ベルが異世界の自分を知ってチートなのは間違いだろうか。 作:暇人
頭を空っぽにしてお読みください。
9000文字行きました。
女の子を口説くのは間違いだろうか?
ベルはアイズや糞犬と別れて、丁寧な口調の女の子と一緒に地上に帰還した。
「冒険者の癖にサポーターを置いてけぼりにするなんてどうかしてるよ。絶対に間違ってる」
「ベル様は何も分かって無いですね。サポーターは所詮、ただの荷物持ちですから」
ベルの目の前に居る少女の名前はリリルカ・アーデ。彼女は何も知らないベルに頭を悩ませた。サポーターというのが冒険者として落ちぶれた者たちだという事を。そして一部の冒険者達はサポーターを下に見ていると。
リリルカ・アーデが白髪赤眼の冒険者ベル・クラネル簡潔な説明を終えると、ベルは涙を流していた。
「サポーターってのはブラックな職業だったんだね... 僕と契約して専属のサポーターになってくれないか?」
リリは唐突に涙を流し、更に突然勧誘に切り替わったベルの思考回路が理解不能だった。恐る恐る理由を尋ねると。
「そんな酷い冒険者よりも僕と組んだ方が何億倍もましだよ! 絶対に後悔なんかさせない! 絶対に見捨てないし、僕が必ず君を幸せにするよ!」
リリは手を握られ、勧誘された。行き過ぎた行為には目を瞑ろう。しかし、時と場所を考えて欲しい。ここはダンジョンから出て直ぐの広場だ。よって周りには常に冒険者や見送りの神達が居るわけであって、周りから熱い視線が送られて見守られていた。恥ずかしくてリリは死にそうだった。それに【ソーマ・ファミリア】の連中に見つかる訳にはいかない。今すぐにでもここから逃げ出したかったリリは直ぐに返答した。
「わかりましたから! リリはベル様に付いて行きますから!早く別の場所に移動しましょう!」
周りからは「よっ、色男!」「幸せにしてやれよぉ!」「リア充死すべし慈悲は無い」などと野次が二人を包んでいた。リリはベルの手を引いてこの広場から走り出した。そしてベルは呑気に野次馬達にガッツポーズしていた。
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広場から少し離れた裏路地にて二人の会話は続いていた。
「ベル様。明日は朝8時に中央広場に待ち合わせで問題ないですか?」
「うん。それでいいよ!じゃあ僕は予定が詰まってるから先を急ぐね! リリ、また明日!」
リリは、ようやくベルに解放されてその背中を見送った。リリは悩んだ。話をしてみると悪い人では無い。しかし、無自覚の自己中心的で頑固なのは分かった。もう約束したことだとリリは割り切って、血生臭い身体を綺麗にする為にバベルへと向かう。
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一方でベル・クラネルも鼻歌を歌いながらバベルに向かっていた。この際にバベルを見て回るからだ。しかしその前にシャワールームに向かっていた。ベルは冒険者達の間を簡単に抜けてバベルに数分で到着したが、粘着質な視線が気になって仕方なかった。その視線はバベルの頂上からだった。
しかし、ベルはまだ覗き見が一度目だからという事と主人公だから仕方ないという訳の分からない理由で見逃す事にした。
バベルは50階まであり、ダンジョンと迷宮都市オラリオの象徴とも言える、巨体な建造物だ。バベルでの移動は魔石で動くエレベーターで移動する。貨物用と移動用とに分かれ、ベルは移動用に他の客達と一緒にエレベーターに乗った。
シャワールームがある階層でエレベーターを降りて、目的地のシャワールームを目指した。バベルの通路は広く、色々な店が視界に入るが、ベルはシャワールームに急いだ。
ベルはシャワールームに着くと受付嬢に利用料を支払って貸し出しのタオルを貰い、男女に分かれた更衣室に入る。全部脱いで、空いたシャワールームに入る。その間に着ている服を、魔石で動く洗剤要らずの洗濯機に入れて回しておく。
