兵藤一誠に憑依して死神になりました   作:汰灘 勇一

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第三十話「集いし魔導師」

なのはSIDE

 

 今日はフェイトちゃんとロスヴァイセさんの思い人であるイッセーくんって人が出るレーティングゲームを見るために日本に帰ってきました。

 

 一応、オーディン様の警護という名目上で来ているんだけど、オーディン様は私たちに時間までは自由に行動せよといってどこかに行ってしまった。

 

 なので、私、フェイトちゃん、はやてちゃん、ロスヴァイセさん。それに、はやてちゃんの守護騎士であるヴォルケンリッターのシグナムさん、シャマルさん、ザフィーラさん、ヴィータちゃんにリィンちゃんで私の実家の喫茶店、翠屋に行くことに。

 

「で、フェイトとロスヴァイセの好きなやつってどんな奴なんだ?」

 

「確か、赤龍帝なんですよね?」

 

「それでとても強いと聞いた」

 

「え、ええ……」

 

 私たちがそんな会話をしていると、翠屋に着いた。喫茶店の方の窓から明かりが見える。……まだ、お客さんがいるのかな?

 

 イッセー君と何を話すか考えるフェイトちゃんとロスヴァイセさんを除いた私たちは、窓から店内の様子を見た。

 

 そこには私の友達のすずかちゃんとアリサちゃんが、誰だか分らないやさしそうな金髪の髪の長い女の子とかっこいい男の子と話していた。

 

「あの人、カッコいいし、やさしそうだな~」

 

「そうやね。カッコええ人や」

 

「……あの男、出来るな。一度戦ってみたいな」

 

「あら、確りとした体ね。結構鍛えてるみたい」

 

 私とはやてちゃんは頬を軽く赤くしてみた感じを、シグナムさんはシグナムさんらしい感想を述べる。シャマルさんの意見は医者らしかった。だけど、シャマルさん、顔が少し赤かったな。

 

「確かに。アイツ、結構でかい魔力を持ってんな。一般人か?」

 

「ふむ、あの身体つき、なかなか鍛えてるようだ。それにかなりの修羅場を潜って来たと見える。主はやての害にならなければいいが」

 

 ヴィータちゃんとザフィーラさんはプロから見た視線で判断したみたい。でも、戦いと無関係っぽい感じがするな。

 

「みんな、とりあえず中に入らない?」

 

「そうですね。流石にそろそろ入らないと不審がられそうです」

 

 私たちはそわそわして言ってくる二人を見て、顔を見合わせ苦笑いした。そんなにイッセー君に会いたいんだね。

 

「お母さん!ただいま!」

 

「あら、なのは、お帰りなさい。あら? 今日はお友達が多いのね」

 

「「「「お邪魔します!!」」」」

 

「なのは! 帰ってきてたの!?」

 

「お帰りなさいなのはちゃん、はやてちゃん」

 

 私たちが帰ってくると、お母さんが微笑み、アリサちゃんとすずかちゃんが駆け寄ってきて驚いていた。

 

 私たちの後から入ってきたフェイトちゃんとロスヴァイセさんは男の人の顔を見て驚いていた。

 

「「イッセー(君)!?」」

 

「よう、フェイト、ロスヴァイセ、久しぶり」

 

 えっ? イッセー君? ってことはこの人が赤龍帝? イメージが全然合わない。

 

 私が疑っているのかと思ったのか、イッセー君は左腕を突き出した。

 

 すると、彼の左腕には赤い篭手が現れた。

 

「どうも、駒王学園の二年生でオカルト研究部に所属している赤龍帝の兵藤一誠です。よろしく」

 

 彼は、イッセー君は人懐っこい笑顔を向けてくれた。私は思わず、ドキリとしてしまった。

 

 

 

 それから、フェイトちゃんとロスヴァイセさんはアリサちゃんとすずかちゃんに店の隅のほうに連れて行かれた。たぶん、どこであったのか聞くんじゃないのかな?

 

「しっかし、驚いたな。あんたが赤龍帝だなんて。とてもそのように見えんな」

 

「ははっ、よく言われる。ええと、確か八神さんだよね?」

 

「はやてでええよ。みんなにも名前のほうで呼ばれてるから」

 

「じゃあ、はやてって呼ぶことにするよ」

 

 イッセー君とはやてちゃんは仲良く話している。少し、はやてちゃんの頬が赤い。

 

 そんな二人を見て、イッセー君に殺気を送りまくっているヴィータちゃん、シグナムさん、ザフィーラさん。

 

「私もなのはでお願い。ねえ、イッセー君は何で戦うの?」

 

 そう、私はこのことが気になっていた。彼は戦わなくても静かに過ごせるはずだ。

 

「俺はこの世界を変えるために戦ってるんだ」

 

「世界を変える?」

 

「ああ、悪魔も堕天使も天使も人間も関係なく、戦争がなくてみんなが笑顔で過ごせる世界にしたいんだ。そして、オレに関わる人を全て守るためにもね」

 

 ……この人は私と同じくらいの年なのにそんなことを考えてるんだ。

 

「おかしいかな?」

 

「う、ううん! すごく素敵な考えだと思う」

 

「そうか、ありがとう」

 

 そういうと、イッセー君は微笑んだ。

 

「ねえ、イッセー」

 

 すると、話が終わったフェイトちゃんがイッセー君に話しかけてきた。

 

「何だ、フェイト」

 

「その、金髪の女の子は誰なの?」

 

「ああ、この子はアーシア・アルジェント。俺と同じく体に神器を宿している。堕天使に狙われていたのを俺が保護したんだ」

 

「あ、アーシア・アルジェントです! よろしくお願いします」

 

「……イッセーはこの子と同棲しているのよ」

 

「「「「えええっ!?」」」」

 

 アリサちゃんの一言に私たちは驚いた。

 

「他にも四人の女の子と同棲してるんだよ~」

 

「……そんな……」

 

 フェイトちゃんは地面に手を突いて絶望している。

 

「ねえ、なのは」

 

「何、お母さん?」

 

「どう、彼のこと、気に入った?」

 

「どういうこと?」

 

 お母さんはニヤニヤしながら聞いてくる。何でだろ?

