兵藤一誠に憑依して死神になりました   作:汰灘 勇一

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第九話「死神VS死神」

 どうも、兵藤一誠です。あれから正式に死神代行になり、浮竹隊長に代行証をもらいました。そして、毎日のように(ホロウ)退治をしたり、休日になるとソウル・ソサエティに行ったりしている。それで今は……。

 

「これで最後です。日番谷隊長」

 

「……ああ、すまない」

 

 十番隊舎で日番谷隊長の手伝いをしている。八番隊で七緒副隊長の手伝いをした帰り、クロツチ隊長に『龍神オーフィスを実験材料に寄越せ』と言ってきたので逃げだした。そしたら、松本さんがいなくて苦労していた日番谷隊長を見つけて手伝いをすることにした。

 

 ……技術開発局の連中には俺の家族を会わせないようにしよう。

 

 ちなみに、黒崎家と俺の家族は家族ぐるみのつきあいをしていて、遊子さんたちには『イッセー兄』と呼ばれている。そうしたら白音が張ってきて『兄様』と呼んできた。いやあ~あれは困った。だって一心さんが殺気を向けてくるんだもん。あと、オーフィスは名前が似ているせいか、たつきさんと仲がいい。

 

「大変ですね、日番谷隊長。手伝えることがあったら言ってください。手伝いますので」

 

「いつもすまない」

 

「いえいえ、気になさらないでください」

 

 死神のみなさんとは良好の関係を築いています。夜一さんには瞬光をならい、他の死神のみなさんからは、鬼道を習いました。

 

 日番谷隊長とお茶を飲んでいると、地獄蝶が飛んできた。どうしたんだ?

 

『全隊長、黒崎一護、兵藤一誠は一番隊舎に集合してください』

 

 まさかの集合命令。しかも俺と一護先輩まで。どうしたんだろう。

 

 日番谷隊長と顔を見合わせ、そして、一番隊舎へと向かった。

 

 そして、数十分後。

 

 体調が悪い浮竹隊長を除いた十三隊の隊長十二人と一護先輩、俺の二人の死神代行がそろった。

 

「今日、皆に集まってもらったのは他でもない。グリム・リッパーについてじゃ」

 

「グリム・リッパー? ハーデスの部下のですか?」

 

「そうじゃ。そのハーデスとグリム・リッパーがワシ等ソウル・ソサエティに戦争をけしかけてきた」

 

「ま、マジですか……あれ? でも、三大勢力は死神の存在を知らないのですよね?」

 

 確かこの前、総隊長がそうおっしゃっていたような。

 

「三大勢力はの。だが、ハーデスは昔からこちらが本物の死神だと言ってきておる。ワシらはそんなのは関係ないと思うのじゃが……向こうがの……」

 

 ……ソウル・ソサエティも色々あるんだな。

 

「じゃが、グリム・リッパーの中にも無駄な争いをしたくないやつはおる。今回ワシらが戦うのは戦闘派のグリム・リッパーじゃ。そこで、黒崎一護兵藤一誠の二人にも戦ってほしいのじゃ」

 

「ああ、俺はいいぞ。じいさん」

 

「俺もです」

 

 俺と一護先輩は首を縦に振り、肯定した。まあ、無駄な戦いは避けたかったけどな。仕方ない。

 

「では、明日の一時より、あやつらの本拠地の冥界にて戦う。各々準備をせい」

 

 総隊長がそういうと、隊長さん達は瞬歩で消えた。……俺も帰って準備するか。

 

 

 ……翌日の朝の一時……

 

 俺たちは穿界門を通り、冥界へ行った。……穿界門で行けたんだ冥界。悪魔側に気づかれないといいんだけど。

 

 俺たちはポイントに別れて戦うことに。俺は一護先輩。それに平子隊長、雛森副隊長の四人のチームだ。これだけで大丈夫か? まあ、もしもの時は妖精の法律(フェアリー・ロウ)を使おう。

 

「しっかし、めんどうやな~」

 

「我慢してください。平子隊長」

 

「……平子隊長、雛森副隊長。もう敵が来ましたよ」

 

 面倒くさがる平子隊長を宥める雛森副隊長。この二人はいいコンビだよな。

 

 そんな俺たちの前に数百のグリム・リッパーが現れた。

 

「さてと、さっさと終わらせますか。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!」

 

『Boost!!』

 

「散れ、千本桜」

 

 俺は赤龍帝の籠手を出し、千本桜で一掃しようと考えた。一護先輩、平子隊長、雛森副隊長もそれぞれの斬魄刀を始解している。この程度の敵なら、始解だけで十分だろう。

 

『Boost!!』

 

 

「……初めてみたけど、本当に他人の斬魄刀の能力が使えるんだな」

 

「ええ」

 

 俺はそういいながら、グリム・リッパーの大群の中に飛び込んで行った。

 

「……こっちも負けていられないな」

 

 一護先輩はつぶやき、斬月を振るった。

 

『Boost!!』

 

 

 俺は周りのグリム・リッパーを十体ぐらい倒すと、千本桜から風死に変えてグリム・リッパーを切り倒していく。ははは、俺を止めることはできないぜ!

