第35層・迷いの森。
俺こと
その事情というのは、この迷いの森で逸れてしまった友人を探して欲しいという依頼だった。
なんでも、モンスターとの戦闘中に見失ってしまい気づいたのが森を抜けてからだったのだと言う。最悪を予想して黒鉄宮の生命の碑を確認したが名前に線は入っていなかったので生きてはいるはずとのこと・・・。
ただ、今回は運良く抜けることができたものの、正直今の実力では次に入ったら死んでしまいかねないので代わりに探してくれる人を探していたのだと言う。
まぁ、他の連中は見て見ぬ振りだったのだが、俺は基本的に困ってるやつを見過ごすことが出来ない損な性格なため、こうして危険な森にやってきているのである。
とわ言え、俺のレベルならここのモンスターには苦戦しないし問題はないんだけどね・・・。
と、なんか色々と考えているうちに目的の人物と思われる人影が見えて来たんだけど・・・あれ?なんか人数が多い気が・・・。
「姉ちゃん!スイッチ!」
「ええ!」
ふむ、たまたま居合わせた姉妹かな?良い動きをしているし、あれなら俺が助けに入るまでも・・・と、思っていたら、栗色の髪の子が敵の攻撃を受けてしまっていた。
って、オイオイ!
一撃でグリーンからレッドって、あの子たちレベルいくつだよ!?
「姉ちゃん!?」
紫髪の子がお姉さん?を庇うように前に立つけど、敵の数は7体。ハッキリ言って絶対絶命ってやつだった。
俺は軽く舌打ちすると背中に下げた槍を構えると、俊敏を最大限に活かして突進する。
まずは紫髪の子に攻撃しようとしている二体を真横から焼き鳥のように串刺し、勢いのまま吹き飛ばす。続いて牽制のために残る五体に向けて槍を一凪すると、警戒して三歩分ほど敵は飛び退いた。
後ろでは何が起きたのか分からないといった風の困惑が伝わって来たが、俺は直ぐに指示を送る。
「説明は後でするから、まずは体力を回復しろ!」
「わ、わかった!」
紫髪の子は返事をすると、直ぐにお姉さん?に回復ポーションを飲ませた。
俺は残っていた五体に視線を戻すと、久々のピンチに口門を釣り上げていた。
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結果としては、戦いは5分程度で終わっていた。危険なエリアと言っても、それは初見の場合であり十分にマージンを稼いでいればそれほどビビる必要はない。
しかし、他の3人にとっては違ったようで、特に依頼内容の女性はしばらく震えが止まらず非常に困ってしまった。
しかし、姉妹の励ましと俺が友人が心配して俺に依頼してきた事を告げると、直ぐにでも会いたいと言ってメッセを飛ばしていた。
2人は再開すると泣きながら抱擁を交わしてお互いの無事を喜んでいた所を見ると、もしかしたら恋人だったのかもしれないな。
ところで、先程から俺は助けた姉妹にジーっと見つめられているのだが、なにかやらかしたっけ?身に覚えはないんだが・・・。
「えっと・・・なにかな?」
「「・・・ありがとうございました!!」」
「へ?」
「助けていただいて、本当にありがとうございました。実は私達、レベル的にはあの森を抜けるには無謀だったんです」
あ〜それはHPの減り方を見て思ったね。
「失礼だけど、今のレベルは?」
「私が28で、この子が27です」
わぁお!?え、マジで!?それは無謀すぎるわ。
「迷いの森は35層にしては難易度が馬鹿みたいに高いから安全に抜けるにはレベル40台半ば以上でフルパーティが基本なのは知ってるよね?」
「はい。ですが、ここまでの層は楽に突破出来ていたので、つい思い上がってしまっていたようで」
まぁ、確かにそのレベルで今まで楽に登って来れてたのなら思い上がりもするか・・・。特に、戦闘技術はレベルから考えれば相当高い。恐らく攻略組と遜色ないレベルの技術は持っているように見えた。
「反省しているならあまり怒ったりはしないけど、これからはレベル上げもしないとね?」
「「ごめんなさい!」」
よしよし、ちゃんと反省さてるみたいだね。ん〜それにしても惜しいな・・・。この子達の技術レベルならレベルさえなんとかすれば即戦力になるのに・・・。
「2人は・・・ギルドには入ってるのかな?」
「ギルドですか?いえ、入ってませんけど・・・」
「なら・・・実は、ギルドを作ろうと思ってるんだけど入ってみない?俺は攻略組の一員なんだけど、そろそろ仲間が欲しくてね。まずはレベルはともかく、腕の確かな人材が欲しかったんだ」
「えっと・・・僕たちなんかで良いのかな?」
「むしろ入ってくれると助かるかな。2人はレベルが低いだけで、戦闘技術はすでに攻略組と遜色ないレベルになってる。多分これからもっと伸びると思うし、出来れば、他のギルドに取られる前に確保しておきたいって言うのが本音かな」
姉妹は顔を見合わせると、互いに頷き返事をしてきた。
「わかりました。私は姉のランと言います」
「僕はユウキだよ!これからよろしくね♪」
「ああ、俺はミハヤだ。宜しくな2人とも」
これが、俺とユウキ、ラン3人の出会いと、新ギルド”スリーピングナイツ”の始まりだった。