~転生者深海棲艦奮闘記~前世持ちの姫がチート鎮守府とか相手に頑張るお話~ 作:R.H.N
という訳での第12話です
偽航戦姫達が捕まった少し後の話である・・・・・・
「・・・・・・ここがラバウル鎮守府ですか」
「正確には【ラバウル本営府】だな、ここラバウルはこの一帯に展開予定の鎮守府の統括を行うことを想定して建設、増設されている、本営府に統括されている鎮守府は、基本的に直営府、或いは分営府と呼ばれるんだそうだ。」
「上空を警戒する航空機の数々や、沿岸部の増設された砲台、サーチライトと思われる代物や見たことない形のレーダーサイト・・・・・・ここホントに一介の鎮守府?下手な要塞より遥かに強そうなんだけど・・・」
「ほっぽが爆撃した倉庫がもう建て直されてる・・・しかも前のより遥かに固そうな建物に・・・」
「あの爆撃、主犯君の所かい・・・・・・とんでもない戦法を取ってくれたもんだ・・・」
作戦終了から暫くした後、創作達に連れられラバウルにたどり着いた偽航戦姫達は、まず最初にその威容に驚きの驚く事となった。
少し前に富士の爆撃を受け大損害を負ったラバウルは、恐ろしい勢いで修復を果たし、既に作戦開始前の状況に殆ど立ち返っていたのである。
それどころか、いつのまにやら作戦前にはなかったレーダーサイトやらサーチライトやらが増設されており、鎮守府の資源倉庫も無骨ながら実質剛健と言った風体の固そうな代物に早変わりしている等、急ピッチでの復旧と拡張が進められていた。
「さて、そろそろ入港するぞ、」
「それにしても、私たちを特に拘束したりせず連れてきて良かったの?」
「下手に動けばどうなるかくらいわかってる様子だったからな、別段必要ないかと判断させてもらったに過ぎんよ」
「・・・・・・なるほどね、」
創作の誘導で港へと到着する。
「・・・・・・何か起こすようでしたら容赦は致しませんからね?」
「ぽよ!」
(・・・・・・やはり深海棲艦である故か、余り信用されてないわね)
「・・・・・・ウチの姫様を余り甘く見ないで頂きたいですね」
(ヲ級!?)
「・・・・・・そのお姫様の後ろで震えていた貴方に言われても説得力が無いのですけれども」
入港直前、後から上総に警告される偽航戦姫。
正直、この時彼女の思考は既に戦うことをすっ飛ばし、いかにして人類側との講和の方針を貫くのに有効な繋ぎをつけられるかに集約されていたので正直警告の内容は殆ど意味をなしていなかったのだが、上総の言葉に感じる高圧的な態度から、少なくとも上総(と、そばいにいる丸い猫)からは不審感バリバリに思われている事を察することができたのだ。
・・・が、意外にも副官のヲ級がこの言葉に反応し反駁したのである。
「確かに、あの時の私は情けないと言ったらありはしませんよ、ですが姫様はそんな私が助けを求めてしまった時、それに応じるだけでなく、【守ってあげる】と言って下さったんです」
「あの時、実質的に逃げ道を失ったあの時も、その少し前までに私達を囮にするなり、姫様一人守れもしないこんな情けない部下なんてサッサと見捨てといて逃げるなりすれば、姫様だけでも逃げ延びることができたでしょう」
「それをしなかったのは、姫様が御自分で言ってしまわれた事を破りたくないと言う意志があったからです、第一、そんなに信用ならないのならばあの時此方の降伏を受け入れずに沈めたって良かったじゃないですか、貴女方なら捕虜を得ることに苦労はしないでしょうし」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・まぁヲ級ちゃんの言いたくなることもわかるわね、流石に深読み前提になるだろうけど、【降伏した時点で、深海棲艦にも命が惜しいヤツがいる】って事は認識してほしいというか、僧兵染みた宗教狂いの集団みたいなのとは違うとは感じてほしいというか・・・」
「・・・・・・、確かにそういった存在ではないことは認めざるを得ませんね、失礼致しました、先程の発言、取り消させていただきます」
「・・・・・・、ヒァ~~」
ヲ級の自虐が混じった熱弁と中間棲姫の苦言に反応した上総、暫しの逡巡の後上総は発言を取り消して謝罪したのである。
すぐ近くの丸猫もなにかをいっているようなのだが、生憎のところ猫の言葉はわからないのでその真意は理解しようがなかった。
「発言の取り消し、感謝するわ、そういえば、私たちの他に捕虜っているのかしら?」
「・・・・・・ゴッツい片寄っているがいるぞ、トラックにカチコミ噛ましてきたレ級艦隊丸ごとだけだけど」
「・・・・・・あの子達でさえ対抗しようが無かったのね、ヴァツーチンには」
