兵藤一誠に憑依して死神になりました   作:汰灘 勇一

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第三十二話「VSライザー眷属その二」

俺は校庭に向かって走り出した。……今、空では朱乃さんとユーベルーナが戦っている。俺は木場と合流して残りのライザー眷属を倒す!

 

 走っていると、物陰から手が伸びてきたので俺は抵抗せず、引き込まれる。

 

「……何だよ、木場」

 

「へえ、よく分かったね。魔力や気配は消したはずなのに」

 

 霊圧で丸分かりとは言えない。

 

「まあな」

 

「それにしてもイッセー君はすごいね。イッセー君でしょ、ライザーの兵士全員と戦車一人を倒したの」

 

「それほどでもないさ、だけど、ミットルテとカラワーナが……」

 

「彼女達は残念だったね。堕天使だったけど、受け入れてくれたリアス部長のためにもがんばろうと言ってたのに」

 

 あの二人、そんなことを言ってたのか。

 

「……あの二人のためにも、勝とうぜ」

 

「うん」

 

 俺と木場は拳を軽くぶつけ合わせる。

 

「私はライザー様に仕える騎士! カーラマイン! こそこそとした腹の探り合いは飽きた! リアス・グレモリーの騎士よ! いざ尋常に剣を交えようぞ!」

 

 一人の女性が叫んでいる。相手は騎士か……。

 

「いこうか、イッセー君」

 

「ああ」

 

 名乗られたからには行かないわけにはいかない。俺と木場はカーラマインの前に現れる。

 

「僕はリアス・グレモリー眷属の騎士、木場祐斗」

 

「俺はリアス・グレモリーの助っ人、人間で赤龍帝、兵藤一誠」

 

「ふふ、私の呼びかけに答えたか。私は嬉しいぞ! お前のような戦士がリアス眷属にいることが! 私の呼びかけに答えるなど、正気の沙汰ではない」

 

 悪かったなバカで。

 

 俺は少し、むっとなった。

 

「だが、私はそんなバカが大好きだ! さて、やろうか!」

 

 ……そんなこと言って大丈夫なのか?

 

「騎士同士の戦い、待ち望んでいたよ。尋常じゃない斬り合いを演じたいものだね」

 

「よく言った! リアス・グレモリーの騎士よ!」

 

 二人は剣を鞘から抜き、目にも留まらない速さで斬り合いを始めた。

 

 ……転生する前の俺なら絶対に目で追えなかっただろうな。

 

 何もすることなく、ボーっと見てる、俺の方に近づいてくる強い霊圧に気が付いた。

 

「ヒマそうだな」

 

「ああ」

 

 俺は話しかけられたが特に驚くことなく、答えた。

 

 俺が振り返ると、そこには顔の半分を仮面で隠した女性と金髪縦ロールの女の子がいた。

 

「まったく、頭のなかまで剣剣剣で塗りつぶされたもの同士、泥臭くてたまりませんわ。カーラマインったら、兵士をサクリファイスにするのも渋っていましたし、主の王の戦略について不満があるのかしら。しかも、そちらの騎士も剣バカのようですし」

 

 金髪縦ロール……レイヴェル・フェニックスはたいそうご立腹のようだ。

 

「落ち着けよ、ライザーの僧侶、フェニックス家の長女、レイヴェル・フェニックス」

 

「あら、あなた、私のこと、ご存じなのですか?」

 

 レイヴェルは俺がレイヴェルの素性を知っていたことに驚いていた。

 

「まあな、戦う前に敵の情報を探っておくのは当然のことだろ?」

 

「そうですわね。……あなたが、リアス様のお気に入りですか……まあ、いい男みたいですわね」

 

「それはどうも。あんな兄を持って大変じゃないか?」

 

「ええ、大変ですよ。本当に何であんな兄の眷属になってしまったんでしょうか……」

 

 レイヴェルは深くため息をついている。色々苦労してるんだろうな……。

 

「どうですか? お兄さまが試合に勝つまでここでお二人でお話ししませんか? その方が有意義ですわ」

 

 ……レイヴェルはライザーが絶対に勝つと思っているようだ。

 

「悪いな、リアス部長のためにも負けるわけには行かないんでね」

 

 俺は拳を構える。リアス部長のためにも、戦わない何て選択はしない。

 

「レイヴェル様、彼はどうやら、戦うようです」

 

「はあ、この人も脳筋ですか。イザベラ、相手をしてあげなさい」

 

「はっ!」

 

 レイヴェルに命令されて俺の前に立つ戦車イザベラ。

 

「私はライザー・フェニックスの戦車、イザベラ」

 

「俺はリアス・グレモリーの助っ人、赤龍帝、兵藤一誠だ」

 

