艦娘の咆哮 ~戦場に咲き誇る桜の風~   作:陣龍

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肉が最近付きすぎて嫌な感じ何ですけど、

んー…じゃあ運動しようと思う気には到底なれなくて、

じゃあカフェオレ止めようとしても止めれそうにも無くて

止めた方が良い事は分かっているんですけどね……

○丸人生無駄にしたくは無いんですけどね……糖尿病にはなりたくないです


第三二話  トラック諸島行き輸送船団護衛戦  《破》

 暗い深海の中を、一隻の潜水艦が漂っていた。その潜水艦には現代の潜水艦の様に小口径砲を搭載せず、艦中央部にVLSが搭載されている訳では無く、かと言って小口径砲を搭載して居る潜水艦娘の様にネイビーブルーに統一されたカラーリングが施されている訳でも無かった。暗闇の様な黒と、鮮血の様な赤い色。彼女の人類側識別名称は、深海棲艦【潜水ヨ級 flagship】。所謂海の狩人である。

 

 

 

 

――――……なぜ?……どうして?……どうしてこんなに、かんたんにみんなをみつけているの?

 

 

 その潜水ヨ級が何故海中を漂っているのかと言えば、答えは単純で『漂わないと生き残れないから』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 10隻にも満たない護衛艦に守られた大規模輸送船団がトラック諸島に向かっている事を知った深海棲艦は、極々自然に周囲に居た同族同士で艦隊を組み、その中でも上位種の深海棲艦を司令役として、輸送船団への襲撃を実行する。この点、人類が今まで経験してきた戦争における常識とはかけ離れた行動だ。人類における戦争は、その戦争によって『何かしらの利益を得る』事を目的として行われている。その為その『利益』を大きくする為に『損害』を抑えるべく何かしらの行動を起こすのが普通なのだが、深海棲艦の場合は『例えどれだけ戦力差が有ったとしても』『全滅必至の大損害確定な状況』であっても、戦闘を仕掛けてくる。損切り等の概念など無く、まるで『海戦をする事』『殺し殺され、沈め沈められる事』だけが目的で有るかのように。

 

 

 無論その様なまるで獣の深海棲艦だけでは無く、定期的に発生する大規模戦役(イベント)に置いて度々出現している『鬼級』『姫級』の様なトップランクの深海棲艦には、人類側の知る限りでは明確な思考能力が存在すると考えられていた。【AL/MI作戦】に置いて、多数の艦娘がアリューシャン列島や中部太平洋に大挙進出している中、精鋭クラスの深海棲艦が日本本土に対して進撃してきたことが、その証拠の一つである。まあその精鋭クラスの深海棲艦は、この世界に来たばかりの『桜風』によって一捻りで全艦残らず殲滅されてしまったが。

 

 

 

 今現在海中を漂っているこのヨ級も、『姫級』や『鬼級』程では無いにしろ、その辺で海の藻屑となっている同族よりも高い思考能力を持っていた。とは言え、それは幸運だったのかは定かでは無い。潜望鏡に輸送船を捉えるどころかスクリュー音の聴音を聞き取る事すら出来ずに『爆雷を搭載して正確に潜水艦を探知しているらしい単発機』と『強烈なピンガーで潜水艦を捉え、殆ど過たずに精密に爆雷やロケットを直撃させてくる数隻の護衛艦』と言う今までに無い『敵』によって、不用意に浮上したり、魚雷発射管に注水する等して音を発生させた深海棲艦の同士たちが、一方的に、反撃も出来ずに続々と圧潰音、爆裂音を海中に轟かせて永遠の沈降を行っていたのだから、このヨ級は艦橋で一人恐怖に打ち震えていた。

 

 

――――まただ。またあの『おと』がなりはじめた……

 

 

 最大潜航深度にて無音停止状態で有る為、その『妙な護衛艦』が打ち鳴らすピンガーの音はヨ級flagshipの艦内に極めて大きく鳴り響く。もし他の同族の様に思考能力が低ければ、こんな思いをする事も無く直ぐに沈んでいただろう。もし『鬼級』や『姫級』までに思考能力が高ければ、こんな恐怖は意志の力で抑え込めていただろう。このヨ級は不幸にも突然変異的に獲得してしまった、この海に沈む同族よりも高く、『姫級』や『鬼級』よりかは低い程度の中途半端な思考能力が有ったが為に、得体の知れない恐怖でなすすべも無くその真っ白い歯を打ち鳴らして震えていた。

 

 

――――……いや!いやいやいや!!おねがい!みつけないで!!ばくらいをうたないで!!わたし、わたしなにもしないから!!!

