うだるような暑さの中俺はメールの着信音で飛び起きた。
オレは一体どうなった!?そう思い怪我したはずの腕を見るが傷は無かった。
もしかしてさっきまでのは夢なのか…リアリティがあり過ぎて笑えねーっての…
そういえばメール来てたな。
『おはようございます。起きてますか?てゆーか起きてなかったら補習に遅刻してしまいますよ?というわけで起こしに来たので起きているなら超早くこの扉を開けてください。でないと勝手に扉が開きますよ?』
……は?メールの内容に見覚えがある。たしかこの後扉が飛んでくるんだよな。
やはり、思った通り轟音とともにこちらに吹き飛んでくる。だが、分かっていれば避けることは出来た。もしかして俺、未来予知が開花した!?な訳ないか。システムスキャンでも無能力者だったし。
「あ、大兎おはようございます。起きてたんなら超開けてくださいよ」
「おはよう絹旗」
「どうしたんですか?超顔色悪いですよ」
「いやー実はちょっと変な事があってどうしようか考えてたんだ。」
「何ですか?この私に相談しても超いいですよ!」
「悪いな。まだ考えがまとまってないからまとまったら話すよ。」
「そうですか…あ、こんな事話して場合じゃありません!補習遅刻しますよ!」
「やっべ!悪い絹旗、ご飯作ってきてくれたのに悪いけど置いといてくれ!もう出ないと遅刻だわ!」
「あ、はい。」
あっという間に着替えを済ませ寝癖を直して家を出てい―
「大兎」
こうとしたら名前を呼ばれたので振り返る。
「行ってらしゃい」
「行ってきます!!」
今度こそ完全に家を出る。
大兎が家を出てすぐに絹旗は作って来たご飯が痛まないように冷蔵庫に直していく。
そういえば、何故大兎は私がご飯作って来たの知ってたんでしょう?
学校に着いてからも夢について考えを巡らす。やはり、あれはただの夢だったのだろうか。いや、正夢かも知れない。だが、正夢だったとしたら痛覚まで再現されるものなのだろうか。もしかしたら夢ではないのかもしれない。だが、今の所は判断材料が足りないな。よし、とりあえず寝よう!!嫌なことは忘れるに限るぜ!それにこの後は絹旗と遊ぶし気分切り替えとかないな。
おやすみなさい。
小萌先生の声が聞こえた気がするが俺は気にしない!
放課後目が覚めると丁度補習が終わったところだった。なにか忘れてしまっている気がするが、とりあえず絹旗と映画を見に行く事で頭がいっぱいだ。絹旗に補習が終わったことを伝え、駅に集合が決まる。待たせたら悪いからと思い早めに集合場所に向かう。
10分ほど早く着いたのだが結局20分待つことになってしまった。
「お待たせしました。」
「いや、ちょうど今来たとこだよ。(`・ω・´)シャキーン」
「そうですか、それなら良かったです!じゃあ、早速映画館に行きましょう!」
「なぁ、絹旗」
「何ですか?」
「映画始まるのあと何分ぐらい?」
「間に合わなくね!?」
「大兎の補習が終わるのが超遅かったんですよ!」
「ごめんなさい!」
「いいですから急ぎますよ!」
あれ…こんなやり取りした事ある気がする―
「ほら大兎!近道して早く行きますよ!」
そう言って裏路地に向かって俺の手を引く絹旗。後ろでは消防車の音。これがデジャヴってやつかな?そう思いながら絹旗について行く。
「そういえば大兎。朝はどうしたんですか?」
「え?なにが?」
「いや、朝変な事があったって言ってたじゃないですか?」
「あれ、何だったっけ?」
「何で大兎が疑問で返してくるんですか…」
「まぁ、忘れるくらいのことだったってことなんじゃないかな」
「そうですね。大兎がいいなら別にいいですけど」
そんな話をしていると前方の少し開けた場所に武装無能力集団がいることに気づいた。そこに来てようやく思い出した。夢?のようなものの事を。だが、思い出してみればさっきの会話なども内容はほぼ同じだ。そして前方の武装無能力集団。もはや偶然ではないだろう。あれは本当に正夢だったのだ。
考えている内に武装無能力集団の所まで来てしまっていた。
「通行料払っていけよ。」
ここで夢では調子に乗り謎の現象で俺と絹旗はなぜか倒れていその後刺されたりしてしまう。なら、ここはお金を払った方がいいのだろうか。
「いくらですか?」
「有り金全部に決まってんだろ?」
「分かりました。」
すると相手も素直に払うとは思っていなかったようで驚いたような表情をみせる。
「へー素直ないい子じゃん。」
だが、ここで絹旗がキレてしまった。
「なに超調子にのってんですか?」
「あぁ?お前も早く金出せよ」
「貴方達みたいなゴミにあげるお金なんて持ち合わせていませんよ。大兎も大兎です。私がいるんですからこんな奴らの言う事聞く必要超無いじゃないですか。」
「何だ?お前もしかして能力者か?」
「そうで―」
「こいつも俺も無能力者ですよ!」
「大兎……?」
「んだよ、だったら女の方は金ないんだったな?だったら体で払ってくか?」
男が絹旗に触ろうとする。
まずい…!!
