ラフコフのせいで(おかげで)一目惚れ   作:ランたまご

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第5話

「セルキ!また来るぞ!」

「クソったれ!!!」

 

1つになった首が伸びてきて噛み付いてくる。

無理矢理体を後ろに倒して回避。そのまま後転の容量で大きく下がった。

 

「ちょっと下がれ!─セルキ、何を言われた?」

「…キリト、俺がいなくなっても攻略できるか?」

「…無理じゃない、ただ逃げる理由を教えてもらいたいな。」

「シリカちゃんが危ない。」

「ロザリアか?」

「…いや、PoHだ。」

「なんでシリカがアイツに襲われるんだよ!?」

「…あとで話す。とにかくパルムがそう言ってたんだ。俺が助けに行かなきゃ。」

「パルム?」

「うちのパーティーにいたマスクだけどラフコフのメンバーだったっぽい。ついでにさっき死んだ人も。」

「マジかよ…」

「PoHの野郎を倒したら遺品でも持って来て攻略組で踏み絵でもするか。」

「そりゃいいな。…正直、怠惰じゃなくなった鮫と戦う上でお前に抜けられるのはキツい。ただシリカも心配だ。絶対守れ。」

「当たり前だろ。攻略、任せた。」

「任された。─待たせた!スイッチ!」

──────────────────────

シリカちゃんには宿から出るなと言ってあるし圏内からは出てないハズ。

理屈で言えば心配する必要はないけどPohは何をしてくるかわからない。

全力でダンジョンを踏破している間俺はずっと嫌な予感に苛まれていた。

 

「?セル君、何してるんダ?ボス戦は?」

「アルゴ!いや、ちょっと。」

「ちょっとでセル君がボス戦を投げ出す訳ないと思うんだケド。」

「グッ、…知りたかったらついて来いよ。ただし自分の身は自分で守れ。俺は守れる自信がない。」

「セル君がそういうなんてよっぽどだネ。話してても止まらないくらい急いでる。…ついてくヨ。少しは役に立つかも知れない。」

「わかった、スピード、上げるぞ!」

「スピード上げたオイラについてこれるの?」

「…手加減してください!」

──────────────────────

「シリカ!」

 

風見鶏亭についた俺はシリカの部屋に行ったが気配がしなかった。街を探してもいない…目撃情報すら出ないのか…

 

アルゴに話してるうちに少し頭は冷えたけど冷静に考えられる分不安が増えてきたな…

 

「セル君、シリカとオイラは直接面識があるわけじゃないから聞くんだけど、部屋から出るなっていう忠告を無視するような子じゃないよナ?」

「ああ、あの子はそんな事をしないと思う。つっても俺も長い付き合いって訳じゃないけどな。」

「人との関わりは長さだけじゃないヨ。セル君がそう信じたんならそういう子なんダロ。となると連れ去られた可能性が高いネ。」

「だよなあ。…PoH…だろうな…」

「厄介極まりないネ。どこに…」

「どう連れ去ったかがわかればな…」

「普通に考えれば騙して連れて行った、かナ。」

「PoHがそんな手を使うかな。」

「んー、確かにシリカはそこそこ有名人だし目立つか…となるト…」

 

自分で反論を考えられるあたりはさすがアルゴだな。

しかし考えてる時間も惜しいけど手がかりが…

 

「わかった!セル君、さっきPoHに洗脳されたって言ってたよナ?」

「クッ、マジで秘密にしとけよ…。この情報だけはマジで売らないでくれ。」

 

いや、俺も言う気はなかったんだけどね、ちょっとオネーサンの誘惑には敵わなかったんだね…

なんとかシリカに対して殺意を抱いてたってのは隠せたけど。

 

「こんなヤバいネタ誰にも売れないと思うけどナ。でも洗脳については裏が取れ次第流すって言ったよネ。キリトにもそう頼まれてるしネ。」

「ああ。それはぜひ。」

「少しでも被害が減ればいいんだけどネ。さて、話を戻すけど、」

「シリカが洗脳されて連れて行かれた。だな。」

「さすがのセル君でもわかるカ。」

「洗脳されてたとすると1人でおびき出されたんだろうな。」

「ついでに人に見られないように、ネ。」

「見られないようなところといえば…迷いの森…街さえ抜けちまえばあんなに隠れやすいところはないよな。」

「よし、そこに賭けよう。行くヨ!」

「おう。待ってろ、シリカ!」

──────────────────────

「ア…私…」

「Wow、なかなか強情な女の子だな。やっぱり行動は操れても心は操れないもんだな。」

「私…セルキさん……」

「ああ、セルキ含め攻略隊は壊滅。セルキにもう一度逢いたいなら死ぬしかないよな。」

「セルキさん…死んじゃ…イヤア…」

「もう死んだんだ。逢いたいだろう?見せてくれよ。希望に満ちた死に顔を。」

「逢いたい…逢いたい…」

「だよな。さあ、俺に全部委ねな…」

「ピィーッ!」

「Shit!、こりゃ珍しい。ご主人様の危機がわかったのか?偉い使い魔だな。…殺してみるか。」

 

ザシュッ!

 

「ピッ!」

ガシャン!

 

「ピ…ナ…?」

「Hun、ピナって言うのか。ピナも逝っちまったな。どうだ?早く死んでピナにも逢いに行こうぜ?」

「ピナ…!アナタ…が…」

「!?洗脳が解けてきてるのか?」

「…ピナ…許さない…!許さない!」

「How、これはこれは…やれやれ、俺もまだまだだな。仕方ない。普通に殺すか。じゃあな。アイツの覚醒に役立ってくれよ?」

「あなたになんか殺されない!」

 

 

 

 

 

「よく言ったぁ!それでこそ俺の嫁だ!」

 

 

 

 

 

「!セルキさん!」

「What!?今はボス戦中だろう!?」

「残念だったなPoH!俺とシリカちゃんの愛の力がお前の予想を上回ったようだな!」

「ホントはお前のバカがPoHの予想を上回っただけだと思うゾ。」

「黙らっしゃい!さあPoH!シリカちゃんは返してもらうぜ!」

「Ha!イイぜ、こいよ!極上の勝負でテメェを殺し屋にしてやるよ!」

「ハッ、今度こそ牢屋送りにしてやるよ!」

 

俺とヤツの獲物が放たれる。

シリカちゃんを怖がらせた罪は重いぞ…!




予定は未定、なんという格言か。
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