卯月かわいいよ!
「うーちゃん、着任したぴょん!よろしくぴょん」
第一士官次室に明るい声が響いた。
緋色のクセのある髪に緋色の瞳をした小さな艦娘、卯月がそう、他のどう艦種の艦娘らに挨拶をしたからだ。
だが、その受けはあまりよくないようで、反応が少なかった。
というより聞いてるものもあまり多くなかった。
何故なら姉妹艦や同じ艦隊の娘とグループになって思い思いに話していた。
こうして卯月の着任の挨拶は終わった。
~
挨拶が終わり、自由時間となった。
皆やはり3~4人単位ぐらいで思い思いの場所へと散っていた。
そして一人残されたのは卯月であった。
「・・・あ、みんな・・・・・・」
卯月は思わずポツリと言葉をこぼした。
だが、そんな小さな声を都合良く聞いて誰かが話しかける、そんなことがあるほど現実は甘くなかった。
さらに、前から3人ほどのグループが歩いてくると、その1人が卯月と肩をぶつけてしまった。
「った・・・」
卯月は思わずしりもちをついてしまった。
「・・・」
ぶつかった方の子は少しの間卯月を見下ろしていたが、他の二人が先に行ってしまっているのに気づくと何も言わずに走り去ってしまった。
「あ・・・」
卯月はその光景を目にし、目を潤ませるとすぐに立ち上がり、泣いてしまうのをこらえるかのように走り去ってしまった。
そして、第一士官次室に卯月と入れ違いになるように数人の駆逐艦娘らが入ってきた。
~
資料室の端に一人の艦娘が膝を抱えていた。
その肩はときどき震え、頭は膝に埋めていた。
「う、うーちゃん、か、歓迎されてない・・・ぴょん・・・・・・」
司令官さんはうーちゃんのことをずっと探してくれたって言ってくれて、すごく嬉しかったぴょん。
なのになんでこんなに冷たくされるぴょん?
司令官さんはやっと来てくれたんだ、歓迎してくれるさ、って言ってたのに・・・。
なんで、なんで・・・
「そう言えば卯月って子、着任したよね」
そんな話声が卯月の耳に入ってきた。
思わず卯月は背筋がピンッとなった。
卯月はその会話に少し期待をした。
だが、その会話の内容は卯月の期待を裏切った内容であった。
「ああ、あの子ね。来るまでに何回出撃したかなぁ。もう、あの子のために消費した資材がどれだけ行ったことか・・・。もううんざりっぽい」
「まあ、確かにね。僕も何度轟沈しそうになったことか・・・。そんなに必死になってやるほどの子でもないと思うけどね」
「その上、あの子ったら提督さんのお気に入りっぽいし。正直ちょっとウザいっぽい」
「どうせいても遠征ぐらいでしか役に立たないあの子のどこがいいんだろう・・・。あんなのより絶対僕の方がいいのに、司令官さんは・・・。あんなのいなきゃいいのに!」
「ビクッ」
卯月はその強い言葉に体を震えさせた。
そして、その台詞に心を痛めていった。
「うーちゃんはやっぱり、歓迎されてなかったぴょん・・・ぐすん」
卯月は声を上げないようにするので精一杯だった。
流れ出た涙はスカートを濡らしていった。
そして、泣き止んだのは消灯時間間近、もう資料室には誰もいない時間になってだった。
「もう、いやだ・・・ぴょん」
卯月は泣き疲れ、フラフラとしながらようやく立ち上がった。
もう周りは暗く、その闇がさらに卯月に孤独だと強く訴えかけているようだった。
ガタン
「ビクッ」
突然の物音に卯月の表情に恐怖が浮かんだ。
それでも卯月はもの音のする方へと勇気を出して歩いた。
「・・・な、なんだ、机に置いてあった本が落ちただけぴょん」
卯月は怖くないと言い聞かせるかのように大きな声でそう言った。
だが、その声がいやに部屋に響いたのが逆に卯月に一人だという事を再認識させてしまった。
「う、うーちゃんは一人でも大丈夫ぴょん、うさぎは一人でいる方がいいんだぴょん」
強がりで言ったその言葉は涙ぐみながら半ば叫んでいたため、卯月の必死さがよく出ていた。
ガチャ
「!」
突然、ドアの開く音が聞こえ、卯月はその方向へ目を向けた。
だが、その方は震え、まるで何かを恐れ、怖がっているかのようであった。
卯月の方からすると、ドアなる方には本棚があり、誰が入ってきたのかがわからなかった。
カツ カツ
足音が卯月の元へと近づいてきた。
卯月はそのたびに肩を震わせた。
足音はもうすぐ近くになった時、止んだ。
そして、
「え・・・やよ、い?」
本棚の陰から姿を現したのは卯月の姉妹艦である姉、弥生であった。
そして弥生は表情を変えずに、静かに卯月の方へと近づいて行った。
「え、ちょ、どうした・・・ぴょん?」
卯月はまた逃げ出そうと思った。
だけど、それはかなわなかった・・・。
何故なら・・・
「ごめんね、卯月。卯月が来てくれて、私、嬉しいよ」
そういい、弥生は卯月のことを抱きしめたからだった。
「え、え・・・あ、ああ、ぅあああああーーーーん」
卯月は抱きしめられた瞬間は訳も分からなそうにしていたがすぐに泣き出してしまった。
さっきまでずっと泣いて、泣いて、もう涙が出ないと思っていたのに、泣けたことに卯月は少し驚いていた。
だけど、そんなこと、すぐにどうでもよくなって、ひたすら姉の胸を涙で濡らしていった。
弥生も、そんなことを気にする様子もなく、ただ、ただ、号泣し続ける卯月を抱きしめていた。
なぜボクはこんな暗いのしか書いてないのだ・・・。
一応続きがあります。
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