京勇樹の予告短編集   作:京勇樹

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俺はプレイしてませんが、色んな方の二次や独自で調べて書きました


ドールズフロントライン・名も無きレイヴン

どんな組織にも、裏方は居るものだ。

施設の運営の為の経理、事務局、清掃班、整備等をする人が居る。

だが、裏方というのはそれだけではない。

例えば、敵対者を掃除する者達後ろ暗い者達も、裏方に該当する。

これは、ある傭兵企業にて存在しない扱いの部隊の隊員の物語……

 

 

西暦20××年。人類は、三度目の世界大戦と世界規模で起きたバイオハザード、そして自律人形の暴走の影響で大幅に人数を減らしていた。

今から約30年程前に起きた、第三次世界大戦。

それは、核兵器の乱発の戦争だった。

核を保有していた国は、それらを乱発し、広範囲が放射線に汚染された。

終戦後、その極限環境下で除染作業等をするために開発されたのが、自律人形と呼ばれる存在だった。

分かりやすく言えば、自分で思考して行動するロボットだろうか。

特に、その中でシェアを獲得したのは二社だった。

IOP社と鉄血工造と呼ばれる二つの企業が、自律人形の開発で二分した。

そんな矢先に発見されたのが、通称で崩壊液と呼ばれる代物だった。

これの研究を進めれば、人類は再び繁栄すると思われた。

だが、その崩壊液が原因のバイオハザード少しが世界規模で起きた。

その崩壊液に感染した生物は、通称でELIDと呼ばれる突然変異体(ミュータント)になり、猛威を振るった。

それに対処するために、統合軍は正規軍とPMC。戦力化した自律人形。戦術人形による連合軍を編制し戦闘を開始した。

そして、ELIDとの戦闘が終盤に入った時、戦術人形の一部、鉄血工造の戦術人形が突如として人類に牙を剥いた。

通称、蝶事件。

それにより、鉄血工造製戦術人形のAIにエラーが発生し、人類へ敵対行動を開始したのだ。

それにより、元々狭かった人類の生存圏は更に狭まり始めた。

そんな時に、対鉄血兵との戦闘を開始・奪還を始めた民間軍事企業、グリフィン&クルーガー社。

元軍人のベレゾヴィッチ・クルーガーが設立した会社で、自律人形の企業のIOP社と業務提携し、戦術人形をIOP社に発注し、奪還し配置した各基地に配備し、それを指揮する指揮官を配置している。

その指揮官は様々な経緯で選ばれており、退役した元軍人、元傭兵、民間人と本当に様々である。

だが、そんな指揮官にえらばれた者達の中には自身の欲望に従って動く輩も多数居る。

だから、本部には査察部というものが存在するのだが、悪党というのは、自身の保身には最大限の努力をする輩が大半である。

そんな輩を処理するために、裏の部隊も存在する。

本社内で、まことしやかに噂されている部隊があった。その名前は、黒烏(レイヴン)隊だ。

 

「なあ、聞いたか? S02地区09基地の指揮官の話……」

 

「ああ、麻薬を売り捌いてたんだろ? またあの黒烏隊か……」

 

と話しているのは、本社の事務員達だ。

実はつい先日、ある指揮官が殺害され、その指揮官がやっていた悪行が全て明るみにされたのだ。

その指揮官を殺したのが、黒烏隊だとされていた。

その証拠とされているのが、一枚の烏の羽。

それが、殺されていた指揮官の遺体に乗せられていたのだ。

 

「なあ、お前はどう思う?」

 

「何がですか?」

 

先程の事務員は、新たに別の事務員に声を掛けた。

短く切った黒髪に、眼鏡を掛けた長身の成年。ナオト・ハーディガン、今の時代では珍しい日系人だ。

 

「あの黒烏隊だよ。あいつら、また殺ったみたいだぞ」

 

「……必要だとは思いますよ。膿は、出さないといけませんから……」

 

事務員の問い掛けに、ナオトはそう答えながら書類を捌いていた。

その時

 

「ナオト! ヘリアン上級代行がお呼びだ!」

 

と髭を蓄えた人物、事務長がナオトを呼んだ。

事務室の入り口には、片眼鏡(モノクル)を着けた女性。ヘリアンが居た。

社長のベレゾヴィッチ・クルーガーの右腕たる女性で、あらゆる指揮官の上役に当たる。

如何にも仕事が出来る雰囲気の女性で、見た目はかなりの美人なのだが、所謂残念美人に当たるだろう。

本人の名誉のために、何が残念なのかは書かないでおく。

 

「どう言ったご用命ですか?」

 

「ああ、すまないが、手伝ってほしいことがあってな……着いてきてくれるか?」

 

ナオトの問い掛けに、ヘリアンはそう告げた。それを聞いたナオトは、頷き

 

「わかりました……事務長、すいませんが離れます。自分の書類ですが……」

 

と事務長に頭を下げようとした。だが、事務長は

 

「いや、あのくっちゃべってるバカ共にやらせる。気にせず、行ってこい」

 

と先程喋っていた二人を、指差した。

 

『マジかよ……』

 

ナオトは事務員として優秀で、一人で膨大な量の書類を捌いていて、まだ机の上にはかなりの書類が残っている。それを知っているから、先程まで喋っていた二人は顔を青くし、周りに助けを求めたが、周りは目を反らした。

そうしてナオトは、ヘリアンと一緒に事務室から出た。

そして、暫く歩くと

 

「……任務内容は?」

 

と先程までとは違う、低い声音で問い掛けた。

するとヘリアンは、胸元から書類を取り出して

 

「そいつの抹殺だ……」

 

と告げ、書類をナオトに手渡した。

それを受け取ったナオトは、静かに捲り

 

「……S05地区03基地の指揮官ですか……容疑は……戦術人形の違法売買……」

 

と呟いた。

 

「ああ……そいつは、新しく配備された戦術人形を破壊されたと偽り、他のPMCに売り捌いていた……最近、妙に羽振りが良くなっていたらしく、調べた結果、判明した」

 

「……了解」

 

ナオトは、読み終えた書類にライターで火を着けて、ごみ箱に投げ入れた。

するとヘリアンが

 

「すまんが、今回はお前一人だ……他の者は、負傷か別の任務に当たらせている……分かっているだろうが、死ぬ時は……」

 

「遺体は残しません……死ぬならば、諸とも自爆します……」

 

「……ああ」

 

ナオトの言葉に、ヘリアンは辛そうにしながらも、ナオトを見送った。

ナオト・ハーディガン、又はコード036。

実在する亡霊である。

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