 

 

 ピンガーの音が強くなるにつれて、ヨ級は一人頭を抱えて『妙な護衛艦』に見つからない様に、必死にその『妙な護衛艦』に対して『お願い』をしていた。今まで人類や艦娘に対して執拗に攻撃して来て置いて『お願い』等と言うのは失笑物だが、このヨ級には『神』等と言った存在を知らない為、こうやるしか無かった。

 

 

 

――――……あ………みつかっ……ちゃった………

 

 

 ピンガーの音が、今までの何かを弾く音から金属を叩く様な音に変わった直後、ヨ級は頭上に爆雷を撃ち込まれた事を、自身の艦艇が持つ聴音機能で悟る。完全に動きを止めていた彼女に残された生き方は、爆雷が自身の居る深度に達するまでただただ茫然とするだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……敵潜水艦撃沈確実です!」

 

【「了解、青葉。今の所『彩雲』も敵潜水艦の存在を探知していないわ」】

 

【「陽炎よ。こっちも敵潜水艦の存在は確認出来なかったわ」】

 

【「……私たちが来る意味無かったんじゃないのかしら?」】

 

【「満潮、もし一隻でも抜けられたら、最後の砦になるのは私達ですよ?」】

 

【「満潮ちゃんは対潜哨戒出来るから良いじゃないですか……古鷹は普通の重巡洋艦ですから、潜水艦相手では何も出来ないんですよ……?」】

 

「ふ、古鷹には瑞鶴たちが対潜哨戒に回っている間に、水上艦艇や航空機が来ていないか索敵すると言う重要な任務があるから、ね?」

 

 

 パッシブソナーで確認出来る圧潰音を聞き取った青葉が嬉しそうに報告を入れ、それに対して和気藹々と言葉を交わす深山艦隊の艦娘たち。つい先ほどの危機感は当の昔に何処へやら、瑞鶴が操る多数の『彩雲』が深海棲艦の潜水艦を徹底的に焙り出し、瑞鶴の指示に従って青葉と陽炎がそれぞれ『桜風』が開発した『噴進爆雷砲』『新型対潜ロケット』で一隻残らず確実に撃沈していた。イザと言う時の為に覚悟を決めていた朝潮、満潮、古鷹の元には魚雷が一発も飛んでくる事も無かったのだから、ある意味当たり前だが。

 

 もちろんこれほどまでに一方的にまで深海棲艦の潜水艦を刈り取れたのは、相手がウルフパックの積りか波状攻撃を仕掛けて来た為、コレを各個撃破する形で撃沈し続けることが出来たからだった。初めての実戦における『彩雲』を用いた対潜水艦戦闘と指揮を大きな失策を起こす事も無く完遂した瑞鶴や、『桜風』開発の補助兵装を実戦で使っても異常や手違いを発生させずに戦い切った陽炎、青葉の努力の成果を否定する訳では無いが、やはり深海棲艦の攻撃が比較的少数での襲撃を繰り返す形になっていたのが一番大きいだろう。

 

 

 

【「ねえ、青葉さん」】

 

「陽炎さん?どうしましたか?」

 

【「『桜風』の開発した兵装、本当に凄いよね」】

 

「……本当、そうですね」

 

 

 短くも、万感の思いを込めて言葉を交わす二隻の少女。『桜風』の開発した音波探深儀(アクティブソナー)は、今まで陽炎たちが使っていた【三式水中探信儀】とは様々な意味で性能面が違っていた。過去、夕雲型駆逐艦などに搭載されていたこの【三式水中探信儀】は、艦娘化してからの補正なのか、それとも深海棲艦の潜水艦の性能や連度が、自分たちが戦っていた米軍潜水艦よりもお粗末な為なのか、大昔の様に『掃海中に敵潜水艦に逆襲されるのが日常茶飯事』と言う事は無くなっていたが、伝え聞く欧州戦線や東太平洋戦線での米英艦娘の使うアクティブソナーよりも貧弱な対潜能力だった事は否定できない。

