薄らと赤い瞳は夜空の月明かりを映したかのように、宝石の如く輝いている。
おそろしく整った顔立ちに、陶器のような滑らかで透明感溢れる白い肌。華奢な身体に纏うのはドレス調にあしらわれた宝石などで飾られた白を基調とした装備。
うん。まぁ有り体な言葉ではあるが、だれが見ても女神と見まごうばかりの絶世の美女。
それが魔王シズクの姿である。
そんな絶世の美女が甘い声で潤んだ瞳で愛を囁くのだから、それに堪えられる男なんてまずいない。
が、誰よりも長く共にいたキリトだけは違う。
なおも走りながら顔だけ向けて
「さっきからなんなんだよシズク!」
「え〜?愛し合う2人の語らいじゃないですか〜。結婚して早3年、言葉による愛を確かめ合っているんですよ。」
「ダウトー!!最初から間違ってるじゃねーか!いつお前と結婚したんだよ!」
ピッタリと背後から離れない魔王に視線だけむけながらキリトは叫ぶのだが、
「結婚3年目と言えば男性は浮気の虫が騒ぐと言いますし、そろそろキリトさんの愛を行動で示してほしいなぁ〜♡」
キリトの叫びをまるっとするっと無視して魔王は話を続ける。
キリトはため息を一つ吐いた。結婚こそしてはいないものの嘗ては魔王の婚約者だったのも事実だし、その女神と見まごうばかりの魔王シズクを憎からず想うのもまた事実。
「行動で示せって、何をさせたいんだよお前は。」
「新婚旅行の時、リンジャーラの塔の頂上で誓ってくれたじゃありませんか。」
「だからまだ結婚はしてねーだろうが。」
キリトのツッコミをメタルスライムばりにヒラリと交わした魔王はほんのりと頬を染め
「お前の傍を片時も離れず総てから護ってみせると。」
その瞬間、キリトは全てを悟った。
これはダメなパターンだと。
「どんな敵が目の前に現れようとも、例えそれがお前の両親と闘うことになろうとも・・・」
「いやいや、神界の魔王であるお前の両親と闘うなんて無謀なことする気なんて俺にはない・・」
「愛するお前のためならメラミの中だろうが、降りしきるヒャダインの中だろうが身を呈してお前だけは逃がしてみせると。嬉しかったなぁ〜。」
そう言うや否や、頬を染めた魔王は潤んだ瞳でキリトを見上げ
「あなたの愛、確かに受け取りました♡」
甘い声で囁いた言葉とは裏腹に、凶悪なほどの握力でキリトの首根っこを掴みとると、ヒョイと軽々しく後ろから迫り来る群勢に投げ、振り向きもせず逃げ去って行った。
「ちくしょー!!やっぱりそれかぁぁぁぁあ!!!」
キリトの悲鳴は神の群勢の中に消えて行った。
グランゼドーラの城下町のレストラン
「ま、魔王様と魔界の英雄キリト様がご来店くださるとは。」
神の群勢から逃げ切った2人が、休憩とばかりにレストランに入ると、突然のVIPの来店に店の中が騒然とする。
それもそのはずだった。魔王の居城があるグランゼドーラの城下町なのだ。住人なら街からは何処からでも見える魔界の象徴は、荘厳な雰囲気を持つ美しい城で、街に住む者たちを見守っている誇りでもある。
魔王シズクはグランゼドーラの姫、キリトはその魔王を守護する最強の英雄とくれば、街中の住民の憧れを集めるのも理解に苦しくない。
そんな2人が来店したということもあり店主や料理長をはじめ、全てのスタッフから終いには偶然来店していた魔界の諸侯までもが2人の元に傅き挨拶に訪れる。
「それにしてもひどい目にあった。」
「大変でしたね」
次々とテーブルに置かれていく豪華な食事を横目に見ながら全く気の入らない返事をよこす魔王にキリトは
「・・おいシズク、何を他人事みたいに言ってんだよ。」
「え?ほんなほほありまへんよ嫌でふねぇ。」
口に料理を頬張りながら応える品の無い魔王は、顔だけ女神のような微笑みをつくる。
「全く・・・それよりこれからどうしたものか。」