「赤龍帝か。伝説の存在と戦えるなんて私は幸運だな。兵藤一誠、良い戦いをしよう!」

 

「ああ、兵藤一誠! タイマンはらせてもらうぜ!」

 

 俺は某宇宙飛行士仮面ライダーのセリフを叫んでイザベラとの戦いを始めた。

 

 イザベラは俺の顔面に向けて拳を放つ。俺はヒラリと避けて鉄の滅竜魔法で強化された拳を放つがイザベラもヒラリと避ける。

 

「……なかなかやるな」

 

「そっちもな」

 

「だが、これはどうだ!」

 

 今度はイザベラは強力な蹴りを入れてくる。俺は避けずに体で受け止めた。

 

 滅竜魔法で体を鉄の鱗で多い、防御力を大幅に強化しているのだ。

 

「なっ!?」

 

 蹴りを受け止められて、驚いたイザベラは動揺して隙が出来た。

 

「鉄竜棍!」

 

 俺は腕を伸縮自在の鉄の棒へ変化させ、イザベラに打撃を与える。

 

「ぐうっ!」

 

 イザベラは反射的に防御した。数メートル、後ろに下がったが、何とかこらえている。

 

「ひょ、兵藤一誠! なんだその腕は!」

 

「これは鉄の滅竜魔法。鉄を喰らい、体を鉄の龍のように変化させ、ブレスを放つ、龍を倒すための魔法だよ」

 

「そんな魔法、聞いたことがないぞ!」

 

「だろうな」

 

 元はフェアリーテイルの魔法だ。ウルスラグナの特典によって俺は修得したんだから。

 

「だが、面白い! このように気分が高揚する戦いは久し振りだ!」

 

 イザベラは楽しそうな表情をしている。

 

「だが、主のためにも負けるわけにはいかん!」

 

「それは俺も同じだ! 部長のためにも負けるわけにはいかない!」

 

 イザベラは全身の力を込めて俺に殴りかかってくる。

 

「鉄竜槍・鬼薪!!」

 

 俺は腕を腕を鉄の槍へ変化させて高速で突きを何度も放つ。

 

「がはっ!」

 

 イザベラは防御しようとしたが、高速で放たれる突きに耐えきれず、傷だらけになり光の粒子になりリタイアした。

 

『ライザー・フェニックス様の戦車一名リタイア』

 

 イザベラが消えると同時に、グレイフィアさんのアナウンスが聞こえる。

 

「イザベラがやられた……あなた、何者なんですか!?」

 

 俺が何者か……そうだな……。

 

「通りすがりの死神だ。よく覚えておけ!」

 

 俺はふざけて門矢士のセリフをまねて、レイヴェルを指さした。

 

「……っ!」

 

 レイヴェルは何故か顔を紅くした。

 

「どうしたんだ、レイヴェル・フェニックス」

 

「な、何でもありませんわ!」

 

 レイヴェルは顔を紅くしてそっぽ向く。

 

 本当にどうしたんだ?

 

「レイヴェル様」

 

「イザベラはんは、やられたみたいどすな」

 

 すると、どこからか巨大な剣を持ったワイルドな服装の女性と十二単を着た女性が現れた。

 

「シーリス、美南風、良いところにきました。彼の相手をしなさい」

 

「御意」

 

「了解どすえ~」

 

 レイヴェルの命令で俺の前に立つシーリスと美南風。

 

「レイヴェル様の命により、貴様を倒す」

 

「覚悟をしてもらいましょか」

 

 シーリスは巨大な剣を、美南風は手に魔力を籠めている。

 

 ……こいつら、俺に勝てると思っているのか?

 

 俺はテン・コマンドメンツを異空間から取り出した。そして、音速の剣(シルファリオン)で一気に近づき、切り伏せる。

 

「ガハアッ!」

 

「そんな……バカな……」

 

「たった二人で俺を相手にするのが無謀だったんだよ」

 

 二人は光の粒子になってリタイアした。

 

『ライザー・フェニックス様の騎士一名、僧侶一名、リタイア』

 

 グレイフィアさんのアナウンスが聞こえる。あと、ライザー眷属はライザーを除いて三人か。

 

 ……木場の方はどうなってるのかな? 木場の方を見てみると、

 

 バキバキバキ、バキィン!