 

 一方現在『桜風』の作り出した『音波探信儀』『新型対潜ロケット』『噴進爆雷砲』を実戦で使ってみて下された陽炎と青葉の感想は、『もう大日本帝国海軍の装備(あの頃)には戻れない』と言う物だった。ランクの低い『音波探信儀』の探知範囲は【三式水中探信儀】よりも狭いが、その代わり効果範囲内に深海棲艦が居れば無音潜航していようが何していようが問答無用で確実に捕捉()()であり、その合わせ技で放つ『新型対潜ロケット』『噴進爆雷砲』の威力や精度は、普段陽炎たちが使う【三式爆雷投射機】よりも桁違いだった。

 

 一応擁護するとなると【三式爆雷投射機】の威力が弱すぎる訳では無く、『桜風』の開発する装備は例外無く、元々『桜風』の存在した世界の産物で有る為、通常の深海棲艦相手では完璧にオーバーキル以外の何物でもない威力過多なだけである。そもそも此方の世界では深海棲艦どころか艦娘でも、潜水艦には一切装甲が施されていないのが普通なのだが、『桜風』の居た世界では、戦争開始初期は兎も角中盤以降では潜水艦にもある程度の装甲が施されて居て居る為に爆雷数発程度では沈む事など有り得ない為、その装甲を破壊するだけの威力が対潜兵装には求められていた。色々とおかしい部分しか無いのだが、これが『桜風』の世界の『普通』である。

 

 

【「……やっぱり青葉たちもそう思う?」】

 

「瑞鶴さん」

 

【「瑞鶴さん?」】

 

【「私も改めて、深海棲艦を次々と容易く屠れる事に興奮していたわ。前に使っていたのよりも、『桜風』の開発した『彩雲』の方が、性能が上と言うのも有るけど、飛ばして居て楽しいし。……まあ、慣れるまでが大変だけど、て言うか未だに慣れ切っている訳じゃ無いけどね」】

 

 

 通信を聞いていた瑞鶴も、青葉たちと同じ様に感想を漏らす。瑞鶴たち正規空母娘が通常運用する【彩雲】よりも、時速こそ609㎞と変わっていないが、夜間飛行能力を持ち『あの時の帝国海軍』では45年一月と言う戦争末期も末期に投入された【東海】が装備した磁気探査装置よりも高精度な装置を搭載している。それに加えて機体防御力も【彩雲】より高い為にエンジン馬力が2300馬力だったりするが、『陣風』の3500馬力と比べれば操縦難易度も整備時間も楽だった。比べる対象がおかしいだけかもしれないが。尚通常の艦娘が使う【彩雲】のエンジンは史実『誉』の1800馬力エンジンである。

 

 

【「提督さん。やっぱり『桜風』の開発した兵装、他の皆にも分け与えた方が良いんじゃない?」】

 

「将来的にはそうしたいけど、今の所は時期尚早ね。大体、低位の『桜風』兵装の数もそこまで無いからね」

 

「それに、青葉たちも未だ高位の兵装には手を出せていませんからねぇ」

 

【「それを言ったら御仕舞だよ、青葉……」】

 

 

 

 外から見ると、戦場に居ると言うのに雑談に興じている様に見える少女たち。だが口では兎も角、彼女たちの視線や思考は今なお海や海図の方を向いており、『桜風』兵装の優越した性能に驕る事無く戦う立派な戦人の姿と雰囲気は、その美しい外見と合わさって芸術的な一枚絵となっていた。惜しくらむは、この光景を模写したり写真に収めたりする様な空気を読めない読まない読む気すら無い奴がいない事だろうか。

 

 

 

【「提督、此方駆逐艦『桜風』です!敵艦隊の殲滅を完了しました、そちらの状況は?!損害は!?」】

 

「『桜風』、お疲れ様。コッチは大丈夫よ。『桜風』の開発した兵装、瑞鶴や青葉、陽炎が有意義に使ったおかげで損害は皆無な状況よ」

 

「それと、青葉たちに対して過負荷等の現象は起こっていませんので、安心して下さいね、『桜風』さん」

 

【「………よ……良かった………。もしまた何か起こって居たらどうしようかと……」】

 

