「えっ、ちょっ、いやあああああ!?」
俺の絶叫から始まることになって申し訳ない、しかし理由がある。
愛剣が折れた。しかも結構豪快に。真っ二つ。
「てめえキリト!エリシュデータ硬すぎだろ!アホか!俺の愛剣が!!!」
「だから止めただろ!全く…」
「うおお…」
こうなった経緯を説明すると
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「ようリズ、メンテ頼める?」
「あらセルキ、いいわよ。」
「サンキュー、ならこの剣頼むわ。」
「はいよっと。しかし結構ギリギリまで使ってるわね。耐久だいぶ落ちてるじゃない。」
「うーむ、レベリングに気を取られすぎたな。」
「剣が折れたらどうするのよ。命知らずね。」
「いやまあそうなんだけどさ。この剣もあとちょっとしか使えないだろうしたくさん使っておきたくてな。」
「こまめにメンテすることとあんまり関係なくない」
「まあ細かいことは気にするな。」
俺が喋ってる相手はリズベット、女の子ながら鍛冶屋を開いてるなかなか度胸がある奴だ。性格もさっぱりした『いい女』ってやつで、俺が攻略組から離れてからも装備全部任してるほど信頼してる。
「あの、すいません。」
「はーい、いらっしゃーい。」
「あれ?キリト。」
「セルキ?なんでここに。」
「いや剣のメンテ、それよりお前こそなんだよ。リズのこと知ってたっけ?」
「いや、腕のいい鍛冶屋がいるって聞いたから。」
「うむ、俺が腕は保証する。腕はな。」
「セルキ、神への祈りに3秒あげるわ。」
「ホントごめんなさい。」
「全くもう…改めて、リズベット鍛冶店にいらっしゃいませ。店長のリズベット、リズって呼んで。」
「ああ、俺はキリト。よろしく。えっと、片手剣あるかな?」
「あるけど、プレイヤーメイドのモノって高いわよ?」
「心配すんなリズ。こいつアホみたいに金持ってるから。むしろふんだくってやれ。」
「そうなの?なら遠慮無くふっかけよう。─これとかどう?」
そういってリズが取り出したのはそこそこ良さ気な片手剣。しかし…
「少し軽いなあ。」
「だよな。少しAGIに振りすぎじゃね?」
「そう?ウチで一番良い剣出したんだけど。」
「うーん…」
「俺の剣くらいの重さはいるんじゃないか?」
「ちょっと貸してみて。─軽くね?」
「はあ!?何言ってんだ!?ちょっとエリシュデータ貸してみろ!」
「ほら。エリシュデータのがだいぶ重いよ。」
「なっ、なんだと…いや!俺の剣のほうが良いはずだ!勝負だ!」
「勝負ってどうするのよ。」
「ぶつける。」
「は?」
「いいな、キリト。」
「えっちょっ、」
「せああっ!」
ボギィッッ
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「うう…ごめん、ごめんよ…」
「なんでこんなことしたんだ、アホか…」
「リズ…どうにかならねえ…?」
「残念だけど…」
「うう…俺のアホ…」
そうこう言っている間に鍔の部分を残して砕け散ってしまった。
「どちらにせよ換え時だっただろ?」
「それはそうだけどさ…」
命を預けていた相棒に対してしてはいけないことをしてしまった罪悪感が重すぎる。
「とにかく、セルキの剣をどうにかしないとね、それにキリトのも。」
「そうだな…リズ、なんかいいのないか?」
「生憎軽いって言われたのしかありません!材料があれば出来るんだけど…」
「それ、俺のももっと良いの作れる?」
「うん、スキルレベル的には大丈夫だと思う。」
「よし、材料取ってくる。行くぞセルキ。」
「おう。何が欲しい?何でも取ってくるぞ。」
「脳筋ね…ならこれ探してきてよ。」
そう言ってリズが見せてきたのはある情報書だった。
曰く、かなりいい金属が手に入るクエストがあり、そのクエスト自体は竜の巣で行われるらしいのだが問題はそこにいる竜を何度倒しても金属はドロップしなかったことらしい。
「ふーん、なんかトリガーでもあるのか?」
「どうかなあ、意外と落ちてたのを見落としてるだけとか…」
「そんなヘマするかあ?まあいいや、とりあえず行ってみようぜ。」
「おう。」
「あ、リズ、この大剣貸して。いや、買うわ。」
「…久しぶりね、アンタが大剣使うの。」
「そうだなあ、。25層以来、か。まあ背に腹は変えられんしな、予備の片手剣じゃ少し頼りないし。」
「そう、いいわよ。買わなくてもいい、貸してあげる。それより、トリガーに鍛冶屋同伴があるんじゃないかって話もあるんだけど。」
「サンキュ。んー、とりあえずキリトと二人で行ってみるわ。リズをハナから危険に晒すのもな。」
「だな、俺達二人なら何があっても逃げれると思うし、一回行ってみて竜の強さがどんなものか見てくる。」
「よし、出発!」
この時の俺は知らなかったんだ、この後恐怖のイベントが待ってるなんて…
シリカ出せねえ!
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