……山が二つ目の前に……。
朝、目が覚めると目の前には裸の部長が……何があったんだ?
昨日の俺は……放課後、部活に参加してその途中、虚が出て途中退室。虚退治は深夜までかかり、部屋に戻るなり就寝。
「……おはよう、イッセー」
「……おはようございます部長。これはどういうことですか?」
「ふふ、偶然、あなたの家の前を通ってね。あなたの部屋をのぞいたら、気持ち良さそうに眠っていたからつい……」
ついって……っ!
ものすごい殺気を感じて振り返るとそこにはどす黒いオーラをまとった白音たちが……。
「……イッセー兄さま、どういうことか説明してください」
「返答しだいじゃただじゃおかないにゃ!」
「……我、怒ってる」
何故かみなさんご立腹のご様子です。
「いや、別に何も……「あら、裸でする事っていったらあれしかないじゃない」部長! 余計なこと言わないで!」
「……そうですか」
「……覚悟するにゃ」
「……さあ、お前の罪を数えろ」
すげえ、皆さん切れてる! やばい!
「ふ、不幸だあああぁぁぁぁっ! ギャアアアアアッ!」
とある不幸少年のように俺は悲鳴を上げた。……ちなみに俺は上琴が好きです。
「……朝からひどい目にあったな」
俺は町中にある喫茶店、翠屋の前にいる。ここのコーヒーとケーキは美味しいからな。
「いらっしゃいませ~」
「おはようございます。桃子さん」
店に入ると、店主兼パティシエール担当の桃子さんに会う。
「おはよう、一誠君」
「いつもの席空いてますか?」
「ええ、何を御注文ですか?」
「ええと、いつものコーヒーとチョコケーキで」
「はいは~い」
俺は窓側の席に座って外の景色を眺めた。……この席で外を眺めながらコーヒーを飲むのが好きなんだよな。チョコケーキ? ……甘いのが好きなんですが、それのどこが悪いのですか?
「っ、電話か」
待っている間に携帯が鳴りだす、……誰からだ?
発信者の名前を見て驚いた。イリナ?
「もしもし、どうしたんだイリナ」
『た、大変なのイッセー君!』
「へっ?」
『あ、アーシアが……教会を追い出されたの!』
「ええっ!?」
俺は驚いた。なんで!? ディオドラが死んでアーシアが教会を追い出されるようなことは……。
『く、詳しいことは言えないんだけど……』
「……悪魔か堕天使の傷を癒したのか?」
『っ! ええ、そんなところ。私は任務に行ってて何もできなかったの』
「そうか……」
俺が悪魔、堕天使のことを知ってることにイリナは一瞬、驚いていたが、そんなことはどうでもいい。
『ごめんね、何も力になれずに……』
「……そんなことねえよ。で、アーシアはどうなってるんだ?」
『日本の駒王町の教会にいくことになったんだけど、そこは堕天使の配下の教会だから』
……まあ、その堕天使は俺の家にいるがな。
『そんなところ行くよりイッセー君の家に行ったほうがいいと思ってイッセー君の家の場所を教えておいたよ!』
「わかった。アーシアはいつ日本にくるんだ?」
『明日!』
「わかった、俺もアーシアのこと探してみる」
『じゃあ、よろしくねイッセー君』
「ああ、アーシアは俺が守る!」
俺がそういうと、イリナは黙ってしまった。
「……言っておくけど、お前のことも守るぞイリナ」
『えっ?』
「当たり前だろ、お前は俺の大事な仲間なんだ。守るのは当然だ」
『ありがとう、イッセー君』
別に礼を言われることでもないと思う。
『そういえば、イッセー君って料理とかできる女の子の方がいい?』
「うん? まあな。それがどうした?」
『ううん! なんでもない! じゃあね!』
そう言って電話は切れた。何だったのだろう?
