IS 選択を間違えた生徒   作:meruto

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人はなぜ自分より下の人間を虐げるのか。そんなことを考えたことはありますか?私はあります。なぜなら私は虐げられる側の人間だから。だけどその答えがずっと見当たらなかった。

 

ずっと…………。

 

 

 

 

私の名前は鬼咲よみ。中学校生活3年間いじめられ続けた女。理由はわからない。私がいつのまにいじめる人たちの誰かを傷つけてしまったのか、恨みを買ったのかわからない。物を隠されたり、人気のないところで暴力を振るわれたり、制服を切り刻まれたり、恐喝をされたり、女子生徒に普段顎で使われてる男子生徒に腹いせとして○○○されたりもした。

痛くて、つらくて、怖かった。私は誰からも助けられることなく、いじめられ続けた。ここまでされる理由も思いつかず、なんで自分だけこんな目にあうのかと思っていた。

 

 

 

私は何の才能もない女で、秀でた能力もなかった。こんな凡庸な人間だからいじめられ続けたのかな、と思い必死に勉強をしてみた。私は少なくとも文学はできないわけじゃない人間だった。結果を出せばまわりが見直してくれるかもしれない。そんな思いも込めてのめりこんだ。そして進学先の高校はあの有名なIS学園になった。ISとはインフィニット・ストラトスというパワードスーツのことであり現在はそれが世界中で大いに話題となっている。だがISというのは女性しか動かせないらしく、そのせいで男性は肩身の狭い思いをしている。その理由もあって、私は男子生徒のはけ口となっていたのかもしれない。でもこれで結果を残せた私は、何かが変わると思っていた。これで私を見直してくれるんじゃないかって、そう思っていた……。

 

 

 

だが、実際は違かった。一部の生徒から今まで以上に苦痛を与えられた。

『おまえのせいで落ちたんだ!!』『なんでおまえだけよくてあたしは落とされるんだよ!!』そう言われた。彼女たちもIS学園を受験していたらしく、その結果不合格とされてしまいました。殴る蹴るの暴行が今まで以上より強く感じた。それ以上に強く感じたのは、こうやって無意識に他人を傷つけていたのを何よりも痛感した。だからみんな、私のことをいじめていたのかもしれない。

 

その日の帰り、いつもより足取りが重かった。いつもの通路。信号が青になっているのを待つと……。

 

 

 

トンッ

 

「え?」

 

気づくと後ろから誰かに押されていて飛び出していた。

 

信号は赤。横からは車が来ていて、私はそのまま………。

 

 

 

 

 

目が覚めたのは数日後。ものすごい衝撃が襲ってきたのは覚えていて、それ以降は記憶にない。私は病院のベッドから起き上がろうとしたが体が重くて起きられない。数分後私の主治医のような人が来て、容体の説明をされた。身体のほうは治るが問題は頭部の損傷だった。右目は完全に失明。三半規管と呼ばれる部分も一部も損傷し、時折めまいが出てくるようになったという。

 

 

 

ここまでの代償だったのだろうか。私が彼女たちの未来を奪ってしまった。あの時私を押した人も、私のせいで………。

 

 

 

 

入院してから二週間がたった。見舞いに来る人間は当然来ない。それが親でさえも…。

父は仕事以外に全く興味を示さない人だった。全部仕事で満足してしまう人間なので、見舞いに来る時間があれば仕事を優先するだろう。母も、そんな父に完全に愛想をつかし、見知らぬ男を家に連れ込んではみだらな行為にふけっている。それがたとえ娘の前でもお構いなしだった。

一応父には進学先はIS学園だと言っておいたが「そうか。」の一言だけだった。

私はいつからか感じていた。

 

あなたたちは私に興味などないんですね。と。

 

 

一か月後。退院はした。入院中にIS学園から資料は届いていたので一応それには目は通しておいたが全部はおぼえきれなかった。主治医の言った通り、読んでる途中めまいが襲ってきたりもしてそれが数分も続いた。私がIS学園にいくことを主治医は反対していた。この体であんなスポーツするのは医師として賛同できないとのことでだった。

だけどそれでは彼女たちの未来を奪ってまで得たものを無駄にするような気がして私にはできなかった。

 

 

 

だけど、この選択が正しかったのかどうかはわからない。

 

私は、IS学園に入学した。

 

 

 

 

 

 




鬼咲よみ(きさきよみ)
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