絶対正義は鴉のマークと共に   作:嘘吐きgogo

3 / 18
非常に難産でした。
実は前回の話は今回の分と次回の分が合わさっていたのですが、急ぎすぎと思い分割したせいで、書く事が増えてしまい。まとめるのが大変でした。

昨日の内に更新しようとしたのに大失敗でした。



3話ー港町

床をモップで拭いた後、ベットのシーツを新しいの変えて整える。

 既にここで働いて2週間たちました。本日も朝から宿屋の仕事をしています。

 最初はあんまり奇麗に直せなかったシーツも、毎日やっていたおかげからか、今ではピッシリと直せる様になった。ほんの些細な事だが妙な達成感があり、少し嬉しかったりする。

 

 

 空いてる部屋の掃除が終われば、モップとバケツを片付けた後、変えたシーツを洗濯する。

 この時代には洗濯機なんて便利な物が無いので、全て手洗いになる。といっても偉大なる航路の中には科学の進んだ島があり、そういった機械もある島もあるらしいが、この島は見た目通りの時代背景のようでそういいった便利な物は無い。

 井戸から水をくんで洗濯物をタライに突っ込む。タライと洗濯板を使って石鹸で汚れを落とすのは結構な重労働だ。この体になってから体力面で疲れた事は無いが、何度も同じ事を繰り返すのは精神面でかなり疲れる。

 洗い終わったシーツを物干竿に掛けて干すと、かけられた幾つものシーツの裾が風に煽られてヒラヒラと舞う。青空の下、白いシーツが風に舞う姿は見ていて気分の良い物で、洗っていた時の疲れも自然ととれてくる。

 

 洗濯が終わるとちょうどいい時間になったので、いつも通りマスター特製の料理をいただくため一階の酒場へと向かう。

 今日は何かな〜。マスターの料理は何でも美味しいのだけど、やっぱり魚料理がいいな。

 港町なので魚が新鮮で美味しいので、最近、魚料理にはまっている。自分の体の時は魚はそこまで好きではなかったんだけど、この体になって味覚が変わったのも原因だと思う。好みが変わった事にはそこまで困ってないけど、コーヒーが飲めなくなった事と辛い物が食べれなくなった事が非常に残念だ。

 酒場に着くとマスターが既に料理をしてくれていた。

 

「マスター、おはようございます」

「……」

 

 マスターはこちらに目をやると、微妙に頷く。これがここに住み着いてから、毎日交わしてる挨拶だ。

 この人は基本的に何か言いつけるとき以外はあんまり口を開かない。もう慣れたし、これはこれでこの人の魅力の一つだと思っている。

 私がマスターが料理をしている前のカウンター席に座るとちょうど料理ができたようで、マスターはフライパンから皿に料理を盛りつけてカウンター越しに渡してくれた。

 薄い黄色の麺の上に鮮やかな緑の野菜。所々に見える赤い欠片は唐辛子か。皿には殻が着いたままの貝が数個盛られており、オリーブオイルとニンニクの香りが食欲をそそる。

 今日は貝のパスタのようだ。

 

「それじゃあ、いただきま〜す」

「……」

 

 マスターはまた微妙に頷く事で了承の意を示す。

 パスタを一緒に出されたフォークでクルクルと巻いて口に含むと、程よく茹でられたパスタが弾力をもって、しっかりとした歯ごたえを伝えてくる。

 パスタ自身の薄めの味に貝の旨味と、ニンニクの刺激的な味がよく混ざり合っている。オリーブオイルの香りで貝の臭みも感じられない。

 一口食べごとに後味をひいて、止まらない。

 

「やっぱり、マスターの料理は美味しいな〜」

 

 美味しい物を食べたからか、自然にニコニコとした笑顔を顔に浮かべながら料理を口に運ぶ。背中に目をやれば、羽がパタパタと機嫌良さそうに動いているのが見える。この羽、その時の気分で結構動くらしく、機嫌がいいと今みたいに軽く羽ばたき、気分が落ち込んでいると羽もうなだれる。

 

「……ウツホ」

 

 料理を食べていると、渋くて重たい声がマスターから発せられる。相変わらず、良い声してるな〜。

 因みに私は霊烏路 空と名乗っている。自分の名前はこの姿に合わないし、ウツホと呼ばれるのも妙にしっくり来るからだ。そういやこの世界、西洋っぽいくせに名字が前なんだよね。日本名だから特に気にしなくていいけど。

 それとマスターの名前は知らない。「マスターと呼べ」としか言われなかったからだ。

 

「食べ終わったら、買い出しに行ってこい」

 

 そう言ってリストの書かれたメモを渡された。

 この時間にマスターが話しかけるのは大抵、買い出しの事だとわかっていたので特に気にせずにメモを受け取った。

 

「ふぁーい」

「……飲み込んでから、返事をしろ」

 

 ごめんなさい。もぐもぐ。

 

 

 

 

 片手に買い出しメモを持って大通りを歩く。

 今の私の格好は、この世界に来た時のウツホの格好に右手の制御棒を外した姿である。町を歩く時はいつもこの格好をしている。

 

「おっ! お空ちゃん買い出しかい?」

 

 店に着くと店のおじさんが話しかけてくれた。この島に来てから、何度もこの店に来ているので名前を覚えてくれている。

 お空というのはゲームでのウツホのあだ名みたいな物で、私は名前を名乗る時ウツホでもお空でもどっちでも好きな様に呼んでくださいと言っている。マスターはウツホだが、大抵の人はお空と呼ぶ。お空のが発音しやすいからかな?