「ちゃんと考えてくださいよ?付き合わされる私の身にもなってくださいね。」
「・・・待てシズク。なんでお前が俺に付き合わされるような話になってんの?今朝の出来事をちゃんと思い返してみろ。」
キリトに言われて魔王は料理を食べながら半日前を思い返してみる。
今朝は雲一つない晴天だった。
寝室である王族の間は3階、小高い丘の上にそびえ建つグランゼドーラ城は付近のなかでも取り分け高いため、朝日は遮られることなく窓から魔王の寝室へ暖かい光を届けてくれる。
窓の手摺にとまった2羽の鳥は、お互い寄り添うように朝日を浴びながら、綺麗な鳴き声を奏でる。
そんな鳥のさえずりを耳に目覚めた魔王は、窓から見渡す限り続く平和な世界を享受する国中の人々を眺め、それを自信の幸せと思い心を暖かくした。
「おいシズクちょっと待て!」
「なんですか冒頭から。」
「なんですかじゃねーよ!全然違うじゃねーか!!勝手に今朝の出来事を捏造すんじゃねーーよ!!!」
「え〜?もうキリトさんは夢がないわね〜。」
改めて
2階にある玉座の間に魔王が座している。
広い玉座の間の左右の壁には数体の魔王軍の将が、各々武器を携え警護している。
玉座の直ぐ隣りには、魔界ーーひいては神界のあるアストルティア含め全ての世界で最強と言われる英雄キリトがいる。
その正体はエスタークである。
そしてさらにその後ろには、魔王軍の実権を司る3人の魔貴族のうち2名が控える。魔貴族3人に英雄キリトを含めた4人はロイヤルガードと呼ばれ魔王を守護する。そんな彼らは魔界全土から尊敬の念を集めている。
そんな磐石な魔王の玉座の間に、バァン!!と大きな音を立てて入りくる者がいた。
身長は180を優に超え、その全身は黒く頑強な筋肉の鎧で覆われている。長く美しい縦巻きにされたブロンドを靡かせ入って来た女の名はアクア。ロイヤルガードの最後の1名である。
アクアは玉座の直ぐ眼前までかけより、その青い瞳に魔王を捉えると、片膝をついて首を垂れる。
「魔王様、一大事でございます・・・グフッ!!」
最強の筈のロイヤルガードのアクアが血を吐いた。
数メートル先にいた筈の魔王が光の速さで目の前に立つと、突き刺さるような拳がアクアの腹を捉えたためだ。
「見ましたかキリトさん。王座の間に大変ですって入って来たものはグフッ!ってのがそうばなんですよ?」
赤い瞳を輝かせてドヤ顔で言う魔王はどこか楽しそうに見える。本物の美の女神さえ色褪せるような容姿を持つ魔王シズク。しかし残念なほどに彼女はいろんなものが足りない。
踏付けたロイヤルガードの頭をグリグリしながら
「アクアさん、私の事はいつも魔王と呼ぶなとあれ程・・・。」
「ま、魔王様・・今はそれどころでは・・。」
しかしアクアもロイヤルガード、常に魔王の傍を護る側近中の側近。魔王のこうした部分も知り尽くしている。
「全く・・まぁ良いです。それで何が一大事なんですか?」
「魔王様、神界アストルティアから勇者一行がグランゼドーラ城内に侵攻してきました。」
「え?勇者一行がこの城に?ロイヤルガードも全員揃っているこの場にですか?」
その時だった。再びバァン!と大きな音を立てて玉座の間に入りくる者達がいた。
ブルーを基調とした鎧を纏い、神々の女王から貰ったであろう光の証を額の輪にはめた男。眼光は鋭く、魔王の居城であるグランゼドーラまで来たのはまぐれではないことは、魔王の玉座の間に居合す者なら誰もが見るだけで分かる。
魔王ははやる魔将を片手で制すると、ロイヤルガードの4名だけを後ろに立て一歩前に出た。
「ようこそ我が生贄の祭壇へ。私は闇の神の中の神、魔王の中の魔王。神魔王シズクです。」
「お前が魔王ッ!」
勇者も魔王と後ろに控えたロイヤルガードが圧倒的な力を持つ相手であることを認める。