だが、次の瞬間男は壁に突き刺さる。
「そんな超汚い手で私に触らないでもらえますか」
こうなると思った。だが、これは非常にまずい。これが夢と同じなら相手は何らかの―
「野郎!!能力者だ!あれ使え!」
「わかった!」
「くそっ」
直後、モスキート音のような音が鳴り響く。
この後、絹旗は多分だが鉄パイプで殴られる。それがわかっていて何もしないのは男として終わっているだろう。なら、俺が今出来るのは―
頭が痛い。この音が原因ですか。
あまりの痛みにうずくまってしまう。
一体これは何なんですか。思考がまとまらない。
そんな絹旗の前に鉄パイプを構えた男近づいてくる。先程絹旗が殴り飛ばした男だが絹旗にはそれが誰なのかもわからない。
「さっきのお返しだっ!!」
ぼんやりとだが、鉄パイプが振り下ろされてくるのが見え、思わず目を瞑る。
そして、鉄パイプと体がぶつかり、肉が潰れたような音。
だが、絹旗に衝撃が来ることは無かった。
恐る恐る目を開けてみるとそこには―
俺は1度この頭痛を体験してる!だからか分からないけど思ったよりかは平気なようだ。
前方を見やればやはり、絹旗はうずくまり、さっきのクソ野郎が鉄パイプを持っている。
やる事もやったしあとはあのクソ野郎をぶちのめして逃げるだけだ!
絹旗の前に飛び出し左腕を犠牲にして鉄パイプを防ぐ。
グシャッ
―今回は守れた!
左腕が変な方向に曲がり、もはや感覚がない。
だかそれよりも絹旗を守れて良かった。
「……は?」
どうやらクソ野郎はいまいち何が起きたか理解出来てないようだ。
なら、一気に決める!
別に俺には能力何てない。だから今、俺が使えるのは右腕だけ。
だが、それだけで充分だ!
アッパーを放ちクソ野郎を、地面に這いつくばらせる。馬乗りになりひたすら顔面を殴る!殴る!殴る!
周りに血が飛び散る。クソ野郎の返り血だけでなく、殴っている手も裂け血が出ている。それでも殴るのをやめない。まるで何かに取り憑かれたように、一心不乱に殴り続けた。
背中に衝撃を感じてようやく正気に戻った。背中を見るとそこには絹旗が抱きついていた。
「もういいですから。もう…大丈夫ですから…」
その場から立ち上がり周りを確かめる。どうやらほかの奴は逃げたようだ。どうせならこの音も止めていって欲しかった。そして、顔がぐちゃぐちゃになったクソ野郎が生きているか確かめる。
どうやら死んではないないようだ。
確認が終わり絹旗に向き直る。
「ごめん絹旗。危うく俺人を―」
俺は最後までいうことが出来なかった。
気づいた時には絹旗に引っ張られ自分の場所と入れ替わるような位置どりになっていた。
驚いて振り返るとそこには胸からナイフが突き出ている絹旗がいた。
ー思考がー停止したー
「絹…旗…?」
ナイフが抜かれて絹旗の体がこちらに倒れてくる。
それを受け止めてやることすら忘れていた。
サクッ
気づいた時には自分の胸にもナイフが刺されていた。
それは確かに先程生きているのは確認したが動けないぐらいには痛めつけたはずのクソ野郎がいた。
顔はぐちゃぐちゃで焦点も定まっていない。
「ハハハ!!」
バタッ
大兎が受身も取れずに倒れる。
「クソガッ」
グサッ
「クソガッ」
グサッ
背中を何度も何度も刺される。
「そこで何をやっている!」
警備員が来たようだ。
実は先程通報したのだ。通報と言っても110に繋いだ状態でポケットに入れておいたのだが最近の携帯は集音機能もよく、会話の内容を聴き、GPSなどから位置を割り出してくれたのだろう。
あぁ、これなら絹旗は助かるかも……
そんな考えを最後に大兎は完全に事切れた。
いかがでしたか?矛盾点など、極力ないようには頑張ってるつもりですが自分では分からないところがあると思います。宜しければ教えてください笑
それでは!