~転生者深海棲艦奮闘記~前世持ちの姫がチート鎮守府とか相手に頑張るお話~ 作:R.H.N
「ハハハハ・・・手荒い歓迎ご苦労さん、」
「な・・・なぜ生きているんだ・・・近距離からの我々の一斉射だぞ・・・」
戦艦棲姫達の攻撃を受けて無傷・・・・・・普通の人間に命中すれば、間違いなくミンチになっていたであろう攻撃を受け切った男の様子を見て、思わず戦艦棲姫達が後退りする。
「・・・・・・やはり人と同じような存在、といえるのかな?このようすだと
「提督、攻撃許可を下さい、流石に提督に攻撃されててこちらは動かない、と言うわけには参りません!」
「不許可だ、暫くはこのまま様子を見るのもアリと判断した、私は正直この状況ならどうとでもなる、だからそっちに砲火が飛んで来た場合の反撃は許可する。」
「しかし・・・!」
「騎龍、私の手伝いのために来てくれたのならば、頼むから今この場での私の行動を邪魔するのは勘弁してくれないか?早いとこ彼女達を倒したい気持ちは解るが、判断材料が足りん、それと・・・(ゴニョゴニョ)」
「・・・っ!、了解致しました・・・・・・申し訳ありません、蒼井提督」
「此方も無茶に付き合わせてすまんね。」
男と近江と思われる艦娘が軽くやり取りした後、三名の艦娘はその場で待機し、男はゆっくりと偽航戦姫達に近づきながら何かを考えているようだった。
「ぽよ~ぽよよ~ぽよ?」
「・・・恐らく提督は提督のやり方で彼女達を
「ぽよよ?ぽよ~ぽよよよよ~」
「・・・御意に、私も微力ながらお力添えをさせて頂きたく存じ上げます」
「ぽよ、」
「・・・こちらヴァツーチン、ラティメリア、通信は相変わらず良好です・・・なんですって?・・・了解しました、提督は今取り込み中ですので、こちらで独自に対応させて頂きます、構いませんか?・・・・・・有難うございます」
(他の二隻も二隻で独自に話をしてるわね)
(恐らくヴァツーチンは衛星中継でトラックかラバウルのどちらか、或いはその両方と、上総は肩にのってる真ん丸い猫とでしょうか?)
(あの真ん丸な猫ちゃんかわいいなぁ、ってそれよりもあの猫ちゃん上総よりも偉い立場っぽいけど何者なのかしら?)
(わかりません、でももしかすると国の象徴みたいなのやも・・・)
(天皇家のように?そうとも思えないけど?、それよりも水面下の潜水棲姫とどうにか連絡つけられないの?)
(下手に動くとバレてしまいます、って言うかとんでもない衛星でこちらを観測していた事実がある以上気づかれてると考えるのが妥当かと)
男が近江(さっき騎龍と呼ばれてたのを失念してる)と話をしてる間、お互いに相手へのアクションが殆どない奇妙な状態となったのを利用し、偽航戦姫たちはこそこそ話をしていた。
おもいっきり相手の声が聞こえるので、耳にした情報をもとに現状を再確認してゆく。
取り敢えずサーチ&デストロイされない分、状況は思ったよりも遥かにマシなようである、しかし全滅すら普通に考えられる危険な状況なのに変わりは無い。
と、ここで男の方に動きが起きる。
「・・・まず最初に一つ問おう、そこのヲ級は何故に、今尚その姿を偽っているのだ?」
(・・・偽装を解くか、)「・・・あらら、始めましてね、」
「始めましてと言うべきだろうか、名も知らぬ深海姫よ、」
「・・・私の名は偽装航空戦艦姫、略して偽航戦姫よ、覚えておいてくれると光栄だわ。」
「名乗って貰ったのだ、返礼くらい必要だろう、私の名は・・・・・・蒼井創作だ。」
(姫様!?)