勇者の仲間も自身を入れて5名、魔王もまたロイヤルガードと魔王で5名。
それぞれは相対するだけで場の空気が重くなっていく。
魔王は改めて眼前の勇者を見定めるように見る。なかなかに素敵な青年なようだ。勇者とはいえ殺してしまうにはあまりにも惜しい。しかしグランゼドーラ城が堕ちると、魔界レンダーシアが堕ちてしまうことになる。本音を言えばレンダーシアがアストルティアになれば自分は面倒臭い魔王なんてやらずに済むのだ。
負けちゃおうかな〜。
魔王はふと頭の片隅に考え背後のロイヤルガードの面々に顔を向けると、ロイヤルガードの4人は揃って首を振る。
どうやらバレたようだとガックリと肩を落とす魔王に、
まさか目の前の魔王がそんなことを考えているとは露ほどにも考えない勇者は一歩前に出て叫ぶ。
「魔王!直ぐにでもお前を倒してレンダーシアをアストルティアに解放したいところだが、俺はアストルティアの女王からお前宛の手紙を預かっている!!先ずはそれを読んで貰おう。」
「え?まさか勇者から私(魔王)にラブレターですか?」
頬を染めモジモジする魔王に勇者は
「神界の女王からだって言ったろーが!良いから早く受け取って読みやがれ!」
そう言って手紙を魔王の方へ投げてよこす。
「全く・・・セレシアちゃんが私に手紙って・・用があるならお忍びで遊びに来れば・・・・!?」
ブツブツと文句を漏らしながら拾った手紙に目を通す魔王は、真っ赤な顔になったと思うと次の瞬間には紫色になり、プルプルと震えだした頃には真っ青になって手紙を力なく落とした。
魔王が落とした手紙を拾い上げたキリトは、つまらなそうに手紙に目をやるのだった。
Dear シズクお嬢様へ
お変わりなくお元気にお過ごしでしょうか?神界アストルティアは、エルフのポワンがフルートで春を呼び、色とりどりの花が咲く美しい季節となりました。
〜中略〜
さて本題に入らせていただきますが、シズクお嬢様、お嬢様がアストルティアで散々壊してきた家屋や、アストルティアに暮らす者共からの損害賠償請求が持ち上がっております。
お嬢様は常日頃から気分で散々ぶち壊し、一千年前の対戦ではあわやアストルティア大陸を壊滅寸前になるほど暴れました。
しいてはお嬢様に賠償金をご請求させて頂く運びとなりました。
金額につきましては軽く見積もらせて頂いても百億ゴールドは下らないと思われます。
なお、先にお嬢様のご両親様に相談させて頂いたのですが、ご両親様は
「娘を煮るなり焼くなり好きにしてもらって結構!」
と、ご許可を頂いております。
もちろん百億ゴールドなどお嬢様が持ち合わせていらっしゃらない事は百も承知ですので、代わりにお嬢様の財産を差し押さえさせていただきます。先ずはグランゼドーラ城は管財人(勇者)が既に差し押さえている事を、ここに宣言いたします。
キリトはこの後も細々書いてある文は、読むだけ無駄とばかりに憐れみの目で魔王を見る。
シズクはキリトと目があうと、ニコッと微笑みスススと近付き、
「あの〜キリトさん?ちょっとお願いがあるんですけど・・・」
「金ならないぞ?」
「チッ!」
魔王は舌打ちするとキリトのスネを思い切り蹴飛ばした。そして他のロイヤルガードに視線を移すと、先ほどまで揃っていたロイヤルガードがキリト以外誰も居なくなっていた。
つまり逃げたのだ。
「魔王、観念しろ!勇者である俺としてはお前を討ち倒したいのはヤマヤマだが、神界の女王様の命令で仕方なくお前を生かして拘束させて貰う。」
そう言って剣ではなく拘束用のロープを持った勇者一行は、ジリジリと魔王に近付いてくる。
「あ!」
その時魔王は、勇者達の背後にある玉座の間の扉を指差して声を上げた。
勇者達は魔王が指差した自分達の背後に視線を移すと、背後とは逆の魔王とキリトのいる方から
ガシャーン!!
