兵藤一誠に憑依して死神になりました   作:汰灘 勇一

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第十三話「聖女とかくれんぼと幼馴染」

 どうも、兵藤一誠です。昨日、ディオドラを倒した俺は……。

 

「神父さん、電球変え終わりました」

 

「ありがとうございます。ちょうど腰を痛めてしまって……」

 

 修道院でお手伝いをしています。

 

「いえ、一晩泊めてもらったから、これぐらいやんないと……」

 

「なあ、イッセー兄ちゃん! 終わったんなら、遊ぼうぜ!」

 

 すると、五歳ぐらいの男の子がおれの服を引っ張った。この修道院では身寄りのない子を引き取って育てている。

 

「あー、ごめんまだ……」

 

「イッセー君、もうこっちの手伝いはいいので、子供たちと遊んであげてください」

 

「そうですか。わかりました。じゃあ、遊ぼうか」

 

「やったー! みんなー、イッセー兄ちゃんが遊んでくれるって!」

 

 男の子が叫ぶと、小さい男の子と女の子が十人くらい出てきた。なぜか知らないけど、懐かれちゃったんだよな。

 

「みんな、何して遊びたい?」

 

「「「かくれんぼ!」」」

 

 もう既に決まっていた。

 

「わかった……じゃあ、俺が鬼になるから隠れろよ!」

 

「ぜってー見つからねえぞ!」

 

「僕たちが勝つよ!」

 

「そうか……じゃあ、三分で見つけてやる。十数える前に隠れろよ、いーち」

 

 俺がそういうと、わらわらと隠れていった。

 

「……十! よし、覚悟しろ! すぐ見つけてやるぞ!」

 

 

 

 

「……すごいですね」

 

 私、アーシアはそう呟いてしまった。イッセーさんは子供たちとすぐに仲良くなって遊んでいる。私でも仲良くなるのに一週間かかったのに……。

 

「アーシアさん、彼のことが気になりますか?」

 

「はい……」

 

「彼は本当に人気がありますね。神父に向いていると思いますよ」

 

 ……彼は日本で暮らしている。でも、いつか帰らないといけない。でも、神父様が言ったように神父になれば……。

 

「九人目! あと二人だ!」

 

 イッセーさんは私がそんなことを考えてるとは知らずに、子供たちと遊んでいる。いいな……私も混ざりたいな。

 

 そんなことを考えていると、

 

「あれ? イッセー君!?」

 

 

 

「うん? イリナ?」

 

 九人目の子供を見つけて十人目を探しに行こうとしたら、声をかけられて振り返るとそこには幼馴染のイリナが……何でいるの!?

 

「どうしてイッセー君がこんなところに!?」

 

「いや、ちょっと海外旅行に行こうと思って……おまえは?」

 

「え、ええとちょっと仕事を頼まれて……」

 

「成程な」

 

 ……教会関係か。まあ、俺には関係ない。

 

「イリナ様、どうされましたか?」

 

「あ、神父様。手紙をお届けにきました」

 

「そうですか……では奥で」

 

 神父様と知り合いなのか、二人は奥に引っ込んでいった。……直接渡すということは、機密書類か?

 

「あ、あのイッセーさん」

 

「うん? どうした?」

 

 どうすればいいか困っていた俺に、アーシアが話しかけてきた。どうしたんだ?

 

「あの方と、イッセーさんの関係は……」

 

「ああ、イリナは俺の幼馴染で、友達だよ」

 

「友達……そうですか」

 

 アーシアは、なぜか羨ましそうに俺を見た。どうしたんだ。

 

「私、友達がいないんです。みなさんが私のことを特別扱いするので」

 

 そう言って、悲しそうな顔をするアーシア。……それなら。

 

「なあ、アーシア……」

 

「イッセー君! 私と勝負して!」

 

 アーシアにある提案をしようとしたとき、イリナが木刀を二本持って現れた。

 

「別にいいけど、何で?」

 

「昔、約束したでしょ! 私がイッセー君に勝ったら結婚するって!」

 

 あー、確かにそんな約束したな。……って、あれ? アーシア、驚いてないか?