 

 木場の剣がカーラマインの剣を凍り付かせていた。

 

「炎氷剣《フレイム・デリート》、炎を凍り付かせる魔剣だよ」

 

「バカな! 二つ以上の神器を持っているというのか!?」

 

「違うよ、僕は創ったのさ。魔剣創造、これが僕の神器さ」

 

 木場が手のひらをかざすと、何本もの魔剣が地面から飛び出していく。

 

 そう、木場の神器は魔剣創造、使い手によって無限の可能性がある神器だ。

 

「そうか、赤龍帝の彼も剣を使うらしいが、強いのか?」

 

「そうだね。イッセー君の方が僕より剣の腕は上だよ」

 

「なるほど、なら、君を倒して彼と戦おう。面白い戦いになりそうだ!」

 

 カーラマインは俺に好戦的な視線を送る。勘弁してくれよ……。

 

「しかし、魔剣使い……数奇なものだ。どうやら、私は特殊な剣を使う騎士と戦う運命にあるのかもしれない」

 

「へえ、僕以外の魔剣使いがいたのかい?」

 

「いや、魔剣使いではない、聖剣使いだ」

 

「っ」

 

 カーラマインの一言で木場の表情が険しくなった。それと同時に体中からものすごい殺気が溢れてくる。

 

「その聖剣使いについて詳しく聞かせてもらおうか」

 

「ほう、貴様とその剣士にはどうやら深い因縁があるらしいな。だが、剣士同士、言葉で応じるのは無粋。剣にて答えよう!」

 

「そうか……喋れれば瀕死でも構わないか」

 

 木場は冷酷な表情である剣を取り出した。

 

「イッセー君、君からもらった力を使わせてもらうよ。ヴァイサーガ、リミットブレイク!!」

 

『リミットブレイク!!』

 

 木場の剣が黒く光りだし、その光は木場の体を包んだ。光が消えると、木場の体は漆黒の鎧を纏っていた。

 

 木場のAIDはヴァイサーガというスーパーロボット大戦にでてくるロボットを元にしている。まあ、俺も詳しくは知らないが。

 

「な、何だその姿は! お前の神器の禁手化なのか!?」

 

「ちがうよ。これはAIDという武器で、この姿はこの武器の力を解放した姿さ」

 

 カーラマインは驚いていた。そりゃあ、そうだろ。ターニャが最近創り出したんだから。

 

「悪いけど、一撃で終わらせてもらうよ。音速を超えて斬りこむ! 風刃閃!」

 

 木場は剣、五大剣を一閃して竜巻を起こして、カーラマインの動きを封じ、五大剣でカーラマインを貫いた。

 

 ……これ、生身の奴に放って良い技なのかな?

 

「ガハッ!」

 

 カーラマインは血を吐き、光の粒子になって消えた。

 

『ライザー・フェニックス様の騎士一名、リタイア』

 

「イッセー君、あとは彼女と女王だね」

 

「そうだな」

 

 木場はAIDを解除して俺に近づこうとしたその時、

 

 ドカアァァンッ!

 

「グアアアッ!」

 

「木場!」

 

 空から火炎弾が木場に降り注いだ。

 

 木場は大やけどを負って、光の粒子になり、リタイアした。

 

『リアス・グレモリー様の騎士、一名リタイア』

 

「ふふふ、戦いのあとが一番隙が出来るわね。次はあなたよ赤龍帝のぼうや」

 

 空の上にはユーベルーナが浮かんでいる。

 

 朱乃さんと戦っていたはずなのに……。

 

 すると、空から墜ちてくる朱乃さんの姿が……。

 

「朱乃さん!」

 

 俺は俊速の魔法を使って、墜ちてくる朱乃さんを受け止めた。

 

 朱乃さんはボロボロですぐに治療が必要な状態だった

 

「朱乃さん! しっかりしてください! 今、治療します!」

 

 俺は双天帰盾で朱乃さんを治療しようとしたが、朱乃さんは俺の手を止めた。

 

「いいんです……それよりイッセー君、これを……」

 

 朱乃さんがそう言って片手をあげると空から巨大な雷が俺に向けて墜ちてくる。

 

「なっ!? 味方を攻撃しただと!?」

 

 ユーベルーナは朱乃さんの行動に驚いていた。確かに、朱乃さんの行動は味方を攻撃したようにしか見えない。だけど、それは違う。朱乃さんは俺に託したんだ。

 

「……いえ、違います。希望を託したのです。イッセー君、頼みます。リアスを助けて……あなたは私たちの最後の希望ですわ……」

 

 朱乃さんは俺に託してリタイアした。

 

 俺は朱乃さんが全魔力を籠めて放った雷を全て喰らった。

 

「……ごちそうさま、確かに受け取りました朱乃さん! 俺が必ずライザーを倒します! 俺が最後の希望だ!」

 

 俺は雷を体に纏い、ユーベルーナを睨み付けた。




今回はイッセーVSイザベラ 木場VSカーラマインを書きました。

今回、AID、ヴァイサーガを出しました。今後も色々なAIDがでてきます。

次回はイッセーVSユーベルーナ 朱乃さんから託された思いを胸に、イッセーはユーベルーナと戦う。
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