「いえ?流石にそうでもありませんわよ?、あの結果はたまたま此方側にそちらに視認されてなかった戦力があの場にいた事が理由ですし、隊長格のエリート以外は轟沈直後にウチの博士とその知り合いさんがサルベージを刊行した結果ですしね」
「あ、最初は全員大暴れしたんで手を焼いて無理矢理拘束してましたけど、貴方達が連行されてくると小耳に挟んだとたんに大人しくなったんですよ」
「・・・・・・そう、あの子たちが一度沈んだのを助けてくれたのね」
「なんて礼を言ったら良いのかしらね、命あっての物種、って言うし、こんな形だけど安否を知れたのは嬉しいかな・・・」
「悪く言えば、無理矢理死の縁から呼び出した、とも取れるだろうがな、」
「そうでもないよ、ほっぽはトラックに向かったレ級達は偽航戦姫と中間棲姫が一、二を争う程に信頼してる子達だって知ってるから、」
「・・・此方としても手を尽くした甲斐はあった・・・か、」
自分達の他に、自分達が派遣したレ級達が捕まってることを聞き、取り敢えずは安堵する偽航戦姫達、創作も創作でやる甲斐はあったことを確認し、偽航戦姫達には見えないところで安堵していた。
「間もなくラバウル本営府に到着致します」
「現地ついたら取り敢えず私についてきてもらうことにするか、聞いた話、【あいつら】が来たらしいし、到着したら上総達は順次解散して構わんぞ」
「了解しました」
(そういえば創作さんの乗ってる乗り物、アレアニメ版ホー○ズの第一話で見たような気が)
暫くの後、創作達に連行された偽航戦姫達は、チート艦娘が多数観測されたラバウルにとうとう至る事となる。
到着した時、まず最初に偽航戦姫達は何人かの人物からの出迎えを受けた。
到着と同時に上総達はバラバラの方向へとそれぞれの移動していったが、やっぱり心配なのか、直ぐに遠巻きに此方の様子を見る様に位置取りをし始めたようである。
「蒼井提督、お帰りなさいませ、」
「すまんね三日月、任務明けから間もないのに一番に出迎えて貰うとは・・・」
「いえ、来訪者の方々と下総さん達が自分が一番最初に出迎えるんだと殴りあいのケンカを初めまして・・・そちらが偽装航空戦艦姫さんで、あちらが中間棲姫さんで間違いありませんよね?」
「・・・怖がらないのね、少なくとも表面上は」
「ふふふふっ、まぁこの鎮守府には偽航戦姫さんや中間棲姫さんに負けず劣らず、或いはそれ以上に本当のところは怖い人達が結構いますからね・・・相手を信用することの大切さを学ぶならば、多分ここにいるのが一番手っ取り早いと思いますよ?」
「そんな魔境なのここ!?・・・ちょっと不安になってきたわね・・・」
まず最初に迎えたのは、この鎮守府に所属する艦娘、三日月であった。
他にも多数の人物がここに向かおうとしていたらしいが、我先にと物理で争いだした結果、遅れて動いた彼女が最初にやって来ることになったらしい。
幾ら上総、ヴァツーチン、騎龍が近くで見張っているとはいえ、相手は深海棲艦の親玉格三名と戦艦棲姫等の強力な深海棲艦たちである、拘束していない以上奇襲を受ける可能性は想定しているはずだが、三日月はこれと言って恐怖する様子も無く、何者かが争ってるのであろう前方鎮守府建物の入り口を呆れたように流し見しつつ偽航戦姫達を見つめていた。
「魔境も何も、ここにいる人々を下手に知ったら発狂待ったなしですからね、実のところ私と私を
「・・・・・・え?、もしかしてここ複数提督制!?ってかアメリカから数十分って・・・いや、創作って名前の提督ならばそれも可能そうと言うのが怖いわね」
「あー、折角ですし私がその辺を解説させて頂きますね・・・・・・あ、ちょうどいい感じに・・・」
提督が複数いることに驚く中間棲姫だが、他に幾らでも驚く要素があるためにツッコミが追い付かない上に、その内の一部は自身の数時間前の理不尽な状況を思い出して納得できてしまうものだったために軽く恐怖を募らせる。
・・・・・・が、それよりも衝撃的な事が、この後目の前の光景として映るとはこの時の深海棲艦達は誰も気づかなかったのである・・・
「ムギュッ!」
「フニャッ!」
「オアフッ!」
「ポピー!」
「あぶばっ!」
「「「・・・・・・・・・・・・へ?」」」
鎮守府と思われる建物の正面入り口から多少の損傷と共に目をグルグルさせながらほっぽられて積まれていくレ級達。
「OH・・・対超兵器艦である私でも歯が立たないなんて・・・・・・」(バタンキュー)
「そんなっ・・・・・・まさか私が負けるなんて・・・申し訳ありません、お姉さま・・・」(ムキュウッ!)
