兵藤一誠に憑依して死神になりました   作:汰灘 勇一

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第十話「お前の娘じゃないのかよ!」

「ぐはあっ……」

 

「イッセー!」

 

 なぜ俺の体を剣が貫いているのか分からなかった。そして、剣は抜かれベンニーアは後ろに倒れそうになったが、俺が手を掴んで何とか倒れずに済んだ。痛くてしょうがないが、ベンニーアのほうがやばい。

 

「おい、ベンニーア! しっかりしろ!」

 

 畜生! 誰がベンニーアをこんな目に遭わせたんだ!

 

「ふん、倒せなかったか。まあ、いい。傷を負わせただけでも、出来の悪いこいつにしてはよくやった方だ」

 

 そんな声が聞こえたと思ったら、黒い服に身を包んだたひげ面のオッサンが現れた。誰だコイツ。

 

「お、お父さん?」

 

「な、何!?」

 

 今、ベンニーアはお父さんって言ったのか? じゃあ、こいつはオルクス? 何で自分の娘を……。

 

「手前! 何でベンニーアを……自分の娘を刺したんだよ!」

 

「娘? 笑わせるな。そんなのはただの使い捨てのゴミだ」

 

 ブチッ。

 

 オルクスの発言で俺の何かが切れる音が聞こえた。

 

「……双天帰盾」

 

 俺は井上織姫さんの双天帰盾を使って、ベンニーアの傷を治癒した。俺の完成(ジ・エンド)完現術(フルブリング)滅却師(クインシー)の技を使えるらしい。

 

 ベンニーアの傷はすぐに治り、顔色も良くなった。俺も自己治癒魔法で傷を治した。

 

「なっ、貴様! 何をした!」

 

「ああっ?」

 

 俺はとりあえず、ベンニーアを雛森副隊長に預けた。そして、驚いているオルクスを睨んだ。

 

「……一護先輩、平子隊長。あいつは俺にやらせてください」

 

「別にかまわないが……」

 

「……行きます。卍解、無幻霧隠れ!」

 

『BoosT!!』

 

 俺は霧隠れを卍解して、それをオルクスに向けた。

 

「オルクス、俺は手前を許さない! 卍解、狒狒王蛇尾丸(ひひおうざびまる)!」

 

 霧隠れから狒狒王蛇尾丸に変えると、俺の体は狒狒の骨と毛皮を纏い、刀は巨大な蛇の骨のようになった。

 

「うおおっ!」

 

『BoosT!!』

 

 俺は蛇尾丸を思いっきり振り下ろした。まだ、慣れないけどこいつを倒すには十分だ!

 

 オルクスは避けることができず、クリーンヒットした。

 

「ぐぬううっ……き、貴様なぜそんなに……」

 

「何で強いのかだって? それはお前への怒りだ。親っていうのは子供を守る存在だろ!! その親が子供を傷つけるなんて、俺はお前を許さない!」

 

「だ、黙れ!! この似非死神があああああぁぁぁぁぁっ!!」

 

 オルクスは蛇尾丸を押し返そうとしたが、大きさ的に無理だった。

 

赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!」

 

『Transfer!』

 

狒骨大砲(ひこつたいほう)!!」

 

 俺は狒狒王蛇尾丸に倍加した力を与え、狒骨大砲を放った。倍加された分だけ、巨大になったレーザーのような巨大な霊圧の砲弾になった。

 

「く、くそおおおおおっ!」

 

 オルクスは何もできず、塵になって消えた。それと同時に俺は卍解を解除して、膝をついた。……少し、無茶をしたな。

 

「……あれが、イッセーの卍解」

 

「うわさ通りやな」

 

「……あの程度の敵に卍解を使うのはもったいないと思いましたが、怒りでちょっと我を忘れていたかも知れません」

 

 俺は起きてベンニーアを受け取ろうとしたが、突然、俺の立っていた地面が崩れだした。

 

「っ!? 何だこれ!」

 

「イッセー! 大丈夫か!?」

 

 俺は瞬歩を使い、逃げようとしたが身動きが取れなかった。な、何故だ?

 

 何も出来ないまま、俺は闇へと落ちて行った。

 

 




どうも米田です。前回の予告である強敵と戦うと書きましたが、大して強い相手ではありませんでした。

いや、予定ではハーデスと戦わせる予定だったんですよ。ってなわけで、次回はイッセーVSハーデス!

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