 

「はい、おじさん。このメモにあるのください」

「あいよ! 全部で一万八千と七百ベリーだよ」

 

 私は買い出し用の財布から言われた通りの金額をおじさんに渡す。

 ベリーとはこの世界の通貨である。一ベリー、約一円なので、金銭感覚がずれる事は無かった。

 

「毎度。これいつも買ってくれるサービスね」

 

 メモに書かれた食材と一緒にリンゴを一つ渡してくれた。

 いつもって言ってもまだそんなに来ていないんですけどね。私ここに着たの二週間前ですし。

 

「わぁ〜、ありがとうおじさん」

 

 リンゴも味覚が変わった後に好物になった物の一つで、とても嬉しかったので些細な事は気にしない事にした。

 おじさんに笑顔でお礼を言うと、おじさんも笑顔でまたおいでと返してくれた。

 

 

 

 

 おじさんにもらったリンゴを齧りながら、着た道を戻っている途中、町の壁に貼られているとある物に気がついた。

 壁には所々に目つきの悪い人物の人相書きが張られている。人相書きにはその人物の名前とWANTEDの文字、そしてベリーのマークの横に数字が書かれている。

 海賊の手配書だ。私が今働いてるの酒場にも沢山張られている。

 ベリーのマークの横にある数字は、その人物の懸賞金である。その値段は様々で、三百万ベリーの物もあれば一億ベリーを超える物もある。

 最近、知った事では、この世界の海賊は懸賞金の額が世界に対する脅威度を表すらしいが、一体どのくらいが高いのか、そして低いのかはよくわからない。

 脅威度=強さという訳ではないらしいが、実力のある海賊はもちろんその懸賞金も高いらしい。

 海軍に入る以上、いつかは懸賞金の懸かっている海賊と戦う事にもなるかもしれないが、今の自分はどのくらいの海賊となら戦えるんだろう?

 そんな事を考えながら店へ戻った。

 

 

 

 今考えても仕方が無いか、そういった事は海軍に入ったらわかるだろうし。

 

 

 

 店に着くまでの道のりで、考えたついた答えはそんなものだった。

 最近、細かい事をあまり気にしなくなってきた気がするな〜。まぁ、環境が変わったからかな。

 買い出して着た食材を決まった場所に置くと、既に客の入っている酒場の手伝いを始める。

 

 酒場で仕事をしていると、客が話している色んな情報が入ってくる。

 といってもたいした事ではないけど。

 家の奥さんの話しとか、新たに入ってきた珍しい品物の事とか、何所のお店の子がかわいいとか、そんな些細な事だ。

 

「例の場所な調査団が向かったが、調査の結果は何も無かったらしいぞ」

「あの、二週間前に海から蒸気が出た奴だろ? ホットスポットじゃなかったのか?」

「あぁ、あの辺には海底火山があったという記録は無いし、あれ以来、蒸気も出ていないらしい」

 

「ここんところ、あの海蛇が出てこなくて助かるぜ」

「あぁ、あの海蛇には手を焼いていたからな〜」

「全くだ、海王類は貿易が盛んなこの島にゃあ海賊と同じぐらい厄介だからな〜」

 

 ……些細な事。うん、些細な事ばっかりだ。

 どこかで聞いた事のあるような話しを内心冷や汗を流しつつ聞き流して、私は新たに注文された料理をマスターに告げるのだった。

 

 

 

 

 

 私がこの町にきてから三週間近くたったある日に、何故かマスターからお休みをもらった。

 海軍に入る事は既にマスターに述べており、海軍が来るまでの一ヶ月間は働くので住み込みで働く事をお願いしたはずなんだけど。

 

「もうすぐこの町を出るんだ。よくこの町を見とけ」

 

 との事です。

 ほんと無駄にかっこいいなマスター。

 

 

 

 そんな訳で久しぶりに朝ゆっくり起きて、町に出て来た。

 といっても何をすることなくブラブラと町を散歩している。普段、町には出ないので何をしようか悩む。

 買い出し以外では一度、服を買いに行ったのと、そのついでに本屋によった事がある程度だ。

 