 

「彼がこの前電話で話していた兵藤一誠君。あなたの、お見合い相手よ」

 

「「「「ええええっ!?」」」」

 

 私たちは驚いた。こ、この人がお見合い相手!?

 

「ちょっとイッセー! なのはとお見合いってどういうことよ!」

 

「イッセー君……」

 

「むうっ」

 

 イッセー君に詰め寄るアリサちゃん、悲しそうな顔をするすずかちゃん。頬を膨らますアーシアちゃん。

はやてちゃんとフェイトちゃんは「ああ、あの時のことか」という顔をしている。

 

「なのは、イッセー君がお見合い相手というのはどういうことですか?」

 

「え、ええと……」

 

 私はロスヴァイセさんにこの前の電話のことを話した。

 

「ははっ、でも俺なんかじゃなのはみたいな綺麗な人と釣り合わない気がしますね」

 

「き、綺麗!?」

 

 私はそう言われて頬が赤くなる。

 

「おっと、悪い。俺、ちょっとこれからヒトと会う予定だから先に行くよ」

 

「は、はい」

 

「アーシアは後で白音達と一緒に観覧席に行ってくれ」

 

「分かりました」

 

 イッセー君は立ち上がりお店を出ようとした。

 

「あっ、そうだ」

 

 イッセー君は何か思いだしたのか、私たちの方を向いた。

 

「あなたたちに渡したいものがあるんです」

 

「渡したいもの?」

 

「ええ」

 

 そういうと、イッセー君は目を瞑って片手をかざす。

 

 すると彼の手には一つの魔導書が現れた。

 

「君たちが別の世界で手にしていた力。君たちのデバイス」

 

 魔導書が光ると私たちの手にはどこか懐かしい宝石のようなものが……。これは……。

 

 私たちがそれに触れると……。

 

「「「「っ!」」」」

 

 私たちの頭の中の鎖が砕けた気がした。これは……。

 

「レイジングハート?」

 

「バルディッシュ?」

 

「夜天の書、蒼天の書? それにシュベルトクロイツ?」

 

「レヴァンティン?」

 

「クラールヴィント」

 

「グラーフアイゼン……」

 

『『『『『『ただいま戻りました。マイマスター』』』』』』

 

 レイジングハートを起動させて思い出した。私は時空管理局の魔導師、高町なのは。機動六課で仕事していたらいつの間にか……。

 

「なのはちゃん」

 

「なのは、これ、どういうこと!?」

 

 すずかちゃん、アリサちゃんも思いだしたみたい。

 

「私にも分からない。ねえ、イッセー君。これって……」

 

 イッセー君に説明をして貰おうと振り返ったけど、すでにイッセー君の姿はなかった。

 

 

イッセーSiDE

 

 なのはたちにデバイスを渡した俺は旧校舎に向かった。

 

 俺はグレイフィアさんに呼ばれ、部長のお兄さん、サーゼクス・ルシファー様と会うことになった。

 

 理事長室に入るとそこには紅い髪の男性がいた。

 

「やあ、君が兵藤一誠君かい?」

 

「はい、あなたがサーゼクス・ルシファー様ですか?」

 

「そうだよ。会えて嬉しいよ。冥府の神、ハーデスを殺した神殺しの赤龍帝」

 

「知っていたんですね」

 

 アザゼルが俺のことを知っていたんだ。知っていても可笑しくない。

 

「ああ、私は驚いたよ。その赤龍帝がリアスと同じ学校に通っているとはね。それにリアスと共にライザーと戦うとはね」

 

「まあ、色々と理由がありまして」

 

「そうか。君に聞きたいことがある」

 

「何ですか?」

 

「君が戦うに当たって勝った場合の報酬は何がいい? 危険を伴った戦いだ。それに報酬を贈るのは当たり前の事だ。さあ、何がいい? 地位か富。名誉か?」

 

 

 何を望むか……そうだ!

 

「なら、悪魔の駒を二セットください」

 

「悪魔の駒を?」

 

「はい、俺は悪魔に転生できない体質です。だけど、俺はレーティングゲームに参加したい。なので俺は駒を改造して作った駒で転生してレーティングゲームに参加したいんです」

 

 そう、これなら俺も部長の側で戦える。

 

 俺はサーゼクス様の出方を見た。

 

「分かった。用意させよう」

 

 サーゼクス様は魔法陣で誰かと話していた。

 

「勝ったら駒を渡そう。だから、お願いだ。勝ってくれ。勝ってリアスを自由にしてくれ。頼む」

 

 そう言って頭を下げるサーゼクス様。この人はそこまでリアス部長を大切に思ってるんだな。

 

「分かりました。絶対に勝ちます」

 

 俺は頭を下げ、部屋を出てリアス部長たちの下へと向かった。

 

 勝つんだ。絶対に勝つんだ。勝ってみんなで笑うんだ。




今回はなのはたちが出てきました。次回からライザー戦です。

実は新作を考えています。原作の兵藤一誠が魔法少女リリカルなのはの世界に行く話です。何時書けるか分かりませんが
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