後日、教会の神父やシスターがダークマターでしばらく苦しむことになるがそれは別の話。
「ふふふ、神は面白い事をする。あっ、神様いなんだっけ?」
俺は基本的なことを忘れていたな、いかんいかん。
「誰だかしらねーけど、世界を修正して誰かが泣くっていうんだったら……俺はそのふざけた幻想をぶっ壊す!」
俺がそう叫ぶと、また電話が鳴りだす。
「もしもし」
『あっ、イッセー? 久しぶり』
「おっ、フェイトか。チョコありがとうな。ええと、荷物は届いたか?」
あれから、一年過ぎて、俺は仕事が忙しくて北欧に行ける機会がなかったが、フェイトとロスヴァイセさんはこの前のバレンタインデーのときにチョコを輸送してくれた。俺もお礼にクッキーを送ろうとしたんだけど、腐るといけないし、マフラーとアクセサリーを送った。ホントは手渡しできるのがよかったんだけどな。
『と、届いたよ。ありがとう……』
「ごめんな。本当は直接手渡しに行きたかったんだけど……時間がなくてな」
『ううん、気にしていないから大丈夫だよ!』
「そうか。で、今日はどうしたんだ?」
別れ際にお互いのメールアドレスと番号を交換しておいたが、あまり電話はしていなかった。
『ええと、いつ、北欧に来れるのかなと思って……』
「う~ん、夏休みは色々あって行けそうにないけど、冬休みなら行けそうだな。うん、十二月か一月くらいかな」
『そ、そっか! そ、それじゃあ、また!』
そう言って、電話が切れる。ふう、今日は知り合いからよく電話がかかってくるな。
「一誠君も大変ね」
「ええ」
ちょうど、桃子さんがケーキとコーヒーを持ってきてくれた。
「北欧って聞こえたけど、お友達は北欧の子なの?」
「そうです」
「そうなの。私の娘も北欧にいるのよね~」
「そうなんですか~」
何気ない会話をしながらコーヒーを飲んでいると……。
「ねえ、私の娘とお見合いしてみない?」
「ぶふっ!!」
予想外な出来事が起きる。
「はいいっ!?」
「いや~、私のもう一人の娘が北欧で養子を迎えたらしくてね。いい機会だから相手を見つけたらって言うんだけど渋って……会うだけ会ってみない?」
「……考えてみます」
俺はケーキとコーヒーをたいらげ、料金を払い翠屋を出ようとしたら、クラスメイトの月村さんとバニングスさんと会った。
「あ、兵藤君、珍しい所で会うね」
「ああ、ここのコーヒーとケーキが好きでよく来るんだ。二人はどうして?」
「あたしたちはここが友達の家だからよく来るのよ」
「そうなんだ」
それから少しだけ、話をして俺は仕事をしにソウル・ソサエティに行った。
すずかSIDE
私とアリサちゃんは翠屋で少しおしゃべりしてそのあと二人で買い物をした。そして気づいたらあたりは暗くなっていた。
「遅くなっちゃったね」
「そうね、鮫島も心配しているだろうし帰りましょうか」
アリサちゃんと途中まで一緒に帰ろうとしたその時、いやな気配を感じた。
真っ暗な暗闇の中からケンタウルスのような化け物が出てきた。
「っ!」
「な、何よあれ!」
「ひひっ、うまそうな人間だな。喰わせてもらうぞ!!」
化け物は私とアリサちゃんに襲いかかってきた。
私はアリサちゃんの手を引いて走り出した。
「ど、どうするすずか!」
「どうするも何も逃げるしかないよ!」
「まて!!」
私は全力で走るけど、追いつかれそうになる。こんなときになのはちゃんがいれば……。
「っ!」
「アリサちゃん!」
アリサちゃんが石に躓いて転んでしまった。
「すずか! あたしを置いていきなさい!」
「そ、そんなことできないよ!」
私たちがそう言いあってると、化け物が追いついた。……もうだめだ。
私はとっさにアリサちゃんをかばうように立った。
「死ね!!」
化け物の腕が迫る。死を覚悟したその時、
「グギャアアアアアッ!」
化け物の悲鳴が聞こえた。恐る恐る瞼を開いてみると、私の目の前には黒い着物を着た兵藤君がいた。
「ひょ、兵藤君!?」
「えっ、兵藤?」
私たちが驚いて名前を呼ぶと兵藤君は振り返り笑顔を私たちに見せてくれた。
「もう大丈夫だ。あれは俺が倒す」
そう言って巨大な包丁のような刀を構える兵藤君。
「き、貴様何者だ!」
「……通りすがりの死神かな。手前を死に導く者だ! 俺の知り合いを傷つけた罪、地獄で後悔しろ!!」
「ほざけ!!」
化け物は残った腕を振り上げてくるが、兵藤君は一歩も動かなかった。
「月牙……天衝!!」
兵藤君が刀を振り下ろすと白い刃が飛び、化け物を真っ二つに切り裂いた。
「す、すごい……」
「強い……」
私とアリサちゃんは思わず彼に見惚れた。彼の姿はとてもかっこよかった。
イッセーSIDE
何でこうなった?