ベルが丸裸で身体を綺麗にしている間も、上から粘着質な視線がベルの身体の隅々をじっくりねっとりと品定めをするように舐め回していた。ベルは内心驚きを隠せないでいた。一目惚れにしては度を超えている。
ここまで執拗にアプローチされたらベルにも考えがあった。ベルは仕返しに自慢のナニを天に向けて直立させた。
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迷宮都市オラリオのシンボルであるバベルの50階には、美の女神フレイヤのプライベートルームがあった。【フレイヤ・ファミリア】といえば、【ゼウス・ファミリア】【ヘラ・ファミリア】が無き今、【ロキ・ファミリア】と共にオラリオの最大派閥だ。
そのプライベートルームで美の女神フレイヤは水晶玉を見て悶えていた。フレイヤの側には、迷宮都市オラリオ最強のlv7冒険者オッタルが控えていた。
「何て不思議な色なの? 明滅してる魂。あぁ...良いわ!それに可愛い顔に綺麗な赤眼。6つに割れた腹筋。引き締まったお尻。そしてその身体に似合わない逞しいソレ...とっても可愛いわ」
フレイヤが偶然見つけた冒険者の魂は、色々な色に明滅していた。そして見た目も悪くない。フレイヤの顔は赤みを帯びており、吐息も次第に激しくなっていく。フレイヤはオッタルに水晶玉の冒険者を見せる。
「この子が欲しいわ。今直ぐにここに連れてきてくれないかしら? 手荒な真似はダメよ」
オッタルは水晶玉に移った白髪赤眼の少年を見る。中性的な顔つきに綺麗に引き締まった肉体。まだまだ若いが、大人顔負けのソレに目がいってしまう。女神の命令は絶対だ。速やかに遂行あるのみ。
「直ちにお連れします」
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ベルが数十分でシャワールームから出て、更衣室でその肉体美を晒しながら着替える。周りの冒険者達はベルのソレを見て圧倒されているが、ベルは気にせず綺麗になった服を着てからその場を後にした。
受付嬢の横を通りすぎると獣耳の大男と目があった。すると大男がベルに近づいて来る。その男が纏う圧倒的なオーラは【ロキ・ファミリア】の幹部達とは比べ物にならない。しかしベルはそのオーラを受け流して大男に近づく。すると大男の方から喋り掛けてきた。
「俺の名はオッタル。我が主神がお前との面会を望んでいる。着いてきてくれないか?」
「構いませんけど、僕の名前はベル・クラネルです。よろしくお願いしますねオッタルさん」
ベルはオッタルに連れられて、一緒にエレベーターに乗った。
エレベーターの中で二人は一切会話をせずに他の客が乗り合わせてもオッタルを見て沈黙し、目的の階につくとすぐに降りていった。
数分でバベル最上階50階に着いた。
「付いて来い」
オッタルの後ろをベルが付いて行く。
ベルは歓喜していた。美の女神に出会えると胸が高鳴っていた。
数秒ほど歩いているとオッタルは豪華な扉の前で止まった。
「ここだ」
オッタルが扉を開けて先に入り、ベルもその後に続く。
その部屋は豪華な装飾が施された高級感ただよう部屋で家具も見るからに
ベルの目の前には余りにも整った容姿をしている女性がいた。
ベルは下半身が熱くなっているのを感じていた。
「フレイヤ様。水晶球の少年を連れて参りました」
「ご苦労様。迷惑かけて悪わねオッタル。それじゃあ私達はお話をするからこの階の護衛を頼むわ」
「畏まりましたフレイヤ様」
オッタルはフレイヤの命令に従い、この部屋から出て行った。
「私の失礼な招待に答えてくれてありがとう。さあ、こちらにいらっしゃい」
この部屋にはベルとフレイヤしか居ない。
ベルはフレイヤに誘われ、フレイヤの隣の椅子に座る。
「私の名前はフレイヤよ。【フレイヤ・ファミリア】の主神をしているわ。フレイヤって呼び捨てでいいわ」
フレイヤは自分から自己紹介を始めた。
