4月、私はIS学園の1年1組の教室にいる。今は自己紹介の時間で一人一人順番にしていってる。私もついさっき終えたばかりだった。紹介の途中めまいは起きなくてほっとした。そして今はこのクラスで唯一の男子生徒が自己紹介している。なぜ男子がいるのかは大まかに説明するとISを動かしてしまって本来行く高校と違うIS学園に入学したからだった。
彼、織斑一夏くんの自己紹介が終わったとたん黒いスーツ着た女性が織斑くんを出席簿でたたいていた。あとでわかったことですがあの人は私たちの担任の織斑千冬先生でした。先生いわく、まともな自己紹介をしなかった罰だったらしい。
織斑先生も自己紹介、というよりも命令のような言い分を私たちに言ってきました。それに対して私たち生徒は返事をした。だが、このとき私は気が付かなかった。
返事の中に舌打ちをした人がいたことに……。
授業が終わって昼食の時間になり、私は自分の分ができるまで待っていた。
「授業メンドくさっ。それに担任の織斑もなんか腹立つ。ISの世界選手権かなんかで優勝したからって調子乗りすぎだっつーの。」
「『いいか、いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ。私の言葉には返事をしろ。』でしょ。」
「あはは、にてるにてる。そんな感じでむかつくセリフはいてたよね?」
前ではこんな会話が繰り広げられてる。まわりの人間もうるさそうに彼女たちを見ている。そんな視線にお構いなしで彼女たちは談話を続けてる。
そうしているうちに私の食事が用意された。私はそれを受け取り、席を探そうとした時だった。
「っ!?」
めまいが襲ってきたのでした。足元がふらつき、私は前に倒れてしまった。
前にいる人を巻き込んで。
「いってぇ…。何すんだよてめぇ!!!」
「うぐっ!!」
頭を思いきり殴られる。事故の傷あたりを殴られて激痛が走る。それにめまいがしてるので謝る暇がない。
「ふざけやがって…!おい!立て!」
「うぅ……。ご、ごめんなさ、あぐっ!!……かはっ…!?」
無理やり立たされ何とか謝ろうとしたが腹を思いきり殴られる。息が詰まり呼吸ができなくなってその場にうずくまった。
「あーあ、朱音の服汚れちゃったじゃん。どーすんの?あんた?」
「げほっ、うぐ…あ、あの……。」
「おい、人に迷惑かけておいて謝らねえのか?」
髪をつかまれて顔を上げさせられる。彼女はすごい形相で私を睨んでいた。
「はあっ…はあっ、ご、ごめんなさい…。っ!?」
謝った瞬間顔を思いきり殴られた。
「くそが、最悪だよ。この馬鹿のせいで制服が汚れた。おい、明日までにクリーニング代持って来い。わかったな?」
「……はい。」
お金を持ってくるように言われたこともある私は、はいとしか言えなかった。持ってこなければいつもよりひどいいじめが待っている。渡すもの渡せばそれだけで済む時がある。
「行くよ。こんなのに構ってたら時間の無駄だから。」
「そーね。じゃあ、明日持ってきてね?」
「ちっ。忘れんなよ?」
彼女たちは行ってしまった。まわりの人間も1部始終を見ていたけど誰一人止める者はいなかった。
同じだった。私をさげすむように見ていた彼女達の目。遠巻きに見ていた人たちも視線を合わそうとしないで関わりをもつまいとしていた表情。中学時代に見た人間と同じだった。
視線を感じながらも、私は散らかった食事を一人で片づけた。
午後の授業はケガとめまいを理由に早退させてもらった。
IS学園は全寮制で生徒には部屋が振り分けられてる。私は自分の部屋にもどってベッドに横たわる。
「…どうして……。…っ…私ばかり……っ…、こんな……っ、ぅぅっ…グスッ、……っ。」
涙が止まらなくなっていた。まだ地獄は続いていたということに私は涙をこらえることができなかった。自分が原因なのはわかる。だけど3年間も続いたいじめがここでも起きることに悔しさや、恐怖でいっぱいになってしまった。
「いやだ……いやだよぉ……。お願いだから……」
私は泣きながら明日が来ないことを祈り、夜を過ごした。
笹川朱音(ささがわ あかね) よみに暴力をした生徒
早乙女桐子(さおとめ きりこ) 千冬の真似をした生徒
石田美夏(いしだ みか) 特に何もしなかった生徒