どうも、兵藤一誠です。昨日、ディオドラを倒した俺は……。
「神父さん、電球変え終わりました」
「ありがとうございます。ちょうど腰を痛めてしまって……」
修道院でお手伝いをしています。
「いえ、一晩泊めてもらったから、これぐらいやんないと……」
「なあ、イッセー兄ちゃん! 終わったんなら、遊ぼうぜ!」
すると、五歳ぐらいの男の子がおれの服を引っ張った。この修道院では身寄りのない子を引き取って育てている。
「あー、ごめんまだ……」
「イッセー君、もうこっちの手伝いはいいので、子供たちと遊んであげてください」
「そうですか。わかりました。じゃあ、遊ぼうか」
「やったー! みんなー、イッセー兄ちゃんが遊んでくれるって!」
男の子が叫ぶと、小さい男の子と女の子が十人くらい出てきた。なぜか知らないけど、懐かれちゃったんだよな。
「みんな、何して遊びたい?」
「「「かくれんぼ!」」」
もう既に決まっていた。
「わかった……じゃあ、俺が鬼になるから隠れろよ!」
「ぜってー見つからねえぞ!」
「僕たちが勝つよ!」
「そうか……じゃあ、三分で見つけてやる。十数える前に隠れろよ、いーち」
俺がそういうと、わらわらと隠れていった。
「……十! よし、覚悟しろ! すぐ見つけてやるぞ!」
「……すごいですね」
私、アーシアはそう呟いてしまった。イッセーさんは子供たちとすぐに仲良くなって遊んでいる。私でも仲良くなるのに一週間かかったのに……。
「アーシアさん、彼のことが気になりますか?」
「はい……」
「彼は本当に人気がありますね。神父に向いていると思いますよ」
……彼は日本で暮らしている。でも、いつか帰らないといけない。でも、神父様が言ったように神父になれば……。
「九人目! あと二人だ!」
イッセーさんは私がそんなことを考えてるとは知らずに、子供たちと遊んでいる。いいな……私も混ざりたいな。
そんなことを考えていると、
「あれ? イッセー君!?」
「うん? イリナ?」
九人目の子供を見つけて十人目を探しに行こうとしたら、声をかけられて振り返るとそこには幼馴染のイリナが……何でいるの!?
「どうしてイッセー君がこんなところに!?」
「いや、ちょっと海外旅行に行こうと思って……おまえは?」
「え、ええとちょっと仕事を頼まれて……」
「成程な」
……教会関係か。まあ、俺には関係ない。
「イリナ様、どうされましたか?」
「あ、神父様。手紙をお届けにきました」
「そうですか……では奥で」
神父様と知り合いなのか、二人は奥に引っ込んでいった。……直接渡すということは、機密書類か?
「あ、あのイッセーさん」
「うん? どうした?」
どうすればいいか困っていた俺に、アーシアが話しかけてきた。どうしたんだ?
「あの方と、イッセーさんの関係は……」
「ああ、イリナは俺の幼馴染で、友達だよ」
「友達……そうですか」
アーシアは、なぜか羨ましそうに俺を見た。どうしたんだ。
「私、友達がいないんです。みなさんが私のことを特別扱いするので」
そう言って、悲しそうな顔をするアーシア。……それなら。
「なあ、アーシア……」
「イッセー君! 私と勝負して!」
アーシアにある提案をしようとしたとき、イリナが木刀を二本持って現れた。
「別にいいけど、何で?」
「昔、約束したでしょ! 私がイッセー君に勝ったら結婚するって!」
あー、確かにそんな約束したな。……って、あれ? アーシア、驚いてないか?
「……そうだったな。じゃあ、移動するか」
俺とイリナ、あとアーシアを含めたギャラリーは広場に移動した。俺はイリナから借りた木刀を構えた。
「ふふっ、小さい頃の私と思ったら大間違いよ! あれからがんばって修行したんだから!」
「だろうな」
だって、高校二年生のときに聖剣エクスカリバーを使うんだからな。
「面、小手、胴を一本取ったら勝ちでいいわよね?」
「ああ」
「では、試合はじめ!」
ルールを確認したのち、審判代わりの神父様が叫び、試合が始まった。
「はあっ!」
まず、イリナが俺に近づき、鋭い突きを放つ、俺はひらりとかわし、攻撃に移る。
「くっ! イッセー君も中々強くなったね!」
「まあな」
「だけどこれはどうかな?」
イリナは人には見えないような速さで剣を突いた。普通の人だと、避けられないだろうな。まあ、俺は普通じゃないから。
俺はすべて剣で受け止めてはじき返した。
「なっ!」
「……時雨蒼燕流、攻式五の型、五月雨!」
俺は素早く木刀を持ち替えイリナを翻弄し、木刀を胴が当たるぎりぎりで寸止めした。
「……負けたわ」
「勝者、兵藤一誠!」
イリナが降参して俺の勝ち。これで、あいつもあきらめるだろ。
「さすがイッセー君、強いね」
「まあ、こっちも修行してたからな……そうだ! アーシア!」
「はい?」
俺はさっきアーシアに言おうとしたことを思い出して、アーシアを呼んだ。
「何ですか、イッセーさん?」
「アーシアは友達がいないって言ったよな? なら……俺と友達になろうぜ!」
「えっ?」
俺の提案に驚くアーシア。
「い、いいんですか? 私となんか……」
「いいんだよ。俺が友達になりたいって思ってるんだから」
不安そうな顔をするアーシアに俺は笑いかけた。
「ちょっと、私のことも忘れないでよね! アーシアさん、良かったら私も友達になっていい?」
「は、はい!」
イリナもアーシアと握手して友達となった。……まあ、イリナは誰とでも友達になれるからな。
「イリナ、ちょっといいか?」
「ええ」
俺はイリナを人気のない所に誘った。
「どうしたのイッセー君」
「お前に頼みたいことがある」
「頼み?」
「ああ、これから何があってもアーシアの味方、友達でいてくれ」
「別にいいけど、何で?」
イリナは怪訝そうな顔をしている。困ったな……。
「すまない、理由は言えないんだ」
「ふ~ん、まあ、良いわ。イッセー君! 次会ったときは絶対勝つからね!」
「ああ、分かったよ」
俺に指をさすイリナを見て俺は苦笑してしまった。
そして、俺はアーシアがいる所に戻った。
「アーシア悪い。ちょっと用事が出来てそろそろ行かないといけないんだ」
「そうですか……なら仕方ないですね」
アーシアは悲しそうな顔をしている。仕方ないな……。
俺はアーシアの頭に手をポンとおいて、頭をなでた。
「い、イッセーさん!?」
「そんな悲しそうな顔をするな。また、いつか会えるさ」
「……そうですね」
「じゃあな」
俺はアーシアと子供たち、神父様に別れを告げ、修道院を後にした。
「さようなら、アーシア」
誰にも聞こえないようにつぶやいた。
ディオドラは倒した。これで、彼女が聖女から落とされることはないだろう。それにイリナが友達になれば、さびしい思いもしないだろう。グレモリー眷属には俺がいれば十分だ。傷だって治せるさ。だから……アーシアは幸せな人生を送ってくれ。
「さてと、次はどこに行くか……イタリアか?」
はい、今回もアーシア登場。イリナも登場しました。次回は、イッセーがイタリアであの原作敵キャラとゲーム(戦い)をします。