「僕の名前はベル・クラネルです。僕のことはベルって呼んでください」
「ベル...いい名前だわ。ねぇベル?」
艶やかさな声でフレイヤはベルの名前を呼ぶ。
「はいなんでしょう?」
「私、ベルに一目惚れしたの...貴方のことをもっと知りたいの」
フレイヤはベルの頬を軽く撫でて顔を近づける。フレイヤは無理矢理に魅了をしてでもベルを自分の物にしようとしていた。二人の吐息が感じられる程度の距離。
フレイヤの魅了がベルを襲う。
「僕もフレイヤの事がもっと知りたい」
フレイヤとベルは目を閉じて優しい口づけをする。
ヘスティアより上手い舌使いで、フレイヤはベルを楽しませていた。
何分経っただろうか。実際、数分しか経っていないがベル達には何時間にも感じられた。
「あらあらベルったらそんなに興奮してたのね。私が解消してあげるわ」
ベルは自慢のソレがズボンにテントを張っており、フレイヤがズボンの上からソレを優しく撫でる。
フレイヤとベルの楽しい大人の時間が訪れた。
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ベルとフレイヤは軽く10試合程大人のプロレスをしていた。フレイヤは魅力でベルを堕としたと思っていたが、スキルで体質とスキルで無効化された。
そしてベルのソレは一向に萎えず、御構い無しにフレイヤを弄んでいた。
「ベル。もう行くの?」
「魔石とかドロップアイテムを売りに行くんだ。僕のファミリアはフレイヤの所と違って貧乏だから、僕がヘスティアを養わないとね」
フレイヤは他の女神達に嫉妬されど、嫉妬することは殆ど無かった。しかしフレイヤは今この瞬間にヘスティアに嫉妬していた。
「ギルドで換金するの?」
「ギルドで魔石を換金するのは面倒だからバベルで済ますつもり。ドロップアイテムは直接売り込みに行く」
ベルは着替えを済ませた。フレイヤは毛布に包まっており、ベルはフレイヤの側に近づく。
「また逢えるかしら?」
「フレイヤが他の男達と寝なければ、また来るよ」
「私を独占したいの?」
「もちろん。フレイヤの全てが欲しいから」
「ベル。私もベルをヘスティアから奪いたいわ。ずっと貴方を私の側に置いておきたい」
ベルはフレイヤと別れのキスを済ませて、この大部屋から出て行った。取り残されたフレイヤはベルのステイタスをその目に焼き付けていた。
今まで見たことも聞いたことも無いレアスキル群。そしてその中でもアルカナムに匹敵する権能。フレイヤはヘスティアがアルカナムを使ったと一瞬疑うが使ったら最後、ウラヌスに強制送還されてしまう。
ベルがこの階に来た時だろうか。本能の危険信号がフレイヤの頭の中で鳴り響いていた。その原因があのスキルの所為だろう。
ベルのスキル群をいつまで隠し通せるのだろうか。神々に知られてしまえば確実に奪い合う流れになる可能性があった。ベルがヘスティアに手を出されて黙っている男では無い。
備えなければ。ベルを手に入れる為に。ベルを護る為に。
「フレイヤ様。お部屋の掃除に参りました」
大部屋にオッタルがメイドを連れて来た。オッタルがメイドを手配してくれたのだろう。
「オッタル。後はお願いね」
「かしこまりました」
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ベルはオッタルとすれ違い、エレベーターに乗り込んだ。目的地は取り敢えず20階までの商業施設を回ることだ。ベルは20階でエレベーターを降りてこの階から商業施設を順番に見回って行った。
「高いなぁ。ぼったくりでしょ」
20階から4階までベルは軽く店を回り見て、ベルは誰にも聞こえないぐらいの声量で呟いた。ベルはバベルで売られている商品の値段が高い事に不満を抱き、自作した方が良いと思っていた。
バベルの店を見回り、ベルは3階の換金所で魔石を全部交換することにした。時間はまだランチタイムだったので人少なく、ベルが億越えの換金をしても注目されずに済んだ。金は有り余っているのでベルはついでに昼食をバベルの食堂で済ませた。