(ほう?案外そっけなく偽装を解いて来ましたね、それにしてもこの緑色のは、やはりただ者ではない・・・と、)
(・・・・・・・・・)
偽航戦姫の偽装が解かれ、本来の姿がさらされると共に、隠されていた緑色のオーラが放たれ始める。
それとほぼ時を同じくして中間棲姫も覚悟したのか、偽装が解かれる頃には彼女隠がしていた緑色のオーラが彼女から放たれ始めていた。
「ほほう?、偽戦嬢だけでなく、そっちの中間嬢も同じオーラを持ち合わせていたのか、エリートやflagshipが常にオーラを纏ってるように見えるのに対して、と言った風に思えるな」
「私達はこう見えて、深海棲艦の親玉の一角なのよ?安易に姿をさらすわけにもいかないから己の手で出ないように力を押さえてるのよ?」
「成る程、偽装もそのためか・・・・・・こんな形で納得することになるとはな~」
「こちらも此方でいかにしてここに貴方達がやって来たのか知りたくなったわね、場所は例の衛星で見つけた、としても、蒼井さんはともかくとして、少なくともそちらの三隻ともは、ついさっきまでそれぞれ全く別の所にいたと思っていたのだけど?」
男の興味が二人に定まり、男と偽航戦姫、中間棲姫による会話が本格的にスタートした。
戦艦棲姫達が固唾を呑んで様子を見るなか、三名の艦娘は偽航戦姫と中間棲姫を食い入るようにして見つめている。
「ああ、種明かしは簡単さ、信じてもらえそうにないけどね」
「種明かし?」
「そっちにいる上総と肩にのってる猫ちゃん、ヴァツーチンと赤い子は私とラバウルにいる親友とで即席したカタパルトを使って貰ったよ。」
「即席のカタパルト?」
「カタパルトと言うよりは巨大なパチンコでしたけどね、何ですかあのゴム、どんだけ強度があるのかと」
「・・・・・・よーするに現地からぶっ飛んで来たと?そんなことが・・・」
「まぁあり得んと思うだろうから、今この場で説明してしまおう」
男から為された種明かし、しかし荒唐無稽すぎて信用ならない。
そんななか、男・・・創作はその出来事を納得させる為、近くの水面を指差してこう一言加えた・・・・・・。
「そこいらへんに人の腕っぽいのが落ちてるだろう?、あれは
・・・・・・・・・場が完全に凍りついた。
この言葉、完全に艦娘達にも予想外だったようで皆一様に言葉を失い、指差した方に注目している。
そして、男が指差した方向を見ると、確かにそこには人の腕と思われるものが、男の着ているコートと同じ物のような布切れと共にぷかぷか浮かんでいるのがおもいっきり見えていた。
当然、先程男は無傷と言ったように、今の男には両方に腕がちゃんとくっついてるし、着ているコートも欠けたような跡は存在していないし、血が飛び散ったような跡すら存在しない。
しかし、その浮いている腕には爆発でついたと思われる火傷の後がしっかりとついている他、ぷかぷか浮きながら千切れたと思われるところからドクドクと血を流してるのである。
創作と偽航戦姫、中間棲姫以外の全員の顔が一気に青くなる。
余りの恐怖に二人の副官であるヲ級二人が体をぶるぶる震わせながらそれぞれの主に正面から抱きついた。
(姫様姫様姫様姫様姫様・・・・・・)
(姫様・・・タスケテ・・・ヒメサマ・・・!)
「・・・こりゃ重症ね、このままちゃんと抱いてあげとかなくちゃ、私の大切な副官が再起不能になっちゃうわ」
「こっちはまだマシだけど、暫くホラーは禁止になるわねこりゃ」
「・・・・・・スマンね、流石に恐怖を強めすぎたか」
「・・・にしても、この様子だと物体をいきなり生み出す感じか・・・質量保存の法則とかがボロ泣きしそうね」
「ホントにねぇ、でも酷い話、やっとラバウルの動きに納得がいったわね、
「・・・その事実にたどり着いてそれでも尚
「結構空元気なのよ?、私達は背負ってるもの沢山あるし、貴方達にとっては下らないとしても、深海棲艦には深海棲艦なりのプライドって物があるしね」
「んで、気になったんだけど残りの二人はどうやってここに?」
さっき何が起こっていたのかを理解して恐怖のあまり立ち竦む深海棲艦、艦娘達、特に副官であるヲ級達と真ん丸い猫が負った心理的ダメージはとてつもなく大きかったらしく、二人のヲ級は唯一耐えた中間棲姫と偽航戦姫に抱きついて幼児退行に近い症状を引き起こし、真ん丸い猫の方に至っては驚愕と恐怖のあまりあ○たのジョーも真っ青の如く毛の色が一時的に脱色されて真っ白になっていた程である。