と大きな音が響く。
魔王が玉座の間の窓を蹴破って逃げ出したのだ。
そしてそれに少し遅れてキリトも蹴破られた窓から外へ逃げて行く。勇者達は慌てて蹴破られた窓から外を見ると、既に遥か遠くまで走り去る魔王の白銀の髪をなびかせる後ろ姿と、その横を同じような速度で逃げる魔界の英雄の姿が見えた。
.
思い出せば思い出すほど酷い展開だ。
キリトはグランゼドーラのレストランで出された料理を食べながらこれから先のことを考える。
「さて、これからどうするかだな。城は差し押さえられてしまったんだろ?俺は自身の部屋がアストルティアにもあるけどシズク、お前はないだろ?どうするんだ?両親のいる実家に帰るか?」
「それだけは絶対に嫌です!」
「嫌だって・・まぁ分からないでもないが、じゃあどうするんだよお前。」
「何を他人事みたいに言ってるんですか?」
「俺には関係無いだろ?」
「何言ってるんですか?あなたは私の婚約者ですよね?」
「まぁ一応な。それがどうかしたのか?」
「って事はいつかキリトさんは私の旦那様になるわけですよね?」
「・・・?それがどうした?」
「鈍いですね、旦那様になるってことは私の全てがあなたのものになるんですよ?心も身体も・・・」
真っ赤に頬を染めモジモジ照れる魔王にキリトはつい惹かれそうになるのだが
「借金も♡」
の、最後にボソッと言った一言に猛反発する。
「ふざけるなよダメガミ!!何で借金まで俺が!?」
「そんなに照れないでくださいよ。あなたのモノは私のモノ。私の借金はあなたの借金じゃありませんかぁ♡」
「待て待て待て!可愛く言ったって駄目なものは駄目だからな!?」
「え〜本当にだめぇ〜?」
「甘えても駄目!俺だって最近伝説級の神剣を買ったばかりで金はねーよ!だいいち、暴れまわってぶっ壊しまくったのはシズクだろ?賠償はお前が・・・・」
「え?キリトさんお金ないの?じゃあここの支払いはどうするんですか?」
「は?だってお前がこのレストランに入ったからそのぐらいはあるのかと・・・。」
「デートで女の子にお金を払わせる気ですか?最低ですね。」
「デートじゃねーし、金もねーよ。どうすんだよコレ・・。」
そこまで言ったとき、キリトは周りを大型モンスターのギガンテスが、大きな棍棒を左手にパシパシならしながら近付いてくるのが見えた。
あの棍棒はとても痛そうだ。
キリトとシズクはお互い見合うと無言で頷き、シズクの放ったメラの大爆発に乗じて2人は逃げ出した。
「喰い逃げだー!!魔王様とキリト様が喰い逃げしたぞー!!追え!」
悪魔の如き凄まじい形相で追いかけてくる悪魔。魔王と英雄キリトは、どこまでもどこまでも走って逃げて行くのだった。
2人は一体何処へ行くのか?
何処へ向かっているのか?
一抹の不安を胸に、目の前を凄まじい速度で走って逃げる魔王の後をキリトは必死に追うのだった。
どこまで続くか分からない魔王と執事?の逃避行の物語です。よろしければお付き合い下さい