ベルは北西のメインストリートを進んでいた。次に向かった場所はドロップアイテムを買い取ってくれる有名な商会の本部に向かっていた。
名前は【トルネコ商会】第二のギルドで呼ばれている良心的な価格で引き取ってくれるので有名らしい。会長のトルネコは世界的にも有名な商人で、更に富を稼ぐ為に冒険者になった男らしい。所属は【メルクリウス・ファミリア】でトルネコはlv5。二つ名は幼妻一筋。これもフィンが教えてくれた情報で【メルクリウス・ファミリア】主神メルクリウスは金髪巨乳の女の子を探してオラリオを歩いて回ってる奇神。変態で有名らしい。
ベルが最初にフィンに教えてもらった時は変な声が出ていた。それもその筈。トルネコと言えば『』だった時にプレイしたドラクエの商人だからだ。聞けば聞く程に似ていた。肥満体型に幼妻と子供一人が居ると。それよりも主神のインパクトが強過ぎて、ベルは頭が痛かった。
ベルがフィンから教えてもらった場所に向かうと巨大な文字でトルネコ商会と看板が出ていた。ベルは中に入ると色々な道具やアイテムが展示されており、価格も良心的だった。
「いらっしゃいませ」
髭を生やした小人の男性店員がベルを歓迎する。
「すいません。素材を買い取って欲しいですけど」
「量はどれくらいですか?」
「かなり多いです」
「それなら奥でお願いします」
店員に案内されて、奥の倉庫に通された。店員が素材の確認を取るので、ベルはインベントリから鉱石以外を取り出した。莫大な量の素材に驚き、男性店員は会長を呼んで来てれた。その会長は正にトルネコだった。優しそうで相撲でも通用しそうな外見。
「やあ、いらっしゃい。私がこの商会の会長トルネコだ」
「初めまして。僕の名前はベル・クラネルです」
「いやぁ〜この量はびっくりだよ。ベル君はどこのファミリアかな? 良ければ教えて欲しい」
「【ヘスティア・ファミリア】です。何でそんな事聞くんですか?」
「それはだね。このドロップアイテムの山は深層の素材ばかりだ。そうだろう?」
ベルは無言で頷き、トルネコは話を進める。
「君は一流冒険者だ。しかし私はベル君の名前を初めて聞いた。【ヘスティア・ファミリア】も聞いたことが無い。即ち、専属契約している商会が無いと思ったんだよ」
トルネコは素材を手に取り、鑑定をしながらベルとの話を続ける。
「専属契約のメリットは何ですか?」
「要約するならギブアンドテイクだね」
商会が専属契約の冒険者にクエストを出して、素材を入手してもらい報酬を支払う。そしてポーションや装備などの援助。正にスポンサー。
「乗った!」
「それは良かった。素材の鑑定が終わり次第、契約の話をしようじゃないか」
トルネコがベルの持ち込んだ莫大な量の素材を鑑定を終えるのは1時間後だった。合計金額は数億を超え、ベルの財布は潤った。鑑定が終わったのでベルはトルネコの部屋に案内されて、契約について再度説明を受けて契約書にサインした。そしてベルは迷宮都市オラリオに日本食の店が有ることをトルネコに尋ねると、日本食専門店は存在しなかった。
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ベルはトルネコ商会を後にして、来た道を戻って北東に向かっていた。現在の時刻は16時前だからなのか冒険者達の数が増えていた。ベルは相も変わらず美人美女を探して目の保養にしながら目的地の【ヘファイストス・ファミリア】のホームに向かっていた。
ベルが数十分歩いていると【ヘファイストス・ファミリア】のホームに到着した。周りは工房ばかりで空気が暑い。ベルが中に入ると受付嬢が居たのでベルはそこに向かう。顔は童顔で可愛い系。身長も余り高くはないが、胸の形から美乳サイズで彼女に合う下着は黒だと一瞬で分かった。
「いらっしゃいませ。本日の御用は何でしょうか」