 

「……そうだったな。じゃあ、移動するか」

 

 俺とイリナ、あとアーシアを含めたギャラリーは広場に移動した。俺はイリナから借りた木刀を構えた。

 

「ふふっ、小さい頃の私と思ったら大間違いよ! あれからがんばって修行したんだから!」

 

「だろうな」

 

 だって、高校二年生のときに聖剣エクスカリバーを使うんだからな。

 

「面、小手、胴を一本取ったら勝ちでいいわよね?」

 

「ああ」

 

「では、試合はじめ!」

 

 ルールを確認したのち、審判代わりの神父様が叫び、試合が始まった。

 

「はあっ!」

 

 まず、イリナが俺に近づき、鋭い突きを放つ、俺はひらりとかわし、攻撃に移る。

 

「くっ! イッセー君も中々強くなったね!」

 

「まあな」

 

「だけどこれはどうかな?」

 

 イリナは人には見えないような速さで剣を突いた。普通の人だと、避けられないだろうな。まあ、俺は普通じゃないから。

 

 俺はすべて剣で受け止めてはじき返した。

 

「なっ!」

 

「……時雨蒼燕流、攻式五の型、五月雨!」

 

 俺は素早く木刀を持ち替えイリナを翻弄し、木刀を胴が当たるぎりぎりで寸止めした。

 

「……負けたわ」

 

「勝者、兵藤一誠!」

 

 イリナが降参して俺の勝ち。これで、あいつもあきらめるだろ。

 

「さすがイッセー君、強いね」

 

「まあ、こっちも修行してたからな……そうだ! アーシア!」

 

「はい?」

 

 俺はさっきアーシアに言おうとしたことを思い出して、アーシアを呼んだ。

 

「何ですか、イッセーさん?」

 

「アーシアは友達がいないって言ったよな? なら……俺と友達になろうぜ!」

 

「えっ?」

 

 俺の提案に驚くアーシア。

 

「い、いいんですか? 私となんか……」

 

「いいんだよ。俺が友達になりたいって思ってるんだから」

 

 不安そうな顔をするアーシアに俺は笑いかけた。

 

「ちょっと、私のことも忘れないでよね! アーシアさん、良かったら私も友達になっていい?」

 

「は、はい!」

 

 イリナもアーシアと握手して友達となった。……まあ、イリナは誰とでも友達になれるからな。

 

「イリナ、ちょっといいか?」

 

「ええ」

 

 俺はイリナを人気のない所に誘った。

 

「どうしたのイッセー君」

 

「お前に頼みたいことがある」

 

「頼み?」

 

「ああ、これから何があってもアーシアの味方、友達でいてくれ」

 

「別にいいけど、何で?」

 

 イリナは怪訝そうな顔をしている。困ったな……。

 

「すまない、理由は言えないんだ」

 

「ふ~ん、まあ、良いわ。イッセー君! 次会ったときは絶対勝つからね!」

 

「ああ、分かったよ」

 

 俺に指をさすイリナを見て俺は苦笑してしまった。

 

 そして、俺はアーシアがいる所に戻った。

 

「アーシア悪い。ちょっと用事が出来てそろそろ行かないといけないんだ」

 

「そうですか……なら仕方ないですね」

 

 アーシアは悲しそうな顔をしている。仕方ないな……。

 

 俺はアーシアの頭に手をポンとおいて、頭をなでた。

 

「い、イッセーさん!?」

 

「そんな悲しそうな顔をするな。また、いつか会えるさ」

 

「……そうですね」

 

「じゃあな」

 

 俺はアーシアと子供たち、神父様に別れを告げ、修道院を後にした。

 

 

「さようなら、アーシア」

 

 誰にも聞こえないようにつぶやいた。

 

 ディオドラは倒した。これで、彼女が聖女から落とされることはないだろう。それにイリナが友達になれば、さびしい思いもしないだろう。グレモリー眷属には俺がいれば十分だ。傷だって治せるさ。だから……アーシアは幸せな人生を送ってくれ。

 

「さてと、次はどこに行くか……イタリアか?」




はい、今回もアーシア登場。イリナも登場しました。次回は、イッセーがイタリアであの原作敵キャラとゲーム(戦い)をします。
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