ようやく、お願いを書けました
惑星ZI
そこは、地球から遥か遠く離れた地球に似た惑星。そこには、地球には居ない生命体。大型機械生命体、ゾイドが存在した。
ゾイドの種類は、地形や気候により千差万別存在し、惑星ZIの人々は、ゾイドと上手く共存。もしくは兵器化し、戦力とすることで国家を形成し、発展してきた。
勿論何回か戦争が起き、敵対したこともあった。
だがそれでも、人々とゾイドは滅びることなく発展し続けた。
そうしてある時代において、画期的なゾイド用の装置が発明された。通称でZOSと呼ばれる装置で、これを搭載することでゾイドの基礎能力が大幅に向上した。
それが分かると、人々はこぞってゾイドにZOSを搭載。しかしそのZOSが理由で、未曾有の大事件が発生した。
通称で、ワールドフュージョン事件。
大きく分けて3つの時代の惑星ZIが混ざり、融合したのだ。
戦乱期、暗黒期、競技時代の3つになる。
戦乱期は共和国と帝国が長い間争った時代になり、暗黒期はその二ヶ国は同盟を結んだが、新たに暗黒大陸からの帝国との大戦になる。
そして最後に、競技時代。これは、ゾイドを使った競技。通称ゾイドバトルが流行った時代であり、国ではなくチームに所属し、決められたルールの下に戦い覇を競った時代になる。
幾つものチームが乱立し、それぞれ契約して所属して試合をすることになる。
その3つの時代が融合し、一つの世界になったことで混乱を極め、事件や戦いが起きた。
その事件を、ある一つのチームが解決した。
3つの時代の伝説達と、一人の少年が中心になって、世界中で奮戦し、ZOSを開発し売り捌いていた組織の壊滅に成功し、全ZOSの機能停止も出来た。
これで、事件は解決した筈だった。
本来ならば、3つの時代の融合が解けて、各世界の住人達は事件の事を忘れて、自分達の時代に戻る筈だった。
だが、イレギュラーがあった。
それが、そのチームの中心の少年が、惑星ZIの世界の人間ではなかった事だった。
イチカ・オリムラこと、織斑一夏は、惑星ZIではなく地球の産まれだった。
そんな少年が、何故惑星ZIに居たのかは今は分からない。
だが、事態は進む。
「な、なんだ!?」
「地震か!?」
「全員、急いでホエールキングに!!」
自分達が居た拠点が大きく揺れた為に、避難を開始する一同。
超大型ゾイド、飛行空母のホエールキングに次々と避難する一同。そして、最後の一機。ブリッツタイガーも格納され、その拠点から離れ始めるホエールキング。
だがその時、空に突然裂け目が現れた。
「なんだあれは!?」
「クソっ! ダメだ! 物凄い力で、引っ張られる!!」
操舵手は離れようとホエールキングに最高出力を出させるが、それでも吸われて裂け目に近づいていく。
「ダメだ! 総員、衝撃に備えろ!!」
その言葉を聞いて、緑色の髪の少女。
ユーノ・エラが
「イチカ!」
「ユーノ!」
自身の思い人のイチカに抱き付き、イチカから抱き締められた直後、二人の意識は途絶えた。
場所は変わり、地球はとある無人島。
そこに、ある女性が隠れ住んでいた。
「……束様、もうそろそろ休まれては……」
「……そうしたいけど、まだ見つからないんだ……いっくんが……」
目を閉じた銀髪の少女、クロエ・クロニクルの進言に、一人不思議の国のアリスな服装の女性。
今から約三年前、束の唯一の友人の弟の一夏が行方不明になってから、束はずっと探していた。それこそ、文字通りに寝る間を惜しんで探し続けた。
今彼女は、ある理由から国際指名手配されており、自由に動けないのが辛かった。様々な手を使い三年間探したが、未だに見つかっていない。
最早、生存は絶望的なのが当たり前だった。
その時、重い地響きと共に、彼女が居る島全体が揺れた。
「何事!?」
「……これです。島の表面に、巨大な物体が落着したようです」
椅子から落ちそうになった束は、椅子の背もたれにしがみつきながら周囲を見回した。するとクロエ・クロニクルが、一つのモニターに外の景色を表示させた。
そこには、天災的な天才の束すら初めてみる巨大な存在。
ホエールキングが、地表を削りながら島に不時着していた。
「なに、あれ……」
「分かりません……ですが、中に複数の生態反応を確認しました……人間のようです、束様」
少年の帰還と伝説達の転移により、地球にて大規模な戦いの幕開け。