ラフコフのせいで(おかげで)一目惚れ   作:ランたまご

6 / 9
第6話

「アルゴ!シリカを連れて宿に!」

「任せナ!」

「ピ、ピナ…セルキさん…」

「シリカちゃん!宿で待ってて!俺が全部なんとかする!」

「う、うぅ…」

 

クソ、好きな子泣かせてどこが男だ。

 

「PoH、行くぞ!」

「HAHA、だから、さっさと殺ろうって言ってんじゃねえか!」

 

「ぜああああっ!」

「まだまだ、だな。お前の全てを出し尽くせよ!」

「出し尽くさなくても倒してやらァ!」

 

俺の愛剣がPoHを捉えにかかる、並の相手ならこれで決まるほどの手ごたえを持った一撃はしかし綺麗に弾き返されてしまった。

 

「HA…お前、俺を見誤ってるんじゃないか?戦場では過大評価もいけねえが過小評価も命とりだぜ!」

「グッ…!?」

 

PoHの獲物が俺を襲う。完全に攻守逆転されてしまった。

PoHの野郎の攻撃は正直、重い。

奴のダガーは両手剣のそれに等しい攻撃力を持っている。それに本来の縦横無尽な剣筋が加わってるせいで向こうにイニシアチブを取られたまま俺のHPがじわじわ減っていく。

 

「テメェ…、大分強くなってんじゃねえか?」

「お前が弱くなったんだよ。黒の剣士共々腑抜けちまってよ、つまんねえ奴らだ。所詮ジャップか!」

「チッ!」

 

突如として思い切り振り下ろされるダガーに俺の剣が叩き落とされてしまう。

拾い上げるより距離をとったほうがマシか…

 

「Fuu…なあ、セルキよぉ。お前、楽しくないのか?」

「ああ?」

 

予備の剣を取り出した俺にPoHは語りかけてくる。

 

「なんの罪にも問われずにカス共を嬲り殺せる世界なんて無いんだぜ?」

「それのどこが楽しいんだよ。」

「わかんねえフリをしなくてもいい。お前もそうだろ?引きこもり、騒ぐしか能のねえ馬鹿、なんの目標もなくのうのうと生きてる家畜ども、そんなのを片っ端から殺して、殺して、殺し尽くせる。そんな世界を夢見てたはずだ。」

「何言ってるかわかんねえな。平和主義の日本市民の俺には理解できねえししたくもねえよ。」

「お前にそんな肩書は似合わねえ。あいつらとは違う目をしてるよ。善良なフリをしてるだけのあいつらとはな。」

「何が言いたいか、いまいちわからん。剣で語ろうや。」

「Huun、それでもいいけどな、今は遠慮しとくか。」

「あ?」

「俺の言葉が届きにくくなってるみたいだな。いくら戦っても無意味だ。殺しちまうには惜しい人間だしな、お前は。お前には奴らを斬り倒してもらわなくちゃなんねえからな。じゃあな。」

 

「なっ!テメェ!」

 

「おっと、追わせはしないよ?」

「…俺らが…足留めする…」

「クソ、ラフコフの幹部共か…」

「早いとこ帰りなよ。殺したくなっちゃうからさ。」

「…殺してしまったら…PoHに…殺されるぞ…」

「わかってるよ。そろそろいいだろ。じゃあな。」

「…」

 

クソ、このHPじゃ二対一は厳しいか。

仕方ない。シリカちゃんのところに戻ろう。

──────────────────────

「俺が死んだって言われて、部屋から出ちまったのか…」

「ゴメンナサイ、いてもたってもいられなくて。」

「でも知らない奴のことを信じたらダメだろ?」

「いえ、血盟騎士団の方だったので…」

「血盟騎士団だって!?確かか?」

「間違いありません。あの人、たしか閃光さんの護衛の…」

「アスナの護衛、ね…アルゴ。」

「二人いるネ。どっちも割と初期からのメンバーだヨ。」

「ヤバそうなのは?」

「クラディールってのがアスナの狂信者みたいな感じかナ。」

「なるほど…もう片方は?」

「リギィって奴。こっちは…うーん、クラインみたいな奴だヨ。」

「なるほど、クラインのが怪しいな。」

「真面目モードが続かないネ。」

「癖だ。」

「はあ…」

 

しかし、血盟騎士団員か…キナくせえなあ。全く。

俺のエンジェルを騙すなんて。一回痛い目にあわせないとな。

 

あと、ピナもなんとかしねえとなあ…そういやキリトが都合の良い話をしてたような…

──────────────────────

「フゥー。」

息を長く吐く。少し落ち着いてきた。

 

「キリトくん、いける?」

「ああ。─クライン!スイッチ!」

 

「おうよ!」

 

「アスナ!合わせろ!オオオオオ!」

「うん!ハアアアアアッ!」

 

体が悲鳴をあげている。データなのに疲労は溜まる。それがこの世界だ。精神的なものだろうが、正直違いはわからない。

 

「アスナ!尻尾来るぞ!」

「うん!」

 

ザスッ!

アスナのレイピアがボスの尻尾に突き刺さる。

 

「よし!切り落とす!」

 

『ホライゾン・スクエア』という技で思いっ切り尻尾を斬りつける。

 

「エギル!」

 

「任せろ!」

 

エギルのデカいアックスが俺のつけた傷に寸分違わず叩きつけられる。

そして、尾が落ちる。

 

「ギイイィイィイィ!!!」

 

「悪いな、これで、終わりだっ!」

 

飛び上がり仮想の重力を味方につけ突進する。

エフェクトをつけた俺の剣がサメの脳天を突き刺し、ガラスの割れる音と共に粉砕した。

 

「しゃあぁ!」

「さすがキリトだ。」

「やったね!」

「ああ。早いところ次の階に行こうぜ。セルキも心配だ。」

 

あの馬鹿野郎、いったい何をやってるんだろうか。




申し訳ありません!
死ぬほど遅れました!
言い訳は特にありません!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。