クラスメイトの月村さんとバニングスさんを助けたら何故か二人の家に招待された。
そして、目の前には何故か二人の親御さんが……。
「ええと、君の名前は?」
「は、はい。俺は兵藤一誠といいます。お嬢さん方と同じクラスでオカルト研究部に所属しております」
「オカルト研究部? もしや、グレモリー眷属の人かな?」
「い、いえ……ってなんでそのことを知ってるんですか?」
「ああ、私たちは彼女たちの仕事の常連でね。よく召喚させてもらっているよ」
「そ、そうなんですか……」
意外なところでつながったな……うん?
月村さんとバニングスさんがちらちらと俺の方を見てくるけど、どうしたんだろう?
「ひょ、兵藤君。あ、ありがとう」
「ああ、別にお礼を言われるようなことはしてないよ。俺は月村さんとバニングスさんを助けたかっただけだから」
「……でいい」
「うん?」
すると、バニングスさんが顔を真っ赤にして何か言ってきた。
「アリサでいいわ。バニングスっていうと誰を呼んでるのかややこしいから」
「わ、私もすずかで」
「ああ、いいけど、それなら俺もイッセーでいいぜ」
俺は笑顔でそういうと、二人も笑顔になる。
うん、笑っていた方がやっぱり素敵だな。
俺は俺たちのことを見て何かを企んでる二人の親に気付かなかった。
フェイトSIDE
「それでイッセーは……」
「ちょっとストップフェイトちゃん。のろけ話はそこまでにしておいて」
「うんうん、ロスヴァイセ先輩にも聞いてるからいい加減ね……」
「べ、別にのろけてなんか……」
私は幼馴染のはやてとなのはにイッセーのことを話していた。
「それにしてもそのイッセーてどんなひとなんや? ここまでフェイトちゃんとロスヴァイセ先輩をメロメロにするなんて……」
「メ、メロメロだなんて……」
「この前のバレンタインデー、張り切ってチョコ作ってたやないか。それにお返し貰った時は本当にうれしそうだったやん」
「そ、それは……」
ど、どうしよう。言い返せない……。
「あれ? お母さんだ。ちょっとごめんね」
そう言ってなのはが部屋を退出した。
「で、どんな人なん? 写真ないの?」
「あ、あるけど、見せない!」
「何でや」
「だって、はやてがイッセーのこと好きになっちゃうかもって思ったから」
私がそう言うときょとんとした顔になったはやては爆笑した。
「はははっ、私が惚れる? まだ会ってもないのに? どんな人か知らないのに好きになるわけないやろ」
「だ、だって……」
私たちがそんな話をしていると、なのはが戻ってきた。
「どうかしたのなのは」
「うん、お母さんにお見合いしないかって言われて」
「「えっ?」」
私とはやては困惑した。
なのはSIDE
「こんな時間にどうしたの? お母さん」
私はお母さんから国際電話がかかってきて驚いた。あまり、向こうから電話してこないから。
『ええ、なのは。あなた、お見合いしない?』
「はい?」
はいいいいいいいっ!?
「ど、どういうことお母さん!?」
『どうって言葉どおりの意味よ。あなた、ヴィヴィオちゃんだっけ? 子供ができたんならそろそろ身を固めなさいよ』
「で、でもいきなり……それに誰なの? お見合いの相手は」
『兵藤一誠君っていうのよ。お店の常連さんでね、いい子よ。結婚とはいかなくてもお付き合いぐらいしてみたら? 私が彼に頼んだんだから』
「あ、会うぐらいならいいんだけど、お父さんとか大丈夫なの?」
下手したらあの人に追い出されるかもしれないよ。
『それなら大丈夫よ。お父さん、自分より強いかもしれないって言ってたから』
「そ、そうなの? じゃあ、会うだけ会ってみるよ。でも、夏休みまでそっちに行けないから夏休みにね」
私はそう言って電話を切った。結婚か……そういえば、その人の年齢って何歳なんだろ?
ええと、今回、リリなのキャラがたくさん出てきました。
何かおかしいところがあれば指摘してください。
次回はアーシア登場します。あと二、三話で一巻の内容が終わりそうです。
グレモリーの騎士候補ですが、フリードの性格をまともにして、双子の弟を作り、その弟をフリードボジションにしようかと思います。
なのはたちが次出るとしたらフェニックス戦のときかな?