 

「……無双やな」

 

「……そうですね」

 

『Boost!!』

 

 

 何か、平子隊長と雛森副隊長が言ってるが気にしねえ!

 

 順調にグリム・リッパーを倒している。そう思った瞬間、顔に(ホロウ)の仮面が現れた。これ、これはっ!

 

「ぐ、がああっ!」

 

「平子隊長! どうしたんですか!」

 

『Boost!!』

 

 

 見ると、平子隊長にも仮面が現れている。これは、地獄と同じ現象か!

 

 俺は仮面を消し、片膝をついた。……下手したら、一護先輩のように暴走してしまうかも。

 

 そんな俺を見て、チャンスだと思ったグリム・リッパーが襲いかかってきた。や、やばい。そう思ったが、そのグリム・リッパーは助けに来てくれた一護先輩に切られた。

 

「大丈夫か、イッセー!」

 

『Boost!!』

 

 

 ……見ている限り、一護先輩は大丈夫のようだな。……あっ、もう虚化は出来ないんだったな。

 

「は、はい。……たぶん、ここは地獄と同じように瘴気が充満しているんだと思います」

 

「ま、マジでか。……お前、虚化できたんだな」

 

「ええ、まあ」

 

 最近までは知らなかったんだけど、俺の霧隠れは虚化もコピーできたらしい。

 

『Boost!!』

 

 倒しても、倒しても出てくるグリム・リッパー。……はあ、どんだけ出てくるんだよ。こうなったら……。

 

「雛森副隊長、一護先輩! この力を受け取ってください!」

 

「はい?」

 

「え?」

 

赤龍帝の贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!」

 

『Transfer!』

 

 俺は増加させた力を、二人の斬魄刀に譲渡した。

 

「何でもいいんで、技を放ってください!」

 

「ああ、月牙天衝!」

 

「弾け飛梅!」

 

 それぞれ技を放つと、斬月からは普段より巨大な霊圧の斬撃が飛んだ。飛梅からは巨大な火炎弾が飛んだ。その二人の攻撃でそこにいたグリム・リッパーが塵一つ残さずに消滅した。

 

「い、イッセー。今のは?」

 

「増加した力を他人に譲渡する。これは赤龍帝の籠手の能力です」

 

「そ、そうなのか。初めて見るな……うん?」

 

 ふと目の前を見て見ると、鎌を持って震えている小さな女の子のグリム・リッパーがいた。……こんな小さな子まで戦わせるのか。

 

 俺は斬魄刀を鞘にしまい、グリム・リッパーに近づいた。

 

「お、おい。イッセー」

 

「大丈夫ですよ。一護先輩」

 

 心配する一護先輩に笑って答えて、さらに近づく。グリム・リッパーは意を決して飛び込んで、鎌を振り下ろした。俺はよけずに、中指と人差し指で受け止めて、鎌を折った。

 

「っ!」

 

 グリム・リッパーは驚き、腰を抜かしてその場にへたり込んだ。俺はかがんで、グリム・リッパーに視線を合わせた。

 

「君、名前は?」

 

「べ、ベンニーア……」

 

 俺はグリム・リッパーの名前を聞いて驚いた。まさかこんなところで会うなんて。

 

「じゃあ、ベンニーア。君はまだ俺と戦うか?」

 

 俺の問いにベンニーアは首を横に振って答えた。

 

「じゃあ、君は死にたくないよね」

 

 この問いには縦に首を振って答えるベンニーア。

 

「そうだよね。なら、降伏しないか?」

 

「っ!?」

 

 俺の提案に驚くベンニーア。殺されると思っていたのか?

 

「俺たちは戦いたくないと思うグリム・リッパーは殺さない。絶対に」

 

「……生きていいの?」

 

「ああ」

 

 俺は振り返り、三人に確認する。雛森副隊長は微笑み、平子隊長は勝手にしろとそっぽを向く。一護先輩は笑っていた。

 

「だから、俺たちと一緒に行こうぜ」

 

 俺も笑顔でベンニーアに手を差し出す。ベンニーアはその手をじっと見て、手を差し出そうとしたとき、

 

 ザシュッ!

 

「!!」

 

「っ!」

 

 剣が俺の体をベンニーアの体ごと貫いていた。




今回は死神VSグリム・リッパーを書きました。

体を貫かれたイッセー。どうなってしまうのか。次回はイッセーVS……。

しばらくの間、監視者、幻夢、ビーストブラストを更新するので、こっちが書けないかもしれません。
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