「いい天気だな……」
「そうだねぇ……」
と言ったのは、屋上で寝転がってる二人の少年
そんな二人が居る今だが、普通に授業中
つまり、サボりだ
そんな二人は、晴れ渡った空を見ていた
その時だった
「あ、やっぱり居た!」
と少女の声が聞こえた
二人が視線を向けてみれば、その先に居たのはポニーテールにした赤毛が特徴の活発な印象の少女
二人の幼馴染みの、
朋夏を見て、二人は
「やっはー」
「よく、ここと分かったな」
と声を掛けた
実は、二人が居る屋上は、少々特殊な位置の屋上だった
そこに昇るには、校舎三階の端の窓を開けて、よじ登る必要があったのだ
しかも、四階の教室からは見えない場所だから、見つかる可能性は低い
それが、今居る場所なのだ
すると、朋夏は
「あのね、何年の付き合いだと思ってるのさ? 二人の行きそうな場所くらい、予想出来るよ」
と言いながら、その窓から持ち込んだビニールシートを敷いて、座った
そして、二人と一緒に空を見上げた
少しすると、明久が
「しかし……僕たち、成績大丈夫かね?」
と首を傾げた
それを聞いて、空太が
「朋夏は、要領いいから大丈夫だろうな。問題は、俺や明久だ。結構サボってるからな」
と言いながら笑った
すると、朋夏が
「分かってるなら、授業出なよ……まあ、今一緒に居るアタシも同罪だけどさ」
と呆れたように言った
すると、空太が
「朋夏、膝枕を所望する」
と言った
「は?」
流石に予想外だったらしく、朋夏は首を傾げた
すると、空太が
「もう、自分の腕を枕代わりにするのは飽きた! だから、膝枕を所望する!」
と言った
それを聞いて、朋夏は少し悩むと
「まあ、いいか」
と受け入れた
それを聞いた明久が
「マジで!? 僕もしてほしい!!」
と羨ましがった
すると、朋夏は
「アタシは一人だから、流石に二人同時は無理かなぁ」
と言いながら、空太の頭を自分の膝の上に乗せた
すると、空太が
「お、おお……予想以上に、柔らかい」
と感動していた
その時、朋夏が
「これ、する側はあんまり楽しくないね」
と言いながら、空を見た
それを聞いた明久が
「そりゃあ、される側が楽しむのが本来だしね」
と言った
それから三人は、黙って青空を見ていた
ふとその時
「あ、ほら。モグラ!」
と朋夏が、空を指差した
それを聞いた空太が
「んあ? どこだ?」
と問い掛けながら、目を細めた
すると、朋夏が
「ほら。あの台形の雲の右横」
と言った
すると、明久が
「ああ、見つけた」
と言った
すると、僅かに遅れて
「ああ、本当だ」
と空太も見つけた
朋夏が言ったモグラとは、正式名称をモーターグライダーと言った
そのモーターグライダーは、明久達の地元
房総半島で流行っているスポーツだった
なお、そのモーターグライダーにも種類があった
パラグライダーに、小型軽量のモーターとバッテリーを搭載した、ウルトラライトパラグライダー
次に、一人から二人まで乗れるライトグライダー
最後に、資格が必要なエアロパラグライダーだ
今三人が見つけたのは、一般的に出来るウルトラライトパラグライダーだ
すると、何かを思い出したらしい朋夏が
「そういえばさ、覚えてる? あの事件」
と空太に問い掛けた
「んあ?」
「それって、アレ? 雲越え事件」
空太は首を傾げたが、明久がそう言うと
「そうそう。アタシと空太が一緒に飛んでたらさ、空太がモーターの出力を上げすぎて、雲を突破。上空の速い風に流されて、海に落ちたの」
と朋夏が、楽しそうに言った
それを聞いて、空太が
「ああ……あれかぁ」
と苦い表情を浮かべた
やはり、苦い記憶らしい
すると、空太が
「あれなあ……なんで、あんな操作したかなぁ……」
と呟いた
その時明久は、当時は日本に居た姉と一緒に、先に地上に降りていたので、難を逃れた
なお海に落ちた後は、たまたま近くを通った漁船に救助されたのだが、二人は怒られたのだった
しかし、やはり思い出だからだろう
三人は朗らかに笑った
そして、また空を見上げて
「空を飛びたいなあ……」
と呟いたのだった