その他、上総と護衛の戦艦棲姫は立ってるのがやっとの状態になり、ヴァツーチン含めた他は完全に腰が砕けてその場にへたり込んでしまうほどであった。
創作がバッサリと言ったのもそうだが、何よりもこの場にいた誰もが、あのとき何が起きていたのかを
そんななか、明らかに顔をひきつらせながらも耐えている中間棲姫、それ以上に平然としてる偽航戦姫は多少ペースを崩しながらも話を続けていく。
そして、偽航戦姫が口にした疑問でもって二人には更なる情報が飛んでゆく事となる。
「・・・・・・投げられました」
「へ?」
「投げられたんです、トラックに突然やって来た【蒼井提督のご親友】を名乗る軍人風の男性にひょいっと、それも片手で。」
答えたのは騎龍であった。
「・・・あー、正成のヤツ、【頼もしい援軍が纏めてやってきたから騎龍を送っても大丈夫になった】とかいってたけど、来たの【アイツら】だったのか・・・」
「【あいつら】?」
「・・・あー、【あいつら】に関しては真面目に知ろうとするのはやめとけ、割りとマジで感覚麻痺するから」
騎龍が震える声で出した返事に反応する創作、しかし、そこから出た中間棲姫の質問に対して、彼は軽く警告をするだけで答えようとはしなかった。
「・・・・・・提督、後で聞きたいことが沢山出来ました・・・ご覚悟は宜しいですね?」
「・・・出来てるが・・・【アイツら】が来た以上【私達】をどうこうしようとする事だけは止めておけ、本気で大変なことになるぞ?」
「・・・わかりました」
直後、上総から砲を向けられる創作、半ば脅迫紛いである上総からの問いに対して、創作はかなり困った顔をしつつも、ある種それ以上に脅迫めいた返しで応対する。
両人の顔は、この時困惑とある種の諦観が伺えた。
「・・・で、取り敢えずそれらはおいといてぇ、さて、偽戦嬢と中間嬢・・・それとそこのほっぽちゃんはこの状況に対して如何するかね?」
「・・・・・・あっ」
とんでもなく濃い話をしていたからか、すっかりと話がそれていたがそのせいで完璧に対応が遅れたのが、この戦いの決着をつける要因となっていた。
色々と濃い話をしている間に、いつの間にか偽航戦姫達は周辺一体をちっこいエイ型の潜水艦やら多数のジェット艦載機やら空中を浮遊しているロケランやらRPGやらに完全に包囲されていたのである。
ついでに、やっとの思いで近くにやって来ていた北方棲姫も、到着とほぼ同時に訳もわからず包囲されていた。
「騎龍、お疲れさん、上手いことやったなぁ」
「相手の意識が完全に戦闘の外に向いていましたからね、隙をついて戦力を展開するのが容易だったのは助かりました。」
そう、騎龍は最初に創作と話をしたタイミングで既に戦力をこっそり展開し始め、途中固まりながらも持ち合わせの戦力をバレずに展開する事に成功していたのだ。
いかなる状況でも、自身の本来の目的を悟られずに仕事を成し遂げきった騎龍の凄みもさることながら、衝撃的過ぎた創作の話と、元から恐怖の対象であった上総の様子に集中していた深海棲艦側のミスもあった、とこの場では言えただろう。
「・・・・・・これはオワタwww\(^o^)/」
「完全にやられましたね・・・あ、潜水棲姫が騎龍についてるクレーンみたいなのに吊るされてる。」
「殆ど味方も動けないし・・・助けに来てくれたほっぽちゃんもミイラになったミイラ取りになっちゃったし・・・・・・」
「これはもう、仕方無いのでは?」
「よねぇ・・・・・」
色々と言いたい要素の話こそ存在するが、この時、すでに戦いの大勢は始まる前から決してしまっていた。
故に偽航戦姫たちが取った行動は、至ってシンプルなものであった。
「「・・・・・・・・降伏します(T▽T)尸~~」」
そう、降伏である、正直相手が悪すぎたとしか言い様のない、あっけない結末なのであった。
(これで、取り敢えず相手の作戦に完全に嵌まった事と、ニューカレドニアで物理的に嵌まった分は取り返せたか・・・?)
この時、創作は上記のようなことを心のうちに秘めていたことは、ちょっとした裏話である。
・・・・・・戦闘する間もなく捕まってしまった偽航戦姫達。
こうして、深海棲艦の存亡をかけた一大作戦は大反抗によるミッドウェー方面の再占領とそれによる大量の捕虜の確保、ニューカレドニア島の喪失、そして、よりにもよって3人の長とその部下が大体纏めて引っ捕らえられて捕虜にされると言う結末を持ってして、幕を閉じるのであった・・・
取っ捕まり、魔境と言って差し支えなくなってるラバウルに連れてこられた偽航戦姫達の運命やいかに!?
~続く~