~転生者深海棲艦奮闘記~前世持ちの姫がチート鎮守府とか相手に頑張るお話~ 作:R.H.N
ついに起きた作戦開始当日の深夜0時、偽航戦姫はニューカレドニアを部下たちと共に発とうとしていた。
「姫様、そろそろ出ませんと。」
「・・・そうね、にしてもトラップ作りすぎた感が・・・」
「ですね・・・」
ニューカレドニア島の海岸にて出港の時を迎えようとする偽航戦姫は、随伴の戦艦棲姫、軽巡棲鬼、駆逐棲姫他の随伴を伴い、ハワイへと向かうこととなったのだが、その間に半ば暇潰しの感覚で島に大量の落とし穴を掘ってしまっていた。
余りに作りすぎて、沿岸に着くまでに偽航戦姫と駆逐棲姫が一度落ちており、また、深さの方も、誤落下によるダメージを塞ぐため、集積地棲姫が台湾から持ってきていたクッションを敷いとかなければこんなことで損傷する羽目になっていただろう程に深く掘っていたのである。
「まぁ・・・深夜テンションで張りきり過ぎましたからね。」
「後詰めは戦艦水鬼の艦隊が引き受けてくれるからね、早めに引き上げないと。」
「ですね、急ぎましょう」
「ラバウル爆撃の空母棲姫とトラック奇襲のレ級は大丈夫かしらね・・・」
一抹の不安を抱えつつ、偽航戦姫がニューカレドニアを離れた頃のオーストラリア近海。
「・・・北方棲姫様、そろそろ時間です、」
「・・・よし、富士を発機させるよ!」
「よし、富士・・・・・・発艦!!」
オーストラリアの南側から出撃した12機の富士、主目標はラバウルの燃料倉庫、次点で衛星管理施設を目標としていた。
この富士長距離爆撃機は、本物と違い航続距離が短くなっていたが、その分急降下、急上昇能力が大幅に強化されており、限界高度は2万超にまで強化されていた。
この航空隊の攻撃の正否は今回展開した作戦において重要であり、何としてでもラバウルにある数百万単位の物質在庫を吹き飛ばしたいと言う思惑がそこにはあった。
放たれた富士は、ラバウルに潜入したレ級の情報を元に動き、ラバウル倉庫を吹き飛ばすべく、航行するのであった・・・。
「隊長、そろそろトラックです。」
「ソウカ・・・戦闘準備、一暴レスルゾ。」
「はっ!」
一方、時系列はトラック方面にて同日昼頃、偽航戦姫のレ級エリートを旗艦とし、レ級だけで編成した特別攻撃艦隊はトラック襲撃の準備を始め、直ぐにでも終わりそうと言う状況に至っていた。
「目標どうします?今近くに映っているのは駆逐艦のみですが。」
「遠クニハ?(戦艦が数隻ちらほら・・・)」
「先ズハ近場ノ駆逐艦相手デイイカ、全航空機発艦準備ダ。」
少しの後、多数のレ級から凡そ600機もの攻撃隊が、ただ一隻の駆逐艦のところへと殺到する。
「・・・・・・ちょっと、これは不味いかな…………?」
迫り来る航空隊をみて驚きのあまり立ちすくむ響、口調は冷静な物であったが、本人からすれば泣きたいレベルの出来事である。
(ウランデクレルナヨ、コレモ戦イダ。)
すこしだけ響の方に接近したレ級達は、エリートのレ級が心のなかでそう思いつつ、これをもって始まる戦いへと気概を改める。
・・・・・・が、突然航空隊の前で爆発音がしたかと思うと、響に殺到しようとしていた航空隊の30%近くが響の目の前で散っていく。
「ナッ!?航空隊ガ溶ケタ!?」
レ級が驚くと同時に今度は閃光発生し、航空隊が発生した閃光に飲み込まれていったのである。
「・・・・・・コレハヒドイ。」
今の二回の攻撃で600近く発艦した航空隊は殆ど撃墜され、残りもボロボロで戦力に換算出来そうにない、レ級達にはまだ500程度航空機が残っているが、それを使う意味はないと言わせんばかりの雰囲気が辺りを包み込む。
「響ちゃん!大丈夫!?」
「ヴァツーチン!うわわっ!?」
「響ちゃ~ん、大丈夫?」
「虚まで・・・私は大丈夫、助けてくれてありがとう……怖かったよぉ……」
「んで、主犯はそこの深海棲艦達と・・・、」
(ウワァァァァァァァァァァァァァァ!!!!)