「さりげなく私も巻き込まれてるじゃないですかー!ヤダー!・・・・・・・・・オウフッ!」
レ級が積まれ終わったかと思えば、今度は他のレ級と同じようにして、謎のアメリカ艦及び
ついでに巻き添えでレ級と面識のある日輪中佐が伸びる事となっていたが、そのあとに出てきた人影により、その出来事を目撃したことによる驚愕は、更なる驚愕によって打ち消される事となる。
(パッ、パッ、)「・・・はぁ、漸く貴方との一騎討ちってヤツにまで持ち込めたわね、あ、こっち見ないでよ?さりげなく服ボロボロなんだから」
「お前なら幾らでも手段あるのだから隠すなり服変えるなりすりゃいいだろそのくらい・・・・・・にしても、そこそこ骨のある嬢ちゃん達だったが、やはり現状の俺相手でもエリレとチート艦娘混ぜ混ぜした程度では対抗しきれんか、」
「たしかメガネの嬢ちゃんの名は下総だったかな?、姉の方の上総とやらもさっきの俺相手にこのくらい健闘してくれると嬉しいもんだが」
「あら覇天、私の援護あっての結果でしょう?、今の貴方だとタイマンだと流石に辛くなるんじゃないのかしら?」
「俺含めた鎮守府の中にいたヤツみーんな巻き添えに無差別攻撃噛ませばこうもなるだろうが・・・・・・、お、出迎え1号決定戦やってる間に帰ってきたようだな・・・・・・アレ?」
「あそこにいるのさっきの三日月ちゃんじゃない?、もしかして私たちトップバッター取られた!?」
「なん・・・・・・だと・・・・・・」
鎮守府から一組の男女が姿を表す。
その二人はお互いに此方の方を見ながら会話していたようであったが、偽航戦姫達と、会話する三日月に気がつくと、ガックリと肩を落としたのだが、その姿が尋常ではないのだ。
分かりやすい女性の方から言えば、はっきり言って
外見こそなんか儀礼用とも日常用とも取りにくい大層な服を着た金髪ロリの幼女でしか無いのだが、
しかも一つ一つを見て行けば、なんとなく創作物で見かけるような感じで、吸血鬼、竜人、天狗、妖精の羽が二枚づつ不揃いに並んでいるのだからたまったものではない。
男の方はと言えば、見た目こそ顔面偏差値のそこそこ高い黒髪で、茶色のコート含めなんとなく放浪者をイメージさせる中年の人物だったが、服の一部がバッサリと破けて恥ずかしがる女性の方と、鎮守府の外にて伸びている下総達を見る限り激戦(というか最低でも服装へのダメージは不可避と考えられる)であったのにも関わらず、この男は完全に無傷でその場に立っていたのだ。
どうやら下総達とケンカしていたのは彼らのようであったが、下手をすれば創作並みに厄介かつ強力な人物を新たに二名も確認したことから、偽航戦姫達はもはやその場で呆然とする他なかった。
「・・・・・・提督、あの二人が話にあった【親友】の方で?」
「そうだぞ?あっちの男が覇天、そっちの見た目幼女がアウドムラと言う名だ、アイツラもこっちにやって来る際に能力が【あの時期】までリターンしてるようだけど、それでもアイツラ今の俺よりも強いからなぁ・・・・・・」
「成る程・・・覇天さんは伊達に私を投げ飛ばせた訳じゃなかったと・・・・・・」
「私なんかアウドムラさんに彼処までいきなり飛ばされましたからね・・・提督、捕虜の方々が完全に固まってますが・・・・・・」
上総は目の前の光景が信じられない、と言った感じで様子を見ながら創作に聞く。
創作はあっさり答え、補足するように騎龍とヴァツーチンが呟く、それは、さりげなく彼らがあの場で偽航戦姫達にたどり着く手助けを彼らから受けていたことを示唆するものであったが、偽航戦姫達は下総よりも明らかに格上の人物が新たに二人、おまけに片方は純然たる人外っぽいのを確認して完全に固まっており、それどころではなかったのである。
「・・・・・・・・・ごめんなさい、ちょっと取り乱してたわ、取り敢えずは大丈夫」
「・・・・・・でも、一言だけ、一言だけ叫んでいい?」
「・・・・・・構わんよ」
一時的には冷静になった中間棲姫達だったが、北方棲姫が創作に許可を得ると、一旦偽航戦姫含めた深海棲艦達は、皆一様に深呼吸を始めた、そして・・・・・・・・・
「こんなの勝てるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァ!!!!」
チートにチートが重なって大変なことになっている鎮守府を見て、思いの丈を一言で纏めてぶつける偽航戦姫達。
その叫びは、あまりにも理不尽な戦力差を見せつけられたことに対する、魂の叫びがこもっていたのであった・・・・・・
~次回、「深海棲艦とラバウル鎮守府」偏へと続く~