京勇樹の予告短編集   作:京勇樹

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やっちまった……


マブラヴオルタネイティブAFTER

西暦2003年 4月10日08時42分

 

朝鮮半島 仁川

 

『全機交戦開始(エンゲージ)! 射ぇーー!』

 

海上に浮かぶ戦術機母艦

 

日本帝国陸軍、戦術機母艦<文月>

 

その母艦に搭載されている12機の巨人達

 

名称は94式戦術歩行戦闘機<不知火>

 

その1機の狭いコクピットの中で青年、吉井明久(よしいあきひさ)は、操縦桿を強く握り締めていた

 

『人類は来た! 人類はようやくここまで来た!』

 

叫ぶ様に言っているのは、帝国海軍海兵隊の<スティングレイ中隊>隊長の、矢沢征二(やざわせいじ)大尉だった

 

「そう、ようやくここまで来たんだ!」

 

 

 

なぜ、そう言ったのか

 

それは、この世界では

 

人類は滅びかけているのだ

 

かつて、60億人を誇った人口は今や10億人近くまで減っていて、ユーラシア大陸の8割強をBETA(ベータ)に支配されているのだ

 

BETAとはなにか?

 

正式名称を、Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of humanrace

 

人類に敵対的な地球外起源種の略称なのである

 

人類は1967年より、このBETAと戦争に入っていた

 

『月は地獄だ』

 

これは当初、月面にて指揮を執っていた将官の言葉である

 

そして、月面からの撤退を皮切りに、人類は

 

30年以上に亘る絶望的な消耗戦を強いられたのだ

 

そして、2001年

 

人類は、反撃の狼煙を上げたのだ

 

日本帝国領土、佐渡島に存在していたBETAの巣

 

ハイヴを攻略したのだ

 

なお、明久の対BETA戦の初参戦がこれだった

 

そして、2002年1月1日

 

人類はBETAの地球上最大のハイヴ

 

中国は新疆、ウィグル自治区に存在した通称<オリジナルハイヴ>を多大な犠牲を払って攻略したのだ

 

そして、2003年現在

 

人類はユーラシア大陸奪還の第一歩に、<錬鉄(スレッジハマー)作戦>を決行したのだ

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

HQ(ヘッドクォーター)より、全艦隊に通達! 作戦は第3段階に移行! 繰り返す、作戦は第3段階に移行! 全空母及び揚陸艦は艦載機を発艦準備! 繰り返す、全艦艦載機発艦準備!』

 

明久はその言葉を聞くと、操縦桿を強く握り締めた

 

すると、網膜投影のモニターに見慣れた顔が映った

 

『フレイム1よりフレイム中隊全機! そろそろ出撃だ! 準備はいいか!?』

 

そう言ってきたのは、帝国陸軍第一連隊第九中隊隊長の坂本雄二(さかもとゆうじ)中尉だった

 

「あったりまえだよ! むしろ、待ち焦がれてたくらいだ!」

 

明久は中隊の突撃前衛隊長(ストームバンガードワン)として、イの一番に声を上げた

 

すると、それに続くように

 

『雄二よ。あまり焦らすでないぞ!』

 

『………この時を待っていた!』

 

後衛迎撃隊長(ガンインターセプターワン)木下秀吉(きのしたひでよし)中尉と土屋康太(つちやこうた)中尉も声を上げた

 

すると、雄二は笑って

 

『はっ、てめぇらには愚問だったな!』

 

と、獰猛そうな笑みを浮かべた

 

すると、通信画面が開いて

 

『無駄話はそこまでよ。CP(コマンドポスト)より、フレイム中隊全機(オールフレイム)。全機発艦せよ!』

 

通信将校(コマンドポストオフィサー)であり、秀吉の姉の木下優子(きのしたゆうこ)がそう告げると、12機の不知火が甲板に上がった

 

『行くぞ、フレイム中隊! 全機続けぇ!!』

 

『『『『『了解!!』』』』』

 

雄二の不知火を先頭に、明久たちの不知火も匍匐飛行(NOE)で、死地へと飛び込んでいった

 

 

これは、戦争という非日常の中に生きる

 

少年と少女達の物語である




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