言っておきますが、これが限界でした……
本格化するのは、難しいかと……
古代ベルカ、緒王時代。
「出来た……出来たぞ……全く新しいデバイス……アリスシリーズが!」
ある暗い研究室にて、一人の科学者が笑い声を上げた。そんな彼の前には、一つの大きなポッドが有り、その中にはピンポン球サイズの金属製の球体が幾つか浮いていた。
「これが量産されれば……私は、まさに希代の天才として歴史に刻まれる!」
その科学者は高笑いしながら、そう声を上げた。
その時だった、研究室のドアが開いて鎧を着た兵士がドカドカと入ってきた。
「貴様らは!?」
「反聖王連合だ! 貴様が作った新たなデバイス、我らが使う!」
反聖王連合。それは、聖王家の圧倒的兵器による武力制圧に反発し、同盟を結んだのだ。目的はもちろん、聖王家とそれに追随する国の打倒。そのために、禁断兵器の投入すら辞さなかった。
そして今回は、敵地たる聖王家の領地にある研究所に潜入し、この研究室にて作られていたデバイスを知ったのだ。
既存のデバイスの能力を超えた能力を持つ、アリスシリーズ。
「警備兵は……!?」
「全員始末した! 外への通信も無駄だ!」
科学者は警備兵を呼ぼうと、黄色いスイッチを押したが、一切反応がない。指揮官らしい相手の言葉から、近くの味方への通信も出来ないようにされたことを察した。
恐らく、通信用の設備は破壊されたのだろう。
「貴様らに、アリスシリーズは使わせない!」
科学者はそう言って、赤いスイッチを押そうとした。
だが
「させるか!」
一人の槍を持った兵士が、その科学者の胸部を突き刺した。その一撃で、科学者は口から血を吐き出して死んだ。
「おい、データの吸出しを行うぞ」
と指揮官が言った時だった。ポッドの中に有った球体の一つ。一番上にあった球体が、光り始めて
『ヨクモ……ヨクモ、お父さんを!!』
と女の子の声が聞こえた。
「まさか、もう起動しているのか!?」
と指揮官が驚いた直後、更に劇的か変化が起きた。他の球体も光り始めて、巨大化。ポッドが内側から弾けとんだ。
「な……なんだ、これは!?」
そして、部隊全員が見たのは、異形。
大きさは、全て4mに迫るだろうか。数は4体。それらに守られるように、一人の少女が部隊を睨んでいた。その表情は、怒りしかない。
「バカな……人の姿に!? 融合器とは聞いては!?」
と指揮官が慌てていると、少女は部隊を指差して
「殺して……こいつら全員を……殺してぇ!!」
と憎しみが籠った声で、指示を下した。その直後、四体の異形が動いた。
この数分後、研究所は大爆発を起こし、瓦礫と化した。その後調査が入り、研究所の全職員と警備兵。侵入した反聖王連合部隊の全滅が確認された。
そして、その研究所で完成したアリスシリーズ。
1番コア、アリス
2番コア、ジャバウォック
3番コア、ホワイトラビット
4番コア、ナイト
5番コア、クィーン・オブ・ハート
計5個のコアも、全て紛失が確認され、アリスシリーズの研究は白紙撤回された。
それから数ヵ月後、戦乱時代は終焉を迎えた。
それから更に時は経ち、新暦70年。
ある管理世界にて、金属製の球体が発掘された。
それを発掘したのは、長い紫色の髪が特徴の男だった。
それから数年後、その男によって大きな事件が起きる。後に、ARMS事件と呼ばれる事件が。