オリジナルサーヴァントも出ますし、オルガマリーも……
「……カルデア?」
「ああ、吉井の才能が欲しいと言われてね。良かったじゃないか。お前みたいなバカでも、必要とされてね」
少年、吉井明久は学園長たる藤堂カヲルからの話を聞いて首を傾げた。すると、学園長は
「あそこには、召喚獣システムの開発で恩があるし、大事なスポンサーの一つでもある。失礼を掛けるんじゃないよ。来週からは、公欠扱いにしとくよ」
と告げて、明久を学園長室から追い出した。
学園長室から出ると、明久は頭を掻きながら
「……
と呟きながら、文月学園から去った。
そして数日後
「起きてください……」
「……う……ん?」
明久は体を揺すられる感覚で、目を覚ました。すると目の前には、見たことの無い少女が居た。
片眼を隠す薄い紫色の髪に、眼鏡を掛けている少女だった。
「君は……?」
「すいません。今は、その質問に答えることは出来ません。もうお一人を起こさないと」
明久の問い掛けにそう答えると、少女は少し離れた位置で倒れている赤い髪の少女に歩み寄った。
その間に、明久は何故今居る場所で倒れていたのかを思い出そうとした。だが、少し記憶があやふやになっていた。
それでも何とか思い出そうとしていると
「フォウ」
と何やら鳴き声が聞こえて、鳴き声が聞こえた方向を見た。そこには、猫とリスを足して混ぜたような見た目の初めて見た生き物が居た。
「この不思議な生き物は……」
「フォウさんです」
明久が首を傾げていると、先程の少女が赤い髪の少女を起こしたらしく、歩み寄ってきていた。
「フォウ?」
「はい。ある研究者の方のお話では、古い動物の個体ではないか。ということでした」
少女のその説明に、明久は内心で
(古代の生き物なんだろうけど……なんていうか、凄い魔力を内包してるなぁ)
と思った。すると、少女は
「申し遅れました。私の名前は、マシュ・キリエライトと言います」
と名乗った。そして、懐から端末を取り出して
「それでは、先輩方のお名前を聞いてもいいでしょうか?」
と問い掛けてきた。
「僕は吉井明久です」
「私は、藤丸立華」
と二人が名乗ると、マシュは端末を操作。少しすると
「はい、確認が取れました。一般から選ばれたマスター候補ですね」
と頷いた。
立華は何のことだか分からないらしく首を傾げたが、明久は
(マスターって、まさか……あの儀式の?)
とあることを思い出した。
そこに
「ん、そこに居たのか、マシュ。早く会議室に行かなくていいのかい?」
と緑色の服とシルクハットを被った男性が現れた。
穏やかな表情を浮かべてはいるが、明久はその男性に強い危機感を覚えた。
「ん、その二人は……」
「どうやら、一般から選抜されたマスター候補のようです」
マシュの説明を聞いた男性は、端末で二人の情報を確認したら
「なるほど、なぜ彼等がここに?」
「それが、ここで寝てまして……」
マシュの説明を聞いた男性は、軽く首を傾げながら明久達を見た。
「それが、なんでここで眠ってたのか覚えてなくて……」
「右に同じく」
先に立華が説明し、明久はそれに乗った。すると、男性は
「ああ、恐らくは入り口でやるレイシフト適性試験が理由だね。レイシフトは慣れないと、脳に負荷が掛かるからね」
と納得していた。
そして、何やら思い出した様子で
「すまない、名乗っていなかったね。私の名前はレフ・ライノール。カルデアの技師だ」
と名乗った。
そして、マシュに
「それより、マシュ。そろそろ、会議室に行かないと間に合わないんじゃないのかい?」
と告げて、それを聞いたマシュは時計を見た。
「あ、確かにそうですね。先輩方、着いてきてください」
そう言われて、明久と立華はマシュの後に続いた。そうして、エレベーターに乗っていると
「あの、少し気になったんですが、なんでマシュは私達のことを先輩って呼ぶんでしょうか?」
と立華が、レフに問い掛けた。
すると、レフも
「だそうだが、マシュ。何が理由があるのかい?」
とマシュに問い掛けた。
するとマシュは、少し言いづらそうにしながらも
「その……今まで会った人の中で人間らしいと思ったからです」
と答えた。
それを聞いたレフは、腕組みしながら
「なるほどね。ここに居るのは、一癖も二癖もある人員ばかりだからね。仕方ないか」
と納得していた。
そのタイミングで、エレベーターのガラス越しに広い部屋が見えた。その部屋の奥の方には巨大な地球儀のような物があった。
それこそが、これから明久達が深く関わる人理修復に使う重要な設備。カルデアスだ。
これが、明久と立華達が駆け抜ける人々の営みを守る戦い。世界の歴史と戦う人理修復の旅の幕開けだった。