【『艦長すげぇ焦りまくってましたからねぇ』】【『ああ、まさか精密射撃無しで流れる様に全ての敵艦の艦橋を打ち抜くとは』】【『そして止めに零距離雷撃。ミンチよりひでぇや』】【『被雷の衝撃で戦艦も正規空母も船体を最低2から3個に分割され』】【『駆逐艦と軽巡洋艦と補給艦に至っては一艦残らず木片一欠けらも残さずに存在全てを爆裂消去』】【『尚交戦開始よりこの間僅かに45分程度』】【『そしてその時の艦長の表情は……』】

 

【「待ちなさーーい!?ちょっと何喋ってるの皆?!」】

 

【『だって』】【『そりゃあ』】【『ねえ』】【『艦長』】【『ぶっちゃけ』】【『あの時』】【『鬼神もかくや、的な』】【『威圧感半端なかったですし』】【『閻魔大王鬼阿修羅、みなして往来立たぬなり、って感じでした』】【『戦闘映像録画は任せろーバリバリ』】【『良しでかした!すぐさまダビングからの全力拡散だ!』】

 

【「よし最後から二番目ちょっとその映像器具寄越しなさいー!!!」】

 

 

 最後の『桜風』の言葉から後はわーきゃー騒ぐ妖精さんの楽しそうな声と、自身の妖精さんに全力でおちょくられている『桜風』のドタバタしている騒がしい映像と音声へと続くに当たり、つい先ほどまで少なからず漂っていた暗い雰囲気が雲の彼方へと消し飛び、何時もの深山艦隊らしいそれなりに肩の力が抜け、明るい雰囲気漂う艦隊となっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

【「取り敢えず、後少しでトラック諸島に入港出来そうですね。こっちだとチューク諸島と言うのが正式名称…なんでしたっけ」】

 

「そうですよ、『桜風』さん。第二次世界大戦頃を生きた日本艦娘にとって、此処は『チューク諸島』じゃなくて『トラック諸島』ですからね」

 

「深海棲艦の侵攻で陥落して現地住民が全滅したから、今となっては名称に抗議する住民も居ないからね。良く勉強したわね『桜風』。偉いわよ」

 

【「あ、ありがとうございます……えへへ……」】

 

 

 『桜風』の艦内で唐突に発生した『桜風』VS妖精さんによる鬼ごっこの結末は正直どうでも良いとして、出港前では強く不安視されていたこの輸送船団護衛戦も、結果だけを見れば損害無しでの完全勝利に終わった。そして任務達成に付属した成果としても、今回の戦闘で『桜風』の開発した兵装が、艦娘の錬成を絶対条件とするが極めて有効である事、そして何気に海戦成分が不足していて結構フラストレーションの溜まっていた『桜風』の妖精さんの血の気が有る程度収まった事、おまけで多数の深海棲艦を撃沈する事が出来た事だろう。暫くの間、日本とトラック諸島間の海域では深海棲艦、特に潜水艦の活動を一切確認しなかった事からも、如何に深海棲艦と言えども痛手を負った様子だった。

 

 

【「トラック諸島……南の島、かぁ……」】

 

【「『桜風』?どうしたの?」】

 

【「いや、鈴谷さんに『夏になったら泳ぎに行こう』と誘われたんですけど、どう返事を返したものかなあと思い返しただけ」】

 

「『桜風』さんの傷痕ですね……熊野さん辺りなら何か良い物を知ってると、青葉は思うのですが」

 

「…………ああそうだ、夏で思い出した。『桜風』、いきなりで悪いんだけど8月に私と一緒に実家に来てくれない?」

 

【「え?提督の……実家、ですか?」】

 

「そうよ」

 

 

 いきなりの提督の頼みに、目を白黒させる『桜風』。勿論『桜風』だけでなく、青葉や満潮たちも深山提督の唐突な頼みに対して驚いていた。艦娘から深山提督に何かを頼むことは多々有れど、深山提督から艦娘に対して個人的な頼みごとをする事は今まで一度も無かったのだ。

 

 

【「司令官、ご実家に何か起こりましたのでしょうか?」】

 

「いえ、朝潮が心配しているような事じゃ無いのよ。……実家のお祖母ちゃんから『一族会議するから帰ってこい』って言われてね。『桜風』には護衛任務と言う名目で骨休めさせようかなって。勿論、人数に限りは有るけど他の艦娘()も連れて行きたいわね」