航空隊壊滅から少しして、響の所にやって来た艦娘が二体、レ級達はそのうちの片割れを見て戦慄する。
「レ級・・・・・・か…………覚悟しなさい!!」
「逃がさないよ!!」
「ヴァツーチン、接近してきます!どうします隊長!?」
「誰ガ隊長ダ、コウナッタラ仕方ナイ、応戦スルゾ!」
ヴァツーチン、深海棲艦側が交戦を避けるようにしていた艦の1つである。
深海棲艦側はこの艦がニューカレドニア攻略に投入されることを解読した暗号から発見、守備ガラガラのトラックに奇襲を仕掛ける腹積もりだったのだが……。
目の前にいるのはヴァツーチンとやけに速い駆逐艦、やれるかどうかはわからないがやるしかない。
「主砲、セイシ(ギャァァァァ!)ンナッ!」
レ級達が主砲を放とうとしたとき、一体のレ級にヴァツーチンの主砲が直撃、全弾命中の威力には敵わず、一撃轟沈してしまう。
「遅い!遅いよ!魚雷発射ー!」
「ウワァァァァァ!」
ヴァツーチンの主砲でボコボコにされ、逃げようとすると高速の駆逐艦の攻撃を受ける……、ヴァツーチンに攻撃しようにも、衛星からのデータ受信で弾着観測を行うヴァツーチンの驚異の命中率と、謎の駆逐艦がなす50ノットは優に超えるであろう速力に阻まれ、響の方に攻撃を加えようとすると、ヴァツーチンの弾幕に阻まれるのであった。
「コンナニ呆気ナク……」
「うわわっ!危ないよー!」
「ェ?」
遭遇から20分も経たぬ内にエリート以外のレ級は全滅、そして・・・。
ドーン!
「ガァァァァッ!?グフッ!」(バタッ)
(ヒメ・・・サマ・・・・・・)
「……あ、」
残ったエリートレ級も虚の魚雷直撃でボロボロの状態で虚に
「やっちゃったね、虚。」
「・・・・・・ヴァツーチンさん、この深海棲艦、此方の方で治療したいのですが、良いですか?」
「・・・どうしてか聞いて良いかしら?」
「その・・・ボロボロの状態で酷いことしてしまいましたので……」
「・・・司令官、(どうしたのヴァツーチン?)虚がエリートのレ級を此方で保護したいと具申してきたのですが……」
「あー、許可しますので、可能な状態なら捕虜扱いにしてくれませんか?、深海棲艦側全体の実情を聞いてみたいですし。」
「了解しました、虚が轢いて気絶していますので、とりあえず拘束して鎮守府に帰投しますね。」
「あ、そうそう、今の襲撃を受けて、ラバウルから騎龍が向かってくるそうです。」
「再発防止策ですか・・・ラバウルは大丈夫なので?」
「倉庫が吹っ飛んでしまいましたし~、まぁ大丈夫かと、夫が本気出しましたし。」
「本気出したからってどうこうなる被害ではないはずですが……」
「まぁ、防衛なら大丈夫ですよ、食料倉庫吹っ飛んでたら食料クレクレしてしまいそうですけど。」
「(大丈夫なのかしらそれ・・・)、とりあえずこれより気絶してるエリートのレ級、響、虚と共に一時帰投します。」
「了解しました、短い距離だけど、潜水艦とかに気を付けてね。」
「了解」
こうして、偽航戦姫のエリートレ級は捕虜となってしまった。
取っ捕まったレ級の運命やいかに?
そして、本作戦の結果やいかに?
「・・・あらら、始めましてね、」
「始めましてと言うべきだろうか、名も知らぬ深海姫よ、」
「私の名は偽装航空戦艦姫、略して偽航戦姫よ、覚えておいてくれると光栄だわ。」
「名乗って貰ったのだ、返礼くらい必要だろう、私の名は・・・・・・蒼井創作だ。」
~つづく~