銀座の英雄王(偽) 作:サーヴァント当たらない
「フハハハハハ!どうだ伊丹!この勝負は我の勝ちだ!!
貴様は大人しく奈落の底へと落ちるがいい!!」
「まだだ!!こんな所で負けてたまるかぁーーー!!」
東京にある有名な高級ホテルのスイートで世間では英雄と呼ばれる二人の男が激しい戦いを繰り広げていた。
「クソ!!俺のカービィのジャンプじゃ届かない!!」
「無駄無駄無駄ぁ!!たとえステージに舞い戻ろうとも
我のガノンドルフの力で再び吹き飛ばしてくれるわ!!」
そう、コントローラーを片手に、かつてギルガメッシュが小学生時代に大流行したゲームを大の男が全力で楽しんでいたのである。
なぜこのような光景が広がっているのかとギルガメッシュに名前を尋ねられた伊丹は、その後も名前だけではなくスマホのカバーに描かれた者は何だと聞かれたことにより彼のオタ魂の力によって熱く、細かく、情熱的にギルガメッシュに解説した。
そして、その情熱的な解説が終わり、伊丹が正気を取り戻し自分の死を覚悟したまさにその時。
ギルガメッシュは伊丹を気に入り、伊丹を自身を楽しませる道化に任命した。
伊丹はそれ以降、ギルガメッシュの王の財宝からオススメのアニメやゲームを取り出して貰い、ギルガメッシュと共にアニメを鑑賞したり現在のように全力でゲームをプレイしている。
趣味の為に仕事をしている伊丹だったが、ギルガメッシュの世話係という名のネオニートにジョブチェンジしてこの世の春を謳歌していた。
伊丹が来るまでの聴取で日に日に機嫌を悪くしていた強大な力を持つ英雄王を危険視していた政府だったが伊丹の思わぬ活躍で色々と情報を引き出そうと総理大臣達は日本の更なる発展の為に色々と計画しているらしい。
そして、英雄王や異世界を利用して自国を発展させようと企んでいるのは日本だけではない
アメリカ 中国 韓国 などなど世界中が英雄王の財宝や異世界の資源などを狙って動き始めている。
特に中国と韓国のネット世界ではその動きが顕著であり竹島や尖閣同様に
ゲートは我々中国の物。
元々銀座は韓国の領土だった。
英雄王は我々中国のサーヴァント計画によって召喚された成果であり、すぐに英雄王を中国に返還するべき。
などなど頭のおかしい主張が飛び出していた。
☆ギルガメッシュ視点☆
「……続いてのニュースです。
大学のオタク系サークルの学生たちが大量の鶏を購入した後、大学の敷地内で鶏を殺し
怪しげな儀式をしていた所を、警備員が発見し、警察に通報しました。
学生達は『青セイバーを召喚したかった』などと話しており、詳しい動機を知る為に学生たちは今も取調べを受けています。
なお、魔方陣は学生達が購入したニワトリの血で描かれており、魔方陣の中心には『フェイト・ステイナイトのDVD』、『フェイト・ゼロのブルーレイ』『青セイバーのフィギュア』が置かれていたらしく……」
伊丹が嫁さんがいる自宅へと帰ったあと、俺は一人寂しくホテルの部屋でテレビを見ていたのだが……。
「では、オタク文化の専門家である竹下さん。英雄王は本物なのか?そして本物だとしてどのようにして日本に現れたと思われますか?」
「そうですね。本物かどうかはともかく所有する能力は一致しており高確率で二次元の英雄王と類似した存在だと考えられます。
出現については恐らく、銀座に出現したゲートの影響ではないかと思われます。。
異世界と繋がるゲートが何らかの干渉を受けて平行世界、もしくは古代ウルクにつがった事により、かの英雄王が出現したのではないかと私は考えています。」
どの番組も俺のことばかり話している。
朝のニュースも不倫騒動よりも俺の話にシフトチェンジし、一言も不倫という言葉は出て来ていない。
つーか、オタク文化の専門家ってなんだ?
色々と突っ込みどころが満載のニュースやワイドショーを見た後、テレビを消してベットに横になる。
俺、このままだと危ないかもしれないな……。
今の日本社会を見て自身の身に危機感を覚えた俺はこれからどうするかを考えた。
……。
何も見つからん。
部屋に閉じ込められているような状態であり、逃げたとしても世界中に
追いかけられる逃亡生活が待っているだけ。
逃げ場はない。
その結論に達して色々と諦めたその時、一冊のライトノベルを見つける。
タイトルは『この素晴らしい世界に祝福を!』
主人公が死んで異世界に行くという、ネット小説の王道を書籍化したライトノベルである。
ん?
……!?
そうだよ!異世界があるじゃねーか!!
異世界なら地の果てまで逃げても警察や軍隊も簡単には追って来れないはずだ!!
そう思った俺は早速、お宝たちを王の財宝へと戻し、新たに指輪を王の財宝から取り出す。
この指輪は認識を阻害し、目の前に俺が居ても居ないものとする宝具である。
ただ、魔術師には効力は発揮されないらしい。
まあ、見つかってしまったら力づくという事で……。
指輪を指に装備した俺は、スネークの如く、ホテルから抜け出した。
☆30分後☆
緊張しながら移動していたのに誰も気づいてくれない……。
いや、作戦が成功しているのは嬉しいけどさ…。
なんかこう、緊張感とかさ……見つかりそうになるドキドキ感のあるイベントを
少しは期待していたのだが……柵も身体能力で切り抜け、トラップのようなものに引っかかってもシステムの故障と思われて何事もなく堂々と門の目の前へと辿りつきました。
まあ、ちょっと思っていたのとは違っていたがもういい。
この門の先に俺の自由が………。
俺は、ゆっくりと門の中へと入って行った。