「素材の買い取りをお願いしたいんですけど。出来ればヘファイストス様を呼んでくれたら嬉しいです」
「少々、お待ち下さい」
そう言って受付嬢のお姉さんはどこかに行った。ベルが数分待っていると、先程の受付嬢が呼びに来てくれてヘファイストスの所に案内してくれた。
「初めまして。私がヘファイストスよ」
「初めましてヘファイストス様。僕の名前はベル・クラネルです」
ベルの目の前には右目を隠した赤髪の男装の麗人。しかしヘスティア程じゃないが巨乳だ。恐らく、ブラは着けていないだろう。
「早速、素材を見せてもらってもいいかしら?」
「分かりました」
ベルにしか見えないインベントリを操作して、アイテム欄に残っている鉱石類を全部取り出した。何も無い所から突然、500は超えているだろう鉱石が一気に現れた。ヘファイストスは最初の動作が気になっていたが、突然鉱石が現れたことに驚いていた。
「ベル。貴方、所属のファミリアは?」
ヘファイストスが近くに転がっている鉱石を手に取り眺め、別の鉱石でそれを繰り返す。
「【ヘスティア・ファミリア】です」
「ヘスティアですって!?」
ベルは首を縦に振る。
ヘファイストスは胃が痛かった。突然の指名かと思えば、目の前の少年はバカみたいな量の鉱石を出現させ、どれも最上級の品質の物ばかり。今まで見たことがない顔なのでファミリアの事を聞くと、返ってきた答えはヘスティアときた。
「まあ、今はいいわ。鑑定が終わったら貴方の事を聞かせてくれないかしら?」
「別に構いませんけど...その前に誰も使ってない工房はありますか?」
「あるわ。何故、そんな事聞くの?」
「僕も昔、自分で武器を打ってた時があったんです。あとはバベルに目ぼしい作品が無かったので自作しようかと」
ベルは笑いながらそう答える。ヘファイストスの目つきが変わった。
「ヘスティアの子供にしては言うじゃない。別に空きの工房は貸してもいいわ。でもそこまで言うならばベルの作品を見てみたいわ」
「もし、僕がヘファイストス様を唸らせる作品を作ったらどうしますか?」
「とびっきりのご褒美をあげるわ」
その言葉を聞いたベルは今すぐに工房に行くことに決め、ヘファイストスはベルの気迫に押されてしまい、結果としてヘファイストスは鈴を鳴らし呼んだ眷属に空きの工房を案内させた。鑑定の予想終了時間は1時間らしい。
【ヘファイストス・ファミリア】から出て数分歩いた所に空きの工房はあった。中に入ると最近まで人が居たおかげで環境は悪くはない。良くもないが。
ベルも最初はもしまつろわぬ神クラスのモンスターが現れてもいいように。夢で見たキリトが味わった無力感を味わいたくないからという理由だったが、今ではヘファイストスにご褒美を貰えるというだけでベル・クラネルの全力を持って鍛冶に対して燃えていた。
「何でも器用にこなせたラバック。キリトの剣を打ったリズ」
ベルは意識を集中する。自分のスキルである心意はダンジョンに篭っているときに射程距離を伸ばしたりある程度は掌握できた。今度は自分を上書きする。そしてベルは鍛冶を始めた。
ラバックだった時に鍛冶はしたことがあり記憶を頼りにベルは、上位元素で生成したミスリルを炙って打つがミスリルは理想の硬度をもった物質だ。しかしベルは意識を集中させた。
イメージをする。刃渡り3尺3寸5分の豪刀を。日本神話のトリックスターであるスサノオの相棒であり草薙護堂の愛刀を。
打つ。打つ。打つ。
ただ繰り返す。
ミスリルの塊がが次第に形を変え、見覚えのある刀に変わる。
ベルが刀を完成させたころに、受付嬢が呼びに来てくれた。
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「これが領収書とお金ね」
ヘファイストスからベルは領収書とヴァリスが大量に入った袋を貰い、インベントリに入れた。
「信じられないわ。たった1時間でこんな物を」
ヘファイストスはベルが持ってきた刀を見て、驚くしか無かった。