 

【「……何よ、作戦中にそんな話をしだすなんて、意味分かんない」】

 

「……そんな事言ってそっぽを向いても、『私も行きたい』と言わんばかりに足を激しく震わせていたら恰好尽きませんよ、満潮さん」

 

【「な、ななな何意味分かんない事言ってるのよ!?青葉、貴女うざいのよ!!」】

 

 

 顔を真っ赤にして青葉の言葉を否定している時点で語るに落ちたり状態の満潮は兎も角、『桜風』は『骨休みと言うほど働いていないのですが』と深山提督の言葉に異を唱えるも【「『桜風』……この一月位で『桜風』の挙げた戦果を数えた方が良いわよ」】と言う陽炎の呆れた言葉によって否定された。今更だがこの駆逐艦娘、先ほど挙げた戦果を加えると既に100隻近い数の深海棲艦を海の藻屑へと変えている。深山提督が『桜風』を休養させようとするのは割と普通であろう。『桜風』は全く持って異常も問題も無いのだが。

 

 

【「……分かりました。じゃあ鎮守府に帰った後にスケジュール設定をしないといけませんね」】

 

【「『桜風』、それより先にする事があるでしょ?」】

 

【「…………何か有ったっけ、陽炎?」】

 

【「……外出用のお洋服、今来ている制服以外一着も持ってないでしょ」】

 

【「服?別にこのままで…」】

 

【「良い訳無いでしょ!あーもー、私が選んだげるから、この作戦終わったらカタログ漁るわよ!」】

 

「……相変わらず自身の事には無頓着ですね、『桜風』さん」

 

「本当にね。……陽炎と不知火とでの共同生活もだいぶ経つけど、こればかりは年単位で見守らないといけないかもね」

 

 

 そんな何時も通りの『桜風』の無頓着発言に陽炎が適度に軽く怒る景色に、これまた何時も通りの反応と答えを返す青葉と深山提督だったが、その深山提督の脳内では青葉や『桜風』たちの様子を視界に捉えつつ、別の事を考えていた。

 

 

 

 

――――……ある程度予測は付いていたから心の準備は出来ていたけど、また皆と一堂に会すのかぁ…。実家や叔父さん達には何時も()()()になっているから仕方が無いけど

 

 

 深山提督の一族は、口伝では現在の滋賀県、神奈川県、山梨県の【三か所の山深き土地より集いし一族】が由来で、先祖は戦国時代から江戸時代にかけて男は【刃心衆(じんしんしゅう)】年少の女は【妙采女衆】として()()()()()()()に仕えていたと言う。公的資料は皆無で有る為に真実かどうかとは立証不可能だが、少なくとも深山提督の親戚が各地に居るのは事実である。その為、お盆やお正月等(こう言った時)にはたくさんの人間が深山提督の実家に集結するのだ。

 

 深山提督が艦娘の提督になれる適性が有った事が分かった後は、一族あげての応援体制が呆れるほどに早く、深山提督の祖母によって構築され、今も様々な()()()()を受けたりして居る為、この久方ぶりの祖母からの一族会議開催を断れなかった。因みにこの深山少将のお祖母ちゃん、子供好きなのは兎も角完全に高齢者の御歳であるにもかかわらず【冬の富士山に単独登山】をやらかす高性能御婆ちゃんである。勿論下山後皆に怒られたが。

 

 

 

――――まあ取り敢えずは、この輸送船団をトラックに送り届けて蜻蛉帰りしないとね。……私と仲本提督には面識無い筈だけど、何でか嫌われているみたいだし

 

 

 

 そうやって、最後に考えを纏めた深山提督の視界には、現在太平洋戦線における対深海棲艦の最前線であり、深海棲艦の本拠地と現状目されているニューギニアの喉元に就き立てられた短刀であるトラック諸島の姿が浮かんでいた。




明日また早番故即刻寝ます(二度目)お休みなさい、陣龍はクソ暑い中ワンコと共に寝て来ます

追記:深山提督の一族説明に一部追記。後関係有りませんが、その昔天皇陛下のお世話係である采女(うねめ)と言う女性専門の官職が有ったそうです
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