京勇樹の予告短編集   作:京勇樹

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少々、独自設定混じりの作品です


ドルフロ学園

西暦2061年。一時は80億を超えていた人類は、大きく衰退していた。その原因となったのは、大きく二つ。一つ目は、通称で北蘭島事件と呼ばれるバイオハザード。これは、新しく見つけられた崩壊液と呼ばれる液体が広範囲に拡散。それにより、中国を中心として、ロシア、日本、一部欧州が人が住めなくなってしまった。

今も科学者達がその除染をしようと試みているが、上手くいかない。

そして、もう1つ。第三次世界大戦。人類は、三度目の大きな過ちを繰り返してしまった。

この第三次世界大戦は、核兵器が多用されてしまい、アメリカ合衆国という国が地図から消えた。

アメリカ大陸は放射能汚染により、まともに住めなくなってしまった。

しかして、人類は諦めていなかった。

鉄血工造、通称で鉄血と呼ばれる企業が戦術人形と呼ばれる自律行動が可能な人型で人間サイズのロボットを開発。それを崩壊液と放射能に汚染されたエリアに送り、調査兼戦闘を開始させた。

崩壊液汚染エリアは、その崩壊液により生物が化け物になっていて、調査するだけでも危険だった。

故に、様々なタイプの戦術人形が開発され、軍や傭兵、調査団体により運用された。

長い間戦術人形の開発は、鉄血工造が独占していたが、近年になって新たな企業が戦術人形を開発することに成功した。

その企業とは、IOP。鉄血工造には無い新しい機能を搭載した戦術人形を開発し、参入してきた。

しかし、IOP側には大きな欠点があった。

それは、様々な面でのデータである。

そこで、政府の介入もあったが、IOPと鉄血、更に傭兵企業のG&K、通称グリフィンが提携し、戦術人形の為の学校を設立した。

巷では、グリフィン校と呼ばれる場所では、最前線に投入され帰還した鉄血製の戦術人形達から得られた様々なデータを流用した訓練が施されたり、その人形がIOP製や鉄血製でも後発の戦術人形に訓練を施す場所である。

これは、そんな学校での物語。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

ある日のこと。

 

「ねえねえ、RO! 今日、編入生が来るんだって! 楽しみだよね!!」

 

「……分かったから、SOP……机の上で転がらないで……落ちるから」

 

あるクラスの机にて、SOPことM4SOPMOD2がゴロゴロと転がり、それをRO635が嗜めていた。

この二人は、クラスメイトでもあり、よく訓練も一緒にやっている。

主に、暴走しやすいSOPをROがコントロールする形だが。

 

「けど、編入生ね……」

 

「珍しいよね! 大体は、製造年で纏められるのに」

 

このグリフィン校は、IOP製の戦術人形でも試作機が集められている。その試作機を訓練することで得られたデータから、量産機までに必要な改良を施したり、機能の強化。通称でMOD化させた際のデータも収集している。

そういった面があるため、大体は近い製造年が近い戦術人形でクラスが編成される。

ROが考えたのは、製造されたのは同じ位だが、何らかの不具合が見つかり、それが漸く直ったのか、という形だった。

そんなことを考えながら話している間に、次々と入ってくるクラスメイト達。それに伴い、少しずつ増していく喧騒。

 

(ああ、何時もの光景だ)

 

ROがそんな風に考えていると、チャイムが鳴り

 

「はーい、皆座ってー!」

 

と教師のサクヤ・ヴァンダルグが入ってきた。本来は鉄血の技師だが、本人たっての希望でグリフィン校で教師をしている。少し子供っぽい面があるが、教えるのも上手で相談も乗ってくれるので、人気教師である。

 

「もう耳の早い子は知ってると思うけど、今日このクラスに編入生が来ます!」

 

サクヤがそう言うと、何人かがおぉー! と声を挙げた。その反応に、サクヤは満足そうに頷き

 

「良い反応だね! それじゃあ、入って!」

 

『は、はい』

 

「え」

 

ドアの向こうから聞こえた声に、ROは驚いた。聞き間違いでなければ、男の声だった。

 

「し、失礼します」

 

緊張しながら入ってきたのは、一人の少年。今では珍しい日系人の顔立ちにポニーテールにした黒髪。

その少年は、サクヤの隣に立つと

 

「は、初めまして。ユウト・スズミヤと言います。よろしくお願いします」

 

ユウトは緊張した表情で自己紹介しながら、頭を下げた。

 

「男の子だー!!」

 

「はーい、SOP。静かにねー」

 

SOPが興味津々といった様子で声を挙げながら立ち上がると、それをサクヤが宥めた。

そしてサクヤは、視線をROの方に向けて

 

「それじゃあ、席はROちゃんの左隣ね」

 

と言った。確かに、ROの左隣は空席になっている。これは、1つのクラスの人数上限の都合だ。

 

「分かりました」

 

サクヤに言われて、ユウトはゆっくりとその机に歩んでいき、座ると

 

「今日から、よろしくお願いしますね。ROさん」

 

ニコニコと笑みを浮かべながら、軽く頭を下げてきた。

これが、ドタバタで波乱に満ちた学園生活の始まりだった。

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