何故なら、ヘファイストスの作品よりも出来が良かったからだ。見た目も美しく切れ味も抜群で全てが一線を画しており、更に吸収という訳の分からない属性まで付与されている。そして何よりも
『余り触らないで欲しいです』
刀に意識があることに驚いていた。それも女性の声で直接頭に語りかけてくる。しかしヘファイストスは刀を見て触って確かめるのをやめなかった。ヘファイストスは目の前にいる少年の事が気になってしょうがなかった。
「合格ですか? 僕、ご褒美だけの為に全力を出しました!」
ベルの瞳は輝いていた。そう、ヘファイストスからご褒美を貰うためだけに全力を出したのだから。そして認められて当然という自負があった。
「これは認めるしか無いわ。それでベルは何が望みなの? 武器や防具一式でもいいわよ」
これだけの刀を打つ人にあげる褒美なんて、一級品の防具一式ぐらいしかなかった。
ベルは首を横に振る。
「僕の望みはただ一つ!ヘファイストス様が欲しい!」
ヘファイストスは思わず、手に持っていた刀を驚きのあまりに落としてしまい、刀身が床にめり込んだ。ヘファイストスは半泣きになりながら腹を抱えて笑う。
「ごめんなさい。その言葉を久しぶりに聞いちゃって、思わず笑ってしまったわ。昔の団員達も同じこと言われたことあるの」
「じゃあ! 僕は!」
ベルの言葉をヘファイストスは遮る。
「ベル。貴方の気持ちは嬉しいわ。でもね私と貴方は別のファミリア同士。それに女として失格」
ヘファイストスはベルに近づき、その頭を優しくそっと撫でる。
「この眼帯の下にはね、貴方が想像を絶する程の醜い顔が広がっている」
ベルは黙ってヘファイストスの話を聞き続けることにした。
「可笑しいでしょ? 神なのに醜いの。神の力を使ってもどうすることも出来なくて、天界では他の神に嫌厭されたし、馬鹿にされて笑われた」
ベルは日本人だった時の記憶を頼りにギリシャ神話のヘファイストスを思い出す。
諸説はあるが足が悪いのと醜かったのはどの説にも共通している。
「この眼帯の下を見て、笑ったり不気味がったりしなかったのは、貴方の主神ヘスティアくらいよ」
そして唯一無二の神友であるヘスティアの眷属に求愛されるとは思っても見なかったとベルに打ち明ける。
「それがどうしたんですか。他のファミリアの冒険者同士の結婚は禁止されていますが、他のファミリアの主神と結婚は禁止されていません!それに」
「ちょっとっ、ダメ」
ベルはヘファイストスの静止を振り切り、右目の眼帯を無理やり外した。
動揺しているヘファイストスなんてお構いなしに、ベルはヘファイストスの素顔を見た。
彼女は見られまいと顔を背けようとするが、ベルに顔を両手で固定されて振り向けない。そしてヘファイストスは諦めてベルと向き合う。ベルは表情を一切変えず、力を緩めてヘファイストス顔を小さな手で優しく触っていく。
「この程度、醜いうちに入りませんよ」
そしてベルはヘファイストスの眼帯で隠していた部位をペロペロとキャンディーの舐めた。
「ベル! 止めて。そこは醜いから...それにくすぐったい」
ベルは何回か舐め回した後眼帯を元に戻した。
「僕は本気です」
ヘファイストスの心臓は高鳴っていた。いつからだろうか。ベルと瞳が合うと顔が赤くなるのを感じている。神友の眷属に求愛されて、それにこんな若い少年を意識してしまっていた。
時刻は夕方を過ぎて、夜の月が出てきた頃。
ヘファイストスは今まで味わったことのない感情に流され、神友の眷属であることは二の次にしてベルに体を預ける。
「本気の本気?」
「もちろんです!」
部屋に月の光が差し込む中で、二人の男女は口づけを交わした。
誤字脱字があったら報告お願いします!
オリキャラとオリジナルファミリアが登場しましたが、特に気にしなくていいです。
話変わりますけど、幽遊白書の躯やはだしのゲンの勝子って可愛いですよね!
感想くれると非常に嬉しいです。
リューさんの耳prprしたい。