 ここに来た時、会話は問題なくできたが文字はどうなのか気になって調べたのだが、この世界の文字は日本語と英語が多く普及しているみたいだ。英語でも簡単な物なら読めるので、本屋で何冊か本を買って暇な時に読んでいた。この時代にしては意外と本が安かったのだ。多分、技術の発展した島では印刷技術が普及しているのだろう。

 買った本の中でも目を引いたのが悪魔の実の図鑑だ。

 まさか図鑑があるとは思わなかったな〜。

 即刻、買って読んでみた結果、様々な事がわかったので大収穫だった。

 

 悪魔の実は大きくわけて三種類ある。

 超人(パラミシア)系、動物(ゾオン)系、自然(ロギア)系の三つだ。

 

 超人系は通常ではありえない極めて特殊な体質になったり、他に作用する魔術的な能力が身に付くらしい。また三つの中で最も確認されてる数が多い。また基本的に能力者の原型をとどめる物がほとんどである。

 

 動物系は動物への変身能力が付く物らしい。能力者は人形、獣型、その中間形態への計三つの形態に変身ができる。

 能力者の身体能力が純粋に強化される唯一の物で、動物系中には絶滅動物に変身できる「古代種」や伝説の動物に変身できる「幻獣種」など希少な物もあるようだ。また亜種が非常に多く、その場合はモデル〜と呼び分けるそうだ。

 例えば犬に変身する悪魔の実:イヌイヌの実ならばモデルダックスフンドやモデルウルフ等があるようだ。

 私の場合を悪魔の実に例えるなら、この種になるんだろけど、私は三形態に変身はできないので、幻獣種などの希少な種を名乗ってごまかすしか無いかも。

 

 自然系は身体を自然現象その物に変化させ自在に操る物らしい。三種の中では最も希少で、その特性の強力さから、三種の中で最強の実とされている。

 

 後わかったのは、悪魔の実は二つ以上食べる事ができないという事と同時期に同じ実は存在できないという事だ。

 悪魔の実の能力者との戦いで最も大切なのは、相手が何の実を食べたかを知る事になるね。

 手配書も名前と金額だけじゃなくて、能力者かどうか、能力者ならどんな実かを書いてほしいもんだ。

 

 

 

 

 

 ブラブラと町を歩いていると、中央広場に出た。

 ここには大きな噴水と、教会があり、決まった時間に教会が鐘を鳴らすといった所謂お決まりの西洋の町の姿が見える。

 ここは少し高台となっていて見晴らしがとてもよく、ここから港や海が見えのでこの町の市場に次ぐ人気スポットでもある。

 

 広場に出ていた屋台で穴の空いていないドーナツのような物をいくつか買って、見晴らしの良い草場に座りくつろぐ事にする。

 う〜ん。いい天気で気持ちいいな〜。

 爽やかな日差しの中、羽を広げて日光浴をしながら仰向けに寝転がると、とても気持ちよかった。

 今の姿を想像すると、ちょっと鳥っぽいかも。

 そんな風にのんびりしながら、先ほど買ったドーナツのようなお菓子が入った袋から一つ取り出すと

 

「ミャー」

「ミャー」

「ミャー」

「ミャー」「ミャー」「ミャー」「ミャー」「ミャー」「ミャー」「ミャー」「ミャー」「ミャー」「ミャー」「ミャー」「ミャー」

 

 バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ。

 

「おぉう!?」

 

 大量のウミネコにたかられた。

 

 

 

 結局、お菓子をほとんど取られてしまった。

 目の前で地面に落ちたお菓子をウミネコ達がついばんでるのを見ながら、死守した一個を食べてている。

 

「他の人も食べてるのに、なんでそっちには行かないの?」

「ミャー」

 

 結果的に餌付けになったのか、私の周りから離れないウミネコに聞いてみたが、どうやら地獄鴉は他の鳥の言葉はわからないらしい。

 まぁ、いいか〜。

 しばらくウミネコの群れに囲まれながら日光浴の続きをする事にした。

 

 

 

 

 ただその状況は十分も続かなかった。

 なぜなら、ヒューと何かが撃ち上がるような甲高い音の後に、破砕音と大きな振動を残し目の前の教会が崩れ去ったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ウミネコが一斉に飛び立って、群がられてた私はとても痛かったです。。

 




会話、増やすなんて言ったのは誰だ! また説明口調文章ばっかりじゃないか!
俺です、ごめんなさい。会話、増やせなかったよ、ごめんなさい。
まだメインのキャラがいないんで会話できないだけなんです。きっと。
次からは会話も増えると思います。

主人公はワンピースの事あまり知らないので、ワンピースの説明がかなり多くなってしまうのはご勘弁ください。

東方知らない人への設定
地獄鴉:ウツホの種族です。地獄にいる鴉。
    ウツホは八咫烏を飲み込んで姿が以前とだいぶ変わってしまっている。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。